楓さん
雪風(ゆきかぜ)。
DONEhttps://x.com/assaultlily_lb/status/1365964968873496579楓さんと二水ちゃん。
このイラスト(アドレス先の)がとってもかわいい…!
もものかんづめ
DOODLEおしょたな丹恒くんを育ててる丹楓さんの楓恒と寒い日の話幕間の楓恒㊺ くしゅっと、鼻を震わせて丹恒はのろのろと瞼を押し上げた。
窓から差し込む光はまだどこかほの暗く、日が昇りきっていないことを丹恒に教えてくれているようで、いつもより早く起きてしまった丹恒はいつもより寒さを感じてすぐそばで眠っている丹楓の傍へと無意識に寄ってしまう。
いそいそと丹楓の布団へと入り、丹楓の腕の中に顔をひょっこりと出すが丹楓はまだ目を閉じていて起きそうな気配はしなかった。
一人で眠っている時はとても寒く感じたが、丹楓の傍では普段と変わらないように思う。
それにしても、いつもより眠く、体も何処か動かしづらい。
丹恒は体調の不良を誤魔化すようにふるふると首を振ると、丹楓の腕の中で目を閉じた。
3054窓から差し込む光はまだどこかほの暗く、日が昇りきっていないことを丹恒に教えてくれているようで、いつもより早く起きてしまった丹恒はいつもより寒さを感じてすぐそばで眠っている丹楓の傍へと無意識に寄ってしまう。
いそいそと丹楓の布団へと入り、丹楓の腕の中に顔をひょっこりと出すが丹楓はまだ目を閉じていて起きそうな気配はしなかった。
一人で眠っている時はとても寒く感じたが、丹楓の傍では普段と変わらないように思う。
それにしても、いつもより眠く、体も何処か動かしづらい。
丹恒は体調の不良を誤魔化すようにふるふると首を振ると、丹楓の腕の中で目を閉じた。
もものかんづめ
DOODLEおしょたなたんこーくんを育ててる丹楓さんと丹恒くんと秋の話の楓恒幕間の楓恒㊹ 丹楓の背にくっつきながら丹恒は風で舞う庭先の葉を眺めていた。ひらひら、ひらひらと落ちていく其はまだ小さな丹恒から見れば風情があるというよりは動くものを目で追いかけてしまうという反射的な反応ではあったが、丹楓の背にくっついている丹恒からすれば僅かではあるが楽しさも感じていたように思う。
丹楓の務めを邪魔しないように、丹恒が庭をじっと眺めていると見覚えのある耳と尾が見えて、丹恒はぱちりと瞬きをした。
「はくじゅ…?」
ぱちぱちと瞬きをしながら名を呼べば、手を振りながら白珠が縁側に座っていた丹恒の前へとやって来て視線を合わせるように腰を下ろす。
今日は白珠が遊びに来ると丹楓は言っていただろうかと、こてんと丹恒は首を傾げたが、答えは見つからず、後ろで書類を見ている丹楓に聞くわけにもいかない。
1464丹楓の務めを邪魔しないように、丹恒が庭をじっと眺めていると見覚えのある耳と尾が見えて、丹恒はぱちりと瞬きをした。
「はくじゅ…?」
ぱちぱちと瞬きをしながら名を呼べば、手を振りながら白珠が縁側に座っていた丹恒の前へとやって来て視線を合わせるように腰を下ろす。
今日は白珠が遊びに来ると丹楓は言っていただろうかと、こてんと丹恒は首を傾げたが、答えは見つからず、後ろで書類を見ている丹楓に聞くわけにもいかない。
もものかんづめ
DOODLEおしょたな丹恒くんを育ててる丹楓さんのある日の話幕間の楓恒㊷ くしくしと手で目を擦りながら丹恒は布団の上でむくりと体を起こした。
窓から差し込む光は既に夕方と呼ぶにふさわしい程暖かみのあるものになっていて、お昼寝をしすぎてしまったと丹恒はぱちぱちと瞬きをして、普段は既に部屋に居るはずの丹楓の姿を探す。きょろきょろと辺りを見回しても丹楓の姿はなく、丹恒はこてんと首を傾げた。
今日はどこかへ出かけると言っていた覚えはなく、屋敷に居るはず。そんな丹楓が部屋にいないのはどうしてなのかわからないが、もしかしたら何か問題がおこったのかもしれないと丹恒は部屋の扉に手をかけると、きょろきょろと辺りを見回して誰もいないことを確認すると丹楓と普段眠っている部屋から抜け出した。
2229窓から差し込む光は既に夕方と呼ぶにふさわしい程暖かみのあるものになっていて、お昼寝をしすぎてしまったと丹恒はぱちぱちと瞬きをして、普段は既に部屋に居るはずの丹楓の姿を探す。きょろきょろと辺りを見回しても丹楓の姿はなく、丹恒はこてんと首を傾げた。
今日はどこかへ出かけると言っていた覚えはなく、屋敷に居るはず。そんな丹楓が部屋にいないのはどうしてなのかわからないが、もしかしたら何か問題がおこったのかもしれないと丹恒は部屋の扉に手をかけると、きょろきょろと辺りを見回して誰もいないことを確認すると丹楓と普段眠っている部屋から抜け出した。
もものかんづめ
DOODLE丹楓さんが育てているおしょたな丹恒くんの楓恒と鱗の手入れの話幕間の楓恒㊶ 持明族であっても、龍尊であっても、己自身で手入れをしなければならないことはある。他の誰かに触れられたくはない箇所は己で管理をするしかないのだ。
