@harusamera_men
DONELADY of GRAY-After-展示2023年5月4日LADY of GRAYで配布させていただいたペーパーです。
お手に取って下さった方、ありがとうございました!
lin_co10ri
DOODLE #降志ワンドロワンライ 第8回参加作品です。所要時間 +40分
お題『微熱』
志保さんを病ませてばかりですみません…
天使の梯子 薄曇りの中に漂う、とりとめのない存在。
本来の姿に、戻ったはずなのに。その実体を一番自分が、掴めていない。
「志保くん」
慣れ親しんだあったかい声が。自分の本名なのに親しんでない名を、呼んでくれる。
ぼんやりと。志保は声がした方を見た。
「起きてきて大丈夫なのかの? ホットミルクでも淹れようかのお」
「…ありがとう、博士。私が淹れるわ。ミルクティーにする」
笑顔を見せて、言うと。困ったように、でも安心したように、大切な家族でいてくれる人は、笑ってくれた。
元の姿に戻ったら。罪を償うつもりだったし、犯罪者にふさわしい、孤独の罰を受けるつもりだった。
なのに志保の体は。それを受けられるまでの状態にならなかった。常に微熱を帯び。倦怠感と悪寒を伴っている。
2354本来の姿に、戻ったはずなのに。その実体を一番自分が、掴めていない。
「志保くん」
慣れ親しんだあったかい声が。自分の本名なのに親しんでない名を、呼んでくれる。
ぼんやりと。志保は声がした方を見た。
「起きてきて大丈夫なのかの? ホットミルクでも淹れようかのお」
「…ありがとう、博士。私が淹れるわ。ミルクティーにする」
笑顔を見せて、言うと。困ったように、でも安心したように、大切な家族でいてくれる人は、笑ってくれた。
元の姿に戻ったら。罪を償うつもりだったし、犯罪者にふさわしい、孤独の罰を受けるつもりだった。
なのに志保の体は。それを受けられるまでの状態にならなかった。常に微熱を帯び。倦怠感と悪寒を伴っている。
serisawa
DONE降志ワンドロワンライ第八回参加しました。CP:降志
所要時間:1時間22分
お題:「微熱」「デートしよう」
工藤視点の二人、ラブコメ波動
降志ワンライ「微熱」「デートしよう」 どうしようどうしよう、と目の前でアタフタする女性――かつての相棒――宮野志保を目の前にして、工藤はどこか感慨深い気持ちを抱いていた。
ボブカットに切りそろえられた紅茶色の髪も、猫のような瞳も、かつて自分と同じ小学生の姿になっていた頃と変わらない。ただ、あの頃と違うことと言えばその表情だ。
否、冷静沈着で理論的、どこかシニカルな物言いをする姿はあの頃とやはり変わらない――普段、ならば。
今目の前にしている宮野志保は、頬を紅色に染めて、眉を困り果てたようにハの字に歪ませているが、そこに拒絶の意思はなく、ただただ予想外の展開に普段は鋭利な脳裏が働かないだけだというのは一目瞭然だった。
まあ、彼女がこんな状態になる理由は推理などするまでもなくわかっている。
2393ボブカットに切りそろえられた紅茶色の髪も、猫のような瞳も、かつて自分と同じ小学生の姿になっていた頃と変わらない。ただ、あの頃と違うことと言えばその表情だ。
否、冷静沈着で理論的、どこかシニカルな物言いをする姿はあの頃とやはり変わらない――普段、ならば。
今目の前にしている宮野志保は、頬を紅色に染めて、眉を困り果てたようにハの字に歪ませているが、そこに拒絶の意思はなく、ただただ予想外の展開に普段は鋭利な脳裏が働かないだけだというのは一目瞭然だった。
まあ、彼女がこんな状態になる理由は推理などするまでもなくわかっている。
ukionze1517kara
DONE第一回 「体温」#降志ワンドロワンライ
降志
時間:約50分
大遅刻のしかも一回目ですみません。
どうしても参加したくて…
付き合ってるでいいと思う同棲?同居?降志です。
微睡み春なのに少しひんやりとしている。
寝起きの身体から熱を逃さないために、毛が逆立って温もりを守ろうとする。両腕を擦ると少し温まった。
床は冷たく爪先立ちで廊下を歩く。
キッチンから漂う香ばしい香りに釣られてリビングのドアを開けた。そこには目玉焼きとベーコンを焼く降谷の姿があった。
