sirome0_0TRAINING大人になったtnkさんがtksmくんの好きな女の子と職場に来た話月島くんと片思い田中「つーきーしーまー、元気に労働してるか」 月島「げっ、田中さん」 田中「げっ、て言ったな」 月島「……アハハ、イッテマセンヨ。」 田中「良いんだな」 月島「は」 田中「いいんだな今日の俺は1人じゃない」 月島「誰を連れてきたんですか。菅原さんとかですか菅原さんならちょっとご遠慮いただきたいんですけど。」 田中「残念、スガさんではないっ」 「こ、こんにちはー。」 月島「な、んで。」 田中「はっはっは、嬉しかろう、嬉しかろう」 月島「いや、ちょっと待ってください。」 「田中さんとそこで会って。なら一緒に月島くんに会いに行こうかって。」 月島「何でそこで会うの」 田中「たまたまだ。」 「たまたまです。でも、お仕事してる月島くんの姿かっこ良いね。」 620 sirome0_0DONEマッチングアプリをしている彼女と⚽️男子4️⃣1️⃣くん、🐝くん、🐆くん、💪くん、👑くんの場合4️⃣1️⃣「…何見てんの」 待ち合わせの日に、少し前に待ち合わせ場所に来ていた🌸ちゃんが熱心にスマホとにらめっこしているのを見て、何となくわかっているけど聞く。 「マッチングアプリ始めたんだー。」って普通に答える🌸ちゃんに、「え、そうなん」と何故か関西弁チックになる4️⃣1️⃣くん。 まー、もう大人だしなぁとは思うものの、こんなによく会ってる俺って…って考え始める。 「でもまあ、世の中には色んな種類の人間がいるんだなーって観察するだけだけど。」 「それって、意味あるの」 「んー、わかんない。無いかもね。」 なんて会話をしながら、並んで歩き出す。 「あ、のさ…俺「あー、見てあれ可愛い」お、おーほんとだ!」 2179 sirome0_0DOODLE大人になった黒尾さんが谷地さんに連絡を取った時の話注:クロやち気味のお話です 291 sirome0_0DONE彼女がころんだ。bll男子4️⃣1️⃣、🐝、🐆、💪、🐴、🖤の場合4️⃣1️⃣「え、大丈夫」 急に隣を歩いていたはずの彼女の姿が消えてびっくりする。 「ごめん、恥ずかしいよね。」ってころんだ彼女に言われて「全然」って即答する4️⃣1️⃣くん。 「それより痛いとこは」って訊いて来る。 できた彼氏さんだなぁって思ってたらその間に抱き上げようとするからちょっと待ってがど止まらないし、何とか抱き上げは回避する彼女ちゃん。 「あ、歩けるから。」 「でも、」 「ほんとに、ほんとに大丈夫。」 なんて言い合う仲良しカップル。 🐝「おーい、大丈夫」 なんて、やまびこポーズで訊いて来る🐝くん。 あまりの恥ずかしさに、「だいじょばないです。」と言っちゃう彼女ちゃん 「俺もよく転んでたから大丈夫だよ」 1941 sirome0_0DOODLEシリアスになるかと思ったら、日常会話になった柊くんと真冬くん。人の気持ちなんて柊「ごめん、真冬の気持ちわかってやれなくて。」 真冬「···」 柊「痛っ、何す「この間も言ったでしょ。俺にだって分からないって。」···」 真冬「俺だって柊の気持ちはわからなかった。シズちゃんのことが好きだってことしか。」 柊「なっ…いつから」 真冬「んー…いつからだろうふふっ」 柊「何笑ってんだよ?」 真冬「柊のことこんなに考えたこと初めてかも。」 柊「…っ、失礼な奴だな。」 真冬「でも、きっとみんなそんなもんだよ。柊が考えすぎなだけ。優しいね、柊。」 柊「うるせぇ、はげ。」 真冬「照れて怒った時のレパートリーも少ないし。」 柊「帰る。」 真冬「おこっ、た」 柊「別に怒ってねぇよ。ただ、これからスタジオ入るから帰るだけ、またな、真冬。あと、上ノ山借りる。」 439 sirome0_0DONE親戚の赤ちゃんに夢中の彼女とbll男子親戚の赤ちゃんに会いました。4️⃣1️⃣、🐝、🐆、👑4️⃣1️⃣「かわいいな~。」 親戚の赤ちゃんに構い続ける彼女ちゃんになのか、赤ちゃんになのかわからない感じでぽそっと呟く系潔くん。 最初は赤ちゃんに夢中でそんな彼氏の声は彼女ちゃんに届いていないのだけれど、しばらくするとまた「かわいいな〜。」って呟くもんだからそのうち彼女ちゃんも4️⃣1️⃣くんの声が耳に入る様になる。 「潔くんも抱っこする」って彼女ちゃんに聞かれて、ドキドキしながら抱っこはする。 赤ちゃんも落ち着いて抱かれているもので彼女ちゃんが「おっ、上手だねぇ〜。」って言うものだから色んな感情と妄想が体の中で駆け巡ってさあ、大変。 親戚たちの家からの帰り道、「潔くん、ずっとかわいい、かわいい言ってたね」ってくすくす笑う彼女ちゃんに一瞬ドキッとするけど「ああっ、可愛かった赤ちゃんも、〇〇も、可愛かった」って大きな声で言っちゃう。 1537 sirome0_0DOODLE話を聞いてちょっと泣きそうになった上様。どこまで行った立夏「お前らって結局どこまでいってんの」 柊「やだ、上えっち。」 立夏「…」 柊「おいっその目、やめろよ。」 玄純「最後まで。」 立夏「は、え」 玄純「最後まで。」 柊「おい、シズ。二回言うなよ。」 玄純「泣いてもやめなかった。」 立夏「……すげぇな、」 柊「バラすなっててか、泣いてねぇし。の前に、きいといて若干引くなよ。」 