一言で言うなら調子に乗った。つい夢中になって、はしゃぎ過ぎてしまったと言える。
「頭が……痛いです……」
いつもより遅く起きたリシテアは不調を訴えた。半ば予想していたフェリクスは驚きもせず、侍女達によって療養体制に入っていく彼女を眺めていた。
ファーガスでの最初の冬──。
昨日まで形を見せていた石畳の道は、一晩であっという間に白く埋まり、窓には雪の結晶が映り込んだ。冬の訪れと冷気は一度にやってきた。
「わあぁ! 雪が積もってますね!」
温暖なレスター出身のリシテアは目を輝かせて、本場の雪を堪能しようと試みるのは、ごく自然なこと。内務の合間を縫っては外を眺めたり、出かけたりしていた。
そして、ここしばらくは大雪が降りに降り積もり、外出禁止の籠城する羽目になってしまっていた。
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