浬-かいり- @Kairi_HLSY ガルパ⇒ハロハピの愛され末っ子な奥沢が好き。奥沢右固定。主食はかおみさ。プロセカ⇒今のところみずえなだけの予定。 ☆quiet follow Yell with Emoji POIPOI 138
浬-かいり-DOODLE北沢と奥沢。ライブ前の話。HUG!!!「なんでこうなったかな……」 楽屋の隅っこで、小さく一人溜息を吐く。他のメンバーには聞こえなかったようで、こころやはぐみのはしゃぐ声に掻き消された。 あたしの目の前には、まだ一度も袖を通していない下ろし立ての衣装。ミッシェルのものではなくて、あたし専用の衣装。“いつか”の為に、こころたちが用意しておいてくれていたものだ。 少しだけ前に遡る。今日はRiNGでの合同ライブだった。ポピパやAfterglowなどよく知っているバンドの他、初めて顔を合わせるバンドも来るそこそこ規模の大きいライブだ。 ポピパに誘われて参加することになったハロハピも、当然楽屋にやって来た。 だけど、ここでトラブルが発生する。一回ミッシェルに着替えてたものの、まだ慣れないハコの楽屋だったからか、距離感を誤ってドアに思い切り身体をぶつけて転んでしまう。 3078 浬-かいり-SPOILERうろ覚えレポ。思い出したらぽつぽつ追記するかもハッピー!ラッキー!スマイル!フェスティバル!雑多感想レポ【昼の部】 ・A2ブロック、前から4番目くらいでした。 すごい!!人と人の頭の間からともよさんが見える!昼しか見れないので目に焼き付けとく ・開始早々、もえしの腰に手を回してセクハラするともよさんを生で拝めてしまった ⚫︎フェスティバルトーク ・みっく「ハロハピ5人が揃った、またとない機会」 ・ともよさん「またとないの!!?!?」 ・トークテーマ“ハロハピのここが好き!” ・思ったよりテーマがざっくりしてる ・瀬田⇒やばそうに見えて結構人のこと見てる ・北沢⇒やばそうに見えて成長した ・弦巻⇒やばそうに見えて実際やばい。でもだんだん人間としての感情を得ている ・弦巻嬢は人外のバケモノか何かか?? ・みっく「こころには“財”があるから」 6706 浬-かいり-DOODLEkoms。後輩に問い詰められてめんどくさく悶々するokswの話。隠伏の日陰「瀬田先輩と付き合ってるって、本当なんですか」 ひゅ、と。心臓を掴まれて、息が止まって、行き場を失くした酸素が喉の間から漏れ出たような。そんな音が自分から発せられた。 まだ慣れないRiNGでの練習を終えて、ひと足先にスタジオから出たら声を掛けられて人気のない所まで連れてこられて。そしてこの台詞だ。 見たことある子だ。花女の、学年がひとつ下の子だ。ハロハピのライブにも度々来て、差し入れも何度か貰ったことがある。学校で話したこともある。ただそんな彼女の目的は、あたしじゃなくて薫さんであることをよく知っている。 「え、あ、どうして、」 そんなことをぐるぐる考えていたら、声が喉に張り付いて上手く喋れなかった。 3485 浬-かいり-DOODLE倉田と奥沢。二人で一緒にお出掛けして手を繋いじゃう話。てのひらの熱のゆくえ「倉田さん、こっちこっち」 「あっ、美咲さん……! こんにちは」 日曜日、駅前。集合場所に着いて休日の人混みに早々に巻き込まれていた私は、手を振って呼ぶ美咲さんの声に引っ張られるようにして駆け寄った。 少しだけ電車で乗って行ったところで行われる、ふわキャラのイベント。一人で行くことも出来たけど、美咲さんのことをふと思い出して声を掛けてみたら一緒に行こうと言ってくれた。 「じゃあ、行こうか。混んでるから気を付けてね」 「は、はいっ」 今回先輩である美咲さんと出掛けることになったのは、なんというか、成り行きというか、紆余曲折あったのだけど。 それでも美咲さんにも楽しんでもらいたいし、今日は私が頑張らなくちゃ……! 2517 浬-かいり-DOODLEkoms。新生徒会の咲咲と、生徒会役員モブと、よく知らない大学生の女の人。感情の芽生え 新年度。高校2年生になった私は、この度生徒会長の書記となった。特に学校を良くしたいなんて大それた理由も、内申点になるからなんて将来を考えたなんて理由も無い。ただ中等部でも生徒会に入っていたから、高校でもやらないかって先生から声を掛けられた。ただそれだけの理由だ。 「えーと……い、一応生徒会長になりました、奥沢美咲、です……」 メンバーも一新された新生徒会、印象は「この生徒会長大丈夫かな」だった。 初の顔合わせでのガチガチの就任挨拶、始業式でのぐだぐたな挨拶。自信なさげに泳ぐ目が、私たちを控えめに映した。この生徒会長と一年やっていくことに、少なからず不安を覚えた。 ただ、そんな不安はすぐに杞憂だとわかった。 4073 浬-かいり-DOODLEここみさ。フォロワのお誕生日に捧げたもの幸せなら口塞ごう 新年度を迎えて、学校内は浮き足立っていた。 それはクラス替えだったり、新入生だったり、進級だったり。卒業生が去ったばかりだけど、その時のしんみりした雰囲気はもう既に何処にもない。それが少し寂しかったりもするんだけど、寂しがる暇なんて無くて。 新しい風が吹き始めた学校の、そのまた新しいメンバーに一新されて新鮮な空気の生徒会室で。 「はあぁ〜〜〜……」 その空気に似つかわしくない、クソデカい溜め息が重たく漏れ出ていた。 「……大丈夫か、奥沢さん」 「……あんまり、大丈夫じゃない……」 今年度の新しい生徒会長となった奥沢さんは、大量の書類を前にげんなりしていた。 新年度は生徒会主催のイベントに、交換留学の準備に、部活や委員会の活動予定や費用の書類に――と、やることが多い。