そんなことを丹楓が思い出しながら、今まさに眠りに落ちそうになっている丹恒に「鱗の手入れをきちんとしているか」と尋ねたのは丹恒の鱗が尾だけではなく他の箇所にあることも覚えていたからに他ならない。
大きな瞳をゆるゆると見開いた丹恒は己の尾を抱きしめて丹楓のことを見上げた。
「ていれ、している」
「其方の鱗は尾だけではないだろう」
「…う…」
「足の付け根、臀部の辺りにもあるはずだが」
ぺちりと小さな手で己の臀部に触れた丹恒は丹楓から視線を逸らして、布団へと向ける。
2451そんなことを丹楓が思い出しながら、今まさに眠りに落ちそうになっている丹恒に「鱗の手入れをきちんとしているか」と尋ねたのは丹恒の鱗が尾だけではなく他の箇所にあることも覚えていたからに他ならない。
大きな瞳をゆるゆると見開いた丹恒は己の尾を抱きしめて丹楓のことを見上げた。
「ていれ、している」
「其方の鱗は尾だけではないだろう」
「…う…」
「足の付け根、臀部の辺りにもあるはずだが」
ぺちりと小さな手で己の臀部に触れた丹恒は丹楓から視線を逸らして、布団へと向ける。
もものかんづめ
TRAINING丹楓さんの記憶の種を植えられた丹恒くんの楓恒の話幕間の楓恒㊵ 額に触れてくる冷たい手の感触にゆっくりと瞼を押し上げながら、自分の意識が現実世界にいないことは薄々と気づいていた。
アーカイブ室という誰でも入れる場所で寝起きをしているが、寝ている自分に触れてくる者などピノコニーに降り立った仲間達の代わりに列車の留守を任されている今はいないと気づいていたからだ。
ならば、誰が自分に触れているのか。
ひんやりとした其は誰の手なのか。
己が丹恒としての意識をもった時から感じている其が誰なのか気づかないわけはなかった。
「…丹楓…」
「もう少し警戒をしたらどうだ」
すぐ目の前にあった顔をぼんやりと見つめながら名前を呼ぶと、呆れたように息を吐き出しながら額に触れていた丹楓の手が離れていった。
1993アーカイブ室という誰でも入れる場所で寝起きをしているが、寝ている自分に触れてくる者などピノコニーに降り立った仲間達の代わりに列車の留守を任されている今はいないと気づいていたからだ。
ならば、誰が自分に触れているのか。
ひんやりとした其は誰の手なのか。
己が丹恒としての意識をもった時から感じている其が誰なのか気づかないわけはなかった。
「…丹楓…」
「もう少し警戒をしたらどうだ」
すぐ目の前にあった顔をぼんやりと見つめながら名前を呼ぶと、呆れたように息を吐き出しながら額に触れていた丹楓の手が離れていった。
kinoko1923
DONE楓さんのテンプレをお借りしたイルアズです!ひらひら〜のふわふわとケモみみ!そしてえっちな下着とピンヒール!ほんとは編み上げも大好きなのですが入りきりませんでした!不徳の致すところ…!!!!
アズくん、えっちなコスチュームめちゃくちゃ似合うと思うのでどんどん着てほしいです。 2
もものかんづめ
DOODLE丹楓さんが育ててるおしょたな丹恒くんの楓恒と楓の木の話幕間の楓恒㊴ 風が頬を撫で、髪を弄んでいくことも気にならない程に丹恒は屋敷の庭に生えている木をじっと見つめていた。丹楓の屋敷の中で一際大きなこの木がどうしても気になって、はらりはらりと舞い落ちていく紅色の葉さえも何故か目が離せずゆらゆらと尾を揺らしながら丹恒はその木を見つめていた。
「気になるのか」
奥の部屋から出て来た丹楓が丹恒の隣へと腰を下ろす。丹楓に声を掛けられた丹恒はぴくっと尾を跳ね上げた後に丹楓へと顔を向けてこくんと頷いた。
丹恒がこの屋敷に来てからずっとずっと気になっていた木だった。
屋敷の中で一番大きなことも、丹楓がたまに手入れをしていることも、全部が気になる理由だった。
「その木は楓の木だ」
「かえでのき…?」
2581「気になるのか」
奥の部屋から出て来た丹楓が丹恒の隣へと腰を下ろす。丹楓に声を掛けられた丹恒はぴくっと尾を跳ね上げた後に丹楓へと顔を向けてこくんと頷いた。
丹恒がこの屋敷に来てからずっとずっと気になっていた木だった。
屋敷の中で一番大きなことも、丹楓がたまに手入れをしていることも、全部が気になる理由だった。
「その木は楓の木だ」
「かえでのき…?」
もものかんづめ
DOODLE丹楓さんが育ててるおしょたな丹恒くんと大きな大きな龍のぬいぐるみの話幕間の楓恒㊳ がやがやと人が行き交い忙しない門の側で丹恒は自分が着ている着物の裾をきゅっと握りしめた。
丹恒の数歩先に居る丹楓はこれから向かう討伐の為に色々な者に指示を出しているところで、そんな丹楓を丹恒は少し遠くから見ていた。
数日屋敷を留守にする丹楓の為に見送りに来た丹恒だったが、屋敷の門の所で忙しそうにしている丹楓を見ていると、丹楓がいない静かな屋敷のことを思い出してしまって。
けれど丹楓に、静かな屋敷に居たくないとは言えず。まだ小さな自分が着いて行きたいと伝えることもできず。ただ、少し遠くから丹楓を見つめながら堪えるように着物を握りしめていることしかできなかった。
「丹恒」
指示を出し終えたのか、丹恒の方へと歩み寄ってきた丹楓に丹恒は俯きがちだった顔をあげる。
