フィーネ
ChonoTRPG
DOODLE余りにも自分が自滅してたしか見せれていなかったと思うソレです。去年の8月14日のものだそうです。
そういえば描いていたな、と思いつつ完成させるにもメンタルすぎて無理で
正直今も引きずってるからこの絵に加筆しようと思えません。未完らくがきなくらいがちょうどいい気もする。
エリュフィーネ現行未通過×
エンド○○の絵です。覚悟はよろしいですか?
pass⇀yes
FineRisoluto
DONE!FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください!★この小説について★
FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.02その14 カットリスは視界に入った「それ」を見なかったことにした。
誰もいないミーン工芸館。朝一番にここにきて、一日の仕事の準備をし、コーヒーを入れて一息つく。彼女のモーニングルーティンだ。
「夜が戻って、時間の使い方にもメリハリがつくようになったね。何十年も生きていて、夜に暗くなるなんて概念なかったから最初は戸惑ったけれど。慣れると良いものだね」
静かな時間が流れていく。どこかで鳥のさえずりが聞こえる。朝のやや冷えた独特の空気感。
誰もいないミーン工芸館……。
「誰もいないんだけどね……いつもなら」
スルーしきれなくなり、カットリスはついに「それ」に話しかける。
「あんた、いつまでその状態でいるつもり?」
静かな時間が流れていく。鳥はいなくなったようだ。「それ」からの反応が得られないカットリスはややいらだちを含んだ声を上げる。
2172誰もいないミーン工芸館。朝一番にここにきて、一日の仕事の準備をし、コーヒーを入れて一息つく。彼女のモーニングルーティンだ。
「夜が戻って、時間の使い方にもメリハリがつくようになったね。何十年も生きていて、夜に暗くなるなんて概念なかったから最初は戸惑ったけれど。慣れると良いものだね」
静かな時間が流れていく。どこかで鳥のさえずりが聞こえる。朝のやや冷えた独特の空気感。
誰もいないミーン工芸館……。
「誰もいないんだけどね……いつもなら」
スルーしきれなくなり、カットリスはついに「それ」に話しかける。
「あんた、いつまでその状態でいるつもり?」
静かな時間が流れていく。鳥はいなくなったようだ。「それ」からの反応が得られないカットリスはややいらだちを含んだ声を上げる。
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FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.02その13「はい、これ」
ミーン工芸館の奥から、カットリスが押してきた『それ』はフィーネの思いもよらない形状をしていた。
「え……なにこれ」
思わず足を一歩引く。
「ミーン工芸館特製バイクさ」
「ばいく」
黒光りする車体に大きなマフラー。魔道アーマーなどとは違う圧力を感じる乗り物だ。
「ワッツ・ハンマーガレージのドワーフと協力して完成させたのさ聞くところによると、あんたも彼らとは協力関係にあるんだろう」
ロニットはこんなものまで作っていたのか。
「この間顔を出した時には何も言ってなかったのにな」
フィーネはしゃがみこんでバイクの仕組みを調べようとする……がさっぱりわからん。
「企業秘密ってやつだべなにせ、最近まで実現できるのかもわからなかったからな」
3456ミーン工芸館の奥から、カットリスが押してきた『それ』はフィーネの思いもよらない形状をしていた。
「え……なにこれ」
思わず足を一歩引く。
「ミーン工芸館特製バイクさ」
「ばいく」
黒光りする車体に大きなマフラー。魔道アーマーなどとは違う圧力を感じる乗り物だ。
「ワッツ・ハンマーガレージのドワーフと協力して完成させたのさ聞くところによると、あんたも彼らとは協力関係にあるんだろう」
ロニットはこんなものまで作っていたのか。
「この間顔を出した時には何も言ってなかったのにな」
フィーネはしゃがみこんでバイクの仕組みを調べようとする……がさっぱりわからん。
「企業秘密ってやつだべなにせ、最近まで実現できるのかもわからなかったからな」
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FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.02その12 ファノヴの里に滞在して数日。
すっかり里中の装備を修理して回ったフィーネは、クリスタリウムへの帰路につく。
「ありがとね」
「また来いよな」
ウィメが肩をばしばし叩いてくる。力加減して欲しい。
「次はシャイメにも会ってやってくれ。きっと喜ぶ」
シャイメは姉であり里の長であるアルメから受けた仕事でしばらく戻らないようだ。
「はいよ」
フィーネはしゅた、と片手を挙げて答える。そして手を振りながら歩き出し、前を向くとゆっくりと手を高く挙げて後ろのアルメとウィメに振ってみせた。
「若木、あなた、それ彼の真似」
「ん」
「あら。無意識なのね。まったくあなたってヒトは……」
フェオが小言を言い始める。フィーネはまた何かしたかと考えるが特に思い当たるところはない。
2399すっかり里中の装備を修理して回ったフィーネは、クリスタリウムへの帰路につく。
「ありがとね」
「また来いよな」
ウィメが肩をばしばし叩いてくる。力加減して欲しい。
「次はシャイメにも会ってやってくれ。きっと喜ぶ」
シャイメは姉であり里の長であるアルメから受けた仕事でしばらく戻らないようだ。
「はいよ」
フィーネはしゅた、と片手を挙げて答える。そして手を振りながら歩き出し、前を向くとゆっくりと手を高く挙げて後ろのアルメとウィメに振ってみせた。
「若木、あなた、それ彼の真似」
「ん」
「あら。無意識なのね。まったくあなたってヒトは……」
フェオが小言を言い始める。フィーネはまた何かしたかと考えるが特に思い当たるところはない。
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FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.02その11「やっぱり左右にも飛びまわるのだわ」
空から眺めていたフェオが茶化す。