立夏「……いや、すげぇなって思って。」 柊「お前らはどこまでいってんの」 立夏「…………」 柊「上おーい、上っ。何話きいてやろーか」 239 sirome0_0DONE柊くんと上様は似た者同士だと思うので似ている人真冬「上ノ山くんってなんか柊に似てる」 立夏「はぁぁぁあああっどこがっ」 真冬「そういうところ。」 立夏「うわー…まじか…」 真冬「すごく嫌そうだね。」 立夏「アイツの才能っつーか顔の広さっつーか、こうと決めたら真っ直ぐ進んでいくとこはすげえなって思うんだけど、似てるって言われるとなんか…んー。」 真冬「上ノ山くんは、優しいね。」 立夏「…真冬がもし柊に似てるって言われたらどうする」 真冬「えぇ…。」 立夏「お前そんな表情豊かだったか」 真冬「わかんない、…けど、すごく嫌。柊は俺と真反対の人間だと思うよ。」 柊「…っっくしょいっ」 玄純「大丈夫か風邪」 柊「いや、真冬あたりが俺の噂してる気がする。」 317 sirome0_0MOURNINGレッド様とジャックハートさん食えない人レッド「···。」 ジャックハート「レッドお嬢様、ご機嫌いかがですか♪」 レッド「ママの、トランプ兵さんこんにちは。」 ジャックハート「今日も冷た〜い。」 レッド「ママの一番の手下なんでしょ」 ジャックハート「さぁ、それはボクの口からはなんとも♪」 レッド「ママから何か言われたの」 ジャックハート「それもボクの口からはなんとも♪」 169 sirome0_0TRAININGオリジナルのお話冬になると眠ってしまう女の子のお話二あなたは知らないのでしょう、本当の真っ暗がどれだけ怖いのか。 冬になると、どうしてか眠くなってしまう。 眠りたくなくても、もっと起きていたくても私の思いとは裏腹に冬は年々早くやって来る。 冬の間中夢を見ていられるのなら、どれだけいいだろう。 けれど、私が眠っている間あるのは真っ暗な闇だけだ。 生きているのかどうかすらわからない、このまま眠り続けたらもう死んでしまうのではないかと思ってしまう。 誰か、気づいてくれるのだろうか。 私がもしも眠ったまま二度と目を覚まさかった時、冷たくなってしまった時に。 真っ暗闇の中、私は泣いているのだろうか。頬に温かい感触がする。 あなたは、あなたは来てくれるだろうか。 冬の間に私のことなんと忘れてしまう… 572 sirome0_0TRAININGオリジナルのお話冬になると眠ってしまう女の子の話1僕の好きになった人は、冬になると眠りにつく。 そして、春が来れば目を覚ます。 彼女は、冬も、雪も知らずに過ごす。 粉雪が舞う季節、イルミネーションがきらきらと目に痛い季節を君と一緒にいられたらと願う僕と、私が冬を見れないのはね、冬を見る必要はないとあらかじめ決められたのよと笑う君。 ただ、あなたと出会ってから日々はあっという間に過ぎ去り木々の色も花の色もコロコロと色を変える。 まるであなたと過ごせない季節をさみしく思う私を嘲笑っているかのように、冬はすぐに訪れる。 長い長い冬。 「冬ってね、怖いの。他の人のことは分からないし冬眠している動物のことも分からないけれど。」 しんみりと語っていた君は急に無邪気な笑みを浮かべる。僕にとって君は見ているだけでコロコロと表情を変える季節のように思える。 574 sirome0_0CAN’T MAKE中の人が同じなだけのめちゃめちゃ短いクロスオーバー凪くんと蘇枋くん。蘇枋「なんか、桜くんに邪魔って言われてもあ、うんごめんね。って感じなんだけどニレくんに言われたとしたら僕膝から崩れ落ちるかも。」 凪「そっちにもそんなのいるんだ。こっちも時光っていう人に言われたら、ごめんなさいってなるし、潔に言われたらあ、うんってなるんだけど、蜂楽に言われたら一ヶ月くらい寝込むかな。」 154 sirome0_0DONE多分それぞれ自分のグローブに向けて「愛してる」と言っています。アホな方の圭くん発案です。告白練習ーーー山田くんの場合ーーー 山田「あ、あ、愛してるよ」 藤堂「ヤマに何言わせてんだコラァ」 山田「どこから出てきたの、藤堂くん」 千早「そうですよ、山田くんの声裏返ってたじゃないですか。」 山田「千早くんまで声裏返ってたとか言わないで。」 藤堂「ヤマは声が裏返ってようがどうなってようが、ちゃんと言えただけで100点だろうが」 山田「ありがとう、………もうやめて藤堂くん。ていうか、なんでいるの」 ーーー藤堂くんの場合ーーーー 藤堂「………………愛してる。」 千早「はい声が小さくて聞こえません。」 藤堂「お前には何も言ってねぇよ」 千早「じゃあ、誰に言ってるんですその言葉。」 藤堂「それは、そのっ!お前以外のやつだよ」 644 sirome0_0DONEただ若旦那と茜さんに愛してるよゲームをして欲しかったのですが、多分当時は愛してるなんて言わなかったのかなとか、廓詞難しいとかで難しかったです。廓を出るまで惣右助「茜、巷じゃ互いに、好きと口にしあって照れたほうが負けっていう遊びが流行ってるらしい。」 茜「そうでありんすか。」 惣右助「そうでありんすか、って…ちぃっと言っててくれねぇか」 茜「嫌でありんす。若旦那はいつも変な手管を使うなと仰りんす。」 惣右助「言ってる。言ってるけどよ、本心からの言葉ならいいだろ。」 