七海
うすきみ
DONE同期夢主と諦めきれない七海のお話諦めきれなかった呪術師に戻る時に決めた。『恋人は作らない』と。だが、想いを寄せる人はいる。高専の頃から彼女が好きで、社会に出ても、誰と付き合っても忘れる事の出来なかった人。いつも明るく前向きで、少し天邪鬼で、押しに弱い。愛しい○○。付き合いたいとは思う。彼女の特別になりたいし、彼女に触れたい。キスだって、その先だって勿論したい。しかし、明日をもしれぬ身の私達が付き合ったとしても、彼女を傷つけてしまうだけなのではと思ってしまった。ただの同期としてならば、たとえ傷ついたとしても、傷も浅く済むのではないか。遺して逝きたく無いし、遺されたくない。彼女が大切だからこそ、選んだ選択だった。
その日は、潜入任務だった。夫婦の振りをして呪詛師に近づく手筈だったのだが、その呪詛師は現れなかった。どうやら違う会場に現れた所を別の組が捕まえたようだった。そのおかげで私達の任務は予定より早く終わった。
2026その日は、潜入任務だった。夫婦の振りをして呪詛師に近づく手筈だったのだが、その呪詛師は現れなかった。どうやら違う会場に現れた所を別の組が捕まえたようだった。そのおかげで私達の任務は予定より早く終わった。
うすきみ
DONE歳上夢主と我慢の限界の七海のお話強硬手段 名前を呼ばれて振り返ると、唇に柔らかい感触が触れた。何が起きたのか理解出来なくて固まっていると、段々と焦点が合ってきて、目の前に七海の顔が見えた。
「好きです」
「……………………は?」
固まる私をいい事に、七海はもう一度軽く口付けてから少し離れた。私を見つめるその目は優しく細められていて、愛おしそうに私を見ている。
「え、今、キス……」
「しました」
「な、んで……」
「好きだからに決まってるでしょう」
「え、私達、付き合ってないよね?」
「えぇ、今はまだ」
『今はまだ』その言葉が全てを物語っていた。コイツ、私を落とす気なのか。
七海は高専の後輩だ。私より三歳年下で、正直接点がそんなに無かった。出戻ってからも、お互い近接戦闘タイプだったからアサインされる事はそうそう無かった。ただ、可愛がっていた後輩の硝子とは良く飲みに行く仲らしく、そこから少しずつ話すようになった。顔を合わせれば挨拶はするし、多少の世間話や近況を話したりはする。でも、いきなりキスされるような仲では断じて無い。
1882「好きです」
「……………………は?」
固まる私をいい事に、七海はもう一度軽く口付けてから少し離れた。私を見つめるその目は優しく細められていて、愛おしそうに私を見ている。
「え、今、キス……」
「しました」
「な、んで……」
「好きだからに決まってるでしょう」
「え、私達、付き合ってないよね?」
「えぇ、今はまだ」
『今はまだ』その言葉が全てを物語っていた。コイツ、私を落とす気なのか。
七海は高専の後輩だ。私より三歳年下で、正直接点がそんなに無かった。出戻ってからも、お互い近接戦闘タイプだったからアサインされる事はそうそう無かった。ただ、可愛がっていた後輩の硝子とは良く飲みに行く仲らしく、そこから少しずつ話すようになった。顔を合わせれば挨拶はするし、多少の世間話や近況を話したりはする。でも、いきなりキスされるような仲では断じて無い。
nononoko1996666
MOURNING灰原に泣いて欲しい七海の話。ほぼ会話文なので供養です。
涙「どっちが化け物か、分からないじゃないかっ!」
少年の悲鳴にも取れる言葉は、大量の濁った液体を被ったまま動かない灰原に、無粋にも放たれた。
少年が背負っていたランドセルは、粉々になり原型はもはや、足元にあるその黒い革一枚だけだった。
自身の物を破壊された驚きよりも、呪霊となった動物が目の前で消された事実のほうが、この少年は余程傷ついたのだろうか。
「こんな、の…うっ、…僕の友達だった…のに」
「その友達が、貴方を襲いますか?」
酷く冷たい声だなと我ながら、思う。