「必死に避けただけだよ。びっくりした」
「ごめんって」
謝るウィメは、フィーネの修理で元通りになった槍を手にさっそく鍛錬を始めている。型の練習だろうか。
「私もソイルがジャムったガンブレードでゼノスと戦った時は死ぬかと思ったよ」
思い出した記憶を払うようにフィーネが首を振る。
「そうだ、ガンブレードあのヘンテコな剣どうしたんだ銀髪のにーちゃんとおそろいだったろ」
別におそろいだったわけではない。同時期にガンブレイカーの鍛錬を始めただけだ。第一世界で出会った時、お互いの得物を見て驚いたものである。
「最近は使ってないね」
「飽きちゃったのか」
1481空から眺めていたフェオが茶化す。
「必死に避けただけだよ。びっくりした」
「ごめんって」
謝るウィメは、フィーネの修理で元通りになった槍を手にさっそく鍛錬を始めている。型の練習だろうか。
「私もソイルがジャムったガンブレードでゼノスと戦った時は死ぬかと思ったよ」
思い出した記憶を払うようにフィーネが首を振る。
「そうだ、ガンブレードあのヘンテコな剣どうしたんだ銀髪のにーちゃんとおそろいだったろ」
別におそろいだったわけではない。同時期にガンブレイカーの鍛錬を始めただけだ。第一世界で出会った時、お互いの得物を見て驚いたものである。
「最近は使ってないね」
「飽きちゃったのか」
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FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.02その10「美味しかった……」
いっぱいになったおなかをさするフィーネの口から、ふぁ、とひとつあくびが出る。
となりにいたフェオもふわぁ、とあくびする。
「お、移った」
「移っていないのだわ」
ウィメがからかうように言い、フェオが返す。
「フェオ=ウルってフィーネ以外に冷たいよな」
「そんなことはないのだわ」
そんな二人を横目に、フィーネが立ち上がる。
「じゃあ、ごはんもいただいたところで」
「うん?」
相槌を打つウィメは槍を磨いている。
「帰るね」
「まてまて」
あわてて槍から手を放し、ウィメの手がフィーネの肩をつかんだ。
「食い逃げで指名手配するぞ」
「御無体な」
笑顔でウィメの手をはがそうとする。
(握力つっよ)
(笑顔でめちゃくちゃ抵抗するなコイツ)
2078いっぱいになったおなかをさするフィーネの口から、ふぁ、とひとつあくびが出る。
となりにいたフェオもふわぁ、とあくびする。
「お、移った」
「移っていないのだわ」
ウィメがからかうように言い、フェオが返す。
「フェオ=ウルってフィーネ以外に冷たいよな」
「そんなことはないのだわ」
そんな二人を横目に、フィーネが立ち上がる。
「じゃあ、ごはんもいただいたところで」
「うん?」
相槌を打つウィメは槍を磨いている。
「帰るね」
「まてまて」
あわてて槍から手を放し、ウィメの手がフィーネの肩をつかんだ。
「食い逃げで指名手配するぞ」
「御無体な」
笑顔でウィメの手をはがそうとする。
(握力つっよ)
(笑顔でめちゃくちゃ抵抗するなコイツ)
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FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.02その9「それで依頼主を殴り倒してしまったと」
ファノヴの里の長、アルメは右手を頭にあてて考え込んでいる。小さくため息も聞こえる。
「なるべく里でやっかいごとはやめてほしいのだがな」
「メンボクナイ」
フィーネは虚空を見ながら淡々と謝罪する。
これは「ワタシワルクナイヨ」と思っている時の顔だ。
「だってあいつが先にさぁ」
ぶつぶつ言い出した彼女の話に割って入った者がいる。
「なになにやっかいごとって」
アルメの妹のウィメである。
「楽しそうに言うんじゃあない」
長女が次女をたしなめる。
「楽しいだろーやっかいごと」
気にも止めない様子でフィーネから事の次第を聞き出していく。
「あー、そいつこの間シャイメに振られたやつじゃん。いーよその辺に転がしておけば」
1677ファノヴの里の長、アルメは右手を頭にあてて考え込んでいる。小さくため息も聞こえる。
「なるべく里でやっかいごとはやめてほしいのだがな」
「メンボクナイ」
フィーネは虚空を見ながら淡々と謝罪する。
これは「ワタシワルクナイヨ」と思っている時の顔だ。
「だってあいつが先にさぁ」
ぶつぶつ言い出した彼女の話に割って入った者がいる。
「なになにやっかいごとって」
アルメの妹のウィメである。
「楽しそうに言うんじゃあない」
長女が次女をたしなめる。
「楽しいだろーやっかいごと」
気にも止めない様子でフィーネから事の次第を聞き出していく。
「あー、そいつこの間シャイメに振られたやつじゃん。いーよその辺に転がしておけば」
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FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.02その8 フェオの眼前にはヴィースの男性が仰向けに倒れている。端正な顔立ちが腫れ上がり、唇の端は切れ白目を剥いていた。
「しつこー‼︎」
眉間にしわをよせながらフィーネが顔についた泥をぬぐう。男性から逃げ回った際に跳ねたものだ。
「後ろにもついているわ」
ハンカチを受け取って、銀色の髪に飛んだ泥をフェオが拭き取っていく。
「ありがと」
拭き終わったハンカチを見てフィーネが顔をしかめる。
「汚れたねえ……」
「洗えそうなところはあるかしら?」
「ううん、もう古くなっていたから良いよ。ごみ箱あるかな」
見回してみるが見当たらない。
「燃やせば良いのだわ」
「そうするか」
気軽に言い放ったフィーネは両手杖を取り出した。
「岩砕き骸ごろごろ地に潜んだなんちゃらがぎゅっとなってどーん」
1387「しつこー‼︎」
眉間にしわをよせながらフィーネが顔についた泥をぬぐう。男性から逃げ回った際に跳ねたものだ。
「後ろにもついているわ」
ハンカチを受け取って、銀色の髪に飛んだ泥をフェオが拭き取っていく。
「ありがと」
拭き終わったハンカチを見てフィーネが顔をしかめる。
「汚れたねえ……」
「洗えそうなところはあるかしら?」
「ううん、もう古くなっていたから良いよ。ごみ箱あるかな」
見回してみるが見当たらない。