茜「咎められんす。」 惣右助「………くそっ、ちっとばかりいいだろう。今この部屋の中には俺と茜以外誰もいないし。」 茜「部屋には他に誰もおりんせんが、部屋のすぐ外には利一郎がおりんす。」 惣右助「会話筒抜けかよ。」 茜「それに、若旦那から聞きとう「いくらでも言ってやるよ。俺はお前を好いている。どうせ、粋じゃないとか言うんだろうけどよ」…」 460 sirome0_0DONE初めて書くアズニナ、セトニナに愛してるゲームをしてもらいました。それぞれの愛してるよゲーム。アズニナ アズ「愛してる、愛してる、ニィナ」 ニナ「…アズ、ルール違反だ。1回ずつのはずだろ。」 アズ「んそうだったかじゃあ、どうぞ。」 ニナ「…………アズ、その…好きだっ。」 アズ「………」 ニナ「何だよ、もう何とか言えよっ恥ずかしくなってくるだろっ」 アズ「それは、悪かった。だがこれはすごい破壊力だな…。」 自分が言うのは全然大丈夫なアズール様ですが、言われると本気で照れてしまうアズール様であって欲しいです。はい。 セトニナ セト「…愛してる、これでいいのか」 ニナ「うん、次は私の番だな、セト、大好きだ。」 セト「……」 ニナ「何だよ、何でそんな不満そうなんだ」 セト「これは、愛してると言い合うゲームなんだろ」 507 sirome0_0DONE4️⃣1️⃣くん、🐝くん、🐆くん、🖤くんがそれぞれ彼女ちゃんと愛してるよゲームするようです愛してるよゲームとbll彼氏4️⃣1️⃣「愛、して、る」 愛してるよ、ゲームしよーと元気いっぱいでやってきた彼女ちゃんを見て、本気で不思議そうな顔をしてほぼカタコトで返事をする4️⃣1️⃣くん。 内容を聞いて、俺が学校に行っていない間にそんなゲームが流行っていたのかと顔を真っ赤にする。 「ねっ、たまにしか会えないから…高校生っぽくゲームしよーよー。」 って言う彼女ちゃんに、「それは、高校生っぽいゲームではありませんっ」って片手は額、もう一方の手で待てポーズをする。 「じゃあ、私からね👍」なんて、そんな4️⃣1️⃣くんの制止に聞く耳を持たない彼女ちゃんは、じっと4️⃣1️⃣くんを見つめて「潔くん、愛してるよ。」って真剣に伝えてくるもので、ぐっと噛み締めて堪える4️⃣……おっと、堪えきれず蹲る4️⃣1️⃣くん。 2036 sirome0_0DONEワスレナ隊士と愛してるよゲーム藤堂さんと。「愛してるってお互い言い合って照れたほうが負けっていう遊び知ってる」 日中、見回りの時に寄った茶屋で客の女たちがそんな話をしているのを耳にした。 そういやぁ、お前からはその言葉はあまり聞けないまま今日までやってきた気がする、ぼんやりと考えながら土方さんのところへ報告へ行くと、ぼんやりしている場合じゃないとイライラした様子で叱られた。 「…そんな、怒んなくていいだろ…。」 部屋を出て小さく呟くと、その耳すら土方さんの耳に入ったのだろう、「平助、何か言いたいことがあるなら入ってこい。」と障子越しに声が掛かって、思わず返事の声が裏返った。 「…ったく、土方さんは地獄耳だよなぁ、どこに行ってもこれじゃ気が抜けな…っと、悪い。あぁ、お前か。」 949 sirome0_0DONEナースちゃんが、「イタイノ、イタイノ飛んでいけ」を知っていた理由⚠微虐……待表現あり 641 sirome0_0DONEポゼの中でも、元のお家に戻りたい子、戻りたくない子で意見の食い違いが出てきてもしんどい、好き…ってなる。⚓️くんは帰りたい自分で身体を操れるようになってから最初の頃はなんだか頭がボーッとしていた。 ボーっとして、歩いているだけで動かない時とそんなに変わらなかった。 だけど、時々急に頭が痛くなる。 胸のあたりがざわざわする。 気がついたら、大勢のニンゲンに囲まれていてそのくせボクの問いかけに答えてくれるヒトも、ボクがずっと探しているヒトも見つからない。 「アソボ、」 「アソボーヨォ。」 「ねえっ」 "ボク、ワラッテルミタイデ、カワイイデショ" ニンゲン達はボクを、「かわいい」言うものだからある雨が降った日の夜水たまりに映る自分の顔を見てみた。 コレガ、カワイイ… ボロボロで、血がついているコレが。 頬に手を当てて、水たまりを覗き込んでいるとひどく頭が痛くなった。 580 sirome0_0DONE君は僕になりたいって言うけれど、僕は、山口になりたいって思ってる。山口が好きな君と、君を好きな僕。「山口くんは、"ツッキーはモテるから"って言ってるけど、月島くんが好きになる子って大体山口君を好きだよね。」 月島「山口はカッコいいから。」 「うん、山口くんはかっこいいよね。」 月島「え」 「え」 月島「···いや何でもない。」 「やっぱり、男の子から見てもかっこいいんだね、山口くん。」 月島「そうだね。」 「やっぱ、あふれ出るかっこよさと可愛さは隠しきれないよね。はぁ…なのにどうして自分の魅力に気づかないんだろ。おかしくない」 月島「僕、酔っ払いに絡まれてるすごく嫌なんだけど。」 「山口くんのそばかすになりたい、いや月島くんになりたい。」 月島「意味わからないんだけど。」 「だって、休み時間になれば『ツッキー』って寄ってきてもらえるんだよ。」 603 sirome0_0DONEこの後めちゃめちゃ〇〇に心配された。