原作雑土で連載してみる13 あまりにも意外な光景だった。
「は?」
思わず口から漏れた呟きに、土井が不審そうな顔をする。彼は尊奈門にしっかりと腕を掴まれており、無理に連れて来られたのは明らかだ。頭が痛くなってきた。
尊奈門は雑渡と土井の反応を気にもせず、
「それでは、私は任務に戻ります。夕方前には戻りますので!」
ぱっと土井から腕を離し、入って来たのと同じくらいの勢いで行ってしまう。
賑やかな気配が消えると、後には状況をよく飲み込めていない男が二人残された。
「土井殿、何故ここに?」
「……それを聞きたいのは、私なのですが」
尊奈門に無理矢理連れて来られた不機嫌を隠しもせず、それでも土井は事情を話し始めた。
彼は雑渡たちと同じく、この辺りでドクタケの事情を調べに来ていた。単身で。
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