まだ生徒会長になったばかりの奥沢さんは、慣れない仕事に疲弊しきっていた。それでもしっかり抜かりなくこなしているあたり、流石器用な奥沢さんって感じなんだけど。 2387 浬-かいり-DOODLEかおみさ。🌸世界線桜色に染まれ 白馬に跨り道を行けば、此方に振り向いた子猫ちゃんたちが桜色に頬を染める。 新年度になり、桜並木には新しい風と共に花弁が舞う。私と同じ制服を着た学生たちは、皆浮き足立っているように見えた。それは、今日から進級し新しい生活が始まるから……というだけではないのだろう。 耳を傾ければ、聞こえてくる弾んだ声。近頃の学校内の話題は、とある噂で持ちきりだ。 伝説の桜の樹。 10年に一度だけ満開に咲き誇る、中庭の桜の樹。その樹の下で大切な人と一緒に幸せを願うと、その願いは必ず叶うという。 素晴らしく儚い話だと思う。ロマンがあり、夢がある。その話に花を咲かせ盛り上がる子猫ちゃんたちも可愛らしい。大切な人と共に桜を見れることだけでも素敵な時間だ。きっと、願いも叶うことだろう。 3276 浬-かいり-DOODLEハロハピ。赤ちゃんになった(?)奥沢とハロハピがわちゃわちゃやるはなし。Gimme a smile, Baby「あら?」 本日は、ハロー、ハッピーワールド! 通称ハロハピの練習日だった。CiRCLEのラウンジに一番乗りした弦巻こころは、部屋に入った瞬間にいつもと違う光景に気付いた。 ラウンジの隅っこに、黒いベビーカーが一台鎮座していた。ライブハウスではおおよそ見ない物に、こころは物珍しげに近付く。日除けのシェードが下ろしてあった為全容は見えないが、そこから小さな足が覗いているのは見えていた。 しゃがみ込んで、シェードの裏を覗き込む。そこには、こころが期待していた通りのものがあった。 「赤ちゃんだわ!」 ボリューム抑えめに歓声を上げる。 ぷっくりとした小さな手足、こぼれ落ちそうなほっぺた、控えめに聞こえてくる寝息。 3597 浬-かいり-DOODLEかおみさ※怪盗パロこれから共犯者なる君へ その日は満月だった。深夜だというのに夜の静けさは全く無く、サイレンが鳴り響き慌ただしい足音が幾重にも重なっていた。無線を行き交うのは怒号と、焦った声と、動揺する声と、そして笑い声。 「こちら宝石展示場、怪盗ハロハッピーはダイヤを盗み、尚逃走中……!」 世間を騒がす怪盗ハロハッピーは、予告状の時刻ぴったりに現れて予告していたダイヤを回収した。美術館内を逃走する怪盗を、警備員たちが必死に追いかける。 しかし追われている筈の怪盗は、楽しそうに笑うのだった。 「さあ、今宵も共に楽しもうじゃないか!」 そんな煽りとも取れる台詞を怪盗が口にして、壁に飾られた絵画へと手を伸ばす。それも盗むつもりかと警備員たちが声を荒げようとしたその瞬間、絵画の裏から大量の白い鳩が飛び出した。 2844 浬-かいり-DOODLEかのみさ夏の残骸に蓋 放課後。外に出てみれば、少し冷たい風が頬を掠めた。すっかり秋一色の外は肌寒い。そろそろマフラーやコートを出さなくちゃいけないかも。 学校の敷地内に生えている木の葉は、どれも黄色やオレンジなど鮮やかな色に変わっていて、風が吹くたびに数枚がひらひらと地面に落ちた。 夏休みがとっくに終わってしまった空の日は短く、既に日は傾き始めていた。夕日に照らされながら、耳には部活動に勤しむ声が届く。ただその声は夏休み前よりも勢いが無いように感じて——すぐにそれが、どこの部活も三年生の引退があったからだと思い当たった。 今日のテニス部の活動は無し。一人で歩き、やがて花壇の前で足を止めた。俯いた視線の先には、すっかり枯れてしまったひまわりが同じように俯いている。 2983 浬-かいり-DOODLEここみさ眠れない夜の訪問者 深夜、閉め切った窓の外からは何も音は聞こえない。それは家の中も同じで、既に寝静まった屋内から何かが聞こえて来る訳でもない。 ただ、一つの部屋は例外であった。電気を消して真っ暗になった部屋の中、ベッドの上の膨らんだ毛布が落ち着きなく動く。 ベッドで横になる奥沢美咲は、眉間に皺を寄せながら寝返りを打った。もぞもぞと落ち着く体勢を探して、見つからなくてまた寝返り。固く目を瞑っても、眠気が訪れる気配は一向に無い。 「んんんん……」 呻き声に近い声を上げながらのっそりと起き上がり、枕元に置いていたペットボトルの水を一口。ついでにスマホで画面を見てみれば、時刻は深夜2時を示していた。 なんだか、今夜はやけに寝付きが悪い。別に睡眠を取りすぎた訳でもない。普通に学校で授業を受けて、部活に参加して、バンドの練習をして、寧ろ身体は疲れているはずだった。それでも、目は冴えて脳は忙しなくぐるぐると回る。頭の中では新しい歌詞が浮かんではこれでは無いと消え、鼻唄が頭を過ってはそこへドラムやベースの音が足されていく。 2389 浬-かいり-DOODLEハロハピ年少組+戸山市ヶ谷サマーナイト・センセーション「……やっぱり、さ。無理だよ、あたしには」 7バンド合同の野外ライブ。特設ステージの裏、機材が並びスタッフが往来する灯りの少ないスペースで、ライブTシャツを着た奥沢美咲は蒼い顔をして首を振った。 今は夜。日中にぎらぎらと殺人的な光を放っていた太陽は引っ込んでいるとはいえ、熱帯夜の今日は蒸した空気が流れていて嫌な暑さだ。ステージの方からは熱気の冷めない観客達の声が聞こえてくる。 「諦めるのはまだ早いわ、美咲!」 「そうだよ、みーくん! そんなこと言わないでよ……!」 