もやもやの正体「ナイルのところに行くのか」 〇〇はいつも一人で行く。 今度はナイルという人間のところに行っているようだ。 俺がどんなに手を伸ばしてもするりとその手をすり抜けて、自分のしたいことに向かっていく〇〇はカッコいいけれど少し…いや大分嫌だと思ってしまう。 何度言い聞かせただろう、 〇〇は人助けをしている、〇〇はどうしても話せない事情に首を突っ込んでいる、〇〇は親戚に会いに行っているだけ、だと。 何度言い聞かせただろう、 俺にだって秘密はある、と。 それでも、それでも……… ぐいっ 「…ダニエル」 「あ、いや…その、何でも。」 多分気持ちが言葉より行動に表れてしまったのだろう。 「そうじゃあ、またね。」 〇〇の服の裾を掴んだ手が、力を無くしてだらりと垂れた。 451 sirome0_0MOURNINGいつか心配すらさせてもらえなくなる自業自得「ダニエルも、マダム·パディフッドのお店に来ることあるんだね。」 ダニエル「いやお前が入るのが見えたから」 「…ついてきたの」 ダニエル「…ついて行かないと、何かに巻き込まれそうだから。」 「ダニエルは心配性だね。」 ダニエル「…はぁ。」 「でも、ダニエルだってこの店に少し前までよく出入りしていたんでしょ」 ダニエル「…」 「彼女探しそれとも、エリオットと会っていたの」 ダニエル「」 「そう。ダニエルにだって秘密はあるよね。私にだって秘密はある。」 ダニエル「…」 「心配しなくても私は大丈夫だよ、ダニエル。」 ダニエル「…。」 272 sirome0_0DONE銀河鉄道の夜の後のジョバンニとザネリのお話を書きました。ザネリとジョバンニ「ザネリ、ねぇ。」 嗤いに来たのか、それとも責めに来たのか、 ジョバンニはそれでも何も言わずに立っている。ただ僕の返事をひたすらに待っているようだった。 「カムパネルラの父さんが言ってたんだ。一度二人で家に遊びに来てほしいって」 「…」 「ザネリ、行こう。きっとそれをカムパネルラも望んでる。」 …カムパネルラが、望んでる 「ジョバンニ、一体「わからないよ。その人が本当に望んでいることも、その人にとっての幸いも…僕らには到底わからない。」…」 「それでも、カムパネルラはカムパネルラのお父さんが望んだことを望むと思うんだ。だから、僕らは行くべきなんだよ。」 いつから、いつからジョバンニはこんなふうに話していたのだろう。 1263 sirome0_0TRAINING三年生になり、少しセンチメンタルな谷地さんです。⚠若干つきやち、やまやち表現ありこの学校に来て3度目の春「谷地さん、」 -仁花ちゃん、どうしたのー 「」 「どうかした」 「いえ、はい。」 一度だけ、清水先輩の声が聞こえた。その声を求めて振り返ったってきっとそこには清水先輩はいないのに。 不思議そうに首を傾げている目の前の山口君だって今では立派な主将になっている。 「…3年生になったんだなって。」 清水先輩の声が聞こえた、とは言わなかった。 言っちゃいけないと思ったから。 泣いても笑っても、私たちに残された時間はもうすぐそこまで終わりが近づいている。 「確かに、あっという間だったよね。」 山口くんはそう言って笑みを浮かべる。 「今までは先輩方がすぐ傍にいてくれたので、いざ自分が最高学年だという自覚が…」 「うん、少しわかる。心許ないよね」 1160 sirome0_0DONEクリスマスイベントでまたまた他所の人にホイホイされた主ちゃんを見て闇の精霊を呼び出しそうなダニエル・ペイジ。⚠若干ハ〇ルネタありクリスマス前の闇アイビー「〇〇はクリスマスの予定立てようと思ってたのに。」 アビゲイル「〇〇は、親戚とかいう人について行った。」 アイビー「またぁ」 アビゲイル「また」 アイビー「アビゲイルは知らなかったっけ〇〇ってすんごい人たらしなの。すーぐ、人についていっちゃう。」 アビゲイル「···そうなんだ。」 アイビー「こうなるとダニエルがすごくめんどくさくなるから秘密にしておいてね。」 アビゲイル「ダニエル…その場にいたけど。」 アイビー「え…」 アビゲイル「…いたんだって。」 アイビー「止めなきゃ。闇の精霊を呼び出しかねない。」 アビゲイル「闇の精霊」 アイビー「えっと、マグルの世界で人気の小説でね。女の子にフラれてそういうのを出す人がいるの。体から緑のネバネバしたものを出すの。」 853 sirome0_0MOURNING運転するダイナマイトは存在するらしいけどすぐデクを連れ去る運転するかっちゃんかっこよすぎる「あれ、ダイナマイトだよね。」 緑谷(…ほんとだ。) 「ほんとだ、ダイナマイトだ。本当にいるんだね。」 緑谷「ぶっ」 「え、デク…」 緑谷「あ、はい。すみません、つい吹き出してしまって。」 「なんでえ、待って。何で」 緑谷「普通に、通勤路というか。かっちゃ…ダイナマイトに対して本当にいるんだ、でちょっと笑っちゃったというか。」 爆豪「デクッ」 「ええぇっ、ダイナマイト運転してるかっこい…」 緑谷「ははっ、かっこいいですよね。しかも存在してる」 爆豪「無視してんじゃねぇぞ、デク」 緑谷「ちょっ、かっちゃん大声で呼ばないでよ。」 