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    灰原

    dc_eureka

    MOURNING灰原さんの日オンリー「口づけ」のワンライお題で書かせて頂いたけれど、
    コレジャナイ感がすごすぎて没にして、加筆修正して、持て余していたものを今更、供養致します。
    降谷さんのふの字も出てきませんが、降谷さん目線の降志です。
    n は、ここでは実験参加者数のことです。  Ω\ζ°)チーン
    n=2のささやかな実験計画 この歳になると、いや、何より職業上、他人のキスシーンを見ても、そうそう動揺することはない。実際、張り込み中に、濃厚な口付けを交わす対象者であったり、路地裏でキスどころでない行為をやらかしている対象者であったりを、幾らでも見てきた。最初こそどぎまぎしたりもしたけれど、最近では最早、日常茶飯事。どうということもない。――はず、だった。

     偶然目にしたカップルのキス。首に腕を回して、彼らは随分と夢中になっていた。思わずドキリとしてしまい、そんな自分に、驚いた。そうか、付き合い始めの彼女が隣にいる状況では、さすがの自分でも、気恥ずかしさを感じるのか。新しい自分を発見して、一人、心のうちで感心する。

     隣を歩くのは、赤毛頭の天才科学者。職場での彼女の評判は、クール、博識、毒舌、ヤバい…。畏敬を込めた、そんな言葉。案外かわいかったり、動物好きで優しかったりする一面もあるのだが、それは、自分が〔灰原哀〕だった頃を知っているからこそ思えること。確かに、科学者・宮野志保は、はっきり言って、時々怖い。
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    ミシェルリ

    DONE8/18開催
    灰原の日オンリーイベント『シェリーに口づけ』
    サークル:深海ルクスの展示小説です。
    カップリング:降志
    ※カウントダウン企画『Witness』の続きではありますが、単品でも楽しめると思います。
    ※新蘭・京園も少し含まれています。
    ※一部コミック、アニメの内容に触れています。
    ※捏造多めです。みんな20歳越えの女子大生です。

    この作品は8/25まで公開中。
    『Liquor GIRLS NIGHT』「ちょ……っと、真純!」
    「なんだよ、志保姉」
    「どういうことなのよ、ボクと個人的に飲みに行こうって言ってたじゃない」
    「1対1なんて一言も言ってないだろ」
    「謀ったわね……!」
    「なーにコソコソ話してんのよ、飲み物決まったの?」
    「あ、じゃあボクはオレンジジュース」
    「私はモスコー・ミュール……」
    「オーケーオーケー。蘭は?」
    「じゃあ私はピーチ・アイスティーにしようかな」
    「蘭、ほんとそれ好きよね〜。おつまみは園子様に任せなさーい!すいませーん!」
     園子が手元の銀のベルをターンと勢いよく叩けば、人の良さそうな若い女主人がにこにことしながら注文を取りに来た。
     盛夏。時刻は17時半、杯戸町にて。
     園子おすすめのカジュアルな小皿料理居酒屋。店内は木目調の家具で揃えられ、素朴な印象を受ける。切り盛りする女主人の趣味なのか、レトロな雑貨が多い。ピンクの公衆電話、ジュークボックス、壁に貼られた右向きから読むポスターなど。小皿の創作料理が家庭的で美味しく、お酒の種類も豊富。若女将と2人の女性従業員でに切り盛りされている、こじんまりとしたお店。そのテーブル席に4人が収まったのはつい先程だ。
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    syo_chikubai_

    DONE※灰原と七海の死亡に関する描写があります。
    ※サラリーマン時代の七海に関する描写があります。

    十月に開催された二代目灰七版ワンドロワンライの短編四本をまとめました。鬱々としたお話が半分、嬉々としたお話が半分です。

    ・二代目灰七版ワンドロワンライ(https://twitter.com/817_1hour)
    神無月(二代目灰七版ワンドロワンライまとめ) ――神は存在しない。高二の秋にそう思った。