眉を下げる美咲を囲うようにして声を掛けているのは、同じバンドメンバーである弦巻こころと北沢はぐみだ。この二人も今日はステージ衣装とは違い、この日の為に作られたライブTシャツを着用している。 2428 浬-かいり-DOODLEみずえな22時の来訪者たち 午後10時。朝比奈まふゆは、パソコンを開き大学に提出するレポートを書いていた。提出日まではまだ余裕があるけれど、先に済ませておけば作詞の時間も取れる。 暫く集中していると、突然のインターホンがタイプ音を遮った。こんな時間に一体誰が訪ねてきたのか。宅急便も特に頼んではいない。 確認しようと一度立ち上がったところで、机に置いてあったスマホが震えた。手に取って、たった今受信したメッセージを開く。 『まふゆ、今家に居るでしょ』 『開けて』 送り主は、同じサークルのメンバーである東雲絵名からであった。まふゆは合点が行く。マンションに一人暮らしのまふゆの家に、こんな夜遅く突然訪れてくるなんて遠慮のないことが出来る知り合いは彼女くらいだ。 2760 浬-かいり-DOODLEかおみさその我儘、今日限定につき 寒いな、と身震いする感覚で目を開ける。薄いタオルケットだけでは暖を取るには心許なくて、でも手元にはそれしか無いから仕方なく引き寄せて身体を丸める。今は何時なんだろう。頭が重い。身体の節々が痛む。吐き気がして気持ち悪い。……昨日、何時に寝たっけな。 そんなことをぐるぐる考えていたら、頭に何かが乗せられた。ゆっくりとそちらに視線を移す。 「おはよう。今日はよく眠っていたね、お姫様」 声を掛けてきたのが薫さんだと気付いて、頭に乗せられたのは彼女の手だったと理解する。撫でる感触が心地よくて、それでも頭の痛みは和らいではくれなくて顔を顰める。 あたしと同じで朝には弱い薫さんだけど、今日はとっくに起きていたようで身なりが整っていた。 2693 浬-かいり-DOODLEかおみさ臆病者と梅雨の空 静かな部屋の中では、雨が窓を叩く音がやけにはっきりと聞こえてくる。 朝の天気予報では、東京は先日から梅雨入りしたと告げていた。雨が続くここ最近は6月というのに気温が低く、衣替えを終えて暫く経つ半袖の制服では肌寒い。 雨音に混じって、薫さんが台本のページを捲る音。寒いからと温かい飲み物を淹れてきたのは自分のくせに、台本を読むのに夢中で殆ど手に取られることの無かったマグカップからは、もう湯気が立つことはない。 あたしはパソコンに繋がれたヘッドホンを一度外すと、自分のマグカップを手に取って……もう自分の分は飲み切ってしまっていることを思い出した。仕方ないので、代わりに薫さんのマグカップに口を付ける。すっかり冷めてしまっているコーヒーは当然だけど身体を温めてくれる訳はなく、喉は潤ったけれど寧ろ肌寒さが増した。身震いをすれば、薫さんがすぐに気付いて顔を上げた。 2566 浬-かいり-DOODLEハロハピ+戸山&市ヶ谷※ピコふぃーばー21話ネタサンバ三分前 北沢はぐみは頭を抱えていた。いや、正しくははぐみの姿をした松原花音が頭を抱えていた。 遡ること僅か数十分前。一体何をどうつもりだったか分からない瞬間移動装置というものを弦巻家が開発し、ハロー、ハッピーワールド! 通称ハロハピのメンバーはそれのお披露目会に立ち会った。 そんな中、装置へ行っちゃうモンモンしてわちゃもちゃっとしてしまうハプニングがあって、そんな訳で今彼女達五人は身体が入れ替わっている状態になってしまったのである。 弦巻こころの姿になった奥沢美咲が、状況を不審に思った使用人を誤魔化すべく部屋から退室。「この部屋で大人しく待っているように」といった旨のハンドサインを他の四人に送るものの伝わっていなかったのか、はたまた好奇心が強過ぎて一瞬で忘れ去られてしまったのか。 2784 浬-かいり-SPOILERイベスト感想「例えばこんな脱げない日には」雑多感想・商店街ラジオ体操ライブって何?????? ・開始早々意味わかんなくてハロハピだ〜〜!!って感動さえあった ・「朝早いのだけまいった」 ・やっぱり奥沢くん朝弱いんだね可愛いね ・弦巻さんの「動き足りないって顔をしているわね」の後の奥沢くんの「え……」が、おぁ……って感じの発音でなんかアホっぽくて可愛いくてすき ・えっ???ミッシェルを脱ごうと奮闘する奥沢くんの声大丈夫????大丈夫じゃなくない????R18では????よいこは聞いちゃいけません!シッ!!!!(????) ・その後の花音さんにびっくりする声も含めて本当に大丈夫なの????これ全年齢ゲームで合ってる????? ・「切っちゃダメっ!」 ・ミッシェルの身体に刃物なんか入れちゃダメだもんね……大事な相棒だもんな…… 2757 浬-かいり-DOODLEかおみさ(大学生パロ)酒に呑まれるもの、雰囲気に呑まれないもの 炭酸の抜けた缶チューハイに、空の鞘だらけになった枝豆の皿。テレビではドラマが終わり、丁度夜のニュース番組が流れ始める。淡々とニュースを読み上げるアナウンサーの声をBGMに、白鷺千聖は溶けかけの氷が入ったグラスを傾けた。 ぴんぽん、と。間の抜けたチャイムの音が部屋に届いたのは丁度そんな時だった。三人分の視線が玄関へと向く。 「来たみたいね」 「うん、じゃあ私出て来るね」 立ち上がったのは家主である松原花音だ。炬燵から出ると、インターホンのカメラで来訪者を確認してから玄関へと向かう。 ドアを開ければ、マフラーに顔を埋めた奥沢美咲が立っていた。外は寒いようで、半分隠れている顔も赤くなってしまっているのが分かる。 