爆豪「一丁前にナンパか」 緑谷「してないよっ」 「この距離でデクとダイナマイトがお話してる…」 447 sirome0_0CAN’T MAKEプロヒーロー完全復帰にまで引っ張れなかった最終巻のかっちゃんと「残念だったな、爆豪。」 「うるせぇっ…」 出久と別れた後切島が言う。最初から分かりきっていたことだ。出久がプロヒーローとして完全な復帰をしないというのは。 分かっていたことだ、雄英高校の教師を続けるというのも。 『教師っていいなって思ってた』 いつからそう思っていたのだろう、とか少しは相談しろや、とかは思ったけど。 多分アレがあいつの本心だ。 お互いオールマイトに憧れて、雄英高校を目指した。 お互い、トップヒーローになるもんだと勝手に思い込んでいた。 何だかんだと考えたところで、結局は自分ひとりの都合のいい話だっただけだ。 アイツの本心を聞いてしまえば、無理強いする事なんてできねぇ。 「まぁ、緑谷が先生なら間違いねぇよな。」 442 sirome0_0DONE台風情報に一喜一憂する彼女とキミとボクのお出かけ計画が潰れた日。「··ふっ、百面相」 「いやいやいや、笑うところじゃない。」 大人になってからも孤爪くんは孤爪くんで、「台風が来たなら来た、でしょうがないんじゃない」と冷静に言葉を伝えてくる。 それに対して、駄々をこねているのは私だ。 「えー、でもさー」なんていいながならダラダラしている。 それで、私の返答を聞いた孤爪くんが心底うんざりした…ゴミでも見るかのような目を向けてくる。 「…ごめん。もう、大人だもんね。」 そう言うと、孤爪くんは一度視線を床に落としそれからしっかりとこっちを見つめて両手を広げる。 「…はい。」 「え、と…」 「…こう言うときは、ハグしてあげるのがいいってショーヨーが言ってた。…実際、ホントは…オレも〇〇が楽しそうに考えてたお出かけできなくて、ちょっと、ザンネン。」 438 sirome0_0DONEケイト先輩の寮長時代。どこかの次元ではあったのかもしれないし、なかったかもしれないそんなお話。(捏造)あべこべな本音多分俺はイライラしていた思う。 きっと、リドルくんよりもずっと。 多分ひどい独裁者だったと思う。 リドルくんよりずっと。 傍観を決め込んでいるくせに、自分の手は汚さず裁きを下していた。それも、その時の気分で。 だから、ホッとした。 リドルくんが入ってきて、決闘を挑まれて負けて…自分が寮長でなくなったことに。 …やっと本当の傍観者になれることに。 「ケイト」 「なぁーに、トレイくん。」 「手を抜いただろう。」 「酷いな、見てたでしょ。リドルくんが強かった。ただそれだけだよ。」 追いかけてきた、トレイの顔を見る気もしなかった。 一トランプ兵のくせに、いちいち説教たれるために追いかけてくるなんて、どれだけ世話好きだよと嘲笑が漏れる。 600 sirome0_0DONE目玉くん「ずーっと見てたよ。」「全部知ってるよ」「みんな、どこなの?」をヒントに少し大きくなった男の子に大事に大事にされてたけど、お出かけの時に忘れてこられちゃう。実はこれは、男の子が、じゃなくていつまでも人形と遊んでいる子供を心配した両親の計画的置き忘れ。僕だけが知ってる話。ボクのおウチは、大きくて綺麗で一緒に暮らしていた子はボクと遊ぶ以外はずっとオベンキョウっていうのをしていた。 それは、その子にとってはあまり楽しくはなさそうだったけれど、ママが言うからって頑張っていた。 頑張っていい成績を取れば遊びに出かけることだって許される。 ボクはいつもその子と一緒に出かけた。 だけど、ある日、すごくすごく悲しいことが起きたんだ。 ボクは、知ってる。 ボクと遊んでくれていた子は知らない。 悲しい悲しいお話。 ある日のこと、僕を含めた一家全員でピクニックに出かけたんだ。 いつもより少し遠いところ。 今まで行ったことのないようなところ。 お花や木々がしっかりと育った自然豊かなところでボクらは十分に楽しんだ。 702 sirome0_0TRAININGサーカスは開催されない、と気付けないピエロさん達今日何曜日。「今日何曜日」 「今日、何曜日」 「今日は何曜日だ」 来る日も来る日もピエロたちはこの質問を繰り返す。 何度訊いても、聞いても、きいても、キイテモ 彼らの求める返事は返ってこないのに。 昔、ある日曜日にサーカスが開かれる予定だったらしい。そこに出かけるために団員達はバスに乗り込んだんだ、だけどその前日の土曜日団員たちを乗せたバスは交通事故に遭い全員助からなかった。 ブルーローズの隊員からそんな話を聞いた。けど、ピエロたちの耳には入らないのだろう。 いつか、サーカス小屋で行われる彼らの望む日曜日を信じて待ち続けているのだ。 272 sirome0_0DONEポゼの中でも、元のお家に戻りたい子、戻りたくない子で意見の食い違いが出てきてもしんどい、好き…ってなる。反転くんは戻りたい。「もとに戻して、ボク変だよね。どうして変だって言ってくれないの」 自由に体を動かせるようになっても、ボクをもとに戻してくれる人はいない。 「トモダチ」 トモダチになれさえすれば、きっと誰かがもとに戻してくれると信じていたのに。誰も戻してくれないどころか、「大丈夫だよ。」「変じゃないよ。」と慰めにもならないような慰めの言葉ばかりくれる。 