Recent Search

    おたぬ

    @wtnk_twst

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 🍁 ❄ 🍰 🍪
    POIPOI 122

    おたぬ

    DOODLEウインクできない❄の話
    冬弥は基本的にライブには見る側、観客として参加することもないわけではないが、出演者としてステージに立つことが多い。常に相棒の隣にいるために、そして夢のためにどんな時も歌に対して真摯であり、知識には貪欲であり、努力を惜しまない。そんな彼ではあるがステージ上では苦手なことがあった。

    「Vivid BAD SQUADだ!」

    色とりどりのライトに照らされるステージ。隣に立つ相棒が観客に拳を突き出し、ニヤリと笑う。それに応えるように会場が揺れんばかりの歓声で盛り上がり、本日のライブも自分にも周囲にも厳しい相棒も満足するだろう上々の出来で幕を閉じた。

    ライブ終わり特有の高揚感の中、冬弥は考える。歌に妥協をしたことはないし、様々な壁を乗り越え、父との確執を吹っ切って、今自分は彰人の隣にいる。しかし、ライブとは、ステージとは、それだけではない。彰人は自身の歌の才能を気にしていたようだが、冬弥から見れば、彰人は冬弥が持っていないものをたくさん持っている。つい先ほどステージ上で見せたパフォーマンスもそうだ。冬弥が同じ立場にいたとして、あんな風に会場を沸かせることはできなかっただろう。そして、それが会場に与える影響を冬弥はよく知っていた。
    2214

    おたぬ

    DOODLE事後な感じの🍁❄
    ドライヤーのスイッチをカチリとオフの方へ動かし熱風を止めて、手にしたそれをテーブルの上に置く。それからくたりと力なくこちらに体を預けて寝息を立てている恋人の髪がしっかりと乾いていることを確認し、彰人は冬弥の膝に腕を差し入れ背を支えて、身長の割に軽い体を持ち上げた。

    何も腕に抱えていない状態と差程変わらぬ足取りで寝室へと入り、冬弥をベッドに寝かせた彰人はその細身を改める。聞こえる寝息は穏やかで、その表情から苦しみや痛みといったものは読み取れない。

    (……よかった)

    体が辛かったりはひとまずなさそうな様子に、ホッと胸を撫で下ろす。今夜は自分でも引くくらいに興奮して、彼を感情に任せてめちゃくちゃに抱いてしまった。脳裏に、いや、瞼の裏に焼き付いた光景を思い出して、彰人は頭を抱えたくなった。繰り返される絶頂に痙攣する体を押さえつけ、もうヤダと白銀を涙で潤ませ許容量を超えた快感から逃げようとする腰を引き寄せて、最奥を突き穿つ。そうすると雌の声を上げながら冬弥の中はギューッとキツく締まって、彰人を極楽の果てへと導いてくれる。愛する人と迎える最高の瞬間。互いに互いのみを感じて愛を確かめ合うあの瞬間が彰人はこの上なく好きだった。
    1617