「おはよう」
「…おはよう」
ニッコリと笑う顔が元気すぎて、昨日帰ってきたのは深夜を回っていたはずだ。
「あんまり寝てないんじゃないの?」
「ご心配なく。これでも二時間は眠れた」
「それ、適正な睡眠時間じゃないんだけど…」
「ショートスリーパーだから大丈夫」
大丈夫な訳ないじゃない…と思いつつ疲れを感じさせない降谷に志保はため息をついた。
テーブルの上にはトマトが入ったサラダに空の白いお皿、牛乳が並べられていた。
1357寝起きの身体から熱を逃さないために、毛が逆立って温もりを守ろうとする。両腕を擦ると少し温まった。
床は冷たく爪先立ちで廊下を歩く。
キッチンから漂う香ばしい香りに釣られてリビングのドアを開けた。そこには目玉焼きとベーコンを焼く降谷の姿があった。
「おはよう」
「…おはよう」
ニッコリと笑う顔が元気すぎて、昨日帰ってきたのは深夜を回っていたはずだ。
「あんまり寝てないんじゃないの?」
「ご心配なく。これでも二時間は眠れた」
「それ、適正な睡眠時間じゃないんだけど…」
「ショートスリーパーだから大丈夫」
大丈夫な訳ないじゃない…と思いつつ疲れを感じさせない降谷に志保はため息をついた。
テーブルの上にはトマトが入ったサラダに空の白いお皿、牛乳が並べられていた。
lin_co10ri
DOODLE #降志ワンドロワンライ 第7回参加作品です。所要時間 +10分
お題『爆発』『ヒロイン』『頑張ったね』
なんちゃってバボシェリです。
映画に関係はしてませんが。
ちょっと人魚姫イメージ。
助けたのは 大きな爆発音が聞こえる。激しい炎の熱気が。ここまで伝わってくる。
シェリーはビルの一角で、外を見つめて佇んでいた。寂れた風景で、夜の帳にも包まれて、ここがどこかも分からない。
……ああ、ここで私の命は尽きるのね、と思う。
…そして。それはそれでいいのかもしれない、なんて思う。
17まで生きてきて。心残りがあるとすれば。
そうね、中途半端で終わらせることになる研究は。口惜しいかもしれない。特に。両親の意思を継いだと思っている、研究は。
でも。脅され恐怖の支配下に置かれ、何に利用されているかも分からない研究を続けることに、本当に意義を見出だせているかというと。強く頷けなんて、しない。
──私の命なんて。ここで潰えても、いいようなもの。
1825シェリーはビルの一角で、外を見つめて佇んでいた。寂れた風景で、夜の帳にも包まれて、ここがどこかも分からない。
……ああ、ここで私の命は尽きるのね、と思う。
…そして。それはそれでいいのかもしれない、なんて思う。
17まで生きてきて。心残りがあるとすれば。
そうね、中途半端で終わらせることになる研究は。口惜しいかもしれない。特に。両親の意思を継いだと思っている、研究は。
でも。脅され恐怖の支配下に置かれ、何に利用されているかも分からない研究を続けることに、本当に意義を見出だせているかというと。強く頷けなんて、しない。
──私の命なんて。ここで潰えても、いいようなもの。
9onG_blue
DONE知る人は知る、知らなくても全く問題ない拙宅設定のめんどくさい降志で温泉旅行。(旅行するとは言ってない)『ふるしほ冬のえちち祭り』参加のR-18降志カップリング作品です。
※閲覧は18歳以上の方(高校生不可)に限ります。
※パスワード:あなたは18歳以上(高校生不可)ですか?→Yes or No 2997
晴田🍺
DONE降谷が工藤の眼鏡に過剰に嫉妬する話。『ふるしほ冬のえちち祭り』参加のR-18の降志カップリング作品です。
何でも許せる方はどうぞ。
※閲覧は18歳以上の方(高校生不可)に限らせていただきます。
お題:【嫉妬】
お題台詞:「待って……眼鏡外さないで」「その顔、すごくそそられる」
パスワード:あなたは18歳以上(高校生不可)ですか?→ Yes or No 4049
lin_co10ri
DOODLE #4月4日は降志の日一昨日公式が出した「七つの記憶・危機」の動画に心揺さぶられているうちに書いた小話です。降志(姿形は降哀)。
何番煎じの話で申し訳ありませんが、降志の運命力と二人のこれからに祈りを込めて…!