2803 浬-かいり-SPOILERイベスト感想「怪盗ハロハッピーともう一人の怪盗」雑多感想・出だしから突然心当たりのない犯人にされる奥沢くん ・企んでる瀬田くんを見て不安な奥沢くんと、ワクワクな花音さん ・最近のいつものハロハピの構図ですね ・この時の奥沢くんは自分も巻き込まれることを知らない ・弦巻さん、やっぱり外国語できるのかな!? ・それはちょっと夢広がるわ ・ハロハピ探偵団 ・バンドであり笑顔パトロール隊であり探偵団でもある ・ハロハッピーが頂戴したい「大切なもの」って一体なんなんだ……そこに居るバンド内の可愛い担当の子だったりします??? ・と、私はハラハラしています(?) ・弦巻家の車 車内 ・もう家じゃん!?豪華過ぎて笑った ・住めるじゃん ・怪盗へのハードルが爆上がりしていく ・前日にちゃんと怪盗の勉強してる奥沢くん、えらいね…… 2922 浬-かいり-DOODLEかおみさ(大学一年生×高校三年生)微睡みに委ねるまま けたたましく鳴るアラームの音で、徐々に意識がはっきりする。目を閉じたまま手探りでスマホを探して、やっとの思いでアラームを止めた。時刻は午前六時半。 スマホを探す為に布団から出した手が寒くて、アラームを止めた後に思わず布団の中へまた手を引っ込めた。まずいな、布団の外に出たくない。これだから冬の朝というものは厄介だ。 なんとか起きなくてはと、布団の中で目をしぱしぱ瞬かせながら頭の中で今日の予定を確認する。 あれ、そもそも今日は何曜日だったっけ。ここのところ、大学の課題やライブ、演劇サークルの活動が重なって続いていて、すっかり曜日感覚が抜け落ちてしまった。 もう一度曜日を確認しようと、布団の外へ手を伸ばそうとする。その時、指先が何か温かいものに触れて思わず固まった。 1999 浬-かいり-DOODLE咲咲ブレーキ同盟がお泊まり会するはなし(後編) ミッシェルのもこもこルームウェアを着て顔を真っ赤にしながら有咲のスマホを取り上げようとする美咲と、それを笑いながら阻止する有咲の攻防から数秒後。暫し謎の沈黙が訪れる。向かい合わせに座った二人が目を泳がせ、そして視線がかち合う。 口を開いたのは有咲の方だった。 「……で、何やるよ?」 夕飯まで、まだ時間がある。ポピパで泊まる時は、ハロハピで泊まる時はいつも何をしてどんな風に過ごしていたっけ。二人は考えを巡らせる。 「トランプでもやる?」 「二人でか?」 「じゃあUNOとか?」 「だから二人しか居ないっての」 「…………」 「……宿題、やるか?」 あまり楽しくない提案だが、明日も学校があるので仕方ない。他にやりたいことも思い浮かばないので、二人で黙々と宿題に取り掛かるのであった。 1987 浬-かいり-DOODLE咲咲ブレーキ同盟がお泊まり会するはなし(前編) 平日のある日。この日はバンド練習も他の予定も特に無い。それなのに、自宅で寛ぐ市ヶ谷有咲はそわそわと落ち着きがなかった。 室内をウロウロ歩き、部屋の埃をチェックし、窓を開けては閉め、最後にベッドに飛び込んだ。 直後、家のインターホンが鳴ると弾かれたように起き上がり、手櫛で髪を整えながら玄関へ向かった。息を整えながら、ゆっくりとドアを開ける。 「あー……。い、いらっしゃい」 「……どうも。お邪魔します」 ぎこちなく挨拶をする有咲に、制服姿に大きな荷物を持った奥沢美咲が、同じようにぎこちない挨拶を返した。 ◆ 「こころ、これ見て」 事の発端は、その日の朝のことだった。2年A組の教室に来ていた弦巻こころを手招きし、美咲は自分のスマートフォンの画面を見せた。画面を覗き込んだこころの顔が、ぱっと華やぐ。 2822 浬-かいり-DOODLEハロハピHello, Happy Halloween……?「そういえば、美咲って仮装してなかったわよね?」 始まりは、ハロハピ会議の中突然零された、弦巻こころのそんな一言だった。あまりにも突然過ぎた為、奥沢美咲含めハロハピのメンバー達はきょとんと首を傾げる。 因みに先程までは、好きなおでんの具について話をしていた。本来は次のライブについて話し合う為の会議であったが、話題が大幅に逸れることはハロハピ会議では日常茶飯事だ。そして、こころの突拍子のない一言も。 「……なんの話?」 「この間サーカスでやったハロウィンライブの話よ! 美咲だけ仮装していないじゃない!」 「そりゃ、アレは衣装だったし」 先日大成功を収めた、ハロハピがオープニングアクトを務めたサーカスでのライブ。ハロウィンだった為、その時の衣装は仮装も兼ねていた。仮装だけど衣装。だからミッシェルとして舞台に上がっていた美咲には、衣装が無いのは当然だったのだが。 1978 浬-かいり-DOODLEハロハピ+ラスボスバンド過保護は程々にしましょう「あ、こころー」 「美咲!!」 放課後。2年B組の教室にやってきた奥沢美咲がバンドメンバーの名前を呼べば、弦巻こころは目を輝かせながら飛び付いた。 それをなんなく受け止めてから、美咲は苦笑いを浮かべる。 「美咲から迎えに来てくれるなんて嬉しいわ! 早速CiRCLEへ練習に行きましょう!」 「いやいや、違うってば。やっぱり忘れてたかー……」 溜息を吐けば、こころがきょとんと首を傾げた。その後ろで、山吹沙綾が手を振った。 「あれっ、美咲お疲れ! もしかして迎えに来てくれた?」 「いや、それもあるんだけど……。こころがきっと、忘れてるだろうなって思ったから一応伝えにきた」 「こころーーん! みーーくーーん! 練習行こ〜〜〜〜〜っっ!!」 2909 浬-かいり-DOODLE咲咲誕生日の朝、教室にて。 10月1日。既に花咲川女子学園2年A組の教室に着いていた市ヶ谷有咲は、一緒に登校してきた戸山香澄と共に談笑をしていた。