フォーチュン
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編39フォーチュンドール5章11話科学部の研究所、その奥にマナイーターの魔導書があった。凛太郎は動揺した。なぜここにマナイーターの魔導書が?凛太郎は導かれるように魔導書に近付き手を伸ばしていく。
「何しているんですか!?凛太郎さん!」
声が聞こえて凛太郎は振り向いた。唯は凛太郎をまっすぐ見つめ、凛太郎の手を取った。
「早く逃げましょう、そんな本きっと危ないです!」
唯に手を引かれ凛太郎はそのまま振り向くことなく、唯とともにその場を離れていった。
夏希とクランは翔織との戦いに苦戦していた。完全に翔織のフィールドであるため、うまく兵器を利用して2人を躱していく。そこに幸達、そして遅れて唯と凛太郎がその部屋にやってくると、翔織は舌打ちをした。そして何かがおかしいことに気が付いた翔織は焦りを見せた。
3203「何しているんですか!?凛太郎さん!」
声が聞こえて凛太郎は振り向いた。唯は凛太郎をまっすぐ見つめ、凛太郎の手を取った。
「早く逃げましょう、そんな本きっと危ないです!」
唯に手を引かれ凛太郎はそのまま振り向くことなく、唯とともにその場を離れていった。
夏希とクランは翔織との戦いに苦戦していた。完全に翔織のフィールドであるため、うまく兵器を利用して2人を躱していく。そこに幸達、そして遅れて唯と凛太郎がその部屋にやってくると、翔織は舌打ちをした。そして何かがおかしいことに気が付いた翔織は焦りを見せた。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編38フォーチュンドール5章10話魔物ハンターと特訓をしてから数日、雫は信楽や漣からの教えで魔法がずいぶん使えるようになってきた。幸ももう使えない衝撃吸収の能力に頼らない戦い方を覚えてきて、そろそろ将信も教えることはなくなってきた。その場には唯と凛太郎もいて、幸と凛太郎で実践練習を行っていた。
「はぁ、僕もだいぶ魔力が戻ってきたけど、これはいい勝負だね。」
「幸さんも凛太郎さんも頑張りましたね。」
「あとは回数を重ねていくだけですか?先輩。」
「そうだな、だが高校の時のようにたくさんのパターンと戦えればいいが今はどんな強さの魔物が出るか、わからないからな。」
「その時は先輩頼みます。」
「そういうときだけ盾に使うな。」
「二人は本当に仲がいいですね。」
3233「はぁ、僕もだいぶ魔力が戻ってきたけど、これはいい勝負だね。」
「幸さんも凛太郎さんも頑張りましたね。」
「あとは回数を重ねていくだけですか?先輩。」
「そうだな、だが高校の時のようにたくさんのパターンと戦えればいいが今はどんな強さの魔物が出るか、わからないからな。」
「その時は先輩頼みます。」
「そういうときだけ盾に使うな。」
「二人は本当に仲がいいですね。」
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編37フォーチュンドール5章9話ドクターが幸の魔力強化をしようとしたが、魔導書の能力がドクターの魔力を吸い取り、巨大なクジラの魔物と化した。ドクターは逃げ出し、幸も気絶している状況で将信たちはクジラの魔物と戦うことになった。将信は幸を守るため、ひとまず地属性魔法で幸の周りを囲う。将信は室内戦があまり得意ではない旨をクランたちに伝えるとクランはここは任せてくれといい、光の弾を宙に浮かせ、魔物の周りで爆発させた。しかし、その爆発をの魔物は大きな口を開けて吸い込み、その後に咆哮をした。クランたちは何とか持ちこたえる。零子が後ろにまわり剣を投げ、雨は念力で宙に浮き、魔物の上に乗っかり拳で思いっきり殴りかかる。すると、魔物は大きく尻尾を動かし、零子は上手くよける。そしてクジラ型の魔物であるために潮吹き攻撃をする。ちょうど雨のいる足元から光が当たると虹色になる白濁とした液体が吹き出し、雨に直撃する。雨に纏わりつくその液体は次第に凝固していき、雨は上手く身動きが取れなくなり、下まで落ちてしまう。それをクランがキャッチしに行き、ダメージを抑えることができた。零子も雨を心配し、そちらに行く。
2582キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編36フォーチュンドール5章8話幸、唯、雫の3人はカフェで女子会をして楽しんだ。しかし、幸の様子が何かいつもとは違うように唯は感じた。幸に調子が悪いのか聞くと、何でもないというが明らかに表情は険しかった。雫も唯に言われて幸の表情を見る。幸は二人の視線が鬱陶しいのか早歩きをして、2人の前を歩くようにした。唯が何かしたなら謝ると言い、幸に手を伸ばすと、幸はその手を振りほどき、唯にビンタをした。雫は動揺し、幸の腕をつかみ揺さぶると、幸は雫を突き飛ばす。唯が幸の名を呼ぶと、幸は我に返り、何が起きたのかわからず、頭を抱える。