変じゃないって言う割には声をかけた瞬間怖がる人間までいる。 だったらもとの生活の方がマシだ。感情もなく痛みもなくどんなに手荒く扱われて庭に捨てられても悲しくもないのだから。 大丈夫、なんて言わないで。 もとに戻してよ。あの子の傍に、友達の側に返して。 「もうすぐ前の景色が見えるから。」 665 sirome0_0DONE上ノ山くんすぐ誰かに連れ去られるから。人気者の上ノ山くん笠井「上ノ山くん」 上ノ山「何」 真冬「……」 板谷「上ノ山、バスケしよーぜ」 上ノ山「おうっ。真冬も来るか@ 「………うん」 柊「おーい、上」 真冬「駄目」 柊「はぁぁあ」 真冬「上ノ山くんの貸し出し受付、本日終了。」 柊「何だよそれ。」 真冬「上ノ山くんすぐ誰かに連れて行かれちゃうから。俺の順番いつまで待っても来ない。」 上ノ山「…真冬、拗ねてる」 真冬「わかんない。」 柊「……はぁ。仕方ねぇ。今日は真冬に譲ってやる。ちゃんと2人の時間作ってやれよ」 上ノ山「おぉ…」 真冬「ありがとう、柊。」 柊「貸し1だからな。」 真冬「うん。」 上ノ山「…つっても、俺もうすぐバイトの時間なんだけど。」 真冬「……じゃあ、ちょっとだけ。」 339 sirome0_0DONE『海へ』制作の裏側。⚠由紀くんが作曲中の内容を捏造しています。ただ、君と海を見たかった。いつか忘れちゃうから、こうしてうたに残しておこう。 真冬は、忘れないって言ったけどそんなの無理だ。 人の記憶は日々更新される。 きっと、どれだけ意識して覚えておこうとしても忘れる。 だから、真冬がこの歌を歌う日が続く限りこの日のことを思い出せるように残しておこう。 この曲を作るきっかけはただそれだけだった。 真冬に聴かせたかった。 それくらい、真冬が初めて歌った曲も見たものも全部俺の言葉で表現できれば、残すことができれば幸せだと信じ込んでいた。 ただ、ひたすらに真冬が好きだった。 それでも俺たちの間には溝ができた。 別々の高校へ進んだあの日から。 幼い時からよく一緒にいた4人は、いつの間にか1人と3人のグループになってしまった。 858 sirome0_0TRAINING酔っ払い山口によるツッキー。対ツッキーの片思い相手ツッキーのいいところ見つけ。山口「ツッキーのいいところはねぇ、」 「山口くん、酔ってる」 山口「酔ってないよ。」 月島「酔ってるでしょ。」 山口「こんな顔してるけど、本当はちゃんと心配してくれてるところとか、」 「…ほう。」 山口「本当にモテるのに、本人は自分が好きな子しか見えてないところとか?」 「そうなんですか。」 月島「フツーそうでしょ。自分が好かれたい相手以外に好かれても困るだけじゃない」 「異性にそんな好かれたことないからわからないですね。」 山口「笑うと実は可愛いところとか」 「…月島くんあんま笑ってくれないからわからない。」 山口「どうしてこんな、響かないのか。」 「」 月島「そういう人間だから、参ってる。」 「さっきから一体何の話ししてるの」 401 sirome0_0DONE秋に旅行で駅から仙台城跡まで歩いたんです。こんなツッキーと彼女さんがいたらいいなって妄想したんです。全篇会話文で失礼します。ずるい男「ツッキーって仕事の後、城跡まで走ってるってほんと」 月島「ほんとなわけないでしょ。」 「いや、ほんとであれよ。」 月島「僕は日向や影山みたいな体力オバケじゃないから仕事終わりはムリ。しかも暗いでしょ。走るのは休みの日とか。」 「走ってるの」 月島「走ってるけど、何そのポーズ」 「走ってる月島くん尊いポーズ。」 月島「意味不明。」 「今度見に行ってもいい」 月島「見世物じゃないし、すごい顔して走ってるから無理。」 「え、なにそれかわいい。」 月島「は」 「すごい顔して走ってるから無理って言ってる月島くんが可愛い。」 月島「····君も一緒に走るならいいよ。」 「行きます」 【そして、休みの日】 「ゼェッゼェッ…こんなっ、きついなんて知らない。」 591 sirome0_0TRAINING仙台でびっくりするくらいエスカレーターでは歩かないでくださいの表示があったので。月島くんとバレーボール「仙台の人ってエスカレーター歩く人いないね。」 月島「エスカレーターが自動で運んでくれるのに、歩くとか無駄な労力使う人がいるの」 「私は未だに月島くんがバレーボールをやっていることに驚きを隠せないよ。」 月島「僕も、なんで大人になった今でもバレーボールを続けてる自分が今でも理解できない。」 「嘘でしょ。」 月島「ホント。でも、結局バレーボールの気持ちいい瞬間を知ってしまったんだと思う。」 「へぇー。」 月島「何」 「いやぁ、いい顔するなぁと思って。」 月島「バカにしてるの」 「滅相もない。ただ、バレーボールのこと楽しそうに話す月島くんはすてきだなぁと思っただけです。」 月島「···あっそ。そりゃあドーモ。」 312 sirome0_0MOURNING大人ツッキーの目の前に現れた想い人。はたらくツッキー出勤しようと、博物館の前の道を歩いていると博物館の前に一つの小さな背中が見えた。 「え、なんでいるの。」 「あ、月島くん。」 その背中が知っている人のそれだと気づくくらい近づくと声をかけた。 