6744丹恒の数歩先に居る丹楓はこれから向かう討伐の為に色々な者に指示を出しているところで、そんな丹楓を丹恒は少し遠くから見ていた。
数日屋敷を留守にする丹楓の為に見送りに来た丹恒だったが、屋敷の門の所で忙しそうにしている丹楓を見ていると、丹楓がいない静かな屋敷のことを思い出してしまって。
けれど丹楓に、静かな屋敷に居たくないとは言えず。まだ小さな自分が着いて行きたいと伝えることもできず。ただ、少し遠くから丹楓を見つめながら堪えるように着物を握りしめていることしかできなかった。
「丹恒」
指示を出し終えたのか、丹恒の方へと歩み寄ってきた丹楓に丹恒は俯きがちだった顔をあげる。
もものかんづめ
DOODLE丹楓さんが育てているおしょたな丹恒くんの楓恒とプリンと不思議な箱(うぇいぼ)の話おしょたのお話② お昼寝から目が覚めた丹恒くん。いつもは傍に居るはずの丹楓さんが居なくて、丹楓さんを探しているみたい。
ひょっこり扉から顔を出しては丹楓さんが居なくて、尾をしょぼんってさせて次のお部屋に。また、丹楓さんが居なくて尾がしょぼんってしながら、最後の部屋に辿り着きました。
「ふーにぃ」
「起きたのか」
恐る恐る覗き込んだ部屋の中で、小さな箱を抱えた丹楓さんの姿があって丹恒くんは嬉しそうに頬を少しだけ緩めると、とてとてと小さな足音を響かせながら丹楓さんに近寄りました。
見たことのない、小さな白い箱。
なんだか可愛い龍のマークが入っている小さな箱。
この箱を今まで見たことのない丹恒くんは丹楓さんが持っている箱に興味があるみたいで、丹楓さんの傍にくると首を傾げながら丹楓さんの袖をきゅっと握りしめました。
2624ひょっこり扉から顔を出しては丹楓さんが居なくて、尾をしょぼんってさせて次のお部屋に。また、丹楓さんが居なくて尾がしょぼんってしながら、最後の部屋に辿り着きました。
「ふーにぃ」
「起きたのか」
恐る恐る覗き込んだ部屋の中で、小さな箱を抱えた丹楓さんの姿があって丹恒くんは嬉しそうに頬を少しだけ緩めると、とてとてと小さな足音を響かせながら丹楓さんに近寄りました。
見たことのない、小さな白い箱。
なんだか可愛い龍のマークが入っている小さな箱。
この箱を今まで見たことのない丹恒くんは丹楓さんが持っている箱に興味があるみたいで、丹楓さんの傍にくると首を傾げながら丹楓さんの袖をきゅっと握りしめました。
もものかんづめ
DOODLE丹楓さんが育てているおしょたな丹恒くんの楓恒とお月見の話幕間の楓恒㊲ 丹楓は丹恒の小さな手を痛くない程度に力を入れながら握り、丹鼎司の中を歩く。
今日は月を見て、甘味を食すべきだと白珠に諭され丹恒と共に長楽天へと赴き団子を少量手に入れた帰り道。丹楓の方をじっと見つめる丹恒に、丹楓は視線を向けた。
「余に聞きたいことでもあるのか」
「…ふーにぃ、いんげちゅ…?」
おそらく白珠が丹楓のことを飲月と呼んでいるのを聞いて疑問に思ったのだろう。
仲間の誰もが普段は丹楓のことを飲月と呼んでいるが、丹恒は今まで気にしてはいなかったはずだ。もしかすると、最近文字を習っているが故に違う言葉で呼ばれていることが気になってしまったのかもしれない。
「そうだ、余は飲月とも呼ばれている」
「ふーにぃ、ふーにぃちがう…?」
2258今日は月を見て、甘味を食すべきだと白珠に諭され丹恒と共に長楽天へと赴き団子を少量手に入れた帰り道。丹楓の方をじっと見つめる丹恒に、丹楓は視線を向けた。
「余に聞きたいことでもあるのか」
「…ふーにぃ、いんげちゅ…?」
おそらく白珠が丹楓のことを飲月と呼んでいるのを聞いて疑問に思ったのだろう。
仲間の誰もが普段は丹楓のことを飲月と呼んでいるが、丹恒は今まで気にしてはいなかったはずだ。もしかすると、最近文字を習っているが故に違う言葉で呼ばれていることが気になってしまったのかもしれない。
「そうだ、余は飲月とも呼ばれている」
「ふーにぃ、ふーにぃちがう…?」
もものかんづめ
DOODLE丹楓さんが育てているおしょたな丹恒くんの楓恒の牙の話幕間の楓恒㊱ 視線が合ったかと思えばすぐに逸れ何処かへと去っていく丹恒の後ろ姿を丹楓は何か言いたげな顔で見つめていた。
丹恒の様子がおかしくなったのはここ数日のことだ。
何かを言いたげに此方へと視線を向けて、普段であれば名を呼んでくるがここ数日は口を閉ざし慌てたように何処かへと走り去ってしまう。
それが丹楓に対してだけのことならば良かったのだが、白珠や応星、景元…果てには鏡流までもが同じような丹恒を見かけたというのだ。
何かが起こったのだと考えたほうが良いだろう。
丹楓と丹恒が住んでいるこの屋敷は二人だけではなく、頻繁に龍師が出入りしている。
丹恒にも近づかぬようにと伝えてはあるが、何かの拍子で出会い、龍師が何かをしてくるかもしれない。
2907丹恒の様子がおかしくなったのはここ数日のことだ。
何かを言いたげに此方へと視線を向けて、普段であれば名を呼んでくるがここ数日は口を閉ざし慌てたように何処かへと走り去ってしまう。
それが丹楓に対してだけのことならば良かったのだが、白珠や応星、景元…果てには鏡流までもが同じような丹恒を見かけたというのだ。
