ご都合〜で猫になった七海と事情を知らない灰原くんのラブコメ③*
いつもより早く起きた灰原は、少し眠たげな顔をしながらもテキパキと朝食を用意してくれた。
「朝ご飯は車の中で食べるから、今日はケント一人で食べてね。夕方には帰るし、お昼ご飯は家入さんにお願いしてるからね。じゃあ、行ってきます!」
そう言って頭を撫でてから、灰原は廊下へ続く扉を開ける。その瞬間、七海は廊下へと飛び出して行った。
「え?ケント待って!」
灰原は集合時間の五分前には着くように部屋を出る。そして、今日同行する夏油も時間に少し余裕を持って行動するタイプだ。階段を駆けのぼり、二階にある夏油の部屋へ向かう。すると、予想通り夏油は自室から出てくるところで、七海は勢いよく夏油の脚へ飛び付いた。
「うわっ!?って七海か、どうしたんだ?」
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