よくある昼下がりだった。
今日も今日とて決闘相手を打ちのめし、動画配信の締めも済ませてからこちらにやってくる白い騎士。
背が高く体格にも恵まれ纏う雰囲気もさながら、帽子やマントの金刺繍が明るい陽射しを受け彼そのものを眩く神々しいものに見せていた。
決闘中は少し離れたところから警戒兼見物させてもらうため、タイミングを見計らってこちらから赴くのが良いはずなのだが……向こうから来てくれるならそれはそれで。軽く手を上げて労をねぎらう。
「おつかれさん。今日も良かったぞ」
「そうか」
視線を引きやすい彼と一旦ひとけの少ない路地へ入り、周囲を確認してから帽子を取る。
少し暑そうに髪をかきあげ、小さくため息。
「疲れたか?」
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