『青柳みたいなのは3日で飽きる』
『付き合うなら巨乳がいい』
『ないよりはあるほうが色々できる』
ある日の自習時間に聞いてしまったその言葉は、地平線を描く私の胸に暗い影を落とした。世の男性の多くが女性をどのような目で見ているのか。世の男性の多くが女性に何を求めているのか。私は何も知らなくて。ただ、彰人がくれた「好きだ」という言葉だけを、私は信じていた。
けれど、『飽き』という感情はどんなものにも起こり得て、刺激のないものには等しくそれは降りかかる。あぁ、本当に、どうして私はそれを忘れていたのだろう。彰人は常に前へ進むことを望む人なのに。妥協も停滞も嫌う彼の傍にいたいと、彼の愛が欲しいと願うのであれば、それに見合う努力を欠かしてはならないというのに。
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