だが、この少年の先程の言葉はどうしても許せなかった。幼さ故の思考がそうさせているのだろうか、そんなことは知ったことでは無い。
私の言葉が聞こえたのか分からないが、少年は灰原への恨み言を止めて、ただ泣き崩れていた。
1114少年の悲鳴にも取れる言葉は、大量の濁った液体を被ったまま動かない灰原に、無粋にも放たれた。
少年が背負っていたランドセルは、粉々になり原型はもはや、足元にあるその黒い革一枚だけだった。
自身の物を破壊された驚きよりも、呪霊となった動物が目の前で消された事実のほうが、この少年は余程傷ついたのだろうか。
「こんな、の…うっ、…僕の友達だった…のに」
「その友達が、貴方を襲いますか?」
酷く冷たい声だなと我ながら、思う。
だが、この少年の先程の言葉はどうしても許せなかった。幼さ故の思考がそうさせているのだろうか、そんなことは知ったことでは無い。
私の言葉が聞こえたのか分からないが、少年は灰原への恨み言を止めて、ただ泣き崩れていた。
nononoko1996666
MOURNING空港での2人。七海と灰原は、ずっと一緒にいてほしいです。
エンドロールの後は「ねぇ、これからどこに行こうか?」
場違いな程の、明るく凛とした声。
灰原の声だけが響き渡り、私と彼以外、この場所には誰もいなかった。
「灰原?…何を言って」
「ここってさ、まあ空港だから遊ぶ場所はないんだけどね!」
あはは、と乾いた笑顔を浮かべる灰原の顔を、私は直視出来ずに、唾を飲み込んで自分の感情を誤魔化した。
彼の後ろには、大きな白い扉がただ一つ立っているだけ。その頭上には電光掲示板が不自然に掲げられ、彼の名が映し出され、チカチカと光っている。
灰原はその扉のドアノブに触れる事はなく、こちらに腕をぐっと伸ばし、掌を上に向けていた。
まるで、手を繋いでほしいとでも言うような仕草で。
「私は…」
貴方と、同じ場所へは行けない。
1982場違いな程の、明るく凛とした声。
灰原の声だけが響き渡り、私と彼以外、この場所には誰もいなかった。
「灰原?…何を言って」
「ここってさ、まあ空港だから遊ぶ場所はないんだけどね!」
あはは、と乾いた笑顔を浮かべる灰原の顔を、私は直視出来ずに、唾を飲み込んで自分の感情を誤魔化した。
彼の後ろには、大きな白い扉がただ一つ立っているだけ。その頭上には電光掲示板が不自然に掲げられ、彼の名が映し出され、チカチカと光っている。
灰原はその扉のドアノブに触れる事はなく、こちらに腕をぐっと伸ばし、掌を上に向けていた。
まるで、手を繋いでほしいとでも言うような仕草で。
「私は…」
貴方と、同じ場所へは行けない。
wsst_nvl
DONEななめ5度から恋してる、開催おめでとうございます!新作展示の一目惚れ七→五です。既刊「モラトリアムで手を繋ぐ」の前日譚ですが、単体でも読めます。
パスワードはイベントページでご確認ください。 6287
雨田空
DONE2024.7.3.🩷🧜♀️七海るちあのお誕生日🌈🌊✨おめでとうございます💖🥳🎉イメージは海斗とガクトと共に 某ルノグラフィティの『ミュージック・アワー』のMVの真似と見せかけてあわあわタイムです🎶🫧
珠鬼緤萩(たまきせっしゅう)
TRAINING七海誕生日おめでとう小説!原作軸で七海の時計を狙ってる猪野くんの設定から妄想を膨らませたものです。
ほんのり七灰があります。
誕生日と時計の話「七海さん!その時計ください!!」
「お断りします」
ここ最近している会話。七海さんとご飯食べに行った帰りに決まりのように言ってみてるけど、毎回即答で断られてる。
「なんでなんですか〜!」
「君の給料ならこれより良いもの買えるでしょう。10年前デザインですよ、これ」
10年前のものを現役で使えるなんて七海さん物持ち良いんですね!!
でも、なんで10年前のもの使ってんだろ。七海さんをリスペクトしてる俺的に気になる。
「それなら、七海さんの給料ならもっと良いの買えるはずですよね?」
「えぇ、実際にイギリスのブランド時計なら一つ持ってます」
やっぱりいいの持ってるじゃん。でもなんでそれなんだ?
