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    フォーチュン

    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編27
    フォーチュンドール4章5話「そうか、あいつもあそこに来てたか、一発殴ってくるか…」

    世界的な事件がきっかけに起きた魔女狩りの襲撃、その日に夜とクランと戦って大けがをした誉はこの1年半ですっかり回復していた。蛇を崇拝する村の人の中には誉と同様に貝森高校系列の生徒であった者もいるので、貝森特区の様子を鶴花が下見に行ってたのだ。貝森特区には誉の親友もいるというので、誉も貝森特区に足を運ぼうとしていた。そこに夜を見かけたという鶴花の証言から、夜に一発殴る程度に何かしてやろうと企んでいた。

    蛇を崇拝する村には、四天と呼ばれる強者がいる。蛇のパートナーを持たずとも、四属性のいずれかの強力な魔力と実績を持つ者たちで、この者たちもまた蛇を崇拝する村を支えている。そして、この現代に四天の1人である水天に最年少で選ばれたスイも貝森第二高校に通っていたというので、誉は彼女を誘い、貝森特区に行くことになった。スイはかなり強力な魔力を持ち、それは今までの四天でも類をみないほどで、魔女ほどではないが熟練の魔導士よりもずっと高い魔力を持っており、蛇神様の使いであるが現在パートナーがいないため表に出ることができないはずの上級蛇のミズチを、降ろすことができたというだ。これも蛇神様たちの予想外の出来事であったので、誉のパートナーの蛇のロイもこの世代はいろいろ異常なのではないかと混乱しているのである。
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール番外編
    フォーチュンドール3章番外編ここは蛇を崇拝する者たちの住む村、先祖代々蛇を崇拝している。蛇神様からかなり恩恵を受けており、村では争いごとも少なく、作物も不良になることもなく、村の人たちはみな美男美女である。そんな村では、蛇神様からパートナーとなる蛇を授かることもあり、それが決まるのは村で生まれた子が3歳になるまでに蛇神様からの手紙が届くのだという。その手紙には選ばれた子が3歳になったら、蛇の教会に赴くことが書かれているようだ。そしてある年にその蛇を授かる儀式が行われた。選ばれたのは鶴花という女の子であるが、一つイレギュラーが発生していた。本来、一つ前の年に来るはずだった、兄である誉が4歳でこの蛇の教会に入るという。まぁ、一年ずれたとことで特に問題はないのだが、ビビりな鶴花はなかなか教会の中に入ろうとしないのである。そこで、誉が鶴花の手を取り、お兄ちゃんから離れるんじゃないぞと言わんばかりに固く手を握り、教会の中に入っていく。教会の中は薄暗く、今にも泣きだしそうな鶴花は誉の右腕にしがみつき、誉は歩きにくそうに前に進んだ。そして、教会の中の広くいくつかの廊下につながっている部屋にたどり着くと、壁にかかっているいくつものろうそくの火でその部屋が照らされている。いくつもある廊下の向こうから大量の大蛇が顔をのぞかせ、目を光らせると、兄妹は2人とも目を見開き、硬直した。先に動いたのは鶴花である。鶴花は誉の腕から手を放し、大泣きして来た道を戻り、教会の外に逃げてしまったのである。一方、誉は目を輝かせ、一番近くの蛇に挨拶し、戯れる。ある程度戯れたら次の蛇、またある程度戯れたら次の蛇、次から次へと挨拶を繰り返し、そして、ある蛇と目が合うと時間が止まる。誉はこの蛇に間違えないと運命を感じ、手を伸ばす。その蛇、呪いの大蛇もそれに答えるように尻尾を差し出した。これが彼らの出会いである。その後、誉には鶴化に託すはずだった蛇壺を持たせ、呪いの大蛇とともに教会から出るのであった。その日の夜、誉は疲れからか呪いの大蛇に包まれながらぐっすりと寝ていたという。しかし、この後、人間の子育てに慣れた呪いの大蛇でも想像がつかないほどの子に誉は育つのである。
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編18
    フォーチュンドール3章2話火桜夜は嫌われ者である。

    貝森第二高校は能力者を集められた学校であるが、能力者ではない魔法使いも数多くいるのである。そんな魔法使いや魔導士たちの中で強い魔力を持つものでも、夜の体質である驚異的な魔法抵抗力に敵わないからである。相手にすると魔法で勝つことはほぼできないため、このチーム決めの期間は成績を上げるためや相手したくないためにチームに夜を誘うものもかなり多いのだ。そしてその情報を知ってるのはだいたい前の年からいる2年生以上である。
    夜は呆れていた。戦うことが好きな彼であるが、ラクして成績をあげたいという魂胆が見えている生徒多いからである。3年生にもなると、まともに成績をあげたい生徒ならチームワークのいい仲良しメンバーで組むことがほとんどで、話しかけられることも少ない夜が、こういうときだけ話しかける生徒が気に入らなかった。しかし、戦うなら誰かしらと組む必要がある。何を基準にメンバーを決めるべきか、夜は悩んでいたところだが、夜の周りに人だかりができている教室の扉が思いっきり開き、その乱暴な音にその場にいたほぼ全員が扉のほうを振り向く。そして拡声器を使ったバカみたいに大きな声が廊下まで響いた。
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編15
    フォーチュンドール2章5話季節は12月下旬、幸の家に置いてあった地域情報誌をカーマインとアリサが覗いていた。
    巷ではクリスマスというイベント情報でいっぱいであり、カーマインもイルミネーションというものを一目見ようと、幸に外出しないか聞いていた。一方アリサはカーマインが案外ロマンチストであることに意外だと思ったがクリスマスというイベント、どこぞの宗教のお偉いさんの誕生日だとお祭り好きな民族がでっち上げたイベントだと聞いているし、家族で過ごす日というのも紀元前からその風習はあったとどこかで情報を見たことがあるのであまり魅力的に感じなかったのだ。
    幸はイルミネーションを見るなら夜のほうがいいし、何より買い物に行く理由があんまりなかったので、何か買い足すものはないか考えていた。そこにリレットが幸に話しかけに来た。これもまたクリスマスに関したことで、この時期にしか買えない限定の模様の布地を買うのはどうかと提案したのである。幸はなるほどと言い、具体的にどんなものがあるのかスマホで調べ始めた、北欧雑貨に使われる模様の布地などがあるとおしゃれかもしれない、後で雑貨屋さんに行こうと幸がいうと、カーマインは喜んでアリサのほうを見た。
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