ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0424「マッサージ」で参加です。お風呂上がりにモさんから肩もみされるチェの話。身も心もほぐしちゃお。「ささ、チェズレイさん。こちらへどうぞおかけなすって」
スイートルームの一人がけチェアを引いてモクマがチェズレイを手招く。
「ふ、では宜しくお願いしますね」
チェズレイはバスローブの紐を結びながら、椅子に深く腰掛けた。目の前にある鏡越しにモクマと目を合わせる。磨かれた鏡面は曇りひとつなく、施術者の動きを全て映し出す。これならば下手なことはできまい。
――風呂から上がったら肩もみをさせちゃくれんか。寝間着着たままで構わんよ
入浴前に脈略なく出された提案をチェズレイは承諾した。
快諾した理由はみっつある。ひとつに、疲労を労る相棒の優しさに絆された。ふたつに、かつて整体師として仕事をしていた男の腕前に好奇心が疼いた。そして、自身の潔癖へのリハビリを兼ねてだ。
2885スイートルームの一人がけチェアを引いてモクマがチェズレイを手招く。
「ふ、では宜しくお願いしますね」
チェズレイはバスローブの紐を結びながら、椅子に深く腰掛けた。目の前にある鏡越しにモクマと目を合わせる。磨かれた鏡面は曇りひとつなく、施術者の動きを全て映し出す。これならば下手なことはできまい。
――風呂から上がったら肩もみをさせちゃくれんか。寝間着着たままで構わんよ
入浴前に脈略なく出された提案をチェズレイは承諾した。
快諾した理由はみっつある。ひとつに、疲労を労る相棒の優しさに絆された。ふたつに、かつて整体師として仕事をしていた男の腕前に好奇心が疼いた。そして、自身の潔癖へのリハビリを兼ねてだ。
ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0417「カウント」で参加です。同道直後のモクチェズ。指折り数えて待つ相棒の下へ急げ〜💨「ありがとうございました〜!また来てくださいね」
「うんうん、どうもねえ」
自動ドアと若い店員の元気な挨拶に背を向け、モクマは商店を後にした。一人でぶらぶら散歩していた道すがら見つけた個人商店だ。並ぶ食品はどれも新鮮で、看板娘のお嬢さんも話し好き。実にモクマ好みの店だった。
紙袋を左脇に抱える。
地平線へ沈む夕陽を追いかけるように石畳の道を進んだ。
紙袋から覗く真っ赤に熟れたトマトが歩調に合わせて揺れる。いい食材がたくさん手に入った。調理するのが嬉しみだ。
「これだけあれば5日は足りるでしょ」
陽に焼けた右手を広げる。
まずは1日目、トマトとレンズ豆を煮込んだミネストローネスープ。
2日目は煮詰めたスープをソースにリメイクして、ミートスパゲッティとしよう。
1765「うんうん、どうもねえ」
自動ドアと若い店員の元気な挨拶に背を向け、モクマは商店を後にした。一人でぶらぶら散歩していた道すがら見つけた個人商店だ。並ぶ食品はどれも新鮮で、看板娘のお嬢さんも話し好き。実にモクマ好みの店だった。
紙袋を左脇に抱える。
地平線へ沈む夕陽を追いかけるように石畳の道を進んだ。
紙袋から覗く真っ赤に熟れたトマトが歩調に合わせて揺れる。いい食材がたくさん手に入った。調理するのが嬉しみだ。
「これだけあれば5日は足りるでしょ」
陽に焼けた右手を広げる。
まずは1日目、トマトとレンズ豆を煮込んだミネストローネスープ。
2日目は煮詰めたスープをソースにリメイクして、ミートスパゲッティとしよう。
ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0403「急降下」で参加です。急降下する飛行機に対処するモクチェズ。
【高度が下がっています 上昇してください】
【高度が下がっています 上昇してください】
「おわわっ!」
けたたましいアラート音と同時、モクマの身体が見えざる手によって右に左に引っ張られる。たたらを踏んで後ろに下がるも指に触れた金属の感触に思わず手を上げた。
ここは飛行機の操縦室だ。飛行機を操縦するためのハンドルやらボタンやらモニターやら精密機器が詰まっている。素人が触れて事態を悪化させるのはマズイ。
脚に力を入れて、鍛え上げた体幹で荒ぶる機体の動きをいなす。
操縦室のドアに背を預け、目だけで相棒を探した。
チェズレイは操縦席に座り操縦桿を握りしめていた。
本来の操縦士は既に事切れてモクマの足元に倒れている。折り重なるようにして気絶している「裏切り者」の手によって、この飛行機はパイロットを喪ってしまった。
2161【高度が下がっています 上昇してください】
「おわわっ!」
けたたましいアラート音と同時、モクマの身体が見えざる手によって右に左に引っ張られる。たたらを踏んで後ろに下がるも指に触れた金属の感触に思わず手を上げた。
ここは飛行機の操縦室だ。飛行機を操縦するためのハンドルやらボタンやらモニターやら精密機器が詰まっている。素人が触れて事態を悪化させるのはマズイ。
脚に力を入れて、鍛え上げた体幹で荒ぶる機体の動きをいなす。
操縦室のドアに背を預け、目だけで相棒を探した。
チェズレイは操縦席に座り操縦桿を握りしめていた。
