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    ナナシ/ムメイ

    @refuge774 @mumei_774
    ゲッター(漫画版と東映版中心/竜隼)書いて一旦投げる場所に困ったのでここに。推敲したのはpixiv(https://www.pixiv.net/users/1604747)に。■→推敲格納済
    なにかあればましまろにどうぞ↓
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLEアイサガ軸のチェンゲ竜隼。バレンタインとかホワイトデーとかの時期を盛大に逃したけど今出さないと完全に忘れるだろうので。
    適当に色々ぼかしてあるので、「アイサガ隼人の好物はエネルギーバー設定」だけ知ってればチェンゲで読めると思います。(そもそもチェンゲ本編は再会してから時間無さすぎでこんな話やれるはずないのは置いといて)
    好きにしたいだけ今日は元の世界で言うところのバレンタインデーだかなんだか、らしい。
    そんな習慣がこっちにもあるのかと不思議になったが、恋人やら家族やらへの感謝の日みたいなもんがあるって事は、誰かに感謝とか好意を伝えたい人間がそれなりにいたって事だろうし、悪くねぇと思う。

    女からチヤホヤされたいか、と言われれば、性別どうのじゃなく好意を貰えばそりゃ嬉しい。が、好意のフリだけしたご機嫌取りだの媚びだのは昔から遠慮願ってたくらいには興味がねえし、いっそ煩わしい。口にこそ滅多にしねえが。
    もし、愛情の形とか貰えるなら、大事に思う相手からだけで良いし、なんなら貰うより送る方が性に合ってる――それが誰か聞かれたら困るが。

    コートのポケットに突っ込んだままのエネルギーバーを思い出して軽く眉を顰める。
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    DOODLE1本目→寒すぎて五半をくっ付けたかった。(動機に邪念しかないがまた銀婚式夫婦)
    白狐の毛皮は秋野さんが前に書いたネタから拾いました。手入れすれば長持ちするんだそうで。
    羽織は戦国時代からとか調べはしたけどなんか違ってるかもしれない。

    2本目→でっかーい五右衛門がちっちゃな柘植櫛摘まんでにこにこ半蔵の髪すいてたら可愛いなって

    (言葉遣いは元が割と現代風混じってラフなので細かくやってません)
    ■ 冬の五半╱ぬばたまの動物というのは人が思うより頭が良い。
    息も白む冬の最中、いつの間にやらするりと入り込んだ猫が書き物机の隣に置いた火鉢に背を着け丸まり、ごろごろと喉を鳴らしていることなどもままある。

    しかしまあ、逆に時折、人であっても動物より頭がよろしくないのではないか、と思う時もある。
    半蔵は暫し席を立った間にどこから乗り込んで来たやら、火鉢の傍で身を縮めていたそれに溜息付きつつ呼びかけた。

    「……五右衛門」
    「なんだァ?」
    「冬の間は山越えが危のうてかなわぬから、滅多に来るなと言うたじゃろう」
    熊かと思うて背筋が冷えたわ、と半蔵は帯に忍ばせた短刀を再びしまいながら呟いた。火鉢の前に黒い毛皮の小山が見えた時には本当に熊かと思い一瞬肝を冷やしたのだった。
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    ナナシ/ムメイ

    DONEネオゲ本編後竜隼。
    あの世界の竜馬はどうして研究所離れて、二人は五年間何考えて過ごしてあの後どうしたんだろうとか。

    ネタとしては粗方見終わった直後にはあったんですが、データ二回飛ばした(主な理由)り、書こうとしては原作と根本的な軸や核が色々噛み合わなさすぎることに悩んでこんな時間かかり……。
    原典周りから色々設定引っ張りながらネオゲの本編内容ある程度組み込んでるつもりです。
    ■ もう一度、何度でも五年、という月日は短かったのか、長かったのか。

    ……さっぱりわからねえな。なにもかも。
    そう胸の中で独りごちながら、竜馬は縁側で一人煙を燻らす隼人を眺めた。
    黒いスラックスに白いワイシャツ。ネクタイが外されて見える首元に、今はあの十字架の鎖も無い。

