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    くれお

    とーい

    DONE1日1ロールタグ五周年とハピエンロルのコラボ企画用作品。
    お題が「夏の花とロール」とのことだったので、いろいろ調べてみてクレオメという花で書いてみました。密かに両片想いなロールです。話に出てくる花は、物語のなかで実際の花とは少し違う不思議な花として描写しています。
    宵に舞う蝶の秘密 そろそろか、とグラスを置き視線を動かしたローに、ルフィもスプーンを動かしていた手を止めた。
    上陸するときは目を開けていられないくらい眩しかった太陽も、この島で一番うまい食事を出すと連れてこられた宿の一階にあるレストランで飲み食いしている間に、水平線へとその緋色の体を沈めようとしていた。
     ただ、ローがそろそろだといったのは、何も活動しやすい時間になったという理由だけではない。風を取り入れるために開け放たれた窓の下に視線を向ければ、色合いを変えた街のなかを歩く人々が同じ方角に歩いているのが見える。目深にかぶった濃紺のローブも、手に掲げた小さなランタンも同じものだ。
     行くか、とたちあがったローの手にも、小島に入る際に火を入れると説明されたそれがある。もう一方の手を差し出されたルフィは、これから始まるという祭りに胸を躍らせながら、麦わら帽子の上からローブをかぶせ、その手を取った。
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    sayutaba18

    DONE大正浪漫時代のいずレオ妄想。
    妹の代わりにお見合いに行くレオくんです。
    「ルカがお見合い!?」
     今日一番の声が出た。すごく驚いてしまった。だって妹はまだ十六歳になったばかりだ。結婚なんて早すぎる。
    「ルカだって、早く結婚して、いいお婿さんの所に行くのが幸せに決まっているじゃない」
     母が言った。それが女の子の幸せなのか? 全員結婚して同じレールの上を歩いて行かなきゃいけないのか? そこに本人の意思はないのか? なんだかそれは、ひどくつまらない。と思った。
    「あなただって早くお見合いして、お嫁さんをこの家に連れてきてくれない? こないだもお見合いをすっぽかして、先方はかなりお怒りだったのよ」
     そんなこと知ったことではない。おれはまだ二十歳そこそこで結婚なんてしたくないし、好きな子とちゃんと恋愛して、結婚して幸せになりたいのだ。月永家を継ぐ覚悟は出来ているけれど、それはまだその時じゃない。
    「ルカはそれでいいのか…?」
     ルカを見ると、はにかんだ顔で笑っていた。きっと嫌なんだろうなと思った。どこの誰かともわからないやつと急に生涯を誓って無理矢理結婚させられるなんて、自分だったら絶対ごめんだ。そうだ、いいこと考えた。ようはお見合いを台無しにしてしまえばいいん 2461