Playback Mysterytrain ──8号車の後ろにある。貨物車に…
ハッ!、と降谷は目を覚ましたと同時に飛び起きた。
場所は見慣れた自宅のベッドの上。だが息は浅く乱れている。暑くもないのに汗ばんでいる。瞬間夢と現実の狭間が曖昧になって。今から失ってしまう、彼女をどうにか取り止める策を探し求めていた。
はぁ、はあ。と息を整え。心に蠢くぽっかりと空いた黒い穴に飲み込まれていかないよう、食い止める。
悪夢に苛まれる。それは今までも多々あることだった。その度に死に物狂いで乗り越えてきた。今回も。為すべきことを胸に刻んで突き進んでいくしかない。
そんなこと。分かっているのに。
──いーい? あなた達の知り合いが来るまで…
──息を殺して隠れてるのよ!!
2738ハッ!、と降谷は目を覚ましたと同時に飛び起きた。
場所は見慣れた自宅のベッドの上。だが息は浅く乱れている。暑くもないのに汗ばんでいる。瞬間夢と現実の狭間が曖昧になって。今から失ってしまう、彼女をどうにか取り止める策を探し求めていた。
はぁ、はあ。と息を整え。心に蠢くぽっかりと空いた黒い穴に飲み込まれていかないよう、食い止める。
悪夢に苛まれる。それは今までも多々あることだった。その度に死に物狂いで乗り越えてきた。今回も。為すべきことを胸に刻んで突き進んでいくしかない。
そんなこと。分かっているのに。
──いーい? あなた達の知り合いが来るまで…
──息を殺して隠れてるのよ!!
vi_mikiko
DOODLE第6回降志ワンドロワンライ参加作品です。お題:嘘・プレゼント・今度こそ逃がさない
嘘・プレゼント・今度こそ逃がさない 私の恋人は、プレゼントを欠かさない。
例えば待ち合わせに遅刻してきた時。事前に連絡もなく一晩帰ってこなかった時、予約していたレストランに現れなかった時。
つまり、私はよく約束を反故にされるのだ。でもその度彼は、駅で買えるスイーツから私が好きなブランドのバッグまで、あらゆるプレゼントで機嫌を取ってくるから、結局許すことになってしまう。
なぜこんなにも時間を守れないのか。彼がルーズだからではない。
彼の職業が、私立探偵だからだ。
依頼人からの連絡、対象者の動きに合わせて行動しているから、彼は常日頃オフの時間が読めない。
私もたまに手伝うため、彼の仕事事情には明るいつもりだ。今回の依頼人は若い女性。夫の浮気調査を依頼してきている。
2336例えば待ち合わせに遅刻してきた時。事前に連絡もなく一晩帰ってこなかった時、予約していたレストランに現れなかった時。
つまり、私はよく約束を反故にされるのだ。でもその度彼は、駅で買えるスイーツから私が好きなブランドのバッグまで、あらゆるプレゼントで機嫌を取ってくるから、結局許すことになってしまう。
なぜこんなにも時間を守れないのか。彼がルーズだからではない。
彼の職業が、私立探偵だからだ。
依頼人からの連絡、対象者の動きに合わせて行動しているから、彼は常日頃オフの時間が読めない。
私もたまに手伝うため、彼の仕事事情には明るいつもりだ。今回の依頼人は若い女性。夫の浮気調査を依頼してきている。
はーー
DOODLE攻め顔なみやのさん見たかったからかいた全然たいしたことないけどじゃっっっっかんいかがわしい雰囲気だから一応ワンクッション
攻めな志保さんにキョドる降谷さんの図需要ありまくりです!!私に!!!