    恐竜帝国の再侵攻、そして六年近くに渡っての戦いの決着からしばし。
    あの日、あの瞬間、中天で輝いていた太陽の代わりのように月が静かに秋の夜闇を照らしていた。
    山中にあるこの烏竜館は、今は自分達以外に人もおらず、まだ手入れの行き届いていない庭の草むらからは澄んだ虫の声が響く。
    長い脚を持て余す様に片膝を立てて縁側に腰を引っ掛け柱を背に寄り掛かる隼人の姿に、竜馬は不意にいつか早乙女研究所のバルコニーで手摺に腰掛けていたその姿を重ねた。
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLERe:ハニー小ネタだけど竜隼。そういえば二十周年なのかと気付いたので、記念的に。
    資料未所持で本編だけ見て書いてるのでなんか違っても許して。

    映像や脚本も良かったし単純にポップでキュートでビビッドで派手で外連味があって面白かったけど、「ダイナミック漫画作品における戦闘シーンのお顔これだー!!」感があってそういう所もとても好きです。
    今度こそ二人共に並んで生きてくれ、みたいな祈りを感じるところも。
    ■ CROSSING《Re:ハニー》前半→ハニーとなっちゃん
    原作は漫画版しかきちんと見てませんが、例えご都合主義でも違う世界と人々であってもあの終わり方は嬉しかったです。
    「友」は少なくとも石川ゲッターロボでは本当に愛した存在にこそ向けられる言葉なので、そのニュアンスで。
    後半→「早見」と「誰か」
    説明めんどくさいから極端に簡単に言うと、Re:ハニーはハニーだったけど同時に石川ゲッターロボだったし、早見は竜馬寄りで隼人混じってたよね?って前提で、なら早見にも相方いてもおかしくないよね?っていう。


    =====


    「あのね、なっちゃん」
    「なに、ハニー?」
    「えへへ、んーん、呼んでみたかったんだぁ」
    「なによ、にまにましちゃって。ほら、片付け終わってないじゃない」
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    ナナシ/ムメイ

    DONEアイサガコラボストーリー軸の竜隼がきちんと仲直りする話。
    カプと言えばそうなんだろうけど、そもそもあの二人は漫画や東映からわんにゃんが仲良く寄り添ってるみたいな雰囲気をよく感じたのでそういう感じ。わんおの愛が重いと言うより分厚すぎて揺るぎもしない感じの……。
    時系列は四人でアイサガ世界に残った三ヶ月間、前に書いたカーズ君弟子入り話の後くらい?
    ■ 残る鎖どちらかだけ知っていればなんとなく読めるとは思いますが、書いてるうちにアイサガキャラの隙間埋め部分も増えたので、コラボストーリーは知っていた方がわかりやすいかとは思います。
    アイサガ本編がそうなのでエレインとセレニティの関係もちょっと触れてます。
    実はコラボ元のチェンゲ自体、最後まで見てもひとつもまともに謎が解決していないのもあり、不明箇所は漫画とか東映、チェンゲ今川監督担当分(アイサガでも前提となっている三話まで)の考察から引っ張って再設定しています。

    コラボストーリーでは時間の流れの違いは一言で終わり、なんなら「なんかありましたっけ?」くらいの勢いで丸っと触れられ無かった(漫画版に寄せて展開するためと理解はできますが潔すぎて笑いました)竜馬と隼人の関係だけど、個別パイロットボイスには言及があるし、表向きチェンゲ名義でありながら隼人から「リョウ」呼びと素の口調まで出てるならきちんと仲直りしたよ話が欲しいかもなって。
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLE夏だしそういえば一度も書いてない花火の話でもと思う→学年誌版とかにあるんだよな→五半にするか→……花火っていつから?→手持ち花火原型はもう少し遡れるけど打ち上げ花火は江戸時代からだよ!
    よし、細かいことは置いとこう!! この人のせいにしとけば大体許されるっしょ!!
    そうしてダラダラ書いてできたのがこちらなので細かいことは気にしない精神で。
    ■ 瞼の裏に残るもの「はや――じゃなかった、半蔵よぅ、おるかぁ!?」
    「なんじゃ……お主の声はよう通るから張り上げぬでも聞こえるわ」

    ひと足先に「兄」となった人物があまりに惜しむので、大きな戦も起きてはおらぬし良かろうと前髪を落とさぬまま元服したのはつい先日。
    いまだ慣れぬ新しい名を呼び間違いながらひょっこりと庭先に顔を出したその五右衛門に、縁側の障子を開け放ったまま書き物をしていた半蔵は顔を上げた。
    夏も盛りの日差しは強く、屋根に遮られて落ちる影を尚更濃く見せる。じいじいじわじわと蝉の声が庭に響き、時折吹き込む風が麻の着物の隙間から半蔵の肌に触れ、黒く長い髪を揺らした。
    度々服部家に顔を出す石川家の子息の姿には、服部家の者たちも慣れた様子で挨拶を交わしている。近頃は見る度に大きくなっているような気がする体躯の両腕に抱えた今日の土産はよく育った瓜がふたつみっつ。
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    DOODLEネオゲ。終戦記念日なので急ぎでもなにかそれっぽい話を書いておきたかった。