本来の操縦士は既に事切れてモクマの足元に倒れている。折り重なるようにして気絶している「裏切り者」の手によって、この飛行機はパイロットを喪ってしまった。
nochimma
DONEモクチェズワンドロ 罪 罪の味と嫉妬の罪 さっきまでぎゅっと身を寄せ合っていた卵麺が、いまは大泡の沸く寸胴鍋のホールで菜箸とダンスしている。
茹で時間は、五分。いつもは面倒がって使わぬタイマーをきちんとセットしながら、腕を組んで職人ちっくにコンロを見下ろすモクマの顔はなぜだかとってもにがにがしい。
「……なしてこんなことに……」
古い作りのセーフハウスだからキッチンは三方を壁に囲まれ、こぼれたぼやきは湯気と共に換気扇に吸われて消えた。
こんなとこまで高級そうなステンレス製のタイマーの、忙しなく階段を降りていくデジタル表示のその上にちょこんと乗った数字が示すのは、今がもうすぐ日付をまたぐ頃合いだということ。
なぜモクマがこんな時間にこんな場所で腕組みしているかといえば、晩酌の果てにまっすぐ座るのすら困難になったとろとろの相棒にごねられたからである。
3788茹で時間は、五分。いつもは面倒がって使わぬタイマーをきちんとセットしながら、腕を組んで職人ちっくにコンロを見下ろすモクマの顔はなぜだかとってもにがにがしい。
「……なしてこんなことに……」
古い作りのセーフハウスだからキッチンは三方を壁に囲まれ、こぼれたぼやきは湯気と共に換気扇に吸われて消えた。
こんなとこまで高級そうなステンレス製のタイマーの、忙しなく階段を降りていくデジタル表示のその上にちょこんと乗った数字が示すのは、今がもうすぐ日付をまたぐ頃合いだということ。
なぜモクマがこんな時間にこんな場所で腕組みしているかといえば、晩酌の果てにまっすぐ座るのすら困難になったとろとろの相棒にごねられたからである。
ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0327「罪」で参加です。晩酌してるある日のモクチェズ。
「モクマさん」
モクマの肩に隣人の重みが優しくのしかかる。男の広い肩へ頭を預けた相手は手元のどぶろく豆乳割りの水面を吐息で揺らしていた。
「んー?」
肩に滑り落ちてきた絹糸のような髪に触れる。キューティクルを逆撫でても今宵のチェズレイは何も言わない。
肩に触れる頬は火照ってて、人肌を感じて心地よかった。
美味しいお酒と相棒との愉快な会話の効果で今宵の晩酌も幸せな時間である。テーブルの上のつまみも片付いたし、瓶に残ったお酒ちゃんもわずか。晩酌相手の瞼もくっつきたがっている。
そろそろお開きにしてベッドに行こうかな、と考えていた矢先、チェズレイが口を開いた。
「ねェ、モクマさん、あれ食べたいです」
「どれ? 持ってくるよ」
1987モクマの肩に隣人の重みが優しくのしかかる。男の広い肩へ頭を預けた相手は手元のどぶろく豆乳割りの水面を吐息で揺らしていた。
「んー?」
肩に滑り落ちてきた絹糸のような髪に触れる。キューティクルを逆撫でても今宵のチェズレイは何も言わない。
肩に触れる頬は火照ってて、人肌を感じて心地よかった。
美味しいお酒と相棒との愉快な会話の効果で今宵の晩酌も幸せな時間である。テーブルの上のつまみも片付いたし、瓶に残ったお酒ちゃんもわずか。晩酌相手の瞼もくっつきたがっている。
そろそろお開きにしてベッドに行こうかな、と考えていた矢先、チェズレイが口を開いた。
「ねェ、モクマさん、あれ食べたいです」
「どれ? 持ってくるよ」
nochimma
TRAININGヴ愛後の「凍えそうな夜に三日月見上げ約束したね」の幻覚です 付き合ってないモクチェズ これまでの約束が彼らにとってどうなったかわかんなくなって止まっちゃった 遮るものなく広がる一面の夜空は、壁を覆うために吊り下げられた大きな幕みたいだと、モクマは主役のいない舞台を見つめながら思った。
しかもただの布ではない。深い紫紺色をして、びろうどのようになめらかで重厚で、いかにも相棒の故郷にふさわしい、高級感のある夜の色だった。
星は見えなかった。雪を降らすための薄雲が、布地の上を覆っているから。
半透明の紗幕は上手から吹き付ける風に乗って舞い散る雪の小粒とあいまって、はかなげでうつくしい世界を作り上げていた。
ひゅおおおおう。ひゅおおおう。
か細い風音が、彼女の不在を嘆くように響き渡る。
ほんの数分前まで、ここにはとびきりきれいな空の上のお姫様がしゃんと背を伸ばして立っていた。
6887しかもただの布ではない。深い紫紺色をして、びろうどのようになめらかで重厚で、いかにも相棒の故郷にふさわしい、高級感のある夜の色だった。
星は見えなかった。雪を降らすための薄雲が、布地の上を覆っているから。
半透明の紗幕は上手から吹き付ける風に乗って舞い散る雪の小粒とあいまって、はかなげでうつくしい世界を作り上げていた。
ひゅおおおおう。ひゅおおおう。
か細い風音が、彼女の不在を嘆くように響き渡る。
ほんの数分前まで、ここにはとびきりきれいな空の上のお姫様がしゃんと背を伸ばして立っていた。
秋良七
SPUR ME【イベント予定】7月23日(東京)星に願いを。
2022 -day1-
モクチェズオンリーに申し込みしました!