     否、存在はするのだろう。現に、灰原を殺したのは強い産土神信仰だ。神は存在すると信じる人には存在して見える。それが高じて人をも殺す。

     私には見えない。

     ――神は存在しない。仮に存在するのならあんなことにはならない。

     一般的な隙や欲こそ持ち合わせていたが、善人の最高峰だったような灰原が人間を守るために十七やそこらで死ぬなんて、神が存在するのならありえない。まして、それで善人とは対極にある私が未だに生きているなど、なおさら信じられない。

     灰原がいないなら、神もいない。

     ――神は存在しない。すくなくとも、私の身近には。

     信じる人がいるかぎり、どこにでも神は存在するのだろう。たとえ出雲以外の十月であろうとも、その人の周りには神というものが存在して、その人の人生を見守ってくれるのだろう。それはありがたいことだ、良かったじゃないか。だが、私が信じていた存在は、私のたった一人のかけがえない人間を殺し、私が死にたいと思ったときには死なせてくれなかった。だから、神は存在しない。そう思った。
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    あんちゅ

    MAIKINGそしかい後、元の姿・宮野志保へと戻った灰原と、そんな彼女の隣りにいる降谷の話
    「君は、虹の素が何か知っているか?」


    タイトルは某アイドルのカップリング曲からお借りしてます。デビュー時から見守ってきたアイドルのユニット曲が宮野志保にしか聞こえなかったもので…。
    灰原哀には大切なものができたけれど、宮野志保は明美さんとの時間以外は空っぽの状態だろうなと。降志になる前の冒頭を少しだけ😌
    虹の素知らされた時にはすべてが終わっていた。

    「…そう。」

    小さく呟いたその一言が私が唯一抱いた感想だった。


    気づいてはいた。
    あの強大な組織を相手に、最終局面を迎えんとしていること。
    ずっと試作を続けてきた解毒剤の効果が3、4日は維持出来るようになったことに1人の少年が勘づいていること。
    そして、それを私に黙って持ち出していたこと。


    わかってはいた。
    彼らは例えその最後であろうと、私には何もしらせないこと。
    知らせないことで私を危険から遠ざけようとしていること。
    そうすることで私を守ろうとしていること。

    そして、
    それが彼らのやり方であること。





    組織との大規模な抗争が終わったことを告げたのは工藤だった。
    いつものように博士の家に我が物顔でやってきた彼はなんてことの無いようにさらりと告げたのだった。
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    しんした

    PROGRESS8月発行予定の七灰。
    七灰のいろんな寝しなと寝起きの場面を切り取った連作の予定。
    だいたい布団の中の話(notすけべ)です。
    二本目は恋する灰原くん視点。
    ちゃんと読み返してないので誤字脱字その他おかしい部分はスルーしてください。
    8月七灰原稿②『二〇〇六年七月』



    知らないきみを知れるのは、とても嬉しいことで。
    知らないきみを知るたび、きみのことを、もっと。





    夏休みも近付くよく晴れた夏の日。今日も気温は三十度を軽く超えて、そろそろ夕方だというのに外はまだ熱気で満ちているのだろう。
    どうして疑問形なのかというと、昼過ぎから冷房の効いた七海の部屋で課題に勤しんでいるからだった。
    任務が入るたびに出される、補習代わりの課題プリントの束。昼食を食べてから真面目に取り組んだおかげか、束の厚みは随分と薄くなっていた。
    次のプリントは一番苦手な数学。しかも、文章題ばかりがみっちりと。二問目まではなんとか自力で解くことができたが、それ以降は問題の難易度が上がりペンの動きも鈍くなっていく。そろそろ集中力も切れてくる頃合いだが、斜め向かいに座る七海は黙々と英語の長文へ目を走らせている。肘をついた灰原は、考えるふりをしながらその横顔をこっそりと見つめた。
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