    ネオゲの竜馬研究所離脱には原典知ってからずっと不思議に思っていたのでサウンドドラマからと、この辺の理由なら納得できるかなぁの穴埋め兼ねて。
    原典は両作品ともこの辺とても気を使って描いていたことと、DQ11をプレイした時の「美談とするには 残酷すぎます」というあるNPC会話が印象に残っていて。
    ■ 同じ風が吹くじいじいと、幾つも重なる蝉の声が夏の青空の下に響く。
    昇りきってはいなくとも夏の日差しは眩しく、研究所を眺める高台に立つ小さな墓標が草むらに影を落としていた。
    その下には僅かばかりの機体の残骸が眠る。

    五年前。武蔵はゲッター1と共に消えた。消えた、というには生温い、壮絶なゲッター炉心の爆発と共に。文字通り骨のひとかけも残さず。
    彼が記憶の他に残したものは研究所に残された遺品ほどで、遺族へそれらを返せばそんなものしか残らなかった。
    けれど、竜馬と隼人にはそれが一番武蔵の魂を知っているような気がした。


    「よう、武蔵」
    済まなかったな、しばらく顔出さなくてよ。

    風呂敷包みと水の入った一升瓶を携え、竜馬がそこを訪れたのは盆も終わる頃だった。
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    ナナシ/ムメイ

    PROGRESS漫画版竜隼。東映版で当社比丁寧に初体験書いたし、順調にきちんと進んでると漫画版もざっくりでいいから書いておきたくなって。

    ああいう始まり方したので他のジャンルならなあなあで置いといても良かったんだけど、石川作品は読んでも読んでも下ネタエロギャグすら性に関する部分に一定のモラルがあったのでクリアしとかなきゃ自分が納得しないなぁと。
    漫画竜隼①二人寄り添って眠った日、隼人の涙を見たあの夜。
    目覚めた朝、やっぱり気持ちよくてあったかい、眠気眼の半分夢のまま腕の中に収まったままの額が嬉しくて優しくひとつ口付けて「……お前さん、案外とあれだよな」なんて、恥ずかしそうにもぞりと胸に額を擦り付けるみたいな仕草と一緒に聞こえた声に瞬きした。
    なんとなく気恥ずかしかったのは起き上がって顔を見合せた時くらいで、頭をかいて照れ笑いした後は普通に過ごして。
    それから、なんとなく、休みの前とか、なんにもない日でも、週に一度とか二度くらいは寄り添って眠るようになった。
    二人きりで距離もなくなると触れたくなって、触れると欲になっちまって、いやらしい事をしたくなる時もままあって、何度かそうやって慰めあう、というより大体俺を宥めてもらっていた気がする。
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    ナナシ/ムメイ

    PROGRESS書き終わるかわからないのでまた最初の状態で投下。
    どうしようもない感じの大問題児をこれからどうしようかはとても困りつつ……。
    改めて手天童子読んだら新ゲッターに多くの要素が組み込まれている=元々「愛╱理性のない世界」の構成だろうし、理性なき世界はどうなるかはそちらにも明示されてて、やっぱむしろきっちり滅ぼした方が製作者意図に沿うのでは? とも思い始めた……最初から滅ぶ世界のつもりじゃろ新ゲ…
    アニアク竜隼がチェンゲ組に合流したらどうなるか(オマケ新馬)その②【前回書かなかったこれから出るかもな人物】


    新ゲ隼人→戦鬼と隼人の反転存在。二匹目の鬼。
    とにかく他人に興味がない。力にしか興味がない。平等に公平に他人を愛した隼人の逆転として、平等に他人に一切の興味を持たない。
    それゆえ目的達成のため以外に他人に関わることも一切しないし、愛してほしいなどという欲も持たない分、筋は通っていていじめっこムーブとかセクハラしないだけ日常生活を送る分にはマシ。馬鹿と接触するのがもうめんどくさいから部屋に引きこもってたいとかそういうタイプ。
    新馬に執着がある、という訳ではない。
    あくまでも力に執着しているだけであって、その視点から言えば新馬はむしろ自分の目的を邪魔する障害物。嫌がらせの意味もなく、殺すより他にない存在。
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLEダイノの三人。
    前の隙間埋めの時に一緒に書こうかと思ってたナーガの城跡でジンがお墓を掘る話。詳細では無いですが遺体の描写があります。

