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……今、何時だろう。
薄ぼんやりとした頭で枕元の時計を掴み、同じくぼんやりとした視界で確認する。
硝子蓋の奥は丁度大小の針が真上で重なるところ。つまりあれから家に帰って、冷蔵庫のビールを浴びるように飲んで、ベッドに倒れ込んでから半日以上が経っている。
多分、リビングは空のビール缶が散らばったままのはず。思いたくない現実に気づいて陰鬱と枕に伏せた。
とにかくあの光景を思い出したく無くて、最悪な夜を何も考えないようにと煽りまくった。おかげで途中から記憶が曖昧だ。
「…………うー……」
「おはよダーリン」
「ぅわあ」
完全に思いもしなかった声がして全身で飛び跳ねた。
反動でベッドから脱落し、背中を床に打ち付ける。
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