まだ始業までは余裕があり、廊下の方からも楽しそうな話し声が聞こえて来る。 「じゃあ美咲! 今日の夜、あたしの家に集合よ! 美咲はあたしが迎えに行くから、家で待っていて頂戴ね!」 「はぐみたち、すっごいサプライズ用意してるから!!」 「いや、サプライズって先に言っちゃダメなんじゃない……?」 廊下から、聞き覚えのある声が三つ聞こえた。二つは朝から元気の有り余る声、一つはまだ少し眠たげなようにも感じる声。 有咲が教室の入り口へ視線をやれば、クラスメイトの奥沢美咲の姿があった。彼女はバンド活動を同じくしている弦巻こころと北沢はぐみに手を振ると、教室の中へと入ってきた。有咲が声を掛けるより先に、香澄が美咲の元へと駆け寄る。 2237 浬-かいり-SPOILERイベスト感想「Let's Screeeeam!」雑多感想・待望の!!ハロハピハロウィン!! ・ハロハピが楽しそうなところを散歩してるだけでも周りはきっと笑顔になれるから、笑顔パトロール隊の仕事としては正しいよね ・空中ブランコの想像だけで足がすくんじゃう瀬田くん。フィルムライブ頑張ってたね…… ・初対面の人を幽霊呼ばわりする花音さん、辛辣 ・仮装って知らされたのに怯える瀬田くん ・あなた三章で幽霊の演技してましたよね ・遊園地と魔女のお店の次はサーカスのお手伝いをするハロハピ ・ノリノリな3バカと乗り気な花音さんと結局付き合ってくれる奥沢。いつもの構図 ・瀬田くん「幸福と儚さを届けるバンドさ」団長「やはり私の聞いた通りです!」 ・儚さを届けるバンドって聞いたの?? ・いつから儚さを届けるバンドになったんだろう 2812 浬-かいり-DOODLEくらさわ(倉田×奥沢)あなたとはじめたい前奏曲「私は駅前のチョコにしたよ! 2〜3万円で買いやすい値段なんだけど、すっごく美味しくてオススメで……あれっ、どうしたのましろちゃん変な顔して」 「そうだなぁ、手作りのものが普通で気持ちが伝わるって聞いたことあるから、広町はブローチを作ってみたんだよ〜……しろちゃん? どこ行くの?」 「誕生日だし、ここはやっぱり派手で目立つもんプレゼントしたくね? 美咲さんって和服似合いそうだし、着物とか……って、シロ! まだ話終わってねーぞ!?」 「そもそも私は奥沢さんと交友が無いのだし、彼女のことをよく知らない私に相談するのは筋違いじゃないのかしら」 ◆ 「はぁぁあ……」 ショッピングモールのベンチに一人座りながら、私は一人盛大に溜息を吐いていた。 2993 浬-かいり-DOODLEハロハピ特にそういうオチは求めてなかった まだ残暑が残る夏休みの夜。弦巻家にハロー、ハッピーワールド! の五人は集まっていた。 畳の部屋に敷かれた布団の上に正座する五人。真っ暗な部屋の中、彼女達が囲む一本の蝋燭の火だけが揺らめいていた。 「それじゃあ第一回! ハロハピ怪談大会を始めるわよ!」 おどろおどろしい雰囲気に似つかわしくない、弦巻こころの明るい号令が響く。正座して目を輝かせる北沢はぐみが拍手をして、膝を抱える松原花音が苦笑いをして、そわそわと落ち着きの無い瀬田薫が表情を硬くした。 奥沢美咲はこの状況に首を傾げた。ハロハピの普段の雰囲気とかけ離れ過ぎたこの部屋の様相に、戸惑うばかりだった。 「あの、こころ? ……なんで突然怪談?」 「この間モカがね、Afterglowのみんなで怪談大会をしたってお話ししてくれたの!」 2821 浬-かいり-DOODLEタキモル♀(ウマ娘)料理スキルGのトレーナーのはなし「やあ、トレーナーくん! 早速だが例のものはちゃんと用意してくれたかい?」 お昼のチャイムが鳴るなり、トレーナー室のドアが勢いよく開く。遠慮の欠片なくソファに座り込んだのは、担当バのアグネスタキオンだった。 彼女は年相応のちょっぴりウキウキしたような顔で、私の顔をチラチラ見る。私は肩を竦めると、少し息を呑みながら、例のものを渡した。ピンク色の巾着袋に入った、お弁当箱。 「ああ、本当に作ってきてくれるとは! いやぁすまないね、トレーナーくん」 「本当にすまないって思ってる?」 果たして担当バにお弁当を作ってあげるという行為は、トレーナーとしての仕事に含まれるのか否か。そう疑問に思ってしまうも、悪びれもせず弁当箱を受け取った彼女の嬉しそうな顔には弱いから、私も大概だ。 1902 浬-かいり-SPOILER映画感想「BanG Dream FILM LIVE 2nd Stage」雑多感想○Poppin'Party 【イニシャル】⇒【STAR BEAT!〜ホシノコドウ〜】 ・開幕イニシャルなの激アツでした。 ・イニシャルのアウトロ辺りで、五人が向かい合わせになって演奏するシーンがめっちゃ好き。 ・何回客席に呼びかけるんだこの人たち。観客で遊ぶなwwww ・市ヶ谷さんの「アリーナ〜〜〜!」がなんか面白いのなんでだろね。 ・トップバッターを飾ったポピパだけれど、気取らないポピパらしいいつも通りゆるっとした感じのMCで大変可愛かった。 ○Morfonica 【Daylight -デイライト】⇒【ブルームブルーム】 ・ポピパからのパス!きっと倉田は緊張してただろうけど、香澄ちゃんからのパスは嬉しかったんじゃないかなぁ。 2970 浬-かいり-DOODLEかおみさ+はぐみ内緒の時間は二人の時間「みーーーさきーーーー!!」 「みーくんみーくん〜〜! ねえねえ、今日こころんと三人でかき氷食べに行こうよー!」 放課後、こころんと二人でみーくんの教室へ飛び込む。この間おたえとイヴちんと行った、駅の近くの新しいかき氷屋さん。