見るからにそんなに高いブランドのものじゃないし、俺でも買えそうなものじゃん。
1393「お断りします」
ここ最近している会話。七海さんとご飯食べに行った帰りに決まりのように言ってみてるけど、毎回即答で断られてる。
「なんでなんですか〜!」
「君の給料ならこれより良いもの買えるでしょう。10年前デザインですよ、これ」
10年前のものを現役で使えるなんて七海さん物持ち良いんですね!!
でも、なんで10年前のもの使ってんだろ。七海さんをリスペクトしてる俺的に気になる。
「それなら、七海さんの給料ならもっと良いの買えるはずですよね?」
「えぇ、実際にイギリスのブランド時計なら一つ持ってます」
やっぱりいいの持ってるじゃん。でもなんでそれなんだ?
見るからにそんなに高いブランドのものじゃないし、俺でも買えそうなものじゃん。
つのしま
CAN’T MAKE七伊の日のイラスト使い回しでごめんナナミン…
今年は体調悪すぎて誕生日イラスト
描き上げられず😭
推し活できない労働はクソ
七伊は変わらず好きなので
体調良くなれば呪カフェ行きたい😭
ナナミン誕生日おめでとう🎂
(7/3)
solt_gt0141
DONE伊地知さんが偶然を装って七海と会っている七伊。偶然を装う「七海さん、お疲れ様です」
丁度帰ろうとしていたところで、出先から戻ってきた伊地知くんと会った。
「お帰りですか?」
「ええ。君は?」
「これから書類作業を1時間ほどして退勤します…では、お気をつけて」
足早で学内に入って行く彼の背を見届けてから私も高専に背を向けた。
「伊地知くん?」
自販機の前で佇んでいる彼に声をかけると、驚きながらこちらを見る。
「な、七海さん、お疲れ様です」
心なしか少し顔が赤い気がするのは気候が暖かくなったからだろうか。
「どうしたんですか、自販機の前で」
「大したことでは……新商品が増えていたのでなんだろうかと思って、見ていました」
そう言われて自販機を見ると確かに新商品が増えていた。
「無糖のストレートティーですか」
2179丁度帰ろうとしていたところで、出先から戻ってきた伊地知くんと会った。
「お帰りですか?」
「ええ。君は?」
「これから書類作業を1時間ほどして退勤します…では、お気をつけて」
足早で学内に入って行く彼の背を見届けてから私も高専に背を向けた。
「伊地知くん?」
自販機の前で佇んでいる彼に声をかけると、驚きながらこちらを見る。
「な、七海さん、お疲れ様です」
心なしか少し顔が赤い気がするのは気候が暖かくなったからだろうか。
「どうしたんですか、自販機の前で」
「大したことでは……新商品が増えていたのでなんだろうかと思って、見ていました」
そう言われて自販機を見ると確かに新商品が増えていた。
「無糖のストレートティーですか」
kusarenegibouz
DONE6/30 五七新刊「感情的飛び込みDiver」にくっつけてた無配まんがです。新刊の内容見ないと意味不明なんですが、かと言って新刊の続きでもなんでもないので
「謎パロで、営業マン七海に惚れてる高専教師の五条」の部分だけ分かってればいいのかなと… 4
しんした
PROGRESS8月東京の七灰原稿進捗③です。灰原くんを亡くしたあとの七海が、灰原くんが残した言葉を読み返すなかで灰原くんへの想いと向き合うお話。ほぼ七海の独白・回想ですがハピエンです。
七海の独白ターン最終話の半分くらいを抜粋しました。
次の章で再会するので早くいちゃいちゃさせたいです。
※推敲はしていないのでおかしな部分はスルーしていただけると助かります。
8月七灰原稿進捗③四.拝啓
二つ折りにした便箋を名前しか書いていない封筒へ入れる。
きっちりと糊付けで封をしたら、同じ封筒だけが入った引き出しへと仕舞う。
机の浅い引き出しの中には、出す宛てのない手紙が増えていくばかりだ。
それでも。
私は、筆を執ってしまうのだ。
*
帳が上がると、七海の頭上に青空が広がった。
