独「2日ほど用事で城を空けることになった」
「え。ふつ、か……」
最初、アッシュからそう聞いた時には少し驚いただけで、本当に大きな不安なんかは無かった。
アッシュに拾われて、早2週間。
慣れない環境にも慣れない距離感にも、ある程度は慣れてきたどころか既に心地良さもあって、つくづく自分の順応性の高さ……もしくは能天気さに苦笑いをする。
次第に甘えることに対する焦りなんかも減って来て、とことん自分は甘えたで、そして孤独が耐えられない事を自覚した。
「(1人でご飯食べるの……久しぶりだな)」
そう、自覚してしまった。
父さんが亡くなる前から父子家庭として哀れまれ続け人には甘えられず、とにかくしっかりしなければと必死だった。父さんを亡くしてからは、尚更同情の目が耐えられず必死に生きていた。それが今では、温かさと受け入れられた安心感で……すっかり歩みを遅めてしまった。ずっと、孤独から逃げ続けていたのに。
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