何かが起こったのだと考えたほうが良いだろう。
丹楓と丹恒が住んでいるこの屋敷は二人だけではなく、頻繁に龍師が出入りしている。
丹恒にも近づかぬようにと伝えてはあるが、何かの拍子で出会い、龍師が何かをしてくるかもしれない。
白蓮(はくれん)
DONEらふてーちゃんねるポケモンSV配信から楓さんとNKさん描きました。2枚目は家計を守るために家庭防衛プログラム起動したNKフトゥー博士です。
Xには動画形式であげてますのでよければ是非見てください。 2
もものかんづめ
DOODLE丹楓さんと丹恒くんのお酒の話丹楓さんと丹恒くんのお話 聞こえてくる波の音に瞼をゆっくりと持ち上げる。
普段と変わらぬ開拓の旅で、星がどこからともなく拾ってきた資料をアーカイブにまとめそのままアーカイブ室で眠っていた筈。波の音が聞こえるような場所にはいなかったとは思うが、と辺りを見回すが波の音が聞こえてくるのみで景色は不明瞭なままだった。
一歩を踏み出しても己が今何処にいるかもわからなければ進んでいるのかどうかもわからない。
早々に此れは夢であると判断をし、この夢から覚める為になにをすべきか考える。
だが、状況もわからない現状では案は浮かんではこなかった。
「丹恒」
聞き覚えのある声に呼ばれ、振り返る。そこにあるのは変わらない不明瞭な景色だけで人の姿はない。
3864普段と変わらぬ開拓の旅で、星がどこからともなく拾ってきた資料をアーカイブにまとめそのままアーカイブ室で眠っていた筈。波の音が聞こえるような場所にはいなかったとは思うが、と辺りを見回すが波の音が聞こえてくるのみで景色は不明瞭なままだった。
一歩を踏み出しても己が今何処にいるかもわからなければ進んでいるのかどうかもわからない。
早々に此れは夢であると判断をし、この夢から覚める為になにをすべきか考える。
だが、状況もわからない現状では案は浮かんではこなかった。
「丹恒」
聞き覚えのある声に呼ばれ、振り返る。そこにあるのは変わらない不明瞭な景色だけで人の姿はない。
もものかんづめ
DOODLE丹楓さんが育てているおしょたな丹恒くんの楓恒と詩の話幕間の楓恒㉟ 次の戦について話をしていた筈の丹楓達が次第に武器の話へと切り替わっていくのを聴きながら丹恒は尾をゆらゆらと揺らした。
話し合いがある時は丹恒は丹楓の傍に居ることができない。まだ聞いても理解できないのだと丹楓に言われればよくわからない丹恒は頷き、丹楓の声が聞こえる縁側で尾を揺らしながら庭を眺め丹楓の務めが終わるのを待つことしかできない。
今日も一人、声が聞こえる縁側でゆらゆらと尾を揺らしながら待っているとぱたぱたと軽やかな足音が近づいてくる。
僅かに駆け足気味なその音は丹楓のものではない。龍師はゆったりとした足取りで近づいてくるので龍師でもない。
誰かはわからず、丹恒は尾の動きを止めるが縁側にひょっこりと顔を出した白珠にぱちぱちと瞬きを繰り返した。
4011話し合いがある時は丹恒は丹楓の傍に居ることができない。まだ聞いても理解できないのだと丹楓に言われればよくわからない丹恒は頷き、丹楓の声が聞こえる縁側で尾を揺らしながら庭を眺め丹楓の務めが終わるのを待つことしかできない。
今日も一人、声が聞こえる縁側でゆらゆらと尾を揺らしながら待っているとぱたぱたと軽やかな足音が近づいてくる。
僅かに駆け足気味なその音は丹楓のものではない。龍師はゆったりとした足取りで近づいてくるので龍師でもない。
誰かはわからず、丹恒は尾の動きを止めるが縁側にひょっこりと顔を出した白珠にぱちぱちと瞬きを繰り返した。
もものかんづめ
DONE丹恒くんの寝落ち回収員の丹楓さんのイラストをお借りして書いたSSタグの楓恒② 機械音を響かせ開いた扉を潜り、部屋の中へと目を向ける。
普段であれば自室のように常住し、資料の整理をしている丹恒の姿はない。
今朝方一晩中資料を整理している様子を見て、あまり無理をしないようにと伝えたつもりではあったが、この様子では何処かへと出かけてしまったのだろう。
はぁ、と息を吐き出し壁へと背を預ける。
己の転生体であるはずの丹恒は、良くも悪くもまだ若い。経験もまだ足りなければ、知識も己に比べればまだまだと言った所だろう。
集中して物事に取り組み事は良いことではあるが度を越せば体を壊す。本人も其れはわかっているはずではあるが、集中しすぎる所があるようだ。
このまま此処で待っていて戻ってくるのか、来ないのか。些か判断に難しい。
2027普段であれば自室のように常住し、資料の整理をしている丹恒の姿はない。
今朝方一晩中資料を整理している様子を見て、あまり無理をしないようにと伝えたつもりではあったが、この様子では何処かへと出かけてしまったのだろう。
はぁ、と息を吐き出し壁へと背を預ける。
己の転生体であるはずの丹恒は、良くも悪くもまだ若い。経験もまだ足りなければ、知識も己に比べればまだまだと言った所だろう。
集中して物事に取り組み事は良いことではあるが度を越せば体を壊す。本人も其れはわかっているはずではあるが、集中しすぎる所があるようだ。
