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    某牙Kamsara

    SPUR ME·ファン×ビルダー(ビルダー性別不指定)&ミント×ビルダー♂|二人称|中訳日
    ·サンドロックの二人がポルティアに出張して、ついでに休暇を過ごして年をまたぎ、ポルティアのビルダーの恋が実を結むのを見守った話です。
    ·温泉デートの後、スターライト島の旅もきた!砂岩カプルは大活躍のほか、ミントとジンジャーの視点から語られるポビルの恋路もあります。
    【MTAS|ファンビル|翻訳】バカンス・イン・ポルティア(4)·ファン×ビルダー(ビルダー性別不指定)&ミント×ビルダー♂|二人称|中訳日
    ·サンドロックの二人がポルティアに出張して、ついでに休暇を過ごして年をまたぎ、ポルティアのビルダーの恋が実を結むのを見守った話です。
    ·温泉デートの後、スターライト島の旅もきた!砂岩カプルは大活躍のほか、ミントとジンジャーの視点から語られるポビルの恋路もあります。ジンジャーがポビルに好意を持っていることは、病気治療の夜遊び任務から知ることができる。ガストのほうは個人的な妄想です。
    ·それて、個人的にもポルでミントは「仕事か恋か二者択一」をしなければならない恋イベントが好きじゃないで、若いエンジニアには酷すぎです。
    ·皆が見ているように、僕の日本語はまだまだ下手で、もちろん原文はもっと下手です(笑)。嫌でなければお許しください。
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    zeppei27

    DONEなんとなく続いている主福のお話で、単品でも読めます。諭吉が隠し刀の爪を切る話。意味があるようでないような、尤もなようで馬鹿馬鹿しいささやかな読み合いです。相手の爪を切る動作って、ちょっと良いですね……

    >前作:黄金時間
    https://poipiku.com/271957/11170821.html
    >まとめ
    https://formicam.ciao.jp/novel/ror.html
    鹿爪 冬は、朝だという。かの清少納言の言は、数百年経った今でも尚十分通じる感覚だろう。福沢諭吉は湯屋の二階で窓の隙間から、そっと町が活気付いてゆく様を眺めていた。きりりと引き締まった冷たい空気に起こされ、その清涼さに浸った後、少しでも暖を取ろうとする一連の朝課に趣を感じられる。霜柱は先日踏んだ――情人である隠し刀とぱり、さく、ざく、と子供のように音の違いを楽しんで辺り一面を蹂躙した。雪は恐らく、そう遠くないうちにお目にかかるだろう。
     諭吉にとっての冬の朝の楽しみとは、朝湯に入ることだった。寒さで目覚め、冷えた体をゆるりと温める。朝湯は生まれたてのお湯が瑞々しく、体の隅々まで染み通って活きが良い。一息つくどころか何十年も若返るかのような心地にさせてくれる。特に、隠し刀が常連である湯屋は湯だけでなく様々な心尽くしがあるため、過ごしやすい。例えば今も、半ば専用の部屋のようなものが用意され、隠し刀と諭吉は二人してだらけている。
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    zeppei27

    DONEなんとなく続いている主福のお話で、単品でも読めます。新年の準備は年末から!新年の準備を頑張る人々と、餅に振り回される二人のお話。ちょっとシリアスで切な目です。

    >前作:お揃い
    https://poipiku.com/271957/10947874.html
    >まとめ
    https://formicam.ciao.jp/novel/ror.html
    鬼が笑う 冬がどんどんと日々を侵食してゆく。寒さに震えていたかと思えば、もう次の年が来るのだと今年の手仕舞いが叫ばれる。師走という名を、隠し刀はただの記号としか認識していなかったが、人間らしい生活をするようになってようやく言葉の意味を理解した。師走は師匠だけではない、あらゆる人々が駆けずり回る時なのだ。商家はツケの回収に走り、借金取りも今日までですよと大声で叫び立てる。煮炊きする音がどの家からも絶えず、正月飾りや晴れの揃えは飛ぶように売れていた。人影のまばらな路地ではこっそり、春駒の練習をする鳶がいたりもする。
     人は皆等しく残り少ない今年を噛み締め、新しい時を迎え入れるのだ。太陽が上って、沈んで、また上るだけのことがこんなにも大袈裟で意味深い。故郷では、正月の支度らしい支度もなかったな、と隠し刀はぼんやりと市井の勢いに飲まれた。自分も何かをしなければいけないような気がする。だが、何を?何をすればこの年末年始を人らしく過ごせたと思えるだろう。
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    zeppei27