砂埃を払うように呪具を軽く振る。そこそこの呪霊だったが、想定していたよりも早く祓えたようだ。古びた雑居ビルの階段を降りると補助監督は少し驚いた表情で出迎えてくれたが、七海は「お待たせしました」といつも通りに声をかけた。
呪術師へ出戻って一年。
あのパン屋を出て五条へ連絡を取ってからの日々はとにかく慌ただしかった。卒業ぶりに顔を合わせた五条に「いつかこうなると思ってたよ」と笑われながら、呪術師へ復帰する手続きを済ませた。勤め先へ退職届を出した時は上司から随分と引き留められたが、もう決めたことなのでと押し通した。(入ったばかりの新人には悪いとは思ったが、かなり細かく引き継ぎをしておいたので大目に見てもらいたい)
4058二つ折りにした便箋を名前しか書いていない封筒へ入れる。
きっちりと糊付けで封をしたら、同じ封筒だけが入った引き出しへと仕舞う。
机の浅い引き出しの中には、出す宛てのない手紙が増えていくばかりだ。
それでも。
私は、筆を執ってしまうのだ。
*
帳が上がると、七海の頭上に青空が広がった。
砂埃を払うように呪具を軽く振る。そこそこの呪霊だったが、想定していたよりも早く祓えたようだ。古びた雑居ビルの階段を降りると補助監督は少し驚いた表情で出迎えてくれたが、七海は「お待たせしました」といつも通りに声をかけた。
呪術師へ出戻って一年。
あのパン屋を出て五条へ連絡を取ってからの日々はとにかく慌ただしかった。卒業ぶりに顔を合わせた五条に「いつかこうなると思ってたよ」と笑われながら、呪術師へ復帰する手続きを済ませた。勤め先へ退職届を出した時は上司から随分と引き留められたが、もう決めたことなのでと押し通した。(入ったばかりの新人には悪いとは思ったが、かなり細かく引き継ぎをしておいたので大目に見てもらいたい)
ぐ@pn5xc
DONE腹ぺこ七海とさとる☺️2024.6.6
いちごホイップ 七海建人は腹を空かせていた。
昼食を軽くしたのが良くなかったかもしれない。だが本来はもう少し早い時間に帰れるはずだったのだ。任務自体はそう複雑なものではなかったが、終わってから町の実力者だという者から是非にもと挨拶を受けた。それが終わって乗り込んだ車は渋滞に巻き込まれた。途中どこかで食事をと思わないでもなかったが、新人の補助監督を患わせるのもと、とりあえず高専に戻ることにしたのだ。
執務室へと向かう途中で補助監督の部屋の前を通った。定時を過ぎているというのに何故かわいわいと華やいだ空気がして、女性たちの嬌声が聞こえる。
「あ。七海さん。お疲れさまっス」
ピョコリと新田が顔を出して、挨拶をした。
1979昼食を軽くしたのが良くなかったかもしれない。だが本来はもう少し早い時間に帰れるはずだったのだ。任務自体はそう複雑なものではなかったが、終わってから町の実力者だという者から是非にもと挨拶を受けた。それが終わって乗り込んだ車は渋滞に巻き込まれた。途中どこかで食事をと思わないでもなかったが、新人の補助監督を患わせるのもと、とりあえず高専に戻ることにしたのだ。
執務室へと向かう途中で補助監督の部屋の前を通った。定時を過ぎているというのに何故かわいわいと華やいだ空気がして、女性たちの嬌声が聞こえる。
「あ。七海さん。お疲れさまっス」
ピョコリと新田が顔を出して、挨拶をした。
しんした
PROGRESS8月東京の七灰原稿進捗②です。灰原くんを亡くしたあとの七海が、灰原くんが残した言葉を読み返すなかで灰原くんへの想いと向き合うお話。ほぼ七海の独白・回想ですがハピエンです。
推敲はしていないのでおかしな部分はスルーしていただけると助かります。
8月七灰原稿進捗②二.あけましておめでとうございます
ようやく、この日が訪れた。
明日は卒業式。
──呪術師を、辞める日だ。
*
何の予定も書いていない壁掛けカレンダーを外した七海は、窓の向こうへ目をやった。
今日の空は春らしい、うっすらと霞みがかった淡い色をしている。所々朧げな雲が浮かんでいるが、うららかな陽射しを遮ることなく、たくさんの草木が芽吹く地面を照らしていた。