開催おめでとうございます!!!
とりあえずR18ということだけ決まっていますが何もかも未定です。何か出せるように頑張ります…!!!
ムー(金魚の人)
DONEヴ愛〜ホリバの間のモクチェズ。南国で過ごすこと2週間。朝のランニングを終えたモさんがチェズと過ごすヴィラに戻ってきて――
※モ母が少しだけ出てきます。
南の向かい風からとおせんぼ 柔らかな朝の日差しに背中を押されて、モクマは跳ねるように走っていた。
エメラルドグリーンの海がキラキラと輝いている。まるで宝石を散りばめたよう。白い砂浜との境は鮮やかで眩しい。
チェズレイ曰く、ここは海ではなく礁湖、白い砂浜はサンゴ礁だという。遠い地平線まで続く湖はモクマの目には海にしか思えないのだけれども。
黄色いビーチサンダルで白地を踏みしめ、波打ち際を駆ける。腕にかけたビニール袋がモクマのアロハシャツと擦れて鳴る音も潮騒に紛れて唄うようで心地良い。
「ほっ!」
両足でひとつの建物の前に立つ。2週間前から根城にしているヴィラだ。リゾート用ホテルで、部屋にいても海風を感じられる開放感をモクマはいたく気に入っていた。
2568エメラルドグリーンの海がキラキラと輝いている。まるで宝石を散りばめたよう。白い砂浜との境は鮮やかで眩しい。
チェズレイ曰く、ここは海ではなく礁湖、白い砂浜はサンゴ礁だという。遠い地平線まで続く湖はモクマの目には海にしか思えないのだけれども。
黄色いビーチサンダルで白地を踏みしめ、波打ち際を駆ける。腕にかけたビニール袋がモクマのアロハシャツと擦れて鳴る音も潮騒に紛れて唄うようで心地良い。
「ほっ!」
両足でひとつの建物の前に立つ。2週間前から根城にしているヴィラだ。リゾート用ホテルで、部屋にいても海風を感じられる開放感をモクマはいたく気に入っていた。
ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0306「つくりばなし」で参加です。チェズのつくりばなしに思うところのあるモさんの話。チェズレイは詐欺師だ――
「モクマさん」
――詐欺師は9割の真実に1割の嘘を混ぜて口に乗せるんです。嘘は相手が好むものであればあるほど良い。愚か者は1割の嘘が毒とも知らず悦び食いつき、毒が回った頃には『わたし』も愚か者の財も消えている。
「モクマさん、聞こえてますか?」
「……ん、ああ、すまんすまん」
モクマは相対する相棒の強い口調の声に意識を戻された。前を向けばチェズレイの眉目秀麗な顔が映る。寄せられた柳眉と吊り上がった目尻。嵌め込まれた紫水晶には陰りが見える。批難と心配と不安の色がマーブル模様を描いていた。
「何の話だっけ?」
おどけた顔で小首を傾げてみせる。
チェズレイは、はあと溜め息を吐き出した。
2467「モクマさん」
――詐欺師は9割の真実に1割の嘘を混ぜて口に乗せるんです。嘘は相手が好むものであればあるほど良い。愚か者は1割の嘘が毒とも知らず悦び食いつき、毒が回った頃には『わたし』も愚か者の財も消えている。
「モクマさん、聞こえてますか?」
「……ん、ああ、すまんすまん」
モクマは相対する相棒の強い口調の声に意識を戻された。前を向けばチェズレイの眉目秀麗な顔が映る。寄せられた柳眉と吊り上がった目尻。嵌め込まれた紫水晶には陰りが見える。批難と心配と不安の色がマーブル模様を描いていた。
「何の話だっけ?」
おどけた顔で小首を傾げてみせる。
チェズレイは、はあと溜め息を吐き出した。
みるぐる
REHABILI初めてのモクチェズがこれでいいのか。下品かつモっさんが不憫なのでポイピクにワンクッションで置いておきます…。
片手で日常の何てことない動作をしながら、もう片手でえろいことをするシチュって燃えません?私だけか。
nochimma
TRAINING練習モクチェズ 酔っ払いのバルコニーのひそひそおしゃべりと彼の宝物について 窓いっぱいに広がった分厚い遮光カーテンのゆったり波打つひだが、一部だけ不揃いに身を寄せ合っているのが謎解きのヒントだった。
「ここにいたのかい」
「――あァ、モクマさん。なんだか、身体が火照ってしまって。すこし、夜風にあたろうかと……」
布をかき分けて重い掃き出し窓を開くと、期待通りに相棒はそこにいてくれてほっと胸を撫で下ろす。二階建てのセーフハウスのバルコニーは白いタイルが敷き詰められて広く、呼び声に首だけで振り向いた相棒は、鉄製の胸よりすこし低い場所にある手すりに身体をすっかりとあずけて……預けすぎて随分と前のめりに傾斜してしまっている。こっちを見た瞳も、声も、おなじくらいに骨のないぐにゃぐにゃの形をしていた。