「燃やせば良いのだわ」
「そうするか」
気軽に言い放ったフィーネは両手杖を取り出した。
「岩砕き骸ごろごろ地に潜んだなんちゃらがぎゅっとなってどーん」
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FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.02その7 フェオは階段の上からミーン工芸館を見下ろすのが好きだった。
クリスタリウムの発展を支えてきたミーン工芸館。時に困難に立ち向かうために頭をひねり、時に祝杯をあげてバカ騒ぎをした。
以前はその輪の中に水晶公もいた。
今はもう、彼はいない。
ただ彼が救いたいと願った人は、フェオの『かわいい若木』として今ここに生きている。
彼の決意が、意志が、希望が彼女の命となって燃え盛っているのだ。
彼が憧れた「英雄」とは違うかもしれないが、彼女はいま、工芸館の一員として新たなスタートを切ろうとしている。
彼なら、そんな彼女の背中でも押してくれただろう。
……結局寝坊して、出勤初日からカットリスに謝り倒す『元』英雄をどう思ったかはわからないが。
1297クリスタリウムの発展を支えてきたミーン工芸館。時に困難に立ち向かうために頭をひねり、時に祝杯をあげてバカ騒ぎをした。
以前はその輪の中に水晶公もいた。
今はもう、彼はいない。
ただ彼が救いたいと願った人は、フェオの『かわいい若木』として今ここに生きている。
彼の決意が、意志が、希望が彼女の命となって燃え盛っているのだ。
彼が憧れた「英雄」とは違うかもしれないが、彼女はいま、工芸館の一員として新たなスタートを切ろうとしている。
彼なら、そんな彼女の背中でも押してくれただろう。
……結局寝坊して、出勤初日からカットリスに謝り倒す『元』英雄をどう思ったかはわからないが。
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FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.02その6「ラリホップ体操だいいち~」
半開きのまぶたが閉じないように必死に眠気をこらえながら、かすれた声を絞り出す。
普段から寝起きが悪いフィーネはその朝、特にすっきり起きられずにいた。
こうなったら目を覚ます奥の手を使うしかない。
「左右にらり……ほ~してわきをのばすうんどう……」
右にらりほー、左にらりほー。ドワーフに教わったダンスをして目を覚まそうとする。
腕を伸ばしたまま動きが止まる。
「ほら若木、早く目を覚まさないと仕事に遅れてしまうわ」
昨夜、先に寝ついたフェオは反対に元気いっぱいである。
「むーーーり今日ふぃーねさん無理でーすねまーすさぼりたいでーす」
「眠いのなら、眠るとよいのだわ!」
「フェオちゃーん?それだと寝坊になっちゃう」
959半開きのまぶたが閉じないように必死に眠気をこらえながら、かすれた声を絞り出す。
普段から寝起きが悪いフィーネはその朝、特にすっきり起きられずにいた。
こうなったら目を覚ます奥の手を使うしかない。
「左右にらり……ほ~してわきをのばすうんどう……」
右にらりほー、左にらりほー。ドワーフに教わったダンスをして目を覚まそうとする。
腕を伸ばしたまま動きが止まる。
「ほら若木、早く目を覚まさないと仕事に遅れてしまうわ」
昨夜、先に寝ついたフェオは反対に元気いっぱいである。
「むーーーり今日ふぃーねさん無理でーすねまーすさぼりたいでーす」
「眠いのなら、眠るとよいのだわ!」
「フェオちゃーん?それだと寝坊になっちゃう」
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FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.02その5「きのこばかりで飽きないのかしら」
シャレンテールにギルバン。黒衣森で採集したきのこが、テーブルの上の皿にこれでもかと盛り付けられている。
バターで焼き、鶏肉と合わせて炒めるなどしているが、結局のところ皿の上は大半がきのこなのである。
「そろそろ食べきらないとまずいかなって」
調理したのはもちろんフィーネだ。
「大丈夫なの傷んでいないか心配なのだわ」
フェオはテーブルの上にうつ伏せになり、両手でほおづえをついて皿を眺めている。
「凍らせておいたから大丈夫だよ。たぶん」
食料保存にも便利、アイスシャードの出番だ。
「たぶん……」
「凍らせれば一ヶ月は保つってミューヌさんが言ってたから」
「ふうん」
ひたすらきのこを平らげていくフィーネを眺めながら、フェオもひとつかみ、きのこを食べる。
1947シャレンテールにギルバン。黒衣森で採集したきのこが、テーブルの上の皿にこれでもかと盛り付けられている。
バターで焼き、鶏肉と合わせて炒めるなどしているが、結局のところ皿の上は大半がきのこなのである。
「そろそろ食べきらないとまずいかなって」
調理したのはもちろんフィーネだ。
「大丈夫なの傷んでいないか心配なのだわ」
フェオはテーブルの上にうつ伏せになり、両手でほおづえをついて皿を眺めている。
「凍らせておいたから大丈夫だよ。たぶん」
食料保存にも便利、アイスシャードの出番だ。
「たぶん……」
「凍らせれば一ヶ月は保つってミューヌさんが言ってたから」
「ふうん」
ひたすらきのこを平らげていくフィーネを眺めながら、フェオもひとつかみ、きのこを食べる。
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FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.02その4 ペンダント居住館の前を通りかかったエルフは、甘い香りに誘われた。窓の空いている一室からハーコットの香りが流れ出ている。
そういえば最近甘味を食べていない。
元より香りの強いハーコットが目立つが、他にも果物を使っているように気がする。それなりの手間をかけて作られているのかもしれない。
あの部屋の住人は何か祝いごとでもあったのだろうか。
「ご所望の品です」
うやうやしい態度で妖精王に器をお届けする。
「くるしゅうないのだわ」
器には果物を煮詰めてゼラチンで固めた涼菓、ハーコットゼリーが盛り付けられている。
「ふーん」
と、ゼリーの周りを飛びながら観察するフェオに、フィーネは謝罪する。