「幸さん?どうしたんですか?本当に幸さん?」
「わからない…今私は何を?」
「っていうことがあったんですよ。」
唯と雫は昨日の幸の事を凛太郎に話した。凛太郎は幸が魔導書を読んでいるという話を聞いていたので、それは魔導書の副作用のようなものではないかという。実際に凛太郎も魔導書を読んだ時に常に空腹を覚えていたので、魔導書の有害性を2人に話した。雫はぎょっとして、幸の性格が治らなかったらと心配した。唯が凛太郎の魔導書の能力がなくなった時はどうしたかを聞くと、魔女たちに捕まっていろいろされたというのだ。そして、魔導書の能力を本に戻す魔女は今は眠っていると聞いているので、他に案はないだろうかと考えていると、そこに信楽が現れた。信楽にも幸の話をすると、ちょうどいい機会だと雫に魔女の集会場に行ってみることを提案する。しかし、凛太郎はあまり乗り気ではなく、また魔女たちに何かされると考えると恐怖でしかなかった。そのため、雫と信楽で魔女の集会場へ行くことになった。と言っても信楽は場所を案内しただけで、あとのことは雫1人に任せたのだった。一人ぼっちになった雫は戸惑った。これなら唯ちゃんも連れてきたら心強かったなぁと思うが、せめてこの場所を一通り覚えようと見て周っていた。どこがどういった場所か聞こうにも、知り合いの魔女がほかにいるわけでもなく、話しかけるのも難しいと思っているし、さらに言えば他の魔女たちに怪しい視線で睨まれているような気がして、怖くなってきた。そんなところに、博士のような帽子に袖の長い白衣、ぐるぐる眼鏡をかけた女性が話しかけてきた。
3087「幸さん?どうしたんですか?本当に幸さん?」
「わからない…今私は何を?」
「っていうことがあったんですよ。」
唯と雫は昨日の幸の事を凛太郎に話した。凛太郎は幸が魔導書を読んでいるという話を聞いていたので、それは魔導書の副作用のようなものではないかという。実際に凛太郎も魔導書を読んだ時に常に空腹を覚えていたので、魔導書の有害性を2人に話した。雫はぎょっとして、幸の性格が治らなかったらと心配した。唯が凛太郎の魔導書の能力がなくなった時はどうしたかを聞くと、魔女たちに捕まっていろいろされたというのだ。そして、魔導書の能力を本に戻す魔女は今は眠っていると聞いているので、他に案はないだろうかと考えていると、そこに信楽が現れた。信楽にも幸の話をすると、ちょうどいい機会だと雫に魔女の集会場に行ってみることを提案する。しかし、凛太郎はあまり乗り気ではなく、また魔女たちに何かされると考えると恐怖でしかなかった。そのため、雫と信楽で魔女の集会場へ行くことになった。と言っても信楽は場所を案内しただけで、あとのことは雫1人に任せたのだった。一人ぼっちになった雫は戸惑った。これなら唯ちゃんも連れてきたら心強かったなぁと思うが、せめてこの場所を一通り覚えようと見て周っていた。どこがどういった場所か聞こうにも、知り合いの魔女がほかにいるわけでもなく、話しかけるのも難しいと思っているし、さらに言えば他の魔女たちに怪しい視線で睨まれているような気がして、怖くなってきた。そんなところに、博士のような帽子に袖の長い白衣、ぐるぐる眼鏡をかけた女性が話しかけてきた。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編35フォーチュンドール5章7話「この世界に来るのも久しぶりだなぁ…」
くすんだ黄色い長いはねっ毛の髪にワークキャップをかぶり、あごには髭、トラ柄のシャツにジャケット、黒いズボンにロングブーツをはいた男は、片手に大きな剣を持ちながら魔物の死体を蹴った。その男に話しかけるのはアホ毛のある緑の髪に短めのポンチョ、へそ出しのスタイルで左腕にはタトゥー、赤い羽根の首飾りをつけた男。先程の男よりは若く見える。
「瀬津さんはこの世界の出身だったか?」
「あぁ、ここ数年ですっかり変り果てちまったけどな。」
「随分、魔物が出てるみたいだね。昔からこうだったのか?」
「いや、そもそもこの世界では魔法も気功も剣術も隠れていたものだ。この先の貝森特区という場所では、それらが一般的なようだ。」
