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    流菜🍇🐥

    @runayuzunigou

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    流菜🍇🐥

    DOODLETF主ゆやの最初の話です。TF主くんの告白から二人が交際に至るまでの話。相変わらず何でも許せる人向けです。
    TF主ゆや 始まり「ちょっとだけ、一緒に来てくれるかな?」
     午前の仕事が終わり、荷物を片付けると、その青年は遊矢の耳元で囁いた。
    「いいけど、どうかしたのか?」
     遊矢は答える。彼にとって、仲間から声をかけられることは日常茶飯事だ。彼はランサーズの主要メンバーであり、ペンデュラムを産み出した存在だ。赤馬零児が姿を見せない時には、事実上のリーダーとして振る舞うこともあった。
    「ちょっと、伝えたいことがあって。……人には聞かれたくないことだから、二人だけで話したいんだ」
     困ったような、戸惑っているような声色で、青年は言葉を紡いだ。キョロキョロと周囲を見渡して、誰も見ていないことを確かめると、遊矢の手を取って外へと向かう。
     建物の外は、荒廃した街並みが広がっていた。周囲の建物はほとんどが崩れ、原形を失った瓦礫の山が、いくつにも積み重なって進路を塞いでいる。舗装されていたはずの道路は、ひび割れたり穿たれたりしていて、まともに歩くことすら困難だ。いくつかある無事だった建物からは、仄かな灯りが溢れていた。
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