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    #K暁

    32honeymoon

    REHABILI◇1日1K暁番外編<映像が見えるような小説を目指して>
    色々悩んで、少しでも読み手さんの心に残るものを書きたいと
    着手した1本です。できるだけ情景描写を丁寧に書きだすことを意識しては
    みましたが、どうでしょうか。
    日曜日の朝の軽い読み物として、皆様のお近くに在れればと思います。
    どうしても不穏な終わりにしたくなくて、結局無理やりハッピーエンドにしてしまいました。K暁を幸せにし隊なんで…ゆるして…
    にちようびのあさ、ひとりがこわかったあのひのこと。ー夢を見た。
    彼がまだ、自分の中に居て、自分と同じ景色を見ていた、あの日の夢を。

    彼岸花の咲く川辺に、横たわる自分と。
    それを見下ろしている、彼が居て。
    まるであの日の再来のような光景に、身動きが取れないまま、
    暁人はただ自分を見下ろす彼を見つめ返した。

    物言わぬままの彼がそっと、胸に手を当てて。ーそのまま、深く。手刀が抉るように、暁人の胸を、貫いた。
    ばちん、と目の前が赤く染まる。
    痛みよりも何よりも、視界から彼が消えてしまうことを恐れて、暁人は喉が潰れそうになるのも構わず、彼の名を呼ぼうと口を開いた。
    喉からはひゅうひゅうと息が鳴るばかりで、もはや言葉にはならなかったけれど、
    彼は確かに、その”言葉”を聞いたようだった。
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    32honeymoon

    TRAINING・先日アップした画像版に修正を加えて、今までとおなじ横書きにしました。前回読みにくかった皆様はよければこちらで。
    ・修正したのは暁人くんの心情描写が主です。まだKのことを好きになりかけてきたところで、信じる心と無くしてしまう不安の板挟みになっている雰囲気がちょっと出てないかなと感じたので、台詞回しを少し変えてみました。まあ内容は同じなので、再読頂かなくとも問題ないと思います…単なる自己満足。
    【明時の約束】「ねえ、KK。たとえば今、僕がこの右手を切り落としたとして、ーあんたの宿っているこの魂は、何処に宿るのかな」

    ー突然。自らの右手に在る、そのあたたかな光と靄のかかる手のひらに向かって、突拍子もないことを言い出したその体の持ち主に、KKは呆れたように何いってんだ、と返した。

    『ーオレの魂が宿る場所は、ココ、だろ。手を失ったとて、消えるわけがねえ。ああ、ただー大切なものが欠けちまったって言う事実に対して、クソみてえな後悔だけは、一生残るだろうな』

    気を抜いたままで容易に操れるその右手。ぶわりと深くなった靄を握り込むようにぐっと力を込めると、とんとん、と胸を軽くたたく。

    「後悔、?」
    『ああ、後悔だ』
    「どうして?これは、僕の体だ。例え使えなくなったとしても、あんたには何の影響も無い筈だよね。それとも、使い心地が悪くなったとでも文句を言う気?ーああごめん、言い過ぎたかも。…でも、そうだろ」
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