vi_mikiko
DOODLE降志ワンドロワンライ5回目投稿作品です。お題:木蓮、夜明け、なんでそんなこと言うの
SS二作です。繋がりはありません。
二作目は少しメタっぽいかもです。
木蓮、夜明け、なんでそんなこと言うの1.マグノリアの君
薬品棚に並ぶコーヒーとミルク。僕はそれを眺めるのが嫌いだった。
君が当たり前のようにとるその習慣は、僕が小さな頃通っていた病院で見かけていたものだから。
君が僕に伸ばす手、頬を滑る指から、薬品の香りがするのが嫌で。君の全てがエレーナ先生を想起させて、僕は君に木蓮――マグノリアの香りのハンドクリームを贈った。真っ白な香りをするそれが全てを塗りつぶすように、エレーナ先生の残り香を塗り替えるようにと祈って。
今では、木蓮が香る季節になると、君のことを思い出すようになりました。
今更、なんでそんなこと言うのって、君は言うね。
こちらはもう、夜明け前です。
*
薬品棚に並ぶコーヒーとミルク。エレーナ先生もそうしてたんだ、と寂しそうに笑うあなたのことが嫌いでした。
1522薬品棚に並ぶコーヒーとミルク。僕はそれを眺めるのが嫌いだった。
君が当たり前のようにとるその習慣は、僕が小さな頃通っていた病院で見かけていたものだから。
君が僕に伸ばす手、頬を滑る指から、薬品の香りがするのが嫌で。君の全てがエレーナ先生を想起させて、僕は君に木蓮――マグノリアの香りのハンドクリームを贈った。真っ白な香りをするそれが全てを塗りつぶすように、エレーナ先生の残り香を塗り替えるようにと祈って。
今では、木蓮が香る季節になると、君のことを思い出すようになりました。
今更、なんでそんなこと言うのって、君は言うね。
こちらはもう、夜明け前です。
*
薬品棚に並ぶコーヒーとミルク。エレーナ先生もそうしてたんだ、と寂しそうに笑うあなたのことが嫌いでした。
_halusaki
PROGRESS2降志前提のダクバがわちゃわちゃしながら事件解決するお話です。
書き上げたら本にします。
まだ書き途中なので色々変わる予定。
この間の続き。
オリキャラが出張ります。
Redline 第二章 志保の元に従兄弟である赤井から連絡が来たのは一週間ほど前のことだった。
日本に用事があるからその時に寄る、というものだった。あとは来日の日付と日本への到着時間、到着したその足で向かう、と。どんな用事で来るのか、何日いるのか、なんで来るのか、志保から尋問のメールを返信したが返事が返ってくることはなかった。
そして赤井が来るといい日。確かに到着時間に志保の家までの移動時間を加算した時刻に赤井は志保の家を訪れた。それまでは良かったのだ。それまでは。
「はぁ? 宿を取らなかったぁ? 他当たってくれる? 秀吉さんのところとかホテルとか行く宛はいくらでもあるでしょぉ?」
バックパック一つ担いで玄関先に立つ赤井は、志保の家に滞在する気満々でやってきたのだ。
6382日本に用事があるからその時に寄る、というものだった。あとは来日の日付と日本への到着時間、到着したその足で向かう、と。どんな用事で来るのか、何日いるのか、なんで来るのか、志保から尋問のメールを返信したが返事が返ってくることはなかった。
そして赤井が来るといい日。確かに到着時間に志保の家までの移動時間を加算した時刻に赤井は志保の家を訪れた。それまでは良かったのだ。それまでは。
「はぁ? 宿を取らなかったぁ? 他当たってくれる? 秀吉さんのところとかホテルとか行く宛はいくらでもあるでしょぉ?」
バックパック一つ担いで玄関先に立つ赤井は、志保の家に滞在する気満々でやってきたのだ。
vi_mikiko
DOODLE第4回目降志ワンドロワンライ参加作品です。お題:「桃の節句」「寿司」「顔だけはいいのよね」
(気持ち、↓の続きですが単話で読めます)
https://poipiku.com/3237265/8260579.html
「桃の節句」「寿司」「顔だけはいいのよね」 春の訪れを感じる季節。ポアロのバイトを終えた降谷が米花町を歩いていると、目の前に小さな背中が見えた。
背中の正体は、大きなビニール袋を手に提げた茶髪の少女、一人だ。