    DONEいつもの主福の現パロのハロウィン話です。単品でも読めます。本に書下ろしで書いていた現パロ時空ですが、アシスタント×大学教授という前提だけわかっていれば無問題!普段通りの場所の空気が変わるのって、面白いですね。
    幸なるかな、愚かな人よ 最初はクリスマスだった。次に母の日が来てバレンタインデーが来て、父の日というなんとも忘れられがちなものを経てハロウィンがやって来た。日本のカレンダーでは直接書かれることはまだまだ少ないものの、じわじわと広まった(あるいはメディアなどの思惑に乗って広められた)習慣は、お花見よろしくお祭り騒ぎをする格好の理由として大流行りを迎えている。街中に出れば、芋栗南瓜くらいしかなかった秋の風景に、仮装衣装が並び、西洋風の怪物や魔女、お化けといった飾り物が目を楽しませてくれる。
     秋と言えば何といっても紅葉で、その静けさと味わい深さを愛していた福沢諭吉にしてみれば、取り立てて魅力的なイベントではない。寧ろ、大学で教鞭を奮う立場にとっては聊か困りものでもあった。校門前には南瓜頭を被った不審者が守衛に呼び止められ、学生証の提示を求められている。ブラスバンド部が骸骨が描かれた全身タイツを着て、ハロウィンにちなんだ映画音楽を演奏し、それに合わせて黒猫の格好をしたチアリーダーがぴょんぴょん跳ねる。ここぞとばかりに菓子を売る生協の職員は魔女で、右を向いても左を向いても仮装をした人間が目立った。まともな格好をしている人間が異界に迷い込んだ心地とはまさにこのような状態を指すだろう。
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    zeppei27

    DONEなんとなく続いている主福のお話で、単品でも読めます。リクエストをいただいた「料理描写(できれば諭吉で)」をテーマに、柚子尽の宴を開く二人のお話。美味しいものを目一杯!

    >前作:二人遊び(R18)
    https://poipiku.com/271957/10767042.html

    >まとめ
    https://formicam.ciao.jp/novel/ror.html
    柚子 季節の移ろいを訴えるのは様々で、例えば朝の空気の冷たさや風の香り、鳥や虫の鳴き声、それに葉の色の変化も忘れられない。今年に別れを告げるように一斉に艶やかな着物を纏って賑わせたかと思うとゆっくりと葉を落としてゆく様は、何度目にしても巡り来る年月に胸を震わせられる。別れを告げるのが葉であるならば、彼らの今年を詰め込んだ結果は文字通りその果実だろう。春は桜桃、夏は西瓜、秋は梨、そうして秋が深まって冬に近づいてくると目立つのは、
    「良い香りですね」
    柚子だ。通り一つ向こうから漂う強い香りに鼻をくすぐられ、福沢諭吉は思わず足を止めた。農家が運んできたのだろうか、俄かに市でも立ったかのように風に乗った香りが人々を誘う。実際既に引き込まれた人々の喧騒で、隠し刀の長屋がある方角は随分と賑わっているようだった。まさか彼が?これから遊びに行こうと計画していたこともあり、諭吉は足を早めた。
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    企画倉庫

    DOODLEブツメツアフター小説です!
    自宅の紅×騎士で創作BLな話です(*'ω'*)
    青い春から続く道、玄い冬をも君と笑み。逢禍学園校舎全壊。俺達の青春が在った世界は終わりを迎えた。涙と笑顔に見上げられた美しい青空の広がったその日から、先生も生徒も在校生も卒業生も大忙しで、親兄妹は兎も角仲の良い友達とも面と向かう時間が取れなかったくらいだ。それでもどうにか白兄さんの卒業式が無事終わり「外の世界を見てみたい」と旅に出た兄さんを見送った後、俺は妹である灰ちゃんの親友……許されるなら俺も友人と思っている男、柳田騎士君を個人的な用事で呼び出した。
    「紅君、どうしたんだ? 灰ちゃんがいないのに俺を呼び出すなんて。……灰ちゃんのことで何か相談?」
    カタンカタンと無機質な音を立てて彼は現れる。生命力を傾けた義肢が動いている音だ。彼は戦いの中で両足を標識化させて、その進行が随分と早かった。彼は物をよく考える性質だから、七億不思議の存在にさえ肯定的な男だから、迷い悩むことで肉体を変質させる七億不思議とは相性が悪いと言えた。旋律先生の幼馴染だという天竺先生がドッ祓いの能力を持つ人形遣いでなければ、彼はより苦労をして両足がない人生を生きることになっただろう。まるで元から自分の両足だったみたいに使っているその義肢を、彼は決して簡単に使い熟したわけではない。
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    zeppei27

    DONEマーカス、君とはもっといろいろ話ができると思っていたのに!横浜貴賓館関係メンバーでワイワイしたい!マーカスのお悩み相談会に、刀が伊賀七とサトウと取り組む話です。諭吉は最後に登場します。

    >前作:影遊び
    https://poipiku.com/271957/10694953.html
    >まとめ
    https://formicam.ciao.jp/novel/ror.html
    ありふれた椿事 世界は広い。日々の生活に追われていると、目先の環境しか考えられないものだが、その目先をどんどん遠くに伸ばしてゆくとやがては海を出て、そうして別の国にとたどり着くのだから面白い。自分は日本のどこか、ではなく世界のどこか、に暮らしているのだと唐突に思い当たって驚かずにはいられない。隠し刀も、福沢諭吉に出会うまでは自分の住む陸地のことを考えるので精一杯だった。だからこそ、自分の片割れを見つけることができなかったとも言える。
     理屈はすんなりと飲み込めた。さりとて日常生活の中で異国に想いを馳せることはまだまだ少ないのが世情で、時折異国のものを見かけ、異人を目にして、ああ世界は広いと想起される程度のことである。ある意味自分よりも、尊王攘夷を唱える志士たちの方が世界を実感していると言えよう。忌み嫌う人間の方が高い意識を抱いているというのは皮肉な話だった。
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