「お茶かけちゃったのごめんよ!!」
2592そういえば最近甘味を食べていない。
元より香りの強いハーコットが目立つが、他にも果物を使っているように気がする。それなりの手間をかけて作られているのかもしれない。
あの部屋の住人は何か祝いごとでもあったのだろうか。
「ご所望の品です」
うやうやしい態度で妖精王に器をお届けする。
「くるしゅうないのだわ」
器には果物を煮詰めてゼラチンで固めた涼菓、ハーコットゼリーが盛り付けられている。
「ふーん」
と、ゼリーの周りを飛びながら観察するフェオに、フィーネは謝罪する。
「お茶かけちゃったのごめんよ!!」
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FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.02その3 必要な資材を製作してカイ・シルに渡す。彼はいつも感激し、報酬としてクラフタースクリップを渡してくれる。これがあれば、特別な食材を分けてもらうことができる。
マテリアと交換して売却するのも悪くない……。
「それにしても、どら褒めるやん」
「どら」
フェオが不思議そうな顔でフィーネを見る。
「ごめん。方言でちゃった」
普段は標準語を心がけているのだけど。
「すごく褒められたな、ってこと。カイ・シルはおおげさだよ」
「あなた器用だとは思うわよ」
フェオはふぁ、とあくびをしている。彼女にとってユールモアは退屈なようだ。
「『美しい枝』に褒められるのは悪くないねえ」
フィーネは口元を拭きながら皿を重ねる。自分の分とフェオの二人分だ。
816マテリアと交換して売却するのも悪くない……。
「それにしても、どら褒めるやん」
「どら」
フェオが不思議そうな顔でフィーネを見る。
「ごめん。方言でちゃった」
普段は標準語を心がけているのだけど。
「すごく褒められたな、ってこと。カイ・シルはおおげさだよ」
「あなた器用だとは思うわよ」
フェオはふぁ、とあくびをしている。彼女にとってユールモアは退屈なようだ。
「『美しい枝』に褒められるのは悪くないねえ」
フィーネは口元を拭きながら皿を重ねる。自分の分とフェオの二人分だ。
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FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.02その2 オプレッサーみたいだな。アマロに揺られながらフィーネは視線の先のユールモアを見て思う。
カイ・シルからフィーネ宛に手紙が届いた。
いわく、アルフィノにフィーネは一流の職人でもあると聞いている。それで頼みたいことがあると。
「アルフィノはビンタしよう」
本人の知らないところで噂を流すんだから。アリゼーだったら許す。
ユールモアの前でアマロから降りる。クリスタリウムから飛んで三十分。そしてそこから一時間半。ようやくユールモアに到着だ。
雨が降りだしている。濡れないうちに早く入ろう。
ユールモアは相変わらず仰々しい建物だ。見上げていると首が痛くなってくる。
アマロから荷を下ろす。今日は大荷物だ。
門番に声をかけ、台車を貸してもらう。ユールモアには多くの物資が必要なので、搬入の準備も整っている。
1858カイ・シルからフィーネ宛に手紙が届いた。
いわく、アルフィノにフィーネは一流の職人でもあると聞いている。それで頼みたいことがあると。
「アルフィノはビンタしよう」
本人の知らないところで噂を流すんだから。アリゼーだったら許す。
ユールモアの前でアマロから降りる。クリスタリウムから飛んで三十分。そしてそこから一時間半。ようやくユールモアに到着だ。
雨が降りだしている。濡れないうちに早く入ろう。
ユールモアは相変わらず仰々しい建物だ。見上げていると首が痛くなってくる。
アマロから荷を下ろす。今日は大荷物だ。
門番に声をかけ、台車を貸してもらう。ユールモアには多くの物資が必要なので、搬入の準備も整っている。
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FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.02その1 そしてフィーネは土下座した。
「信じられないのだわ」
「違うんですよ、『美しい枝』」
「違わないのだわ」
「本当に、そんなに渋味が強いと思わなかったから」
「もうあなたには近寄らないのだわ」
「そこをなんとかフェオちゃん昨日の私たち親友っぽかったじゃん嫌わないで見捨てないでー」
「え……あなた他に友だちいないのかしら」
「……」
「……」
目覚めると、フィーネはいつも通りに顔を洗う。髪を結おうとしたのだが、どうしてもまとめきれずに断念する。今日はなんだか直毛のクセが強い。
「ねむーいつかれたーもっかいねたーい」
ぶつぶつ言いながらやかんを取り、水を入れて火にかける。
「ごはーーーん」
戸棚をあさると、昨日作ったアップルタルトの残りが見つかる。
2116「信じられないのだわ」
「違うんですよ、『美しい枝』」
「違わないのだわ」
「本当に、そんなに渋味が強いと思わなかったから」
「もうあなたには近寄らないのだわ」
「そこをなんとかフェオちゃん昨日の私たち親友っぽかったじゃん嫌わないで見捨てないでー」
「え……あなた他に友だちいないのかしら」
「……」
「……」
目覚めると、フィーネはいつも通りに顔を洗う。髪を結おうとしたのだが、どうしてもまとめきれずに断念する。今日はなんだか直毛のクセが強い。
「ねむーいつかれたーもっかいねたーい」
ぶつぶつ言いながらやかんを取り、水を入れて火にかける。
「ごはーーーん」
戸棚をあさると、昨日作ったアップルタルトの残りが見つかる。
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DONE!FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください!FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.01その14 テメノスルカリー牧場に高台がある。
側には魔装砲が備えられている。監視を立てて罪喰いを迎え撃つための設備なのだろう。
