MMラフレオ目尻を通る水滴に思わず目を閉じる。
帽子の隙間から浮き出た汗が一筋落ち、慣れない不快感に帽子を取った。
普段巻いているマスクとは違い頭全体を覆うせいでむしむしして暑く感じる。
パタパタと首元を仰ぎ浮かんだ汗の粒が少しでも冷えてくれるように願うが、それでもまとわりつく熱さは消えてくれなかった。
「レオ、どうした?顔が赤いようだが」
隣で怪訝な顔を浮かべる人間の男に、レオナルドは一層手の動きを加速させた。
「な、なんでもないよトビ―!ちょっと試合に興奮しちゃってるのかもなーあはは」
そう誤魔化してみたところでこの公園では何も試合なんて行われていなかった。
むしろ今日は用事があるからとかなんとかでフィールドにいるのレイフィレットとレザーヘッド、あとジンギスの三匹だけ。
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