今日は桃の節句。雛祭りという呼び名の方が一般的だろう。幼い女子のいる家庭では、健やかな成長を祈り雛人形を飾る日。
「哀ちゃん」
背後から声を掛ける。夕飯の買い物だろうか、大きな荷物のせいでいつも以上に彼女の身体が小さく見える気がした。
「今日は、博士の家でパーティはしないのかな」
「しないわ。うち、雛人形ないし」
「……そっか」
彼女の買い物袋を引き、奪い取るように持った。彼女は「いいのに」と言いつつ、降谷の横を大人しく歩く。
先月の節分では博士の家で探偵団らと豆まきを楽しんでいたが、今日は一人なのだろうか。幼少期からアメリカに留学していた彼女は、雛人形を見たことがあるのだろうか。遠く離れた国で一人過ごす彼女に思いを馳せ、勝手に寂しい気持ちになる。
2227背中の正体は、大きなビニール袋を手に提げた茶髪の少女、一人だ。
今日は桃の節句。雛祭りという呼び名の方が一般的だろう。幼い女子のいる家庭では、健やかな成長を祈り雛人形を飾る日。
「哀ちゃん」
背後から声を掛ける。夕飯の買い物だろうか、大きな荷物のせいでいつも以上に彼女の身体が小さく見える気がした。
「今日は、博士の家でパーティはしないのかな」
「しないわ。うち、雛人形ないし」
「……そっか」
彼女の買い物袋を引き、奪い取るように持った。彼女は「いいのに」と言いつつ、降谷の横を大人しく歩く。
先月の節分では博士の家で探偵団らと豆まきを楽しんでいたが、今日は一人なのだろうか。幼少期からアメリカに留学していた彼女は、雛人形を見たことがあるのだろうか。遠く離れた国で一人過ごす彼女に思いを馳せ、勝手に寂しい気持ちになる。
ゆらこ
MEMO拙いですがバレンタインの話「ハッピーバレンタイン」という声とともに、僕のデスクに謎の箱が置かれた。目の前には驚くことにバレンタインには全く関係のない宮野志保が立っていた。
「貴方に渡すよう頼まれたの」と彼女は言い「工藤君からよ」と面白そうに付け加えた。僕が彼女の真意を計りかねていると「子供達に頼まれたんですって」アナタ急にポアロやめたでしょ?「今年だけでいいから渡してくれって。少年探偵団からの依頼よ」説明しながら彼女は謎の箱を優しく撫でた。
その箱は1辺20cmほどの正方形で上の面には丸い穴があいていた。くじ引きの箱に似ていると思った。彼女が言うには、これはアメリカのバレンタインデーに小学校でよく見る箱で、この箱に自分の名前を書いて教室の机に置いておくと、クラスメイトや友人達がチョコレートを入れてくれる。チョコには日頃の感謝を書いたメッセージカードも付けるのが一般的で、もちろん自身もクラス全員の各箱にチョコとカードを入れていく。このようにアメリカのバレンタインは日本のそれと違い、恋人のみならず友人や家族に感謝の気持ちを伝える日でもあり、雰囲気としてはお祝いのイベントなんだそうだ。
1462「貴方に渡すよう頼まれたの」と彼女は言い「工藤君からよ」と面白そうに付け加えた。僕が彼女の真意を計りかねていると「子供達に頼まれたんですって」アナタ急にポアロやめたでしょ?「今年だけでいいから渡してくれって。少年探偵団からの依頼よ」説明しながら彼女は謎の箱を優しく撫でた。
その箱は1辺20cmほどの正方形で上の面には丸い穴があいていた。くじ引きの箱に似ていると思った。彼女が言うには、これはアメリカのバレンタインデーに小学校でよく見る箱で、この箱に自分の名前を書いて教室の机に置いておくと、クラスメイトや友人達がチョコレートを入れてくれる。チョコには日頃の感謝を書いたメッセージカードも付けるのが一般的で、もちろん自身もクラス全員の各箱にチョコとカードを入れていく。このようにアメリカのバレンタインは日本のそれと違い、恋人のみならず友人や家族に感謝の気持ちを伝える日でもあり、雰囲気としてはお祝いのイベントなんだそうだ。
vi_mikiko
DOODLE第3回降志ワンドロワンライ投稿作品です。「匂わせ」
「ハート」
「本当に、○○されると思った?」
『ごめん。今日、帰れそうにない」
彼からのメッセージに、私はスマホを投げそうになった。
*
今日は二月十四日。世間がバレンタインと言って浮かれている日。