6611「ここにいたのかい」
「――あァ、モクマさん。なんだか、身体が火照ってしまって。すこし、夜風にあたろうかと……」
布をかき分けて重い掃き出し窓を開くと、期待通りに相棒はそこにいてくれてほっと胸を撫で下ろす。二階建てのセーフハウスのバルコニーは白いタイルが敷き詰められて広く、呼び声に首だけで振り向いた相棒は、鉄製の胸よりすこし低い場所にある手すりに身体をすっかりとあずけて……預けすぎて随分と前のめりに傾斜してしまっている。こっちを見た瞳も、声も、おなじくらいに骨のないぐにゃぐにゃの形をしていた。
verderven
DONEチェの白黒だった世界に色を教えたのが、白でも黒でもない灰色の男モじさんだったらいいなという話灰に濁る――曖昧な男だと思った。
白でも黒とも判別できず、見る角度によってもそのさまを変える。しかし「どちらつかずで半端だ」と断じるには早計に感じる、不可思議で曖昧な男だと思った。境界もなく混ざり合い、ひどく流動的で、掴まえようにも指の隙間からすり抜けていく。そのくせ常に周りに漂い、戯れるように腕の中へ招かれる軽薄さもあるのだから、気が散って仕方がない。やがてそれは確かな濁りに成った。どこにいても、何をしていても、視界の端にその姿をとらえてしまう。そのようにさせられた自分自身にさえ腹立たしくて更に濁りが渦巻き、吐きそうなほどの衝動が腹で煮えた。頭痛がする。左目が灼かれるほどに熱い。その一挙一動全てが癪に障る。私の幻影を想起させて、心が大きく波打った。そんなことは、許されないのに。私の心はもう二度と騒がされたりしないはずなのに。あの幻影を引き裂いてやるまで、決して。許されてはいけないはずなのだから。
2337白でも黒とも判別できず、見る角度によってもそのさまを変える。しかし「どちらつかずで半端だ」と断じるには早計に感じる、不可思議で曖昧な男だと思った。境界もなく混ざり合い、ひどく流動的で、掴まえようにも指の隙間からすり抜けていく。そのくせ常に周りに漂い、戯れるように腕の中へ招かれる軽薄さもあるのだから、気が散って仕方がない。やがてそれは確かな濁りに成った。どこにいても、何をしていても、視界の端にその姿をとらえてしまう。そのようにさせられた自分自身にさえ腹立たしくて更に濁りが渦巻き、吐きそうなほどの衝動が腹で煮えた。頭痛がする。左目が灼かれるほどに熱い。その一挙一動全てが癪に障る。私の幻影を想起させて、心が大きく波打った。そんなことは、許されないのに。私の心はもう二度と騒がされたりしないはずなのに。あの幻影を引き裂いてやるまで、決して。許されてはいけないはずなのだから。
nochimma
DONEモクチェズワンドロ「猫」 ほんのかすかな頭皮への刺激は、タブレットに集中していた意識を引き戻すには十分だった。
ベッドのヘッドボードにふかふかのクッションを立てかけて、起こした腰を支えて、伸ばした脚は掛け布団の中に。
こんな半分寝ながらみたいな格好で仕事をするの、昔だったら公私混同って眉をひそめていたかもしれない。けれど今はすっかり慣れてしまった。どころか……、
「ふふ、なんですか。構ってほしい?」
視線を落として、長い髪のしっぽにじゃれつく男にうすく笑む。
……慣れてしまったどころか、同じ寝台に他人を入れて眠るなんて、数年前の自分が見たら卒倒ものだ。
そんな風にチェズレイを変えたのは、当然この男。甚平の紐は何回言っても雑な結びで、ゆるんだ胸元を布団の合間からちらつかせながら、厚い指の腹が愛おしげに毛先の上を何度も滑っている。横向きに寝転んで、こちらを見る下がった目尻が、眠たい猫みたいに細くなった。
2398ベッドのヘッドボードにふかふかのクッションを立てかけて、起こした腰を支えて、伸ばした脚は掛け布団の中に。
こんな半分寝ながらみたいな格好で仕事をするの、昔だったら公私混同って眉をひそめていたかもしれない。けれど今はすっかり慣れてしまった。どころか……、
「ふふ、なんですか。構ってほしい?」
視線を落として、長い髪のしっぽにじゃれつく男にうすく笑む。
……慣れてしまったどころか、同じ寝台に他人を入れて眠るなんて、数年前の自分が見たら卒倒ものだ。
そんな風にチェズレイを変えたのは、当然この男。甚平の紐は何回言っても雑な結びで、ゆるんだ胸元を布団の合間からちらつかせながら、厚い指の腹が愛おしげに毛先の上を何度も滑っている。横向きに寝転んで、こちらを見る下がった目尻が、眠たい猫みたいに細くなった。
ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0220「猫」「手作り」で参加です。モさんのオリガミアートに興味津々のチェ。
(ふむ……)
コーヒーのおかわりを用意するつもりでリビングへ下りた私は、机に向かうモクマさんの背中を見つけた。忙しなく手が動いている。書き物かと思いながら手元が見える位置へ歩き進めた。
モクマさんが下手な鼻歌を奏でながら千切ったメモ用紙を三角形に折っている。
太く逞しい指が紙の上を滑る。三角形の両端を内側に折って台形へ。その端をまた外側に折る。
(あァ、耳か)
四隅の角を折り込んでひっくり返せば、カクカクしているものの動物の顔に見えた。
「〜〜にん、じゃじゃーん♪」
モクマさんの鼻歌はハミングから完全に歌唱へと移り変わっていた。
完成したのかと思いきや、モクマさんはメモパッドに備え付いている黒のボールペンを握り出した。
1727コーヒーのおかわりを用意するつもりでリビングへ下りた私は、机に向かうモクマさんの背中を見つけた。忙しなく手が動いている。書き物かと思いながら手元が見える位置へ歩き進めた。
モクマさんが下手な鼻歌を奏でながら千切ったメモ用紙を三角形に折っている。
太く逞しい指が紙の上を滑る。三角形の両端を内側に折って台形へ。その端をまた外側に折る。
(あァ、耳か)
四隅の角を折り込んでひっくり返せば、カクカクしているものの動物の顔に見えた。
「〜〜にん、じゃじゃーん♪」
モクマさんの鼻歌はハミングから完全に歌唱へと移り変わっていた。
完成したのかと思いきや、モクマさんはメモパッドに備え付いている黒のボールペンを握り出した。
yukishio_bmb
INFO2/20頒布新刊 「幸福論」 サンプルモクチェズ南国本(R18)のサンプルです。
前半部分(12月に忍恋2にて公開したもの)と後半(初夜)の冒頭数ページです。
全体的に甘めです。モク母捏造しています。 25
ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0213「甘味」で参加です。モクチェズ初めてのバレンタイン、と言っていいのかなコレ。
※大祭KAGURA後、ミカグラ島を発つ前
モクマの退院は「大祭KAGURAから数週間後」なので大祭KAGURAを1月末開催とし、バレンタインの時はまだ入院中と仮定してます
『恋の味 確かめてみて』
「お?」
テレビから聴こえてきた馴染みある声にモクマは食いついた。
DISCARDと決着が付いた後、モクマはほか3名の仲間と共に病院送りとなっていた。戦いで傷ついた身体を癒やし、4人部屋で他愛のない話をしては大笑いして看護師さんに注意を受けていたのもはじめの1週間だけ。その後、アーロン、ルークに続いて先日チェズレイも退院してしまった。今は大部屋を独占状態だ。
モクマの退院は順調にいってあと1週間後らしい。これが若さか……と自身の重傷具合を棚にあげて心で泣いた。
一人きりになったモクマの退屈を癒やしてくれたのは、個室に備え付けられている19インチの液晶テレビだった。
そのモニターには赤いバラをあしらったドレスを着た歌姫スイが自身の楽曲をBGMにミカグラチョコレートの宣伝をしているところが映っていた。四角いチョコレート菓子を頬張る笑顔が眩い。
2674「お?」
テレビから聴こえてきた馴染みある声にモクマは食いついた。
DISCARDと決着が付いた後、モクマはほか3名の仲間と共に病院送りとなっていた。戦いで傷ついた身体を癒やし、4人部屋で他愛のない話をしては大笑いして看護師さんに注意を受けていたのもはじめの1週間だけ。その後、アーロン、ルークに続いて先日チェズレイも退院してしまった。今は大部屋を独占状態だ。
モクマの退院は順調にいってあと1週間後らしい。これが若さか……と自身の重傷具合を棚にあげて心で泣いた。
一人きりになったモクマの退屈を癒やしてくれたのは、個室に備え付けられている19インチの液晶テレビだった。
そのモニターには赤いバラをあしらったドレスを着た歌姫スイが自身の楽曲をBGMにミカグラチョコレートの宣伝をしているところが映っていた。四角いチョコレート菓子を頬張る笑顔が眩い。
nochimma
DOODLEモクチェズ/糸はゆるんで線になる/おはよう糸目ちゃんのぽやぽやあまあま話「チェズレイ、おはよ」
「……」
