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    ラブコメ

    そらお

    MAIKING雑伊の人が書いてる。設定ねつ造、勝手に忍術学園の依頼受けちゃう伊作くんがいます。
    その他諸々、かって設定してます。雑渡さんがモブと結婚させられそうなピンチ 
    お心の広い方向け


    ここからラブコメになるはず なるだろ? なってくれるよな???
    ラブコメというか、両思いになって欲しいと思います。



    「ねえ、伊作くん」

     保健委員会委員長、善法寺伊作がひとりきりで医務室にこもって薬を煎じていると、真夜中すぎに不意の客人が訪れることがあった。
    「はい、雑渡さん。今日はどちらからおいででしょう」
     勝手知ったる相手なので伊作も起ち上がったりはしない。作業を続けながら返事だけを返す。
     相手の声は聞こえるけれど姿は見えない。気配だけが少し感じられる程度だ。
    「ねえ、伊作くん」
     答えの代わりに、天上の板が少しだけぐらついたのが目の端に見える。はっと顔を上げると、そこにはもう闇で染め抜いたような大きな姿があった。音もなく床に降り立ち、そのまま伊作のすぐそばへと寄ってくる。
    「――はい」
     ほんの少しだけ、返事をためらった。見た目も気配もいままでやってきていた雑渡昆奈門とまったくおなじだけれど、わずかに伊作を慎重にさせるなにかを感じたのだ。
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    rio_bmb

    MOURNINGけっこう前(6月か7月?)に書いてたけど新情報が出るたびにお蔵入りにせざるをえなかったモクチェズのラブコメ。読み返したら一周回って記念に供養しとくか…という気持ちになったのでお焚き上げです
    同道後のラブコメ「おじさんを好んでくれる子はいないのかなあ……」
     などとわざとらしく鎌をかけてみたこともあったのだが、あの時は正直なところ半信半疑だった。
     何せ相手が相手だ。都市伝説になるような詐欺師にとって、思わせぶりな態度を取るなんてきっと朝メシ前だろう。そう思うのと同時に、自分を見つめる瞳に浮かぶ熱が偽りとも思えなかった。
    (ひょっとして、脈アリ?)
    (いやいや、浮気って言っとったしなあ)
     その浮気相手にあれだけ心を砕く律儀者が、本命を前にしたらやはり相討ちも辞さないのではないだろうか。あなたと違って死ぬ気はないとは言っていたものの、刺し違えれば勝てるとなればうっかり命を懸けてしまいかねない。彼の律儀さはそうした危うさを孕んでいた。だからその時は脈があるかどうかより、ただ復讐に燃えるチェズレイの身を案じていたのだ。約束で縛ることは叶わず、己では彼の重石にはなれないのかとじれったく思ったのも記憶に新しい。
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