すっごく美味しかったから、こころんとみーくんにも食べて欲しいって思ったんだ。 けれどみーくんは、ちょっと眉を下げて困った顔をした。 「あー……ごめん、あたし予定があるんだ。二人で行っておいでよ」 「そうなんだ……。わかった! 今度一緒に行こうね!」 みーくんが一緒に行けないのは残念だけど。その代わり次は一緒に行く約束をして、手を振った。 こころんと校門を出る時に、少しだけ急いでるみたいに歩くみーくんの背中を見つけた。だからきっと、とっても大事な用事だったんだと思う。 2598 浬-かいり-DOODLEかおみさ(※ブルーシープ衣装パロ)「おやすみ、ストレイシープ」の続きストレイシープは眠らない「おやすみ、仔羊ちゃん」 お月様とお星様が煌めく紺碧の空の下。今夜も眠れずにいた迷える仔羊が、ぐっすりと眠りの海へ落ちていきました。 モノクルの奥にルビーの瞳を輝かせる、ブルーシープと名乗る魔法使いが仔羊の頭を撫でて微笑みます。シルクハットの下に見える羊の角が、月明かりに照らされました。 その隣で、黒髪の間から同じような羊の角を覗かせた使い魔の女の子が、じっとブルーグレーの瞳を魔法使いへ向けました。 「美咲もありがとう、お疲れ様」 魔法使いが使い魔の女の子の頭を撫でてあげれば、恥ずかしがりやの彼女は窓の外へと目を逸らします。 まだ夜は始まったばかり。眠れぬ仔羊が眠った後は、魔法使いと使い魔の女の子の、二人だけの時間です。 1728 浬-かいり-DOODLEかのみさ※モブ視点教師パロ教科書は教えてくれない「どう? 解けた?」 「ううん……。分かんないよ先生、こんなの当て嵌まるところ無くない?」 机に広げたプリントの上に突っ伏せば、腕が当たってシャーペンが床に落ちた。頭がパンクしそうで、それを拾う気力も無い。 「ちゃんと教科書見てみなって。3行目から5行目」 苦笑いする先生が、シャーペンを拾ってくれる。私は項垂れた姿勢のままそれを受け取って、彼女の顔を見上げた。 奥沢先生は、現代文を担当する私のクラスの担任だ。見たところまだ若そうだけど、しっかりしていて話も親身に聞いてくれて頼り甲斐があって、生徒からも慕われている先生だ。 国語が壊滅的に苦手な私の為に、こうして一人きりの補習を開いてくれる。私もまた、先生を慕っている一人の生徒だった。 2775 浬-かいり-DOODLEかのみさ(みさかのん)「リナリアを踏む」(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15658988)の花音さん視点の話。ヒマワリを咲かせる「美咲ちゃん、さっきの子って知り合い?」 「さっきの子?」 初めてのハコでライブを終えて、その打ち上げ。ライブの話で盛り上がるこころちゃん達を落ち着かせながらメニューを注文して一息ついた頃、隣に座る美咲ちゃんに声を掛けた。 彼女は不思議そうな顔をしたけれど、先程ライブハウスを出る時に声を掛けてきたスタッフの子だと説明すれば、納得いったように頷いた。 「ライブ前にちょっとだけ話をしたんです。ミッシェルに興味があったみたいで」 「そうなんだ」 美咲ちゃんはそう説明したけれど。あの時私が見たあの子の顔と視線は、ただの好意や興味じゃないように感じた。 テーブルの下にある美咲ちゃんの右手を見つけると、きゅっと手を握る。少しだけ顔を赤らめた彼女が、驚いたように此方を見て小声で私を呼ぶ。 1811 浬-かいり-DOODLEはぐみと美咲夕立にスキップ 空を見上げて、北沢はぐみは一人溜息を吐いた。灰色の空からは、激しく雨が降り注いでいる。雨はベンチの屋根を叩きつけ、グラウンドをあっという間にぬかるみにしていく。 夏休みに入って最初のソフトボールの練習に、すっかり舞い上がっていたのがつい数十分前。来週末には、試合を控えていて気合も入っていた。 今日の分の練習はとっくに終わったのだが、なんだかもう少しだけ練習したい気分で。帰り支度を整えるチームメンバー達に手を振って、一人自主練習に打ち込んでいた。そしたらこの有様だ。 グラウンドに居残りしたことを、少しだけ後悔する。両手にはバットとグローブ。傘なんて持ち合わせていなかった。 「濡れて帰るしかないかなぁ……」 2379 浬-かいり-SPOILERイベスト感想「はぐみのハッピーダイナソー」雑多感想・奥沢くん、恐竜のタマゴがカラフルだと思ってたの〜〜〜〜!?可愛い〜〜〜〜!!!! ・もうカラフルだったってことにしない?(?) ・いいよね、いいじゃんもう。カラフルにしようよ。太古はカラフルなタマゴで溢れてたんだよ。 ・奥沢くんの号令に「は〜い」って答える瀬田くんが今日も可愛い。 ・今回ダブピだからだと思うんだけど、はぐちゃんが事あるごとに「みーくん」って話し掛けるの可愛い。 ・瀬田くん「化石の写真が古代の景色を伝えようとしている」 奥沢くん「そこまではちょっと感じ取れなかった」 ・出たよ塩。好き。 ・「あたしと花音さん、この道曲がった方が早い」??? ・二人は家が同じ方向……? ・そして放し飼いになる3バカ。 2632 浬-かいり-DOODLEくらさわ(倉田×奥沢)傘へ誘うは迎え梅雨「わ、雨だ。どうしよう……」 今日は楽しみにしていたファンタジー小説の発売日だった。学校が終わってからすぐに本屋に寄って目当ての本を買って、ついでに他に何か面白そうな本が無いか店内を回って。 そうしてやっと帰ろうと自動ドアの先へ踏み出したら、勢いよく降る雨が私の帰路を遮っていた。今日降るって言ってたっけ。 (どうしよう、傘持ってないや……) 駅まではそこそこ歩かなきゃいけない。