このまま此処で待っていて戻ってくるのか、来ないのか。些か判断に難しい。
K4rgs
PROGRESS※2024/08/24~25のWEBオンリーで公開した私のサンプルの後ろに楓さんのサンプルを追加しました。A5/¥1100/50P前後の予定
・初夜を失敗したフロジェイが、成功へこぎつけようと奮闘する話
・楓(小説):ジェ視点、切岸(漫画):フ視点
ラブコメみたいなフロジェイです。
玩具、拘束プレイ、媚薬等が含まれます。よろしくお願いします! 6
もものかんづめ
DOODLE丹楓さんが育てているおしょたな丹恒くんがお手紙をだすお話地の文章が絵本風味です
おしょたのお話尾をゆっくり振りながら丹恒くんが小さな箱をそっと覗きこみました。
中には様々な色の可愛い文字でいっぱいで、丹恒くんはその中を見つめてぱちぱちと瞬きをしています。
おつかれさまって、丹楓さん以外には言葉に出して言いづらい丹恒くんは丹楓さんの屋敷でこっそりと拾ってきた季節外れの紅葉にまだまだ拙い文字で『はなまる』を書いて、箱に入れるのか悩んでいるみたい。
どうしよう、入れないでおこうかな。
丹恒くんの尾が右に左にゆらゆら、ふらふら。 後ろ手に隠し持っていた葉っぱもゆらゆら、ふらふら。
入れてようか悩んでいた丹恒くん、突然後ろから抱き上げられて尾がピンッと跳ね上がっちゃったね。
「何をしている?」
「ふーに…」
2369中には様々な色の可愛い文字でいっぱいで、丹恒くんはその中を見つめてぱちぱちと瞬きをしています。
おつかれさまって、丹楓さん以外には言葉に出して言いづらい丹恒くんは丹楓さんの屋敷でこっそりと拾ってきた季節外れの紅葉にまだまだ拙い文字で『はなまる』を書いて、箱に入れるのか悩んでいるみたい。
どうしよう、入れないでおこうかな。
丹恒くんの尾が右に左にゆらゆら、ふらふら。 後ろ手に隠し持っていた葉っぱもゆらゆら、ふらふら。
入れてようか悩んでいた丹恒くん、突然後ろから抱き上げられて尾がピンッと跳ね上がっちゃったね。
「何をしている?」
「ふーに…」
もものかんづめ
DONEいいねした人のイラストから小咄書くタグの楓恒丹楓さんが育てているおしょたな丹恒くんの設定
おめめ♡にして喉を鳴らしてる丹恒君おかりしました!
タグの楓恒「飲月、丹恒をちゃんと可愛がっていますか?」
白珠にかけられた言葉に丹楓は筆を走らせていた手を止め、顔をあげる。先ほどまで頭を抱えながら書類に向かっていた白珠は、書き終えたのか書くことを放棄したのか筆を置き丹楓へ真剣な眼差しを向けていた。
「可愛がるとは?」
「えっとですね、撫でたりとか、抱きしめたりとか、そういうことです」
「…それは必要なことなのか?」
白珠の話は長くなるだろうと、丹楓は持っていた筆を置く。
机越しに身を乗り出してくる白珠は、愛でることがどれだけ大事かを力説したいようで触れ合うことで信頼関係が構築されることもあれば、仲良くなれたり…と長々と話を続けている。
「なので、丹楓は丹恒を愛でてみてください!」
1690白珠にかけられた言葉に丹楓は筆を走らせていた手を止め、顔をあげる。先ほどまで頭を抱えながら書類に向かっていた白珠は、書き終えたのか書くことを放棄したのか筆を置き丹楓へ真剣な眼差しを向けていた。
「可愛がるとは?」
「えっとですね、撫でたりとか、抱きしめたりとか、そういうことです」
「…それは必要なことなのか?」
白珠の話は長くなるだろうと、丹楓は持っていた筆を置く。
机越しに身を乗り出してくる白珠は、愛でることがどれだけ大事かを力説したいようで触れ合うことで信頼関係が構築されることもあれば、仲良くなれたり…と長々と話を続けている。
「なので、丹楓は丹恒を愛でてみてください!」
もものかんづめ
DOODLE丹楓さんが育てているおしょたな丹恒くんの楓恒と不思議な花の話※丹恒くんの声が出なくなる描写があります
※キスする描写があります
※パロなんですけど元ネタの名前を忘れてしまいました土下座
幕間の楓恒㉞ 突然の来訪を謝罪する手紙を開きながら、丹楓は小さく息をついた。
普段務めに忙しく、丹恒との時間が少なすぎると白珠に言われ時間を作ったのが今日であったのだが、手紙の内容を見るに今日これから此方に来る旨が書かれており景元が急ぎこのような手紙をよこしてくる理由等、良い事柄ではないだろう。
今日も時間を作ってやることができず、丹楓は再び小さく息を吐き出した。
「…ふーにぃ?」
小さな植木鉢を両手に抱えた丹恒が、ぱちぱちと瞬きをしながら丹楓を見上げてくる。
手に持っている植木鉢は数か月前に白珠から巷で流行っていると丹恒に贈られたもので、丹恒が毎日世話をしていたものだ。
蕾ができ、数日のうちには花が開くだろうと今日は丹楓と一緒に丹恒は花のお世話をするつもりで持ってきたのだろう。
4801普段務めに忙しく、丹恒との時間が少なすぎると白珠に言われ時間を作ったのが今日であったのだが、手紙の内容を見るに今日これから此方に来る旨が書かれており景元が急ぎこのような手紙をよこしてくる理由等、良い事柄ではないだろう。
