うたた寝 リビングに足を踏み入れると、僕はソファに腰を下ろした。身体が鉛のように重くて、立っているだけで精一杯だったのである。クッションが沈み込む感触を味わいながら、背凭れに身を乗り出して息をつく。
「今日は、ちょっと疲れたな」
そんな僕の姿を見て、ルチアーノがきひひと笑い声を上げた。僕の隣に腰を下ろすと、からかうような仕草で頬をつつく。
「なんだよ。これくらいでへばるなんて、君は体力が足りないな」
「そりゃあ、ルチアーノにとっては大したことないかもしれないけどさ……」
小さな声で呟きながら、僕は天井に視線を向けた。身体が疲れきっていて、喋ることすら億劫だったのだ。気の抜けた僕の態度を見て、ルチアーノは呆れたように息をついた。
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