今、ここに立つのはフィーネだけだ。大罪喰いが倒れ、はぐれ罪喰いも冒険者やそれを志す者に日々討伐されて数を減らしていると聞く。
もはや、罪喰いを恐れる生活は日常ではなくなった。冒険者が増えた背景にエリディブスの扇動があることを思うと複雑な心境ではあるが。
以前にもフィーネはこの場所を訪れた。イノセンスを討伐した直後、再びノルヴラントに光があふれた時のことである。
水晶公は連れ去られ、自身の身体も限界で、失意のどん底にあった時期であり。
罪喰いにならずに済んだのは、リーンの尽力によるものだ。光の巫女の力を受け入れた、彼女の覚悟があったからだ。
6081側には魔装砲が備えられている。監視を立てて罪喰いを迎え撃つための設備なのだろう。
今、ここに立つのはフィーネだけだ。大罪喰いが倒れ、はぐれ罪喰いも冒険者やそれを志す者に日々討伐されて数を減らしていると聞く。
もはや、罪喰いを恐れる生活は日常ではなくなった。冒険者が増えた背景にエリディブスの扇動があることを思うと複雑な心境ではあるが。
以前にもフィーネはこの場所を訪れた。イノセンスを討伐した直後、再びノルヴラントに光があふれた時のことである。
水晶公は連れ去られ、自身の身体も限界で、失意のどん底にあった時期であり。
罪喰いにならずに済んだのは、リーンの尽力によるものだ。光の巫女の力を受け入れた、彼女の覚悟があったからだ。
FineRisoluto
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大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.01その13 ふわり、とシナモンの香りが漂う。そのなかに混ざる香ばしさはメープルシュガーだろうか。もちろん酸味を含んだフェアリーアップルも感じられる。
「わぁ~っ」
満面の笑みのリーンがかわいい。フィーネはよそ見しすぎてうっかり火傷した。
「どうしたんですか?」
顔をゆがめたのを気づかれるが、フィーネは強がった。
「なんでもないよっさあ、食べようか」
ナイフを取ったフィーネだが、リーンに奪われる。
「わたし切り分けますね」
「え」
「あぶないから……」
「もうアクロバットしないから」
しばし、笑顔でナイフをつかむ二人が見つめ合う。
「大丈夫です」
「リーン。よくないと思うな」
「ちょっと何言ってるかわからないです」
「一体誰に似たんだい、その強情さは」
1283「わぁ~っ」
満面の笑みのリーンがかわいい。フィーネはよそ見しすぎてうっかり火傷した。
「どうしたんですか?」
顔をゆがめたのを気づかれるが、フィーネは強がった。
「なんでもないよっさあ、食べようか」
ナイフを取ったフィーネだが、リーンに奪われる。
「わたし切り分けますね」
「え」
「あぶないから……」
「もうアクロバットしないから」
しばし、笑顔でナイフをつかむ二人が見つめ合う。
「大丈夫です」
「リーン。よくないと思うな」
「ちょっと何言ってるかわからないです」
「一体誰に似たんだい、その強情さは」
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DONE!FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください!FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.01その12 斬撃、殴打、旋回し、そして炎。すさまじく動くフィーネの動きに、リーンは合わせようと必死に立ち回るが及ばない。
「フィーネさん、なんだか戦っているかのようですね」
「食べることは生きるということ。食べ物を作る調理場は、戦場だよ」
「わからなくもないんですけど、無駄な動きが多いと思います」
リーンは最近遠慮がなくなった、一体誰に似たんだろう。と、寂しさを感じつつもリーンの成長を喜ぶフィーネは頬に流れる汗をぬぐうと一息入れる。
「みんなの分も作ったから焼けたら食べてね」
調理開始後、一度はカットリスに「仕事に戻れ」と言われ散り散りになっていた職人たちだが、闇の戦士でもあるフィーネがのアクロバティックな調理に人が集まっていた。
1541「フィーネさん、なんだか戦っているかのようですね」
「食べることは生きるということ。食べ物を作る調理場は、戦場だよ」
「わからなくもないんですけど、無駄な動きが多いと思います」
リーンは最近遠慮がなくなった、一体誰に似たんだろう。と、寂しさを感じつつもリーンの成長を喜ぶフィーネは頬に流れる汗をぬぐうと一息入れる。
「みんなの分も作ったから焼けたら食べてね」
調理開始後、一度はカットリスに「仕事に戻れ」と言われ散り散りになっていた職人たちだが、闇の戦士でもあるフィーネがのアクロバティックな調理に人が集まっていた。
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フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.01その11「どうもー調理師のフィーネです」
「えっとじょ、助手のリーンです」
二人の目が合い、そのまま同時に頭をさげる。
「よろしくおねがいしまーす」
「よっよろしくおねがいします」
フィーネの拍手につられてリーンも拍手する。
「我が『美しい枝』みてるー今日もかわいいね愛してるぜ」
明後日の方角に決め顔でウィンクを飛ばす。リーンは黙っていれば美人なのになと思った。
「そしてーーーミーン工芸館のみんなみてるぅ」
なぞのテンションでゴリ押すフィーネにつられて歓声があがる。闇の戦士の肩書は絶大である。
「わ、わぁーっ」
「や、闇の戦士さま~」
「ふ、ふぅーーー」
前言撤回、闇の戦士の肩書をもっても、全然そろっていない。
2486「えっとじょ、助手のリーンです」
二人の目が合い、そのまま同時に頭をさげる。
「よろしくおねがいしまーす」
「よっよろしくおねがいします」
フィーネの拍手につられてリーンも拍手する。
「我が『美しい枝』みてるー今日もかわいいね愛してるぜ」
明後日の方角に決め顔でウィンクを飛ばす。リーンは黙っていれば美人なのになと思った。
「そしてーーーミーン工芸館のみんなみてるぅ」
なぞのテンションでゴリ押すフィーネにつられて歓声があがる。闇の戦士の肩書は絶大である。
「わ、わぁーっ」
「や、闇の戦士さま~」
「ふ、ふぅーーー」
