花見酒「春だね目金君」
「春ですね萌先生」
「春といえば花見。花見といえば花見酒だよね」
「それは……少し偏った連想かと思いますが、桜を見ながらお酒を飲むという文化は古くから日本で楽しまれていますね」
「そうだね。僕らも大人になったわけだしさ。目金君と花見酒でも楽しみたいって少し前に思い至ってようやく予定が噛み合った訳だけど……」
「……いやあ、見事な葉桜ですね」
「先週はまだ五分咲きだったのに、何でこんな事に……」
「萌先生の仕事が修羅場に入り、中々時間を取れなかったからですかね」
「そうだね……ごめんね……」
「まあ僕も仕事の依頼がありましたし、今年の桜とは縁がなかったということでしょう。それにほら、まだ花をつけている桜の木も見えますよ」
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