先日、彼と一緒に食べようと言って、大きな箱のチョコを買ったのに。彼はポアロから帰れなくなったらしい。
一年で数少ないイベントの日、チョコケーキを売るポアロも繁忙だということはわかっている。
それでも、今日は夕飯前に帰るって約束したくせに、反故にした彼に腹が立つ。先に一人で食べていようと。チョコの包装紙をビリビリに破った。
私が購入したのは、某有名ショコラブランドのバレンタイン限定セット。人気店員である彼とは外で二人になるわけにはいかないから、一人寂しく並んで手に入れたもの。
2425彼からのメッセージに、私はスマホを投げそうになった。
*
今日は二月十四日。世間がバレンタインと言って浮かれている日。
先日、彼と一緒に食べようと言って、大きな箱のチョコを買ったのに。彼はポアロから帰れなくなったらしい。
一年で数少ないイベントの日、チョコケーキを売るポアロも繁忙だということはわかっている。
それでも、今日は夕飯前に帰るって約束したくせに、反故にした彼に腹が立つ。先に一人で食べていようと。チョコの包装紙をビリビリに破った。
私が購入したのは、某有名ショコラブランドのバレンタイン限定セット。人気店員である彼とは外で二人になるわけにはいかないから、一人寂しく並んで手に入れたもの。
serisawa
DONE降志ワンドロワンライ第三回参加しました。CP:降志
所要時間:1時間12分
お題:ハート
付き合ってる二人、ちょっぴり大人の雰囲気。
降志ワンライ「Subtitle」 人間は二つに分類される、と思う。
昼に生きる者と、夜に生きる者だ。
勿論、約78億人が生きる地球上の人間をたった二つに分類するなんてことはバカげているとわかっている。
千差万別、多種多様、十人十色、と多様性を促す言葉は多々あるけれど、生まれた時から闇と供に生きてきた志保にとって、世界は闇と光に分かたれていた。
一般的な20代前半成人女性には稀有な人生経験を積み重ねて、今はごく普通の社会人として生きる彼女は、それでもやはり今もなお、自身は夜に生きる側だと思っている。
決して悲観的な意味ではなく。かつて『目つきの悪いアクビ娘』などと失礼な呼称で呼ばれた由来通り、単純に朝に弱い夜型人間であるからだ。
1902昼に生きる者と、夜に生きる者だ。
勿論、約78億人が生きる地球上の人間をたった二つに分類するなんてことはバカげているとわかっている。
千差万別、多種多様、十人十色、と多様性を促す言葉は多々あるけれど、生まれた時から闇と供に生きてきた志保にとって、世界は闇と光に分かたれていた。
一般的な20代前半成人女性には稀有な人生経験を積み重ねて、今はごく普通の社会人として生きる彼女は、それでもやはり今もなお、自身は夜に生きる側だと思っている。
決して悲観的な意味ではなく。かつて『目つきの悪いアクビ娘』などと失礼な呼称で呼ばれた由来通り、単純に朝に弱い夜型人間であるからだ。
vi_mikiko
DOODLEお許しください……降志ワンドロワンライ参加作品
お題:
「節分」
「眼鏡」
「お気に召した?」
節分。
それは立春の前日に行われる、日本古来から親しまれている行事。
外は未だ冷たく透明な空気だが、暦上はもう春がくるのだ。
日本を愛し日本に愛された男、降谷零は、本日招かれた会場のチャイムを意気揚々と鳴らした。
「安室さん。いらっしゃい」
玄関に出てきたのは、この家に住む小さな少女。仮の名で呼ばれた降谷――安室は、自分と同じ異国の血が混じる彼女を見て目を細める。遠い国に出自を持つ二人が、何の因果かこの日本で出会い、共に日本の文化を楽しめるのだ。
少女――灰原哀との関係は、以前は目も合わせてもらえないほど殺伐としていた。しかし、徐々に関係を詰めていき、今ではポアロの配達を頼まれるくらい仲を深めている。
2481それは立春の前日に行われる、日本古来から親しまれている行事。
外は未だ冷たく透明な空気だが、暦上はもう春がくるのだ。
日本を愛し日本に愛された男、降谷零は、本日招かれた会場のチャイムを意気揚々と鳴らした。
「安室さん。いらっしゃい」
玄関に出てきたのは、この家に住む小さな少女。仮の名で呼ばれた降谷――安室は、自分と同じ異国の血が混じる彼女を見て目を細める。遠い国に出自を持つ二人が、何の因果かこの日本で出会い、共に日本の文化を楽しめるのだ。