前言撤回、闇の戦士の肩書をもっても、全然そろっていない。
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ある「元」光の戦士の6.01その10「ピクシー 仲直りの方法 おすすめ」
「どうしたんです、急に」
博物陳列館の螺旋階段のその先で、ベーク=ラグと議論していたモーレンがぽかんとした顔で聞き返す。
「ガーロンド社のデータベース検索システムは単語を並べると情報を出してくれたから……」
「ガーロ?よくわかりませんが、ピクシー族について知りたいということですね」
ガーロンドの名は通じなかったか。ミーン工芸館で実録システムが稼働していたし、こっちではアラグの方が知られているかもしれない。
「その通りです」
「とはいえ、ピクシー族に関しての資料は少ないんですよ。気まぐれでいたずらが好きというくらいかな」
そのくらいならフィーネも知っている。ただその気まぐれがよくわからないので聞きに来たのだが。
2495「どうしたんです、急に」
博物陳列館の螺旋階段のその先で、ベーク=ラグと議論していたモーレンがぽかんとした顔で聞き返す。
「ガーロンド社のデータベース検索システムは単語を並べると情報を出してくれたから……」
「ガーロ?よくわかりませんが、ピクシー族について知りたいということですね」
ガーロンドの名は通じなかったか。ミーン工芸館で実録システムが稼働していたし、こっちではアラグの方が知られているかもしれない。
「その通りです」
「とはいえ、ピクシー族に関しての資料は少ないんですよ。気まぐれでいたずらが好きというくらいかな」
そのくらいならフィーネも知っている。ただその気まぐれがよくわからないので聞きに来たのだが。
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ある「元」光の戦士の6.01その9「ただいまー」
ペンダント居住館の自室に勢いよく入る。あたりはすっかり暗くなったが無事帰還した。
部屋の中にはだれもいない。背後をドワーフがまじまじとこちらを見ながら通り過ぎていった。
フィーネはちら、と振り返ってそそくさと中に入り扉を閉める。
「ただいま」
椅子の下を覗き込むも、求めている姿はそこにはいない。
「我が『美しい枝』~?」
戸棚の瓶の陰を探す。
「おかしいなあ」
フィーネは荷物を下ろす。旅装を脱ぎ捨て、放り投げる。ドレッサーを開けて軽装に着替え、ソファに腰をおろしてようやく息をつく。
座ったまま荷解きをしながら、持ち帰った食材を取り出していく。
「なんだっけ、これ」
青々とした葉っぱをつまみあげる。そういえば、茶葉になりそうなので試しに持ち帰ったんだった。後で処理して煎茶にしてみよう。
1151ペンダント居住館の自室に勢いよく入る。あたりはすっかり暗くなったが無事帰還した。
部屋の中にはだれもいない。背後をドワーフがまじまじとこちらを見ながら通り過ぎていった。
フィーネはちら、と振り返ってそそくさと中に入り扉を閉める。
「ただいま」
椅子の下を覗き込むも、求めている姿はそこにはいない。
「我が『美しい枝』~?」
戸棚の瓶の陰を探す。
「おかしいなあ」
フィーネは荷物を下ろす。旅装を脱ぎ捨て、放り投げる。ドレッサーを開けて軽装に着替え、ソファに腰をおろしてようやく息をつく。
座ったまま荷解きをしながら、持ち帰った食材を取り出していく。
「なんだっけ、これ」
青々とした葉っぱをつまみあげる。そういえば、茶葉になりそうなので試しに持ち帰ったんだった。後で処理して煎茶にしてみよう。
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REHABILI!FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください!FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.01その8「こんなものかな」
シャンテレールをチョコボかばんにつめる。ミューヌに聞いた、バターで焼くだけで美味しく食べられるキノコだ。黒衣森の中央森林、ベントブランチに生息している。
他にも目ぼしい食材と生息場所を教えてもらい、採取を終えている。
暗くなる前にそろそろクリスタリムに帰ろうか。
黒衣森の北部森林へ向かおうとチョコボを走らせる。
「あれ」
フィーネはチョコボからおりてしゃがみこみ、足元の草を観察する。
「これ、お茶の葉に似てるな。なんだろう」
ミューヌの話では、グリダニア周辺で採取の茶葉はあまり流通していないということだったが。試しに持って帰ってみよう。
東部森林ではギルバンを手に入れた。これまたキノコであるが、こちらは鶏肉と合わせて炒めるのがおすすめらしい。
950シャンテレールをチョコボかばんにつめる。ミューヌに聞いた、バターで焼くだけで美味しく食べられるキノコだ。黒衣森の中央森林、ベントブランチに生息している。
他にも目ぼしい食材と生息場所を教えてもらい、採取を終えている。
暗くなる前にそろそろクリスタリムに帰ろうか。
黒衣森の北部森林へ向かおうとチョコボを走らせる。
「あれ」
フィーネはチョコボからおりてしゃがみこみ、足元の草を観察する。
「これ、お茶の葉に似てるな。なんだろう」
ミューヌの話では、グリダニア周辺で採取の茶葉はあまり流通していないということだったが。試しに持って帰ってみよう。
東部森林ではギルバンを手に入れた。これまたキノコであるが、こちらは鶏肉と合わせて炒めるのがおすすめらしい。
FineRisoluto
REHABILI!FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください!FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.01その7「うま……」
フィーネはマーモットステーキにかぶりつき、ミントラッシーをのどに流し込む。つけあわせのキノコのソテーも平らげて、ふーっ、とひと息ついて食べ終える。
「こんなにたくさん食べたのはひさびさだよ」
「相変わらずいい食べっぷりだね。でも、昔の君は倍は食べていたように思うけれど」
カーラインカフェのミューヌが食後のお茶を出してくれる。程よい温かさとすっきりした香りが心地よい。
「これってイシュガルドティー?良いの、こんな高級なものを」
ミューヌも自分の分のお茶をテーブルの上に置き、向かいの席に腰掛ける。