寮の中庭には桜の木が植わっていて、二階の窓からもよく見える。三月に入ってから暖かな日が続き、桜の木の蕾はここ数日で随分ふっくらとした。今年の開花は予報通り例年よりもかなり早くなるのだろう。
そんなことを思いながらぼんやり桜の蕾を眺めていると、春の爽やかな風が七海の頬を撫でた。新鮮な空気が鼻腔を抜けて肺を満たす。
5943ようやく、この日が訪れた。
明日は卒業式。
──呪術師を、辞める日だ。
*
何の予定も書いていない壁掛けカレンダーを外した七海は、窓の向こうへ目をやった。
今日の空は春らしい、うっすらと霞みがかった淡い色をしている。所々朧げな雲が浮かんでいるが、うららかな陽射しを遮ることなく、たくさんの草木が芽吹く地面を照らしていた。
寮の中庭には桜の木が植わっていて、二階の窓からもよく見える。三月に入ってから暖かな日が続き、桜の木の蕾はここ数日で随分ふっくらとした。今年の開花は予報通り例年よりもかなり早くなるのだろう。
そんなことを思いながらぼんやり桜の蕾を眺めていると、春の爽やかな風が七海の頬を撫でた。新鮮な空気が鼻腔を抜けて肺を満たす。
しんした
PROGRESS8月東京の七灰原稿進捗①です。灰原くんを亡くしたあとの七海が、灰原くんが残した言葉を読み返すなかで灰原くんへの想いと向き合うお話。ほぼ七海の独白・回想ですがハピエンです。
でも七海がひとりなので書いていて辛いので進捗upしました。
推敲はしていないのでおかしな部分はスルーしていただけると助かります。
8月七灰原稿進捗①一.Re:Re:Re:Re:無題
二年の夏。
残暑の厳しい、いつもと変わらない何でもない八月のある日。
灰原が、死んだ。
*
開けっ放しだった窓から吹き込む風の肌寒さに、七海は手元の文庫本から顔を上げた。
今日は午後から自習だった。自習といっても課題は出るのだが、期限までに提出すればどこで何をしていてもいいと言われたので、さっさとプリントを片付けて寮の自室へ戻っていた。
文庫本に栞を挟んだ七海は椅子から立ち上がって、ふわりとカーテンがなびく窓際へと足を向けた。
どうやら、しばらく積んだままでいた本の世界にすっかり浸っていたらしく、カーテンの向こうの空は随分と陽が傾いていた。昼間の日向にいるとまだ少し汗ばむ時もあるが、季節は着々と歩みを進めていたらしい。太陽という熱源を失いつつある秋の夕暮れ時の空気が、ワイシャツの薄い生地を通り抜けて身体を冷やしていく。
5639二年の夏。
残暑の厳しい、いつもと変わらない何でもない八月のある日。
灰原が、死んだ。
*
開けっ放しだった窓から吹き込む風の肌寒さに、七海は手元の文庫本から顔を上げた。
今日は午後から自習だった。自習といっても課題は出るのだが、期限までに提出すればどこで何をしていてもいいと言われたので、さっさとプリントを片付けて寮の自室へ戻っていた。
文庫本に栞を挟んだ七海は椅子から立ち上がって、ふわりとカーテンがなびく窓際へと足を向けた。
どうやら、しばらく積んだままでいた本の世界にすっかり浸っていたらしく、カーテンの向こうの空は随分と陽が傾いていた。昼間の日向にいるとまだ少し汗ばむ時もあるが、季節は着々と歩みを進めていたらしい。太陽という熱源を失いつつある秋の夕暮れ時の空気が、ワイシャツの薄い生地を通り抜けて身体を冷やしていく。
Chit_seAMEX
MOURNINGにょたゆり七灰です。五条家に嫌々仕えている七海と夏油家でお気楽に仕えている灰原がメイド姿で一緒に呪霊玉を集めるドタバタコメディ序章。
(すこし夏灰、五七っぽいところがあります)
※全員女体化の世界線です。
※呪霊が蔓延る世界で主要キャラが呪霊狩りとして
動いていて、呪霊は呪霊玉として収集されます。
我ながらよくわからん設定です。 4264
しんした
MEMOタイトル通りです。人間七海×人魚灰原くん
あんまり人魚要素はないかも……?
人魚姫っぽい七灰パロのネタメモ.