今日も時間を作ってやることができず、丹楓は再び小さく息を吐き出した。
「…ふーにぃ?」
小さな植木鉢を両手に抱えた丹恒が、ぱちぱちと瞬きをしながら丹楓を見上げてくる。
手に持っている植木鉢は数か月前に白珠から巷で流行っていると丹恒に贈られたもので、丹恒が毎日世話をしていたものだ。
蕾ができ、数日のうちには花が開くだろうと今日は丹楓と一緒に丹恒は花のお世話をするつもりで持ってきたのだろう。
もものかんづめ
DOODLE丹楓さんがおしょたな丹恒くんを育てている楓恒と脱皮の話鱗に対しての幻覚強め
幕間の楓恒㉝ 丹楓が居る部屋へと走り寄ってくる音が聞こえ、丹楓は重く息を吐き出しながら筆を走らせていた手を止めた。足音の大きさからして、丹恒ではない。今日は客人を呼んだ覚えも許した覚えもないことから龍師の誰かの足音だろう。
何か急ぎの案件か、それとは別の事柄か。どちらにしようとも今処理している仕事の手を止めなければならない。
部屋の前で止まった足音は急ぎ早に扉を叩く。返事を待っているのは、この部屋を無断で開けてはいけないという禁則事項があるからに他ならないが返事を待っている時間も惜しいのか扉がガタリと揺れた。どうやら、既に扉に手を掛けているようだ。
「入れ」
「失礼します! 飲月君、申し訳ございません、丹恒様が!」
4056何か急ぎの案件か、それとは別の事柄か。どちらにしようとも今処理している仕事の手を止めなければならない。
部屋の前で止まった足音は急ぎ早に扉を叩く。返事を待っているのは、この部屋を無断で開けてはいけないという禁則事項があるからに他ならないが返事を待っている時間も惜しいのか扉がガタリと揺れた。どうやら、既に扉に手を掛けているようだ。
「入れ」
「失礼します! 飲月君、申し訳ございません、丹恒様が!」
もものかんづめ
DOODLE丹楓さんが列車に乗ってる軸の楓恒と鱗の話れいさちゃんの鱗っぽい模様に触発されて書いた話
これは幻覚
幕間の楓恒㉜ ずきりと痛んだ足に意識を向けないように息を吐き出す。依頼をこなす為、飲月の姿で戦闘をしていたが常よりも力を使いすぎてしまったのか微かに吐き出した息が震えていた。
一人で受けた依頼だったが、丹恒の側を離れない丹楓と共に依頼を受けることになってしまったのは丹恒にとっては誤算ではあった。だが、丹楓が居たおかげで早く依頼が終わったのも確かで丹恒は何も言えない顔で丹楓へと視線を向けた。
「もう終いか」
「多いよりはいいだろう、早く戻るぞ」
遅くなればなるほど、列車で待っている者達が心配するだろう。そう思い、一歩を踏み出そうとした丹恒だったが歩む為に意識を向けた筈の足が動いていない。内心首を傾げながらもう一度動かそうとしてみるがやはり足は動かない。
4283一人で受けた依頼だったが、丹恒の側を離れない丹楓と共に依頼を受けることになってしまったのは丹恒にとっては誤算ではあった。だが、丹楓が居たおかげで早く依頼が終わったのも確かで丹恒は何も言えない顔で丹楓へと視線を向けた。
「もう終いか」
「多いよりはいいだろう、早く戻るぞ」
遅くなればなるほど、列車で待っている者達が心配するだろう。そう思い、一歩を踏み出そうとした丹恒だったが歩む為に意識を向けた筈の足が動いていない。内心首を傾げながらもう一度動かそうとしてみるがやはり足は動かない。
ksmt2480
DOODLE龍尊応星×短命種丹楓さんが続いた「は~な~せ~!」
「こら、暴れんじゃねぇ!」
年端も行かぬ青年を大の大人が担ぎ上げているという光景は傍から見れば実に不穏だ。だがしかし、ここは仙舟羅浮雲騎軍訓練場。このような場所で怪しいことなど起ころうはずもない。
「逃げても無駄だぞ、もうお前の荷物も屋敷に運ばせてる。お前は今日から俺のもんだ」
「ふざけるなよこの人攫い!」
前言撤回、怪しいことこの上ない。これが許されるのは一重に相手が羅浮の龍尊、飲月君応星だからである。周りの雲騎兵の『また始まった』という冷めた視線もなんのそのだ。
武器の作製に生き甲斐を見出した龍尊が見つけ出した青年は、けれどそんなこと知らぬとばかりに自らの得物と他の武器を同じものだと抜かす。そんなことが許される筈もない。分からないというのなら、分かるまで教え込むのが年長者の務めというものである。
2532「こら、暴れんじゃねぇ!」
年端も行かぬ青年を大の大人が担ぎ上げているという光景は傍から見れば実に不穏だ。だがしかし、ここは仙舟羅浮雲騎軍訓練場。このような場所で怪しいことなど起ころうはずもない。
「逃げても無駄だぞ、もうお前の荷物も屋敷に運ばせてる。お前は今日から俺のもんだ」
「ふざけるなよこの人攫い!」
前言撤回、怪しいことこの上ない。これが許されるのは一重に相手が羅浮の龍尊、飲月君応星だからである。周りの雲騎兵の『また始まった』という冷めた視線もなんのそのだ。
武器の作製に生き甲斐を見出した龍尊が見つけ出した青年は、けれどそんなこと知らぬとばかりに自らの得物と他の武器を同じものだと抜かす。そんなことが許される筈もない。分からないというのなら、分かるまで教え込むのが年長者の務めというものである。