「そこまで高級なものではないよ。イシュガルドからは来客も多いし、手に入れる機会が多いんだ」
ふーん、とうなずきつつ再びお茶をすする。
1565フィーネはマーモットステーキにかぶりつき、ミントラッシーをのどに流し込む。つけあわせのキノコのソテーも平らげて、ふーっ、とひと息ついて食べ終える。
「こんなにたくさん食べたのはひさびさだよ」
「相変わらずいい食べっぷりだね。でも、昔の君は倍は食べていたように思うけれど」
カーラインカフェのミューヌが食後のお茶を出してくれる。程よい温かさとすっきりした香りが心地よい。
「これってイシュガルドティー?良いの、こんな高級なものを」
ミューヌも自分の分のお茶をテーブルの上に置き、向かいの席に腰掛ける。
「そこまで高級なものではないよ。イシュガルドからは来客も多いし、手に入れる機会が多いんだ」
ふーん、とうなずきつつ再びお茶をすする。
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REHABILI!FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください!FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
ある「元」光の戦士の6.01その6クルザス中央高地から黒衣森に入ってすぐ、フロランテル監視哨にて焚き火にあたる。
「助かります」
フィーネは相棒のチョコボと共に暖を取る。
「リゾルート大牙士のお役に立てて、光栄ですよ」
「あ、私の階級まだ生きてるんだ」
「当然ですあなたは我が双蛇党全員の目標のような存在ですから」
双蛇党に所属してから私、何かしましたっけ。とは言わないでおいた。
「この間も、ものすごい活躍をされたとか。ぜひ、その時のご活躍の話を……」
雲行きが怪しくなってきた。今、長話をするのはちとしんどい。
「ごめんなさい、先を急がないと」
フィーネは立ち上がってぱん、ぱんとお尻についた土を払い、鱗に少し挟まった土もつまんで取り除く。
770「助かります」
フィーネは相棒のチョコボと共に暖を取る。
「リゾルート大牙士のお役に立てて、光栄ですよ」
「あ、私の階級まだ生きてるんだ」
「当然ですあなたは我が双蛇党全員の目標のような存在ですから」
双蛇党に所属してから私、何かしましたっけ。とは言わないでおいた。
「この間も、ものすごい活躍をされたとか。ぜひ、その時のご活躍の話を……」
雲行きが怪しくなってきた。今、長話をするのはちとしんどい。
「ごめんなさい、先を急がないと」
フィーネは立ち上がってぱん、ぱんとお尻についた土を払い、鱗に少し挟まった土もつまんで取り除く。
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REHABILI!FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください!FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
ある「元」光の戦士の6.01その5「ふぅ」
白い吐息が口から漏れる。
チョコボに乗って走っているせいもあるが、クルザスは年中寒い。
モードゥナを出て、一旦クルザス中央高地へ。その後、すぐに黒衣森北部へ。そのわずかな時間でも、雪の積もったこの土地はどうしても寒い。
そういえばこのあたりが雪国になったのは第七霊災以降ではなかったか。
ともすれば、このあたりもダラガブの影響でエーテルが凝固しているんだろうか。
モードゥナが雷、クルザスでは氷のエーテルが噴き出していると考えるとなかなか忙しい土地だ。
鼻先が冷たくなってくる。寒いのはあまり得意ではない。次からはもっと着込んでこよう……。
ぱしゃり、と水音を立てて、チョコボが川を横切った。
611白い吐息が口から漏れる。
チョコボに乗って走っているせいもあるが、クルザスは年中寒い。
モードゥナを出て、一旦クルザス中央高地へ。その後、すぐに黒衣森北部へ。そのわずかな時間でも、雪の積もったこの土地はどうしても寒い。
そういえばこのあたりが雪国になったのは第七霊災以降ではなかったか。
ともすれば、このあたりもダラガブの影響でエーテルが凝固しているんだろうか。
モードゥナが雷、クルザスでは氷のエーテルが噴き出していると考えるとなかなか忙しい土地だ。
鼻先が冷たくなってくる。寒いのはあまり得意ではない。次からはもっと着込んでこよう……。
ぱしゃり、と水音を立てて、チョコボが川を横切った。
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REHABILI!FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください!FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
ある「元」光の戦士の6.01その4「まさかタタルさんにホルムギャングの素養があったなんて」
「暴れるヤクを生捕りにするのに便利なのでっす」
「オーバースペックだよ」
「放射状なのが当てづらいのでっす」
「それはオーバーパワーだよ」
タタル、戦士にでもなるのだろうか。
「フィーネさん元気がありませんねえ」
「タタルさんのせいだよ」
縛り上げて石の家まで連行されてきた。その直後に元気が出るものか。
やれやれ、と肩を落とすフィーネの全身を、タタルの視線が上から下まで何度も往復する。
「少し痩せまっしたか……?それに、なぜ弓を持っているのでっす?」
「不健康なわけじゃないよ。今はのんびりしているし、冒険していた頃より食べる量が減ったかな」
タタルの指摘はもっともで、フィーネは暁の血盟と行動を共にしていた頃から痩せている。とはいえ、あの頃は毎日野を駆け、魔物と戦い、帝国と戦い、蛮神を討滅し、夜には疲れたと叫びながら大量の食事を摂って風呂に入りすぐに熟睡していた。
2325「暴れるヤクを生捕りにするのに便利なのでっす」
「オーバースペックだよ」
「放射状なのが当てづらいのでっす」
「それはオーバーパワーだよ」
タタル、戦士にでもなるのだろうか。
「フィーネさん元気がありませんねえ」
「タタルさんのせいだよ」
縛り上げて石の家まで連行されてきた。その直後に元気が出るものか。