    腐としては外見取ってのナガジンか本質取ってのトモジンかで脳内大喧嘩してるんですが、幾分書いてみたらナガレの文脈がむしろ武蔵なせいで方向性が勝手に見えてきた気がします。
    ■ うつくしいものざく、ざくりと、黒く焼け焦げた土を瓦礫の山から持ち出した道具で無言のまま掘るジンの後ろ姿をナガレは眺めていた。
    中天に差しかかろうとする太陽はいっそ無慈悲なまでに焼き払われた光景もその下に晒し出している。
    そんなんじゃ日が暮れちまうだろと呆れて言おうとした言葉は、きつく、かたく噛み締めた口元が見えただけで喉元に引っ込んだ。
    その表情は、ナガレにも覚えがあった。


    あの日、ドラゴによるナーガの居城への暴虐は朝方まで続いた。
    何もかも壊し殺し尽くして、ようやくその場を離れたマシンザウルスは幸いにもナガレ達に気付くこともなくどこかへ飛んで行った。
    「ゲッターがありゃ叩き落としてやんだけどなぁ」
    悠々と飛び去るマシンザウルスを眺めて残念そうにそうボヤくナガレに、トモエが怪訝な顔で声をかけた。
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLEジン救出後。公式監修なら漫画版読解のヒントにならないかと数回読み直してるうちに隙間埋めしたくなって。

    ナガレは言葉数少ないサオトメと10年地下生活で語彙が少ない割と野生児。精神的に幼い。人とのやり取りに慣れてない。本質的に漫画版武蔵に近い。
    ジンは東映と漫画の隼人足して二で割ってない感じ。
    トモエは表面上武蔵や弁慶に似てるけど、本質は軽くない感じでむしろ竜馬に似てる。
    ■ 不揃いな足並み「全てお前のせいだ! お前さえいなければ、皆死なずに済んだのだぞ!!」

    相変わらず身体の大きな幼馴染に軽々と担がれ逃げる途中。爆音、煙、炎、何かが焼けていく臭い、全て壊されていく音。ドラゴの哄笑、全て俺のせいだとなじる声。
    煮えたぎるような怒り、朦朧とする意識で伸ばした手はどこにも届かず。

    「……あぁあああもうギャーギャーうるっせえなあのトカゲ野郎! 人のせいにしてんな馬鹿!! てめぇが勝手にやってんだクソトカゲ! っ、このっ! ばぁあああか!!」
    「お前それしか知らねえのかよ……」

    全力で駆けながら我慢しきれない、と言った様子で力いっぱいそう叫んだ男の声と呆れたような幼馴染の声。

    ……そう。そうだな。

    どこか胸のすくような思いと共に力が抜ける。
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLEアイサガコラボストーリー軸。竜馬達が合流してからの三ヶ月間に竜馬とカーズくんがどうして師弟関係になったか妄想。
    ゲッター組はチェンゲ名義ではあれど全体的に漫画版や東映版のニュアンスが強いと感じたので三つともある程度意識して、こういう感じで描きたかったんじゃないかと埋めています。
    ゲッターコラボ前にこの手の話やってたかもしれないんだけど……。そしたら変えるね……。
    ■ Point of No Return「師匠!」
    「誰が師匠だ!」

    ゲッター線とインベーダーに纏わる異世界からの来訪者を迎えたプロヴァーブ艦内ではここ最近、こんなやり取りが響くようになった。
    ガンガンとまで聞こえてきそうな乱暴な音を立て足早に歩く男の眼光は鋭い。ボロボロのコートに赤い襟巻き、どこか気を立たせた野生動物のような気配がする男。戦場で避けられない残酷な命の選択を躊躇無く行いながら、その痛みまで怒りに変えて戦い続けるような戦士――流竜馬。
    オーストラリアでのインベーダーの一件から、その男を心身ともに強靭な戦士であると見込んでいっそ無邪気にも協力を頼んだ青年がその後ろを追い掛けていた。
    竜馬よりは幾分歳下の様子の、ツンツンと立たせた髪と赤いバンダナが印象的な姿。砂漠のカラッとした、その実燃えるような熱さを含む太陽を思い出させる青年。カーズである。
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    ナナシ/ムメイ

