夢のその先の誓い 用を足して、さて個室を出て練習へと向かおうとしたところで思わず息を呑んだ。
「普通科のくせに生意気だよね~、竜崎くんもさあんな子に構わなくてもいいのに」
所謂自分への陰口を言っているのだと思えて一生懸命息をひそめた。普通科だからという理由で非難されることは慣れていた。けれど、けれど、自分が理由で竜崎くんのことを悪く言われるのが我慢ならなかった。彼女たちが出ていったことを確認するとやっとの思いで個室を出る。
「はあ……練習行こう、」
足取りが重くなるのは確かだった。
***
「すいません、頭冷やしてきます」
今日の音は散々だった。誰も何も言わなかったが昨日の今日であんなに変わっていたら何かあったと思うはずだ、と重たい息を吐き捨てながら蛇口を上に向けて水を頭から被る。
1933