チョコより甘いある日の昼下がり。
出掛けてしまったシェイムと結望ちゃんの帰りを待ちながらのんびり仕事をしようかとしていた私の元へ、二人目の来訪者…もといゆのが訪れた。
「…おや。珍しいね、君が連絡無しに玄関ではなく庭から来るだなんて…」
「まー…ちょっと時短です。えっと、お邪魔します」
「はい、いらっしゃい。それで?どうしたんだい、そんなに焦って。今日はリア君と出掛けていて忙しいと聞いていたけれど…」
「あぁ、それ嘘です」
「……はい?」
あまりにも清々しい顔で自白する弟子に困惑するのも無理はないだろう。なんせシェイムが出掛けたのは異世界で菓子の材料を買いたいがゆのと都合が合わなかったらしい結望ちゃんを心配して同伴している(というか私が同伴してあげるよう頼んだ)からだ。なのに事の発端であるゆのは特に気にすることなく私の隣に座って。
1965