たとえば、何日もかけて、つぎに侵攻する場所の情報を集めた後とか。
たとえば、予想外のトラブルに見舞われて、まる二日タブレットにかじりつきの後とか。
あとは、まあ、今日みたいに、久々のお休みに朝方まで張り切ってしまった後とか……、
呼びかけに応じて、シーツで作ったドーム型の岩戸が開かれて、のそのそ上体だけ起こされて、なんにも纏わぬ輝く白い肌が半分あらわになる。
(あ~あ)
やっぱり予想通り。緑のエプロンを腰に巻いたモクマは見られてないのをいいことを苦笑いする。
チェズレイの完璧なつくりの美貌のなかでも、ひときわ目を引く、宝石のような紫の目。
それが、こういう、お疲れの朝だけ、ほんの時たま……眠りから覚めても尚ひらかれずに、びっしり生えそろったまつ毛が横一本に整列した……シンプルなラインになってくれることがあった。
1898「……」
たとえば、何日もかけて、つぎに侵攻する場所の情報を集めた後とか。
たとえば、予想外のトラブルに見舞われて、まる二日タブレットにかじりつきの後とか。
あとは、まあ、今日みたいに、久々のお休みに朝方まで張り切ってしまった後とか……、
呼びかけに応じて、シーツで作ったドーム型の岩戸が開かれて、のそのそ上体だけ起こされて、なんにも纏わぬ輝く白い肌が半分あらわになる。
(あ~あ)
やっぱり予想通り。緑のエプロンを腰に巻いたモクマは見られてないのをいいことを苦笑いする。
チェズレイの完璧なつくりの美貌のなかでも、ひときわ目を引く、宝石のような紫の目。
それが、こういう、お疲れの朝だけ、ほんの時たま……眠りから覚めても尚ひらかれずに、びっしり生えそろったまつ毛が横一本に整列した……シンプルなラインになってくれることがあった。
ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0130「出会い」前半はBONDに出会う前のチェズ、
後半はモ母に挨拶した時のモクチェズです。
ずっと幸せにな!
「あ……ああ……」
チェズレイは街灯の切れた薄暗い路地で、戦慄ゆえに青白い顔で後退る男を追い詰めていた。革靴がコツコツと石床を叩くリズムをタクトにし、一歩歩み寄るごとに情けない悲鳴を上げる男の顔を鑑賞する。
袋小路に追いやり、背後に逃げ場が無くなったところでチェズレイは脚を止めた。首の付け根に指をかける。鎖骨あたりにある人工皮膚の境目を指で引っ掻き、めくり上げる。
「お、おまえ……」
(あァ……)
この瞬間が好きだ。
男が信頼する友だと思い込んでいた人間の皮を脱ぎ去って正体を明かした時の絶望と憤怒と哀絶に染まった濁り切った情欲の目が突き刺さるこの瞬間が。
丹精込めて作ったマスクを男の前へ投げ捨てる。
『友人』の顔にそっくりの剥製みたいなそれと目が合った男は一際大きな慟哭を上げた。
2032チェズレイは街灯の切れた薄暗い路地で、戦慄ゆえに青白い顔で後退る男を追い詰めていた。革靴がコツコツと石床を叩くリズムをタクトにし、一歩歩み寄るごとに情けない悲鳴を上げる男の顔を鑑賞する。
袋小路に追いやり、背後に逃げ場が無くなったところでチェズレイは脚を止めた。首の付け根に指をかける。鎖骨あたりにある人工皮膚の境目を指で引っ掻き、めくり上げる。
「お、おまえ……」
(あァ……)
この瞬間が好きだ。
男が信頼する友だと思い込んでいた人間の皮を脱ぎ去って正体を明かした時の絶望と憤怒と哀絶に染まった濁り切った情欲の目が突き刺さるこの瞬間が。
丹精込めて作ったマスクを男の前へ投げ捨てる。
『友人』の顔にそっくりの剥製みたいなそれと目が合った男は一際大きな慟哭を上げた。
nochimma
DONEモクチェズワンドロ「ビンゴ」「あ……ビンゴ」
もはや感動も何もない、みたいな色褪せた声が部屋に響いて、モクマはギョッと目を見開いた。
「また!? これで三ビンゴ!? しかもストレートで!? お前さん強すぎない!? まさかとは思うが、出る目操作してない!?」
「こんな単純なゲームのどこにイカサマの余地があると? 何か賭けている訳でもないのに……」
「そりゃそうだが、お前さん意外と負けず嫌いなところあるし……」
「……」
「嘘です……スイマセン……」
ため息と共に冷ややかな視線が突き刺さって、肩を落として、しくしく。
