レイチュリ / 特別であるということ「んーーーー……」
アベンチュリンは本日何度目かになる携帯端末のアラームを被った毛布の中から手をのばして止める。アラームは余裕を持って設定してあるから時間はまだある、けれど。
跳躍航路を使うことのできない辺境の星での長期任務からピアポイントへ戻ったのが昨日の夜遅く。帰宅したのは明け方で、シャワーを浴びてベッドに潜り込んで数時間。今に至る。
今日を含め二日間程休暇を与えられており、いつもならばベッドから出たりなんてしない。ましてアラームをかけて眠るなんて。
いつもと違ったのは、今日は昼過ぎからレイシオと会う約束があること。
それも、彼の恋人になって初めてのふたりで会う休日だ。
どこへ出掛けよう、とか、何を食べよう、とか、何を話そう、とか。
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