もものかんづめ
DOODLE丹楓さんがおしょたな丹恒君を育てている軸の楓恒と尊号の話幕間の楓恒㉛ 丹恒は自分の尾をゆらゆらと揺らしながら、丹楓の元を訪れる人達をじっと見ていた。龍師が丹楓のことを「飲月君」「龍尊様」と呼び、敬った口調をしていることはまだまだ小さな丹恒も気づいていたのだが、丹楓が友人だと、仲間だと呼んでいるものたちも丹楓のことは「丹楓」とは呼ばない。
丹恒が目を開けて、丹楓の顔を認識した時。言葉を覚えた時から、丹楓は己のことを丹楓と呼べと言っていたから丹恒も丹楓のことをそう呼んでいたが、もしかしたら其れは良くなかったのかもしれないと何人目かわからない龍師を見ながら丹恒は尾を揺らした。
「ふ……う、…いんげちゅ、きゅ…」
龍師が居なくなり、丹楓が休憩をとる素振りを見せたので丹恒は頭の中で何度も練習していた「飲月君」の呼び方で呼ぼうとした。
1303丹恒が目を開けて、丹楓の顔を認識した時。言葉を覚えた時から、丹楓は己のことを丹楓と呼べと言っていたから丹恒も丹楓のことをそう呼んでいたが、もしかしたら其れは良くなかったのかもしれないと何人目かわからない龍師を見ながら丹恒は尾を揺らした。
「ふ……う、…いんげちゅ、きゅ…」
龍師が居なくなり、丹楓が休憩をとる素振りを見せたので丹恒は頭の中で何度も練習していた「飲月君」の呼び方で呼ぼうとした。
もものかんづめ
DOODLE丹楓さんがおしょたな丹恒くんを育てている楓恒と仙人爽快茶の話幕間の楓恒㉚ 最近羅浮で流行っているのだと白珠に仙人爽快茶なるものを手渡された丹恒は、丹恒の手で持つと少し大きな器に入っているそれを零さないように両手で受け取る。
甘いものがあまり得意ではない丹楓には買ってこなかったようだが、お土産だと丹恒にそれを渡すと白珠はすぐに屋敷を後にしてしまった。
「飲みたかったのか?」
「…ん」
どうやら以前白珠から其の話を聞いていて気になっていたようだ。こくり、と頷いた丹恒は横から下から観察するように色々な角度からそれを見ている。
白珠から其は飲み物であることと、冷たい方が美味しいだろうことを聞いていた丹楓は丹恒が観察している間に仙人爽快茶を落としてしまわないかを見守っていた。
「ふうにぃ」
1322甘いものがあまり得意ではない丹楓には買ってこなかったようだが、お土産だと丹恒にそれを渡すと白珠はすぐに屋敷を後にしてしまった。
「飲みたかったのか?」
「…ん」
どうやら以前白珠から其の話を聞いていて気になっていたようだ。こくり、と頷いた丹恒は横から下から観察するように色々な角度からそれを見ている。
白珠から其は飲み物であることと、冷たい方が美味しいだろうことを聞いていた丹楓は丹恒が観察している間に仙人爽快茶を落としてしまわないかを見守っていた。
「ふうにぃ」
もものかんづめ
DOODLE丹楓さんがおしょたな丹恒くんを育てている楓恒の髪の話幕間の楓恒㉙ ゆっくりと白珠に編まれていく自分の髪を丹恒は早く見たいとはやる気持ちを抑えながらじっと座っていた。
今日は少し暑いと、丹恒が零したことが始まりではあった。この天候も気温も管理されている仙舟の地で暑いと思うこと事態がおかしいのだが、丹恒からしてみれば最近水浴びをしていないので暑い、くらいの気持ちだったのかもしれない。
そんな丹恒にそれなら髪を結ってみましょうと、白珠が丹恒の髪を編み始めたのが数刻前。そこに鏡流もやってきて、二人で丹恒の髪をこうしたらどうかと色々話し合いながら編み進めていた。
「はくじゅ」
「そろそろ完成です! えっと、ここに此れを…」
「白珠、此方の方が良いだろう」
「あ! そうですね!」
1828今日は少し暑いと、丹恒が零したことが始まりではあった。この天候も気温も管理されている仙舟の地で暑いと思うこと事態がおかしいのだが、丹恒からしてみれば最近水浴びをしていないので暑い、くらいの気持ちだったのかもしれない。
そんな丹恒にそれなら髪を結ってみましょうと、白珠が丹恒の髪を編み始めたのが数刻前。そこに鏡流もやってきて、二人で丹恒の髪をこうしたらどうかと色々話し合いながら編み進めていた。
「はくじゅ」
「そろそろ完成です! えっと、ここに此れを…」
「白珠、此方の方が良いだろう」
「あ! そうですね!」
もものかんづめ
DOODLE丹楓さんがおしょたな丹恒くんを育てている楓恒の尾の話幕間の楓恒㉘ 丹恒は自分の尾をじっと見ると、ぎゅ、と抱え込んだ。自分の尾はどうしても丹楓のようにしなやかで綺麗な尾のようになりたいと思うのにそんな風にはなれない。丹楓のように尾を隠すことすらできなくて、ゆるりと眉を下げてしまう。
それとなく丹楓に、どうしたら尾を綺麗に隠すことができるのか聞いたこともあるがそんなに急がずとも育てば尾を隠せるようになれると言われ、詳しく教えてはくれなかった。
丹楓自身とくに意識をして尾を隠せるようになったわけではないのだろう。
「ん、ん~~~~」