いや、わかっている。療養がてら飛んだ南国で、早二週間。実に何十年ぶりという緊張の実家訪問も終え、チェズレイの傷もだいぶ良くなり、観光でもしようか――とか話していたちょうどその時、タブレットがけたたましく大雨の警報を伝えて。もともと雨季の時期ではあったけれど、スコールが小一時間ほど降ったら終わりなことが多いのに、今回の雨雲は大きくて、明日までは止まないとか。お陰でロクにヴィラからも出られなくて、ベッドから見える透き通った空も海も(厳密には珊瑚で区切られているから違うらしいが)もどんより濁って、それで暇つぶしにとモクマが取り出したのが、実家にあったビンゴカードだったのだから。ゲームの内容を紹介したのもさっきだし、数字はアプリがランダムに吐き出したものだし……。
3501もはや感動も何もない、みたいな色褪せた声が部屋に響いて、モクマはギョッと目を見開いた。
「また!? これで三ビンゴ!? しかもストレートで!? お前さん強すぎない!? まさかとは思うが、出る目操作してない!?」
「こんな単純なゲームのどこにイカサマの余地があると? 何か賭けている訳でもないのに……」
「そりゃそうだが、お前さん意外と負けず嫌いなところあるし……」
「……」
「嘘です……スイマセン……」
ため息と共に冷ややかな視線が突き刺さって、肩を落として、しくしく。
いや、わかっている。療養がてら飛んだ南国で、早二週間。実に何十年ぶりという緊張の実家訪問も終え、チェズレイの傷もだいぶ良くなり、観光でもしようか――とか話していたちょうどその時、タブレットがけたたましく大雨の警報を伝えて。もともと雨季の時期ではあったけれど、スコールが小一時間ほど降ったら終わりなことが多いのに、今回の雨雲は大きくて、明日までは止まないとか。お陰でロクにヴィラからも出られなくて、ベッドから見える透き通った空も海も(厳密には珊瑚で区切られているから違うらしいが)もどんより濁って、それで暇つぶしにとモクマが取り出したのが、実家にあったビンゴカードだったのだから。ゲームの内容を紹介したのもさっきだし、数字はアプリがランダムに吐き出したものだし……。
さきょんのバミ
DOODLEしゃどさんの人外おチェズネタ(https://poipiku.com/2004469/5996665.html)の旅人×ラミアさん見て「ラミア○○の発想は無かった」って感動したらできてたラフラフムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0109「おやつ」で参加です。パンケーキを一緒に食べるふたり。甘ーいジャムをたっぷり付けて
「ふぃ〜〜。疲れたあ……って、ん?」
セーフハウスの玄関に立って、被った雪を払い落としていたモクマの鼻はほのかに甘い匂いが漂っているのを感じ取った。鼻をすんすん鳴らしながら匂いの元を辿る。足は真っ直ぐキッチンに向かった。
「おや、モクマさん。雪かきお疲れ様でした。丁度いまパンケーキが焼けたところですので、ティータイムとしませんか?」
「おお〜、いいね!」
丸皿の上にはミニサイズのパンケーキが数枚扇形に並べられていた。フライパンから甘いバターの香りが立ち、満月のような薄黄色の円が次々膨らんでいく。
モクマの心も浮き足立ち、跳ぶように洗面所へ走り手を洗う。
リビングへ戻ってきた時にはテーブルの上に二人分の丸皿が乗っていた。皿にはミニパンケーキが行儀よく並び、皿の端っこにブルーベリージャムとクリームチーズが盛られていた。その脇にコーヒーカップが並ぶ。どちらもカフェ・オ・レだ。
1353セーフハウスの玄関に立って、被った雪を払い落としていたモクマの鼻はほのかに甘い匂いが漂っているのを感じ取った。鼻をすんすん鳴らしながら匂いの元を辿る。足は真っ直ぐキッチンに向かった。
「おや、モクマさん。雪かきお疲れ様でした。丁度いまパンケーキが焼けたところですので、ティータイムとしませんか?」
「おお〜、いいね!」
丸皿の上にはミニサイズのパンケーキが数枚扇形に並べられていた。フライパンから甘いバターの香りが立ち、満月のような薄黄色の円が次々膨らんでいく。
モクマの心も浮き足立ち、跳ぶように洗面所へ走り手を洗う。
リビングへ戻ってきた時にはテーブルの上に二人分の丸皿が乗っていた。皿にはミニパンケーキが行儀よく並び、皿の端っこにブルーベリージャムとクリームチーズが盛られていた。その脇にコーヒーカップが並ぶ。どちらもカフェ・オ・レだ。
ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0102「はじめて」初夢を見たチェズの話を聞くモさん。
今年もゆるゆるとワンライに参加したいと思います。宜しくお願いします!