振り向いた彼女の顔には満面の笑みが広がっていて嬉しげに僕の名前を呼ぶ。 「あの、田中サンに聞いて。」 「田中さん」 「仙台市博物館の前に月島くんと山口くんのパネルがあるって。で、あわよくば月島くんに会えればいいなと思って。」 どうして彼女が田中さんを知っているのか、という疑問は置いておいて目の前に彼女がいるのはさすがに、照れるというか、なんというか。 「…ほんとに、なんでいるの」 「えっと、お休みだから…」 「せっかくの休みに僕のパネル見に来たの」 729 sirome0_0DONE「いててててっ。急に何?」「その顔に、少し腹が立ったものだから。」いつか気づく気持ち。「僕の見立てではずっとカサンドラはダニエルだと思うよ。ダンスパーティーで彼女はダニエルを誘う。」 「やっぱりそうだよね。」 ケビンの言葉に、そう返す他なかった。 どう返せばいいのか分からなかった。 「…ねぇ、ケビン。ダニエルはカサンドラの誘いを受けると思う」 「それは、分からないよ。でも、もしそうだとしたら君はどう」 「お似合いだと思う。凄く…お似合いだと思う。」 「…本心は」 「わからない、」 ケビンはそれだけを聞くと、そっかと言ってそれ以上は何も訊かなかった。 「ねぇ、ケビン。」 「何」 「もしもダニエルとカサンドラがうまく行ったら、私たちはもう口を聞けなくなるのかな。」 「それは、君たち次第じゃない」 逆にそう問いかけてもケビンは、困ったように笑ってそう返すだけだった。 543 sirome0_0DONE彼女がイライラしちゃいました。少し大人になった彼らはどうするの?4️⃣1️⃣、🐝、🐆イライラしてたら抱きしめてくれるbll男子4️⃣1️⃣「えっと、なんかあった」 そう訊くと「なんかなくちゃイライラしちゃだめなわけ」って言われちゃってびっくりしちゃう。 で、その瞬間そうとう参ってるな、って思う4️⃣1️⃣くん。 少しだけ様子を見てから、彼女ちゃんの方からやって来て「ごめん、八つ当たりした。」って言いに来てくれたら「うん、知ってる。」って言ってそのまま抱きしめちゃう。 大人になるにつれてどんどん余裕の出てくる男の人になっていく4️⃣1️⃣さんが見たいです。 「もう、大丈夫だよ。」って彼女ちゃんが言っても「ごめん、俺が寂しかったからもう少しこうさせて。」って多分寝るまで離さないし、何なら途中からにおい吸い始める。 「ちょちょ、潔くん。くすぐったい。」って笑っちゃう彼女ちゃんに「ごめん、ほんとにただ充電してるつもりだったんだけど、エッチな気分になってきちゃった。」って鼻血出てるかもしれない。 1368 sirome0_0DONE当たり前だけどゾンビに大切な人の命を奪われた💙🌹隊の方もいるだろうから、素直にAdo隊長の「ゾンビの声に耳を傾けろ」に耳を傾ける隊員もいれば、「聞けるわけがないだろ!」の隊員もいるわけで、そういう隊員に対してもファルコンさん辺りが隊員達の説得に回ってそう。貴方の進むみちへゾンビたちの沈静化。それがこの隊に入る条件だった。だけど、毎日毎日ゾンビを沈静化するだけで何の意味があるいつ人間を襲うかも分からない状況で、人間の方からゾンビに近づいていくんだぞ。 守り切れるのか?…本当に 「ゾンビの言葉に耳を傾けろ。」 Ado隊長は一体何を考えているんだ。 ゾンビと会話をしてはいけない、呪われてしまうかも、ゾンビになってしまうと声をかけているのに、隊長自らそんな指示を飛ばして。 「聞けるわけないでしょ」 日々、自分をはじめとする若い隊員の不満は大きくなる。 「大体、沈静化ってなんなんですか。」 それに目だけを向けてくるのは少しベテランの隊員たち。彼らの目には、もう光はない。 言ったところでどうにもならない、ということを分かっているのだろうか。 1044 sirome0_0DONE落書きくん「僕に落書きしたの、だーれだ。お前」女の子に買われて女の子と間違えられてお化粧しましょうねーなんて言われながら落書きされていたボクに落書きしたのは。人形というのはいつか遊ばなくなって忘れられる。どんな人形と遊んだのか、どんなふうに遊んだのか、付けた名前すら忘れるのだから。 ニンゲンは、自分がされて嫌なことは相手にしないと教えられるのだそうだ。 なのに、人形というだけでボクらには何をしてもいいと思うのだろうか。 「赤、青、緑に、紫、さあ、今日は何色のメイクにする」 ヤメロ、ボクは女の子じゃない。 ヤメロ、ヤメロ、ヤメロ。 どんなに叫んでもボクの声はニンゲンには届かないらしい。どんなに逃げたくてもこの体は自由には動かないらしい。 「キレイキレイ。」 そう口にして、軽い足取りで部屋を出ていくこの部屋の主を見送った後、ボクはようやくホッと息をついて休めるのだ。 来る日も来る日も、綺麗にペンのインクを取られることはなく別の色が肌に線を描く。 709 sirome0_0DONE赤ヴァンさんvsファルコンさんの対決動画で見て、ファルコンさん赤ヴァンさんの会いたい人な気がして←ファルコンさんの「静まれ」の言い方まじで親が子供に言い聞かせる感じの言い方に聞こえて…いやもうほんとに勝手な解釈なんですけど欲しいのは、血が欲しかった。 ただ、この永遠に続くと言われる体になってから血が欲しくて欲しくてたまらなかった。 