この雨の中じゃせっかく買った本が濡れてしまう。それだけは絶対にダメ。でも、ここでずっと待っててもいつ止むかなんて分からないし……。 「あれ、倉田さん?」 後ろで自動ドアの開く音と、知ってる声。振り返ってみれば、一つ年上の他校の先輩の姿。ハロー、ハッピーワールド! の美咲さんだ。首を傾げて私を不思議そうに見つめていた。 2289 浬-かいり-SPOILERイベスト感想「バディ×バディ」雑多感想・待望のテニス部ダブピ ・※ただし内容はテニスじゃない ,「あの二匹、わかんないけど一応商店街の人気者みたいだから」??? ・節分でミッシェルが引っ張りだこになるって言ってたくせに??? ・キグルミ先輩沢やさしいね…… ・でもえいえいおーは言わない ・で、ミッシェルとマリーのペアマスコットキーホルダーはいつグッズ化するんです? ・マリーの名前表記でひーちゃんが喋ってるのじわじわ来るな ・「せいれーつ!」のミッシェル超可愛くないですか? ・整列したい。何処で並べます? ・ひーちゃんの「みーくん」呼び…! ・なんだこの可愛いバディは ・「美咲ちゃん」呼びに反応しないの、もしかしなくても今は“ミッシェル”だからっていう奥沢くんのプロ意識なのかな 1929 浬-かいり-DOODLEかおみさGood-by, sweet Whiteday. 「お客さん、みんな喜んでくれて良かったですね」 ホワイトデー公演の帰り道。薄暗くなり始めた道の中で美咲がぽつりと零した。公演は大成功に終わり、バレンタインに愛を向けてくれた子猫ちゃん達もとても喜んでくれた。 美咲も公演で披露する曲を作ってくれたり、裏方の仕事を手伝ってくれたりと、去年に引き続き世話になってしまった。本当に感謝が尽きない。 「美咲、まだ時間はあるかい?」 ホワイトデー終了まで残り六時間。美咲を家に送り届けている途中だが、まだやらなければいけないことがある。私は尋ねながら、いつもの公園を指差した。首を傾げてから頷く美咲の手を引いて公園のベンチへ。 既に時報のチャイムが鳴った後の公園に人の姿は殆どなく、春特有の強めで生暖かい風が髪を撫でていくだけだ。 1464 浬-かいり-SPOILERイベスト感想「満たされないペイルカラー」雑多感想 “東雲絵名は才能がない” そんなん察してたけど、でも本人の口から一番聞きたくない言葉だった。でもまだ高校二年生なのに、自分に才能が無いことを受け入れて、それでも藻がいて足掻こうとする彼女は最高にカッコいいなって。 「このアカウントでは、純粋に、絵だけを評価してもらいたい」 イラストのアカウントに、ニーゴのメンバーであることを表記していない絵名ちゃん。絵に対する強いこだわりと、負けず嫌いな性格が顕著に出てますね。はい好き。 「こんな、5分で撮れるような写真には反応くるのに」 やっぱり絵名ちゃんにとっての自撮りって、趣味でもあるけど、絵で承認欲求が満たされない時の逃走手段の一つですよね。自撮りをする時の心境を考えるとしんどすぎて、こんなん自傷行為と一緒じゃん……ってなる。苦しい。辛い。 2979 浬-かいり-DOODLE咲咲+ましろいっそ夢オチって言ってくれよ 「あ、有咲ちゃんいらっしゃい。今日は一人で練習でいいんだよね?」 「はい、お願いします」 受付にいるまりなさんに挨拶をして、スタジオへ入る前に飲み物でも買おうかとラウンジへ。するとソファの上に、何か小さいぬいぐるみのようなものが見えた。 ……誰かの忘れ物か? 周りには誰も居ないし、仕方ない。まりなさんに届けるか。そう思いながら、“それ”に近付いて。 「……は???」 固まる。思考が停止する。いや、え??? 混乱しながら、それを抱き上げてみた。温かいな。重いな。現実だな。 “それ”が此方を見上げてきて、アクアマリンの瞳と目が合った。 「あれ、市ヶ谷さん。何して———、」 いつの間に背後に居たのか。奥沢さんの声がして名前を呼ばれて、肩にぽんと手を置かれた。それが起動の合図だったかのように、私の身体はぎこちなく動き奥沢さんの方を向く。抱える“それ”を見せるように。 2932 浬-かいり-SPOILERイベスト感想「にこにこねくと!」雑多感想【後半】《弦巻こころについて》 ひたすらに純粋で、ひたすらに他の人の笑顔のために一途でした。あと正直、私的にこの子の涙が一番精神的に来るなというのを痛感した。 今までずっと一人で楽しいことを探していたこころだけど、ハロハピと出会ってからはハロハピと楽しいことを探すのが当然になった。だからまた一人になった時に、今まで自分はどうやって楽しいことを探していたのか忘れちゃったんだね。だってハロハピと一緒に居れば、一人で楽しいことを考える必要なんて無かったから。 「ハロハピのみんなが特別で、居ないと楽しいと思えない。笑顔になれない」これにこころがちゃんと気付いて理解して、言葉に出すまで本当に長かった。 でもこころ自身が“特別”を言語化していなかっただけで、とっくにハロハピを特別と思ってたことは言葉の端々が証明してるんだよな。ハロマイのイベ然り、二章しかり。 2987 浬-かいり-SPOILERイベスト感想「にこにこねくと!」雑多感想【前半】《ストーリーについて》 ついに海外に行きました。まあハロー、ハッピーワールド!なので、いつか海外に行くとは思ったよ。ワールドワイドなバンドなのでっていうのもあるし、「世界を笑顔に!」と“ハロー、ハッピーワールド!”というバンド名から、寧ろ海外……世界へ羽ばたくのは最早必然的だったんじゃないかなと。 今回のストーリーを通して、ハロー、ハッピーワールド!