少女――灰原哀との関係は、以前は目も合わせてもらえないほど殺伐としていた。しかし、徐々に関係を詰めていき、今ではポアロの配達を頼まれるくらい仲を深めている。
serisawa
DONE降志ワンドロワンライ第一回参加しました。CP:降志
所要時間:1時間11分
お題:手袋・体温
付き合ってる二人、冬のワンシーンです。
降志ワンライ「きみはポラリス」「手袋、」
「ん?」
「忘れたわ」
「……ではお手をどうぞ、お姫さま」
素直じゃないなぁ、なんてカラカラと笑う降谷は、志保の回りくどいおねだりに従順に応えてその手を握った。
志保のそれよりずっと大きな手にすっぽりと包まれると、じわじわと温かい体温が移ってくる。同時に彼の体温を奪っていることになるのではないかと懸念した頃もあったが、自身への過小評価癖こそが彼を悲しませる一番の要因なのだと気付いてからは、純粋な厚意に甘えることも身についてきた。
冬の夜。
新年も明けて三週間あまり。お正月ムードは完全に立ち消えて、社会は皆、変わり無いようで日々異なる日常を、当たり前のように繰り返している。
住宅街を並んで歩く二人の周囲は、吐き出す吐息で白く染まる。一月の空気はシンと冷え切っていた。
1686「ん?」
「忘れたわ」
「……ではお手をどうぞ、お姫さま」
素直じゃないなぁ、なんてカラカラと笑う降谷は、志保の回りくどいおねだりに従順に応えてその手を握った。
志保のそれよりずっと大きな手にすっぽりと包まれると、じわじわと温かい体温が移ってくる。同時に彼の体温を奪っていることになるのではないかと懸念した頃もあったが、自身への過小評価癖こそが彼を悲しませる一番の要因なのだと気付いてからは、純粋な厚意に甘えることも身についてきた。
冬の夜。
新年も明けて三週間あまり。お正月ムードは完全に立ち消えて、社会は皆、変わり無いようで日々異なる日常を、当たり前のように繰り返している。
住宅街を並んで歩く二人の周囲は、吐き出す吐息で白く染まる。一月の空気はシンと冷え切っていた。
vi_mikiko
DOODLE1月降志ワンライワンドロ投稿作品です。「手袋」
「体温」
「これからよろしく」
まじ快四巻のナイトメアの話あり。
手がかりとなったのは、彼の白い手袋だった。
闇夜に翼をはためかせる、白装束の男。降谷が管轄外の怪盗を追いかけるはめになったのは、披露した手品を馬鹿にされた、そんな些細なことがきっかけ。
その後、逃げ遂せようとする彼を手錠で捕まえようと試みたが、彼はするりとその枷を抜け、月を背景に空へと羽ばたいてしまった。
たったひとつ、妙な「感じ」を降谷に残して。
その後、怪盗キッドが現場に物証を残したという情報が入ったのは、偶然だった。
ビルの地面に落ちた手袋。そばで血を流して倒れていた窃盗事件の容疑者は、脳挫傷による死亡――ビルの屋上から飛び降りて亡くなったという所見だった。容疑者を助けようとしたキッドの手から、手袋だけ抜けていったのだろう。
1414闇夜に翼をはためかせる、白装束の男。降谷が管轄外の怪盗を追いかけるはめになったのは、披露した手品を馬鹿にされた、そんな些細なことがきっかけ。
その後、逃げ遂せようとする彼を手錠で捕まえようと試みたが、彼はするりとその枷を抜け、月を背景に空へと羽ばたいてしまった。
たったひとつ、妙な「感じ」を降谷に残して。
その後、怪盗キッドが現場に物証を残したという情報が入ったのは、偶然だった。
ビルの地面に落ちた手袋。そばで血を流して倒れていた窃盗事件の容疑者は、脳挫傷による死亡――ビルの屋上から飛び降りて亡くなったという所見だった。容疑者を助けようとしたキッドの手から、手袋だけ抜けていったのだろう。
ひかりせい
MAIKINGファーストキス(二)の続き、第七章の一部抜粋版です。※くれぐれも、なんでも大丈夫なかた向けです
ファーストキス(一)
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16314842
ファーストキス(二)