尾に意識を集中して、体の中に収納するような想像をするが尾は相も変わらずそこにある。ぷは、と息を吐き出すと跳ね上がっていた尾が呼吸と共に下がってしまった。
1424それとなく丹楓に、どうしたら尾を綺麗に隠すことができるのか聞いたこともあるがそんなに急がずとも育てば尾を隠せるようになれると言われ、詳しく教えてはくれなかった。
丹楓自身とくに意識をして尾を隠せるようになったわけではないのだろう。
「ん、ん~~~~」
尾に意識を集中して、体の中に収納するような想像をするが尾は相も変わらずそこにある。ぷは、と息を吐き出すと跳ね上がっていた尾が呼吸と共に下がってしまった。
もものかんづめ
DOODLE丹楓さんがおしょたな丹恒くんを育てている楓恒の七夕の話幕間の楓恒㉗ 白珠が目の前に紙を並べていく動きに合わせて丹恒の体もゆらゆらと動く。白珠が良いことを思い出したと並べ始めた長方形型に切られた紙は普段丹恒が見ている紙とは少し違う。
「良いですか、丹恒。これは乞巧奠で使われることのある紙なんですが」
「きっこうでん?」
聞き覚えのない言葉に丹恒は首を傾げながら白珠が並べた紙を一枚手に取る。材質は何処にでもある紙となんら変わらず、丹楓がいつも文字を書く時に使っている紙そのままであるだろう。
「本来であれば、裁縫の上達を願い由来するものを吊るす行事なのですが、丹恒は裁縫をしないでしょう? それなら、此方の方が良いかと思いまして」
白珠はそう言うと机に向かい、自分が並べた紙を一枚手に取ると筆を走らせる。丹恒が読めない字もところどころ散見されるが、願い事を書いているように見えた。
2653「良いですか、丹恒。これは乞巧奠で使われることのある紙なんですが」
「きっこうでん?」
聞き覚えのない言葉に丹恒は首を傾げながら白珠が並べた紙を一枚手に取る。材質は何処にでもある紙となんら変わらず、丹楓がいつも文字を書く時に使っている紙そのままであるだろう。
「本来であれば、裁縫の上達を願い由来するものを吊るす行事なのですが、丹恒は裁縫をしないでしょう? それなら、此方の方が良いかと思いまして」
白珠はそう言うと机に向かい、自分が並べた紙を一枚手に取ると筆を走らせる。丹恒が読めない字もところどころ散見されるが、願い事を書いているように見えた。
もものかんづめ
DOODLE丹楓さんがおしょたな丹恒くんを育てている楓恒の2度目の話お題箱ガチャから
(お題:丹楓に頭を撫でられるのが好きな丹恒。手を頭に置いただけで自分からすりすりしてくるらしい。)
幕間の楓恒㉗ 丹恒が此方を伺うように見ていることを丹楓は気づいていた。それは今に始まったことではなく、数日前から丹楓が丹恒の傍を離れた時に度々起こっている。
誰かと話している時や、書を書き留めている時。
だが、丹楓が丹恒の方へ視線を向けると丹恒は慌てたように尾を跳ねあがらせてパタパタと何処かへと隠れてしまうので丹楓も何も言えずただその視線を受けとめていた。
「あれ、どうにかしなくていいのか?」
今日も応星に対応していると遠くの柱に隠れようとして隠れられていない丹恒がこちらを伺ってくる。他の者にまで言われ始めてしまったのならばどうにかしなければならないと丹楓は応星へ向かって後で話そうと手を挙げると丹恒の方へ踵を返す。
1177誰かと話している時や、書を書き留めている時。
だが、丹楓が丹恒の方へ視線を向けると丹恒は慌てたように尾を跳ねあがらせてパタパタと何処かへと隠れてしまうので丹楓も何も言えずただその視線を受けとめていた。
「あれ、どうにかしなくていいのか?」
今日も応星に対応していると遠くの柱に隠れようとして隠れられていない丹恒がこちらを伺ってくる。他の者にまで言われ始めてしまったのならばどうにかしなければならないと丹楓は応星へ向かって後で話そうと手を挙げると丹恒の方へ踵を返す。
もものかんづめ
DOODLE丹楓さんがおしょたな丹恒くんを育てている楓恒の初夏の贈り物の話紫丁香花:ライラック
幕間の楓恒㉖ 有象無象が己の意見を述べるだけの場になっている会議で、丹楓は眉目を寄せながらその光景を眺めていた。実のある話をしたのははじめだけ、次の戦はどの時期に何処へどの部隊が向かうかを話していたのだが気が付くと話の流れは羅浮の統治の話へと変わり、己の権力を誇示したい者たちだけが次々と意見を出す場へと変わっていた。
このような場に丹恒を連れて来れず、屋敷に一人置いてきたのだが今頃どうしているのかとふと考えてしまう。このような場で要らない時を過ごしているうちに何かが起こっているかもしれない。
そう考えると、この意味のない時間を早く終わらせなくてはと思ってしまう。
「飲月、顔に出ているぞ」
「……其方も出ているが」
2274このような場に丹恒を連れて来れず、屋敷に一人置いてきたのだが今頃どうしているのかとふと考えてしまう。このような場で要らない時を過ごしているうちに何かが起こっているかもしれない。
そう考えると、この意味のない時間を早く終わらせなくてはと思ってしまう。
「飲月、顔に出ているぞ」
「……其方も出ているが」