という名前がより鮮明なものになりました。 “手放したくない”と思ったものが特別で、そんな特別な人たちとの間に生まれた楽しいもやっぱり特別で、もらったものをまた誰かにあげて、そうして笑顔になれる世界を見れるように。笑顔になった人たちが、また誰かにもらったものを渡せるように。そうして世界は繋がってるから。ハロハピで笑顔になった人たちが、同じように誰かを笑顔にしてくれるから。そうやって笑顔が繋がっていくから。世界が笑顔になっていくから。 2488 浬-かいり-DOODLEかおみさHello, melty Valentine. 「おや、美咲?」 「お、おはようございます……」 二月十四日の朝。ギターケースを提げる薫さんは、家の前で佇んでいたあたしを見て不思議そうに首を傾げた。あたしはぎこちなく挨拶をする。 それもそうだ。今日はハロハピのバレンタインライブがあるので、スタジオに直接集合の筈だ。わざわざ薫さんの家の前で待つ必要なんてない。驚いた顔をされるのも尤もなのである。 「もしかして、迎えに来てくれたのかい?」 「あー……、うん、まあ」 嬉しそうな声音になった薫さんに対して、曖昧な返事。よくよく考えたら、家の前で出待ちって重たくなかったかな。迷惑だったかな。大丈夫だよね。だって一応、付き合ってるわけだし。 そんなことをぐるぐる考えていたら、薫さんがあたしの手を握って歩き出した。咄嗟に、慌ててその手を反対側に引っ張る。 1557 浬-かいり-DOODLEハロハピ(※マフィアパロ)「銃声は一度きり」の後日談拝啓、過保護なきみたちへ。「おかえり、みーくん! よかったよ〜〜〜!!」 不覚にも敵のアジトに捕らえられて尋問……というか拷問に近いソレに合うも、ボスであるこころに直々に救助されて。無事に五体満足で本拠地に帰ってきた。 涙目のはぐみに出迎えられて、きつくハグされる。正直身体の節々が痛いけれど、心配を掛けさせちゃったからな。大人しく受けておく。はぐみも無事みたいで良かった。 薫さんと花音さんも手を振って出迎えてくれるけど、いやあなた達も敵アジトに乗り込んでたこと知ってるんですからね。白々しくない? 有難いけどさ。 「そうね、美咲はまずお風呂に入ってくるといいわ! そのままだと寒いでしょう?」 今のあたしは、水を頭から被った為ずぶ濡れだ。帰る時に、寒いからと自分のジャケットを貸そうとしてくれるこころと一悶着もあった。惨敗したので今のあたしの肩にはこころのジャケットが掛けられている。濡らしちゃったけどこれ一体いくらするジャケットなんだろう。怖いので聞かずにそのまま黒服さんに託しておいた。 2515 浬-かいり-DOODLEかおみさ(大学一年×高校三年)カウントダウン バンド練習の無い金曜日の放課後。こころとはぐみの三人でちょっとだけファストフード店に寄り道をしてお喋りをして、先に帰ると店を出て行く二人に手を振って見送った。店内のテーブル席に一人残ったあたしは、スマホを弄る。今日は空いてるから、ゆっくりしていっていいとバイト中の花音さんに声を掛けてもらって。 「美咲」 そうして暫くしてから、優しく名前を呼ばれたので顔をあげた。あたしの目に映るのは、コートにマフラー姿で微笑む薫さん。 「すまないね、待っただろう」 「ううん、大丈夫。さっきまでこころとはぐみと一緒だったし」 頭を撫でてくる薫さんに首を振る。あたしがコートを羽織ってマフラーを巻いている間、薫さんは空になったあたしのドリンクカップを捨てに行ってくれていた。支度を終えると、戻ってきた薫さんが行こうかって手を差し出す。やりたいことを即座に察したあたしは、眉を下げた。 2492 浬-かいり-DOODLEかおみさ+モブ(※オメガバース)「それを運命と呼ぶ」のモブ視点。※奥沢がモブに襲われてる描写ありそれを運命と呼びたかった「あれ、どうしたのこんな所で」 CiRCLEというライブハウスの中に入ると、使用中のスタジオから出てきた見知った人物に名前を呼ばれた。なんか久し振りだね、と笑う姿に胸が高鳴る。顔を合わせられただけで、私は浮かれていた。 「ちょっと用事があって。……確かに、こうやって話すの久し振りだよね」 「同じ学校なのにね」 嘘。ライブハウスに用事なんて無い。ここを通ればバンドをやっている彼女に会えるかなって、放課後にフラフラ立ち寄っているだけだ。 同じ学校の同級生であるこの奥沢美咲という子に、私は恋をしていた。去年同じクラスに居たこの子は優しくて、なんでもそこそこ器用にこなすのにそれを全然鼻にかけなくて、ちょっと眉を下げて困ったように笑う顔が素敵な子だった。 2568 浬-かいり-DOODLEかおみさ(※オメガバース)それを運命と呼ぶ 嫌な予感がする。瀬田薫がそう思ったのは、恋人であり番である奥沢美咲のヒートが近いことだけが原因ではなかった。 この日の放課後、二人はCiRCLEで待ち合わせていた。新曲にあるギターソロの練習を、美咲が付き合ってくれる予定だった。 放課後に担任から雑用を引き受けてしまったので、少し遅れると連絡したのが数十分前。それにはすぐに了解の返事が来たものの、雑用を終え今から向かうと送ったメッセージには既読すら付いていない。たったそれだけのことであるのだが、どうにも嫌な予感が頭を過ぎって仕方ない。重いギターケースを背負って、CiRCLEまでの道を急いでいた。 気のせいであって欲しかった。辿り着けば美咲はなんでもない様子で、そんなに急いで来なくても良かったのに、心配し過ぎ。なんて憎まれ口を叩いて笑ってくれるのだと。そう思いたかった。 2543 123