人魚姫っぽいといいながらハピエンです(ハピエン厨なのでそこだけは譲れない)
◎ぼんやり設定メモ
世界設定:
大正時代っぽい日本のようなところ(ふわふわ設定・個人的に大正時代っぽい感じが好きなので)
人魚という怪異の伝説はある
七海:
人間
いいところのお坊ちゃん
楽器演奏者を目指している(海辺で楽器演奏が可能なのか、好ましいのか詳しくないのでちょっと設定は変わるかも)(最初はヴァイオリンがいいかと思ったけど、フルートも捨て難い。金管楽器なので木製の弦楽器より屋外で使っても多少耐性がありそうとも思うので)
五条さんは演奏者繋がりの知り合いとか
灰原くん:
人魚
歌が上手
七海の演奏を聞いていた時、音色に惹かれてつい歌ってしまった
3103人魚姫っぽいといいながらハピエンです(ハピエン厨なのでそこだけは譲れない)
◎ぼんやり設定メモ
世界設定:
大正時代っぽい日本のようなところ(ふわふわ設定・個人的に大正時代っぽい感じが好きなので)
人魚という怪異の伝説はある
七海:
人間
いいところのお坊ちゃん
楽器演奏者を目指している(海辺で楽器演奏が可能なのか、好ましいのか詳しくないのでちょっと設定は変わるかも)(最初はヴァイオリンがいいかと思ったけど、フルートも捨て難い。金管楽器なので木製の弦楽器より屋外で使っても多少耐性がありそうとも思うので)
五条さんは演奏者繋がりの知り合いとか
灰原くん:
人魚
歌が上手
七海の演奏を聞いていた時、音色に惹かれてつい歌ってしまった
しんした
MEMOタイトル通りです吸血鬼七海×人間灰原くん
もったいないのでひとまず上げておきました。いつか書くかもしれない。
※メモなので雑です
※ツイートやふせったーに上げた文章も混じってます
吸血鬼パロ七灰のネタメモ.
もう夜明け近くだというのに外で行き倒れてしまった吸血鬼七海。
なんとか薄暗い路地の奥まで這いずったがもう指一本動かすことができず、ビルの隙間から朝日が差し込んでくる光景を眺めながら己の死を悟った。
しかし、朝日の向こうから現れた男に助けられ、なんとか危機を脱する。ひとまず住処へ帰れる程度の力を得ようと介抱してくる男を抱き寄せた時、新月の夜空によく似た漆黒の瞳に捉えられた。
「もう大丈夫ですよ」
夜を思わせる瞳とそれに相反する陽の光のような笑顔に、何故か七海の身体は動かなくなった。
灰原と名乗った男は、正体を明かしてからも出会った時と変わらぬ笑顔を向けてきた。
「怖くないのか?」
「なにが?」
「吸血鬼が」
「うーん……全然って言ったら嘘になるけど、七海を怖いと思ったことはないよ!」
3171もう夜明け近くだというのに外で行き倒れてしまった吸血鬼七海。
なんとか薄暗い路地の奥まで這いずったがもう指一本動かすことができず、ビルの隙間から朝日が差し込んでくる光景を眺めながら己の死を悟った。
しかし、朝日の向こうから現れた男に助けられ、なんとか危機を脱する。ひとまず住処へ帰れる程度の力を得ようと介抱してくる男を抱き寄せた時、新月の夜空によく似た漆黒の瞳に捉えられた。
「もう大丈夫ですよ」
夜を思わせる瞳とそれに相反する陽の光のような笑顔に、何故か七海の身体は動かなくなった。
灰原と名乗った男は、正体を明かしてからも出会った時と変わらぬ笑顔を向けてきた。
「怖くないのか?」
「なにが?」
「吸血鬼が」
「うーん……全然って言ったら嘘になるけど、七海を怖いと思ったことはないよ!」
acusu1979
DONEあげ忘れてました…お腐れ作品です。ご注意ください
CPビト七
酒 初めは学長の頼みで出席しただけだった。都内でも老舗の料亭で高専関係者の飲み会に連れ出された七海。置物宜しく目の前のお膳を黙って口にし、時間いっぱい居座る。あえて酒は口にせず酒に溺れた者たちを見て見ぬふりをしていた。そんな時である。
「七海一級呪術師」
徳利とお猪口を持って禪院直毘人が前を挟んで目の前に座った。
「禪院特別一級呪術師」
「やめやめ、禪院には一級呪術師はいくらでもおるわ。直毘人でよい」