ヴァンパイアという生き物になってしまったからなのかもしれない。 強烈に喉が渇くのだ。 「…血を、」 「ん」 初めに出会ったとき、ひどく胸の奥がざわついた。 人であったときの記憶など遠い昔に消えてしまったと思っていたのに。 どうしてか、そいつのことだけは会ったことがある気がして。 ブルーローズ隊という隊に入っているらしい。ブルーローズと言うだけあって隊服の数カ所には青い薔薇が散りばめられている。 へっぴり腰の男もいた。やる気のなさそうな男もいた。いろんなヤツがいて時々からかってやった。 それでも目当ての人間にはなかなか会えない日が続いた。 896 sirome0_0DONE100%捏造でできた、🐰ゾンビさんの過去のお話。ウサギさんの幸せな日々ショーウインドウを眺めていくヒトを見ているのは面白かった。 けれど、その瞬間はついに来た。ちいさなオンナノコの手に抱かれた後、そのコのお母さんに紹介された。 その日の内に眺める場所がショーウインドウではなくダレかのイエになった。 「紅茶をどうぞ。」 目の前に出されたのはニセモノの紅茶の入ったティーカップ。 「あなたはお話ができるの」 「そう、お母さんがうさぎだったから言葉がわからないのね。」 返事ができてもできなくても、きっとオンナノコは私を相手に一人で物語を進めていく。 ただじっと見ていればいいだけ。 オンナノコがいない時は窓から道行くヒトを見ていた。 オンナノコのアソビバは外にもあったかわいい柄のシートを敷いた上でいつもの通りオチャカイが開かれる。 778 sirome0_0DONEまた、真冬と話をするまでの話届けたかった曲「冴子さん、これ貰っても良い」 それを貰ったのは、由紀の葬儀が済んだ直後のことだった。 「……えぇ、良いわよ。」 「ありがとう。」 「…柊、真冬は…」 「………さぁ。」 俺達はずっと幼馴染だった。 それはずっと変わらないはずだった。 高校に入って違う高校へと進んだ真冬とほんの少し距離ができただけ。 高校に入って由紀とシズと俺でバンドを組んでまた少し真冬と距離ができただけ。 それでも、それだけで俺たちの関係が変わるなんて思っていなかった。 由紀がいなくなってから、すぐに真冬と連絡が取れなくなった。 住み慣れた街のどこでも真冬を見かけなくなった。 あんなにも、一緒にいた俺たちの関係はこんなにもあっさりと無くなってしまうのかとさみしくて同仕様もない気持ちでいっぱいになった。 464 sirome0_0DONE🍼ちゃんのママ探しもう会えないママ。目が覚めた時に周りには誰もいなかった。 「…ママ…」 でも、真っ暗な中よーく目を凝らすとあちこちにぬいぐるみや人形が転がっているのに気がついた。 そうかここは、と気づくのはすぐだった。 周りのぬいぐるみや人形が動けない中自分だけが手足を動かせて、言葉を発することができる。それが分かると自分の力で歩きたくなった。 行くところはない、行きたいところもない。 それでもトテトテとぎこちない足運びで歩いてみる。ママには会えない道を辿って。 『人間の子どもはいつか人形が必要じゃなくなる日が来るの。』 昔、小さなママが言った言葉。 小さなママに似合わないくらい大人びた言葉になんだか面白くなった。 『だって子どもはいつの間にか学校に行ってお友達ができて、いつの間にかお家に好きな人を連れてきて、それでね、いつの間にか本物の子どもを産むのよ。』 654 sirome0_0DONEsyhのLIVEで、由紀を見つけた話。君がいた。由紀がいた。 柊の声の中に、柊たちが作った曲の中に、由紀がいた。 どうして俺は由紀の作った音楽を今まで聴こうとしなかったのだろう。どうしてLIVEに出るとはにかんだ彼を否定したのだろう。 『じゃあ、俺のために死ねるの』 ある冬の日、半ば衝動的に口から飛び出た言葉を、言ってすぐに後悔した。 ひどい嫉妬だった。 由紀が夢中になれるものを俺はどうしても応援できなかった。 こんなにも、まっすぐに届けようとしてくれていたのに。 俺が由紀を忘れる日なんて、本当に来ないよ···。 この曲を聴くことができて良かった。 この曲を作ってくれて、届けてくれてありがとう。 あぁ、真っ直ぐステージを見ていても涙で何も見えないや。 柊は、どんな顔で歌っているのだろう、上ノ山くんは···シズちゃんは···。 547 sirome0_0DONEポゼの水兵くんと持ち主のお話。水兵くんのセリフを下にした100%妄想です。水兵⚓️くんの夢ボクがいた家には男の子がいた。ボクと同じやんちゃな男の子。 その子が、目指したのは水兵。 いつか必ず海に出るんだと話していた。 「水兵さんってかっこいいんだ。」 「敬礼はこうっ」 「海は大きくて、きっとどんな悩みもちっぽけに思えちゃう。どんなかなしいことも…全部、全部。」 ボクのトモダチはいつもベッドの上で話をしていた。 ベッドの上でトモダチが喋ればたちまちそこは海の上みたいになる。 ボクらは、いつも想像の中の海を漂っていた。 「君も一緒に、ゴホッゴホッ……海に行こうよ。ゴホッ」 ボクのトモダチはいつしかたくさんの管で繋がれるようになった。 まるで操り人形みたい。 これじゃ、どっちが人形かわからないね。 「僕は海に出たい…広い広い海の上で…君とっ…」 1234 123