2529くすんだ黄色い長いはねっ毛の髪にワークキャップをかぶり、あごには髭、トラ柄のシャツにジャケット、黒いズボンにロングブーツをはいた男は、片手に大きな剣を持ちながら魔物の死体を蹴った。その男に話しかけるのはアホ毛のある緑の髪に短めのポンチョ、へそ出しのスタイルで左腕にはタトゥー、赤い羽根の首飾りをつけた男。先程の男よりは若く見える。
「瀬津さんはこの世界の出身だったか?」
「あぁ、ここ数年ですっかり変り果てちまったけどな。」
「随分、魔物が出てるみたいだね。昔からこうだったのか?」
「いや、そもそもこの世界では魔法も気功も剣術も隠れていたものだ。この先の貝森特区という場所では、それらが一般的なようだ。」
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編34フォーチュンドール5章6話魔物が同時多発的に出現してから3日ほどが経った。幸は今日、零子が来るという連絡をもらい、休憩室で待っていた。しかし、幸は一つ頭を悩ませていた。ミラルージュがお姉ちゃんっ子になっており、みんなのもとから離れたくないというのだ、ミラルージュはアリサにひっつき、幸を説得するように頼んでいるが、最初からそう言う予定だったというばかりである。そんな時、休憩室に入ってきたのは唯と凛太郎であった。唯は幸に近付き、ティンダロスを見せて、目を輝かせた。
「幸さん!見てくださいよぉ!」
「どうしたの?ティンダロスに穴でも開いた?」
「穴なんて開いてないワン。」
「ほら!ティンダロスがひとりでに動いたんですよ!」
「腹話術が上手ね。」
2754「幸さん!見てくださいよぉ!」
「どうしたの?ティンダロスに穴でも開いた?」
「穴なんて開いてないワン。」
「ほら!ティンダロスがひとりでに動いたんですよ!」
「腹話術が上手ね。」
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編33フォーチュンドール5章5話今日も道場は活気にあふれていた。
「兄弟!いい汗かいたな。」
「あぁ、なかなか僕も強くなっただろう。」
「何で上半身脱ぐんだろう…。」
澪と夜が汗をぬぐって着替えに行く、クランが二人の着替えを待っていると何だか外が暗くなったように感じた。クランが何か変だなと上を見ると、何か大きなものが道場に向って落ちてきた。
「…え!?」
大きな何かが道場をつぶし、たまたま外に出ようとした澪と夜は、衝撃はで外に吹っ飛ばされた。道場にいる他の弟子たちもつぶれた道場の方を一斉に見る。そこには巨大な岩、否、巨大な亀の甲羅があった。その中から次々と人間大の亀がわらわらと出てきたと思うと、その巨大な甲羅も1つの亀の魔物であった事が判明した。
2605「兄弟!いい汗かいたな。」
「あぁ、なかなか僕も強くなっただろう。」
「何で上半身脱ぐんだろう…。」
澪と夜が汗をぬぐって着替えに行く、クランが二人の着替えを待っていると何だか外が暗くなったように感じた。クランが何か変だなと上を見ると、何か大きなものが道場に向って落ちてきた。
「…え!?」
大きな何かが道場をつぶし、たまたま外に出ようとした澪と夜は、衝撃はで外に吹っ飛ばされた。道場にいる他の弟子たちもつぶれた道場の方を一斉に見る。そこには巨大な岩、否、巨大な亀の甲羅があった。その中から次々と人間大の亀がわらわらと出てきたと思うと、その巨大な甲羅も1つの亀の魔物であった事が判明した。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編32フォーチュンドール5章4話唯は幸たちが鍛錬している場所に凛太郎と共に行った。幸たちが唯を見かけると少し休憩しましょうと言い、室内の休憩室に向かっていった。
「唯、そちらの方は?」
「凛太郎さんです。この前仲良くなってからいつも話し相手になってくれるんです。」
「えへへ、よろしくお願いします。」
「おや、お前はいつぞや魔導書を盗んだクズ魔導士ではないか。」
「ひぃ!何でそんなこと!」
「魔導書を盗んだ?」
「こいつは魔導書を盗んでいろいろやっていたようだが、その時の能力は魔導書に戻させてもらった。だがそのための魔女が力を使い果たし眠っている状態だ。」
「魔導書に能力を戻すことは可能なのか?」
「今はできぬぞ、へっぽこ魔導士。」
「魔導書を読んだ尼波に何も起きなきゃいいんだが。」
2577「唯、そちらの方は?」
「凛太郎さんです。この前仲良くなってからいつも話し相手になってくれるんです。」
「えへへ、よろしくお願いします。」
「おや、お前はいつぞや魔導書を盗んだクズ魔導士ではないか。」
「ひぃ!何でそんなこと!」
「魔導書を盗んだ?」
