ぱちりと目を開ければ明るい日差しの差し込む寝室の見慣れた天井。
いつも授業をサボって寝ていることが多いせいか、レオナは朝に弱いと思われがちだがけっしてそんなことは無い。寝たいから寝て、起きたい時に起きる。レオナにとって睡眠とはスイッチをパチンと切れば落ちるもので、あらかじめ起きたい時間を脳が認識していれば時刻通りに勝手にまたスイッチが入れられて目が覚めるものだった。
何度か瞬きをしてから枕元のスマホで時計を確認する。朝六時まであと五分ほど。丁度、昨日寝る前にジャミルが起きる予定だと宣言していた時間。そのジャミル本人と言えばレオナの右腕を枕に、殆ど脇に顔を埋めるような形でぴったりとくっついていた。息苦しくないのかとも思うが、緩やかに上下する肩からして大丈夫なのだろう、たぶん。抱き着くでも無く両手を胸の前に縮こまらせてレオナに身を寄せる姿はきっと寒いからだろう、今日は秋にしては冷え込んでいる。レオナ自身も少しの肌寒さを感じて掛布を肩まで引き摺り上げてからジャミルを抱え込む。寝入っている身体はぽかぽかと暖かかった。
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