「では、直毘人さん。どうされました」
「ん」
差し出されたお猪口を受け取ると断る暇もなく酒が注がれていく。
「お前も連れてこられたクチだろう?俺もだ。さっきからつまらん会話しかせん。呑まずにやってられるか…なぁ?」
4959「七海一級呪術師」
徳利とお猪口を持って禪院直毘人が前を挟んで目の前に座った。
「禪院特別一級呪術師」
「やめやめ、禪院には一級呪術師はいくらでもおるわ。直毘人でよい」
「では、直毘人さん。どうされました」
「ん」
差し出されたお猪口を受け取ると断る暇もなく酒が注がれていく。
「お前も連れてこられたクチだろう?俺もだ。さっきからつまらん会話しかせん。呑まずにやってられるか…なぁ?」
魚ノ心
TRAINING七虎 全年齢……なのか?エロナイけど…お疲れ七海サンのお願いで、7️⃣🐯チャンがただただ、裸で寝んねする話。
私がみたくて書いた話……何卒あしからず🙏
肌 七虎はーーーーーーー
肺が空っぽになるようなため息が出た七海が、
目の端に映る長い針を呆然と見つめる。
そんな七海が倒れ付しているのは、地獄の連勤を終えて、久々に帰って来た自宅のソファーの上だった。
べとべとの身体はもう諦める、諦めるとしてせめて顔くらい洗おうと、まんじりともせずしだして早、1時間程。
あー。あと長針が5の位置を指したら動こう、いや10、15、25……と思っていたところにリビングのドアが開いた。
「うわわっ、ナナミンが居るっ」
そう言って視界に舞い降りたのは天使。いや恋人の虎杖くんだった。
くたびれた私にかけより『おーい!お疲れーっ』なんて手を振りながら言っている。
「いたどりふん……」
「だめだこりゃっ」
2029肺が空っぽになるようなため息が出た七海が、
目の端に映る長い針を呆然と見つめる。
そんな七海が倒れ付しているのは、地獄の連勤を終えて、久々に帰って来た自宅のソファーの上だった。
べとべとの身体はもう諦める、諦めるとしてせめて顔くらい洗おうと、まんじりともせずしだして早、1時間程。
あー。あと長針が5の位置を指したら動こう、いや10、15、25……と思っていたところにリビングのドアが開いた。
「うわわっ、ナナミンが居るっ」
そう言って視界に舞い降りたのは天使。いや恋人の虎杖くんだった。
くたびれた私にかけより『おーい!お疲れーっ』なんて手を振りながら言っている。
「いたどりふん……」
「だめだこりゃっ」
ぐ@pn5xc
DONEおバカさん七五です☺️エイプリルフール、さとるは七海にどんな嘘をつくのでしょうか 2024.4.6
エイプリルフールにつく嘘「僕、やんないからね」
ソファに座って静かにしていた五条がおもむろにそう言うので、朝食を食べ終わって皿を片付けて午後からの買い出しのためにパントリーを検分していた七海は「は?」と振り向いた。
「僕、やらない。絶対しないから」
心待ち唇を突き出し、悲しそうな面持ちで、もう一度五条は言う。七海は首を傾げ、恋人に近づいた。
「五条さん?」
五条はハッとした様子で七海を見上げ、はは、と笑おうとしたが上手くいかず
「うわ~ん、ななみぃ…」
情けない声を出すので七海は横に座り、白い頭を抱えてやった。
「…今日、エイプリルフールじゃん」
少し落ち着いた後、五条は俯いて話し出した。
「どんな嘘つこうかなって思って」
はぁ。言いたいことは喉元まで出てきたが、七海は頷くに留め先を促した。
1849ソファに座って静かにしていた五条がおもむろにそう言うので、朝食を食べ終わって皿を片付けて午後からの買い出しのためにパントリーを検分していた七海は「は?」と振り向いた。
「僕、やらない。絶対しないから」
心待ち唇を突き出し、悲しそうな面持ちで、もう一度五条は言う。七海は首を傾げ、恋人に近づいた。
「五条さん?」
五条はハッとした様子で七海を見上げ、はは、と笑おうとしたが上手くいかず
「うわ~ん、ななみぃ…」
情けない声を出すので七海は横に座り、白い頭を抱えてやった。
「…今日、エイプリルフールじゃん」
少し落ち着いた後、五条は俯いて話し出した。