「こいつは魔導書を盗んでいろいろやっていたようだが、その時の能力は魔導書に戻させてもらった。だがそのための魔女が力を使い果たし眠っている状態だ。」
「魔導書に能力を戻すことは可能なのか?」
「今はできぬぞ、へっぽこ魔導士。」
「魔導書を読んだ尼波に何も起きなきゃいいんだが。」
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編31フォーチュンドール5章3話衝撃吸収の能力を手に入れてから数日、まだその能力が上手く使いこなせていない幸であるが、ここ数日は気分転換も兼ねて人形作りに励んでいた。
「幸~、今日はどんな人形を作っているの?」
「これは零子にプレゼントしようかと思っているの。」
「えぇ!幸ってば、ああいうテンションの人は苦手じゃないの?」
「まぁ、うん。でもこの前も話してパパの人形の事本当に気に入ってくれてたし、せっかくだから、魂入りの人形を渡そうと思ってね。」
連絡先を交換してから幸は零子と話す機会もあり、自分だけでは知らなかった父親の人形の情報を聞くことができた。零子は本当にアマハドールシリーズが好きなようで、幸も今回は特に張り切っているようだ。しかし、1つ難点があるとするなら、他人様に渡すものだが魂の入ったものであるため、失礼のないようにある程度の常識を教えなければいけないということ。人形を完成させて、魂を入れる。数年前とは違い、魂を入れた瞬間に何かあっても、自らの力やグレーラ達もいるので何とか対処できると思いながら様子を見た。緑色の髪、水色の目、黄色、先程より濃い緑、黒を基調とした服を着ているその人形は意識を得て、きょろきょろと周りを見渡す。幸はその人形にミラルージュと名をつけると、他の人形達もミラルージュの周りに集まってきて、それぞれ自己紹介をする。幸が一仕事終えて、ふぅと息をつく、時間を確認すると、将信たちとの鍛錬の時間が迫っていた。人形作りに集中しすぎてこんなに時間が経っていると思わず、少し焦った幸は、戦うことを想定していないミラルージュにいきなり戦っているところを見られても…と思い、他の人形達にミラルージュに常識を覚えてもらうためにいろいろ教えてあげてほしいと頼む。鍛錬は幸とグレーラで行くことになり、他の人形達は幸を見送った後に、ミラルージュのほうを向く。
2908「幸~、今日はどんな人形を作っているの?」
「これは零子にプレゼントしようかと思っているの。」
「えぇ!幸ってば、ああいうテンションの人は苦手じゃないの?」
「まぁ、うん。でもこの前も話してパパの人形の事本当に気に入ってくれてたし、せっかくだから、魂入りの人形を渡そうと思ってね。」
連絡先を交換してから幸は零子と話す機会もあり、自分だけでは知らなかった父親の人形の情報を聞くことができた。零子は本当にアマハドールシリーズが好きなようで、幸も今回は特に張り切っているようだ。しかし、1つ難点があるとするなら、他人様に渡すものだが魂の入ったものであるため、失礼のないようにある程度の常識を教えなければいけないということ。人形を完成させて、魂を入れる。数年前とは違い、魂を入れた瞬間に何かあっても、自らの力やグレーラ達もいるので何とか対処できると思いながら様子を見た。緑色の髪、水色の目、黄色、先程より濃い緑、黒を基調とした服を着ているその人形は意識を得て、きょろきょろと周りを見渡す。幸はその人形にミラルージュと名をつけると、他の人形達もミラルージュの周りに集まってきて、それぞれ自己紹介をする。幸が一仕事終えて、ふぅと息をつく、時間を確認すると、将信たちとの鍛錬の時間が迫っていた。人形作りに集中しすぎてこんなに時間が経っていると思わず、少し焦った幸は、戦うことを想定していないミラルージュにいきなり戦っているところを見られても…と思い、他の人形達にミラルージュに常識を覚えてもらうためにいろいろ教えてあげてほしいと頼む。鍛錬は幸とグレーラで行くことになり、他の人形達は幸を見送った後に、ミラルージュのほうを向く。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編30フォーチュンドール5章2話夏希は武器のメンテナンスのために翔織のもとへ向かおうとしていたが、そういえば会議は終わったのだろうかと思い、施設の入り口前で立っていた。そこに他の客人なのかもう一人、男の人が施設の入り口に向かって歩いてきた。その特徴的な見た目に夏希は見覚えがあった。体が半分機械になっているその男。藤宮鯆であった。夏希が鯆に気付くと声をあげる。
「あー!」
「なんだ私に何か用か?