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19083680
第七章 最悪な目覚め(一部抜粋)「はぁ……はぁ……っん……」
降谷は最後の追い込みとばかりに速度を速めた。額から滴れて目に入りそうになる汗を手の甲で雑に拭う。
「……はぁ……はぁ……あ、あむろさ……も、もう……」
泣きそうに揺れる澄んだ瞳が、降谷にもう無理だと訴えかけてくる。息は上がり、顔を赤く上気させ、黒い髪は汗で額や頬に張り付いている。もはや限界に達しているようだった。
「これくらいで限界だなんて口ほどにもないな」
降谷は意地悪く言い放つと、速度を少しづつ緩めていく。上がった息が整ったタイミングで完全に動きを止めた。そして、首から下げたタオルで顔の汗を拭うと、ドリンクホルダーに立てかけてあった水を取り、トレッドミルから降りた。
2072降谷は最後の追い込みとばかりに速度を速めた。額から滴れて目に入りそうになる汗を手の甲で雑に拭う。
「……はぁ……はぁ……あ、あむろさ……も、もう……」
泣きそうに揺れる澄んだ瞳が、降谷にもう無理だと訴えかけてくる。息は上がり、顔を赤く上気させ、黒い髪は汗で額や頬に張り付いている。もはや限界に達しているようだった。
「これくらいで限界だなんて口ほどにもないな」
降谷は意地悪く言い放つと、速度を少しづつ緩めていく。上がった息が整ったタイミングで完全に動きを止めた。そして、首から下げたタオルで顔の汗を拭うと、ドリンクホルダーに立てかけてあった水を取り、トレッドミルから降りた。
yori_framb
DONEふるしほ冬のえちち祭りの前祭りでイラスト描いてみました。リス限定です。私のフォロワーさんで成人済とプロフに記載されている方なら確認後にリスインさせて頂きます。見たいよーという方いましたらよろしくお願いします。たいしてエロくはないので(最低ラインのパイ出ししてるだけですぅ)期待はせずにでよろしくです。@harusamera_men
PASTふるしほワンドロワンライの時に描いた(書いた)作品のまとめです①7月「夏祭り」
②7月「ラーメン」
③8月「海」
④9月「お月見」
⑤~⑧9月「ダイヤモンド」
⑨~⑪10月「ハロウィン」「スーパーマーケット」
⑫~⑬10月「停電」
※左上→右上→左下→右下の順に読んでくださいm(_ _)m
⑭11月「雨宿り」 14
@harusamera_men
DONE「台湾まぜそばを食べる降志」題名通り台湾まぜそばを食べる降志です。
2人は付き合っていません。
注)飯テロです🍜🍜
台湾まぜそばを食べる降志それは突然だった。
「ガッツリした刺激的なものが食べたいわ」
深夜1時。
金髪の美男子と茶髪の美女は夜を過ごしていた。
といっても疚しいことをしているわけではない。2人は日本を守る国家公務員とその協力者。今は捜査の真っ只中だ。
「いいのか?こんな深夜に」
「今何徹目だと思ってるの?最後に何か食べたのがいつかも思い出せないし、昼も夜もないわよ。誰かさんのせいで」
「悪いな。凶悪犯は待ってくれないんでね」
2人とも目を見張るほど美しいのに、その目の下には濃い隈が出来ている。雑談をしているが、目はパソコンのモニターに釘付けで、指は忙しなくカタカタとキーボードを叩く。
茶髪の美女-宮野志保-は、深いため息をついた。
そして、白くしなやかな指で、Enterキーを押した。
5360「ガッツリした刺激的なものが食べたいわ」
深夜1時。
金髪の美男子と茶髪の美女は夜を過ごしていた。
といっても疚しいことをしているわけではない。2人は日本を守る国家公務員とその協力者。今は捜査の真っ只中だ。
「いいのか?こんな深夜に」
「今何徹目だと思ってるの?最後に何か食べたのがいつかも思い出せないし、昼も夜もないわよ。誰かさんのせいで」
「悪いな。凶悪犯は待ってくれないんでね」
2人とも目を見張るほど美しいのに、その目の下には濃い隈が出来ている。雑談をしているが、目はパソコンのモニターに釘付けで、指は忙しなくカタカタとキーボードを叩く。
茶髪の美女-宮野志保-は、深いため息をついた。
そして、白くしなやかな指で、Enterキーを押した。