「どんな嘘つこうかなって思って」
はぁ。言いたいことは喉元まで出てきたが、七海は頷くに留め先を促した。
uto_aa_saiga
PROGRESSお祭りありがとうございます!!未完品でお目汚し失礼します。灰七と言い張る系の灰七です。
後半部の繋がりおかしいとかフラグ管理失敗とかほぼト書きとかそいういう低鱈苦です。
平行世界交差IF
灰七感低め、無糖、ブロマンス感強し
以下注意点
・夏油離反なし、五条離反(not呪詛師)
・七海死亡シーンあり
・灰原に対してのみ七海が丁寧語じゃない
きっと一生忘れない「灰原、誰か…いや、五条さんへ連絡を!」
山の傾斜の中、道の無い木々の間を逃げながら、一瞬思案した七海が灰原に向かって指示を出す。
「わかった!」
夏油さんは今日は任務が入っていると言っていたが、五条さんは久しぶりに休みだと言っていた気がする。確かに七海の言うとおり、助けを求めるならすぐに動ける可能性のある五条さんへ連絡してみる方がいいだろう。
灰原はそう七海の言葉から察して携帯を操作する。
アンテナはかろうじて圏外にはなっていないが一本しか立っていない。さもありなん。近くの集落だった場所は人は居らず、その隣の集落とて人は減る一方だという話だった。
山自体は季節によっては山の幸を穫りに人が入る事はあるという。そうやって入山した人間が無惨な姿で見つかる事件が起こり、窓が残穢を観測して呪霊の仕業と発覚した。
33139山の傾斜の中、道の無い木々の間を逃げながら、一瞬思案した七海が灰原に向かって指示を出す。
「わかった!」
夏油さんは今日は任務が入っていると言っていたが、五条さんは久しぶりに休みだと言っていた気がする。確かに七海の言うとおり、助けを求めるならすぐに動ける可能性のある五条さんへ連絡してみる方がいいだろう。
灰原はそう七海の言葉から察して携帯を操作する。
アンテナはかろうじて圏外にはなっていないが一本しか立っていない。さもありなん。近くの集落だった場所は人は居らず、その隣の集落とて人は減る一方だという話だった。
山自体は季節によっては山の幸を穫りに人が入る事はあるという。そうやって入山した人間が無惨な姿で見つかる事件が起こり、窓が残穢を観測して呪霊の仕業と発覚した。
nononoko1996666
MOURNING某魔法の国(海)に行く七海と灰原。現パロ。七海、海は初めて行く設定。
ただタワテラに乗ろうとするだけの話。
付き合ってません。(気持ち的に 七→灰)
貴方とならどこだって楽しい「ねえ、七海。明日って空いてる?」
灰原の誘いはいつも突然だった。部活に所属していない七海は、試験前でなければ特に断る理由もなく、灰原の食べ歩きに付き合ったり、流行りの映画を観に行ったりと、自分でも驚く程、高校生活を満喫していた。
金曜日の放課後、いつものように学生寮へ帰ろうと支度をしていた七海に、灰原が前の席から勢いよく振り向き、机から身を乗りだしながら、満面の笑みで話しかけてくる。
「空いてますよ、明日はどこ行くんですか?」
「やった!あのね、ディズニーのチケット夏油さんから貰ってさ。なんか五条さんの家の株主チケットの期限もうすぐだから七海と行ってきなって言われて。」
「え、良いんですかそんな高価なもの。ちゃんと五条さんに確認しました?」
1980灰原の誘いはいつも突然だった。部活に所属していない七海は、試験前でなければ特に断る理由もなく、灰原の食べ歩きに付き合ったり、流行りの映画を観に行ったりと、自分でも驚く程、高校生活を満喫していた。
金曜日の放課後、いつものように学生寮へ帰ろうと支度をしていた七海に、灰原が前の席から勢いよく振り向き、机から身を乗りだしながら、満面の笑みで話しかけてくる。
「空いてますよ、明日はどこ行くんですか?」
「やった!あのね、ディズニーのチケット夏油さんから貰ってさ。なんか五条さんの家の株主チケットの期限もうすぐだから七海と行ってきなって言われて。」
「え、良いんですかそんな高価なもの。ちゃんと五条さんに確認しました?」