やれやれ、と肩を落とすフィーネの全身を、タタルの視線が上から下まで何度も往復する。
「少し痩せまっしたか……?それに、なぜ弓を持っているのでっす?」
「不健康なわけじゃないよ。今はのんびりしているし、冒険していた頃より食べる量が減ったかな」
タタルの指摘はもっともで、フィーネは暁の血盟と行動を共にしていた頃から痩せている。とはいえ、あの頃は毎日野を駆け、魔物と戦い、帝国と戦い、蛮神を討滅し、夜には疲れたと叫びながら大量の食事を摂って風呂に入りすぐに熟睡していた。
FineRisoluto
REHABILI!FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください!FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
ある「元」光の戦士の6.01その3フェオは激怒した。
必ず、『かわいい若木』の心を覗かねばならぬと決意した。
フェオには人間の心がわからぬ。
フェオはイル・メグのピクシーである。
魔法を操り、人間と遊んで暮らしてきた。
けれども『かわいい若木』の気まぐれには人一倍に鈍感であった。
今日未明フィーネはクリスタリウムを出発し、世界を越え山越え、十里はなれたここモードゥナの市にやって来た。
――探さないでください――
そんなありきたりの書き置きを残して。
それがどれほど『美しい枝』の機嫌を損ね厄介なことになるかとも知らずに。
「モードゥナって食べ物売ってないの?」
市に並ぶのは採集を行う者、製作を行う者向けの品ばかりだが、道具や装備に限っていて、料理の素材になりそうなものは何ひとつない。
967必ず、『かわいい若木』の心を覗かねばならぬと決意した。
フェオには人間の心がわからぬ。
フェオはイル・メグのピクシーである。
魔法を操り、人間と遊んで暮らしてきた。
けれども『かわいい若木』の気まぐれには人一倍に鈍感であった。
今日未明フィーネはクリスタリウムを出発し、世界を越え山越え、十里はなれたここモードゥナの市にやって来た。
――探さないでください――
そんなありきたりの書き置きを残して。
それがどれほど『美しい枝』の機嫌を損ね厄介なことになるかとも知らずに。
「モードゥナって食べ物売ってないの?」
市に並ぶのは採集を行う者、製作を行う者向けの品ばかりだが、道具や装備に限っていて、料理の素材になりそうなものは何ひとつない。
FineRisoluto
REHABILI!FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください!FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
ある「元」光の戦士の6.01その2「はぁ」
彷徨う階段亭で、頬杖をついて思わずため息が出る。
今朝、食事を求めてクリスタリウムを回ってみたものの、どの店も物価が高い。
リムサ・ロミンサの10倍近い料理すらある。
罪喰いの脅威が去ったといえど、まだまだ食料調達には危険が伴うのだろうか。
一念発起して、レイクランドの植物や魚を自分で調達することにしたのだが……。
「フラントーヨ」
オリーブの果実。オリーブオイルにはなるが、これだけで食べられるものではない。
「ハードキャンディ」
藻の味しかしない。どの店に聞いても積極的に食べる者はいないようだ。
「ラクサンインクホーン」
体液が天然の染料になる巻き貝。そもそも食用ではない。
「キサントバス」
色素異常で黄色くなったバス。光の氾濫で色素異常を起こしていると言われているらしい。
2171彷徨う階段亭で、頬杖をついて思わずため息が出る。
今朝、食事を求めてクリスタリウムを回ってみたものの、どの店も物価が高い。
リムサ・ロミンサの10倍近い料理すらある。
罪喰いの脅威が去ったといえど、まだまだ食料調達には危険が伴うのだろうか。
一念発起して、レイクランドの植物や魚を自分で調達することにしたのだが……。
「フラントーヨ」
オリーブの果実。オリーブオイルにはなるが、これだけで食べられるものではない。
「ハードキャンディ」
藻の味しかしない。どの店に聞いても積極的に食べる者はいないようだ。
「ラクサンインクホーン」
体液が天然の染料になる巻き貝。そもそも食用ではない。
「キサントバス」
色素異常で黄色くなったバス。光の氾濫で色素異常を起こしていると言われているらしい。
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REHABILI!FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください!FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
ある「元」光の戦士の6.01その1雨音で目が覚める。
窓から見えるクリスタルタワーはこんな朝でも壮観だ。
あくびをかみ殺しながら、布団から這い出る。
いや、やっぱり二度寝しようか……。
……いつも後悔するんだよな……。
ただ、もう少しだけ。
そう思って布団の中に戻ろうとした瞬間、部屋全体が眩く照らされた。直後、轟く雷鳴に、少しだけ眉毛が吊り上がる。
ラムウの雷撃の方がよほど凄まじかった。
しかし二度寝しようかという迷いを吹き飛ばすには十分だった。
ーー仕方ない。
くぁ、と今度は思いっきりあくびをして、「元」光の戦士ーーフィーネはようやくベッドから抜け出したのだった。
顔を洗い、銀の髪を後ろでひとつにまとめる。
冒険していたころは毎朝編み込んで凝った髪型にしていたのだか、今ではそんな気も起きず。
1400窓から見えるクリスタルタワーはこんな朝でも壮観だ。
あくびをかみ殺しながら、布団から這い出る。
いや、やっぱり二度寝しようか……。
……いつも後悔するんだよな……。
ただ、もう少しだけ。
そう思って布団の中に戻ろうとした瞬間、部屋全体が眩く照らされた。直後、轟く雷鳴に、少しだけ眉毛が吊り上がる。
ラムウの雷撃の方がよほど凄まじかった。
しかし二度寝しようかという迷いを吹き飛ばすには十分だった。
ーー仕方ない。
くぁ、と今度は思いっきりあくびをして、「元」光の戦士ーーフィーネはようやくベッドから抜け出したのだった。
顔を洗い、銀の髪を後ろでひとつにまとめる。
冒険していたころは毎朝編み込んで凝った髪型にしていたのだか、今ではそんな気も起きず。