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    楓さん

    屍(大荒れペンギン

    TRAINING楓さんと釛おじとユウジジと暁おじ
    (魔術師前提のただのドンパチ)
    轟音が響いた場所は、廃倉庫の中だった。それはまるで映画の世界のように、コンテナの一つを足場にして飛んだ。
    「さっさと死んじまいなクソ野郎!」
    「相変わらず、横暴な奴だな。乾楓」
     乾楓と呼ばれた赤髪の男は、憎悪にまみれた顔で冷え切った目をして対峙している絵羽嶋暁を見据えた。アイツだけはこの手で殺さなければいけない。何があってもだ。
    「あぁ、そうだ。お前の嫁と子供、もうこさえてくれないのか?あぁ、殺し甲斐があって楽しかったよ。一瞬で肉片になったんだから」
    「テメェ……それ以上無駄口叩くんじゃねぇよ、虫唾が走るぜ」
    思い出したくもない、自身の嫁子供を奪われ一瞬で気が狂ったあの日を。
    それから続いてきたあの苦痛と絶望と後悔と憎悪と険悪と自己嫌悪の全てが乾楓の中で煮え滾って怒りへと変わる。そうすればあとは簡単で、その完成された激情はあっさりと理性を飲み込んだ。
     自身だけならまだよかったかもしれないが、相棒の嫁子供まで奪ったその男を放置しておくわけにいかない。
    「オラァッ死ね」
    「全く手負いの獣って感じで怖いんだから」
     悠々と楓の重い一撃を躱したあげく、自分の手を汚さず、 1766