「ん……」
モクマの瞼がゆっくりと持ち上がる。すぐ隣で空気が動く気配を察知したモクマはあっという間に意識を浮上させ、首を動かさずに視線を巡らせた。
朝陽が部屋のカーテンの隙間を縫って足元をうっすら照らしている。
反対側に目を向けると、彫刻のような美しい男の顔が間近にあった。高い鼻梁は天井を向き、長い睫毛に縁取られた透き通った瞳が薄い瞼を押し上げていた。煌めきを放つ紫水晶がとろり転がってモクマと目が合う。
起きたばかりの彼は常の鮮烈で過激な空気は鳴りを潜め、清流のような空気を纏っていた。
彼の目覚めにつられて自分は目が覚めたのだなとモクマは理解した。
「……おはよ、チェズレイ」
ごろりと横向きに身体を転がして、柔らかく名前を呼ぶ。モクマの挨拶にチェズレイはニッコリと微笑み返した。
1445モクマの瞼がゆっくりと持ち上がる。すぐ隣で空気が動く気配を察知したモクマはあっという間に意識を浮上させ、首を動かさずに視線を巡らせた。
朝陽が部屋のカーテンの隙間を縫って足元をうっすら照らしている。
反対側に目を向けると、彫刻のような美しい男の顔が間近にあった。高い鼻梁は天井を向き、長い睫毛に縁取られた透き通った瞳が薄い瞼を押し上げていた。煌めきを放つ紫水晶がとろり転がってモクマと目が合う。
起きたばかりの彼は常の鮮烈で過激な空気は鳴りを潜め、清流のような空気を纏っていた。
彼の目覚めにつられて自分は目が覚めたのだなとモクマは理解した。
「……おはよ、チェズレイ」
ごろりと横向きに身体を転がして、柔らかく名前を呼ぶ。モクマの挨拶にチェズレイはニッコリと微笑み返した。
rio_bmb
DONE書き納め。どこかの国の見知らぬ市民から見たモクチェズ。2021→2022の時系列です。A Happy New Year 2022「10、9、8……」
大通りは喧噪と熱気に包まれている。カウントダウンの唱和に混じって歓声や口笛が聞こえ、街中が大騒ぎだった。
なんといっても今日はニューイヤー・イヴである。街中がイルミネーションに彩られ、年が明けるを待ちながら飲んだくれて騒ぐ人々で通りは埋め尽くされていた。
みんな、零時きっかりに打ち上がる花火を待っているのだ。毎年恒例のことながら、実に騒々しい。友人とパーティをして盛り上がったり、こうして通りで酒を飲みながら騒いだり、というのがこの辺での一般的な新年の迎え方だった。
最近ではタチの悪いギャングが幅を利かせるようになったせいで治安が悪化し夜出歩く人は少なくなったが、ニューイヤー・イヴはやはり例外のようだった。
3730大通りは喧噪と熱気に包まれている。カウントダウンの唱和に混じって歓声や口笛が聞こえ、街中が大騒ぎだった。
なんといっても今日はニューイヤー・イヴである。街中がイルミネーションに彩られ、年が明けるを待ちながら飲んだくれて騒ぐ人々で通りは埋め尽くされていた。
みんな、零時きっかりに打ち上がる花火を待っているのだ。毎年恒例のことながら、実に騒々しい。友人とパーティをして盛り上がったり、こうして通りで酒を飲みながら騒いだり、というのがこの辺での一般的な新年の迎え方だった。
最近ではタチの悪いギャングが幅を利かせるようになったせいで治安が悪化し夜出歩く人は少なくなったが、ニューイヤー・イヴはやはり例外のようだった。