    DONE漫画版。隼人と竜馬と山咲さんと渓ちゃんと。隼人×山咲要素あり。
    人によっては、なんなら自分にも耳に痛いことだなと、思いついたはいいものの寝かせていたんだけど、もういいかと思って。

    あの世界に神隼人という個人の感情に寄り添ってくれる誰かがせめていてくれたらいいと、読み返す度に思います。
    ■ あなたをおもう「血も涙もない」「たかが学生の分際で何をわかったような口を」「学生運動に傾倒していた危険人物だろう、監視すべきだ」「あまりにも冷酷では」

    「あのような事を平気で出来るなど、到底人の心など無いし、我々とは違うんだ。精々利用させてもらおうじゃないか」
    「化け物には化け物をぶつけておけばいいさ」

     通りがかった部屋からそんな政府のお偉方だろう声が漏れ聞こえ、隼人は軽く肩を竦めた。
     ゲッター線研究とゲッターロボの維持にはそれだけで多大な予算を費やす。実際に恐竜帝国の侵攻が現実となり、従来の兵器がろくに通用しないとも明確になった現在、瀬戸際の防衛戦を繰り返すゲッターロボの必要性は明白にすぎたが、不満や何かがそれで消える訳でもなく、どれほど死の足音が迫ろうが、いやだからこそ、自分事と考えたくない人間も存在する。
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    ナナシ/ムメイ

    DONE東映版無印開始前。開始時には既に知り合ってたので初対面とかどうだったのかな、ってやつの書きかけ→ざっくりできたよ!! どう読んでもリョ→ハヤに見えるのはもう諦め入りかけてるよ!!

    シティボーイって言葉はこの年代よりちょっとだけ後のはずだが他に思いつかなかったから許して欲しい。何せ私生まれてない。調べるほど異世界で困っている。
    ■ あかね色と銀色と神隼人、は入学当初から人目を引いた。
    皮肉な微笑みを浮かべる大人びた顔立ちに、風に揺れる肩ほどまでの青みがかった黒髪と随分恵まれた容姿な上に頭も運動神経も良く、スカしてキザったらしい振る舞いすらよく似合っていた。
    スラリと手足の長い長身を目立たせるような黒いライダースーツなんて格好で、皆が憧れたチョッパーハンドルに改造されたオフロードバイクのエンジン音を派手に響かせ正門前に乗り付けた日には、如何にも流行りのシティボーイというやつを見せ付けられたようで山間にある浅間学園高校の人数比が少ない女子は密かに沸き立ち男子は揃って羨望やらの滲んだ不愉快な顔をしたものだ。
    ミーハーだと思われるのも癪で気にしていない素振りをしながら(世の中には随分恵まれた奴もいるもんだなぁ)なんて、どこに向けてるのかもわからない少しばかりの苛立ちと共に思ったのが最初の頃の印象、だった気がする。
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLE漫画サーガ版。気持ち竜隼が漂う。Gと真の間(じゃないとそんな事してる暇は無さそう)。エイプリルフールは70年代に既にあったし、バレンタインは東映版で書きかけたので。

    何も考えずに書いたらどうしてこうなったのか自分でもわかってないがまたいつもの芸風。
    ■ 卯月朔日年度末から年度始め、となればやる事も多い。
    朝も早くから研究室に籠って早乙女博士からも引き受けた書類を片付け、一息ついて時計を見上げれば昼も過ぎていた。そういえば食事を取り忘れていたと思い出した隼人は、郵便物を所内の係に預けがてら食堂を覗いてみようと腰を上げた。
    別棟に向かうため出た渡り廊下から見える空は晴れて、屋内に慣れていた目が一瞬の痛みを覚える。身にまとわりつく密室の滞留する空気を吹き流していくような風が涼しい。浅間山を目前に望む早乙女研究所周辺は桜が咲くにはまだ遠いが、すっかり春の気配であった。
    と、珍しい光景が隼人の目を引いた。怒ってむくれているらしい女の子と居心地悪そうな男の子と、その子に目を合わせて話しているらしい竜馬とそれを見ている子供たち。そういえば春休みに入り、度々早乙女家には元気の友達が集まっていた。なにがあったのかと少し近寄って様子を見れば、竜馬の声が耳に届いた。相変わらず静かに話していてもあいつの声はよく通ると隼人は思った。
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