「お前は前に将信の事襲ってた!」
「将信…?」
鯆は少し考えた後、思い出したようで険しい顔をする。
「あぁ、尼波の彼氏か…」
「彼…氏…」
夏希は笑いを堪えて鯆と会話を続ける。
「尼波はこの特区に来ているのか?どこにいるんだ?」
「いや…どこに…ぶはっ!」
2669「あー!」
「なんだ私に何か用か?
「お前は前に将信の事襲ってた!」
「将信…?」
鯆は少し考えた後、思い出したようで険しい顔をする。
「あぁ、尼波の彼氏か…」
「彼…氏…」
夏希は笑いを堪えて鯆と会話を続ける。
「尼波はこの特区に来ているのか?どこにいるんだ?」
「いや…どこに…ぶはっ!」
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編29フォーチュンドール5章1話貝森特区への移住者も落ち着き、教育施設として貝森学園が建設され、すでに数十人の入学者や見学者がいた。25歳まで任意で生徒として通うことができるこの場所に、幸も見学に行くついでに先行で入学をしていた将信に会うことにした。将信が一つ授業を終えたところ、人の捌けた教室に幸が入ってきた。幸は将信に挨拶すると早速カバンから一冊の古い本を取り出した。将信がその本を見るとぎょっとし、この本をどこで手に入れたのかと問いかける。予想通りこれは魔導書であるが、将信はそれ以上のことは専門外で分からないという。
「黒い猫についていったら拾ったのですが、やはり魔導書でしたか…」
「いくら魔法を教えることができるからって、あんまり俺を便利屋だと思うなよ?」
2872「黒い猫についていったら拾ったのですが、やはり魔導書でしたか…」
「いくら魔法を教えることができるからって、あんまり俺を便利屋だと思うなよ?」
yc4396
DONE【自汉化/寒咲干】銀輪少女【自汉化/寒咲干】銀輪少女作者:コマス pixiv id=11107714
作品:正位置 ホイールオブフォーチュン| コマス pixiv=47325428
无cp,寒咲干个人向。
密码:角色是?
三个汉字 6
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編28フォーチュンドール4章6話澪と別れた後の夏希は屋上にテレポートした。屋上の柵をに手をかけ、屋上の床に着地すると、目の前にはジャケットを着て、口元を布で隠し、口のような模様のついた帽子をかぶり、右腕に何かを操作する機械を身に着けた男が、彼の武器なのかいくつかの浮いた物体の一つに腰かけ、別の一つに肘をのせていた。彼が夏希の知り合いの翔織である。翔織は夏希が目の前に現れると、相変わらず大胆に登場するなと思い、呆れた顔をする。
「翔織さん、さっきは魔物討伐ありがとうございます。」
「お前が戦ってたのか…咆哮がやかましかったから攻撃しちまった。」
「私もいきなり出てきてびっくりしましたよ。」
「え?お前が練習用に召喚したんじゃないの?」
「私は魔法使えないっすよ~いやですね~。」
2896「翔織さん、さっきは魔物討伐ありがとうございます。」
「お前が戦ってたのか…咆哮がやかましかったから攻撃しちまった。」
「私もいきなり出てきてびっくりしましたよ。」
「え?お前が練習用に召喚したんじゃないの?」
「私は魔法使えないっすよ~いやですね~。」
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編27フォーチュンドール4章5話「そうか、あいつもあそこに来てたか、一発殴ってくるか…」
世界的な事件がきっかけに起きた魔女狩りの襲撃、その日に夜とクランと戦って大けがをした誉はこの1年半ですっかり回復していた。蛇を崇拝する村の人の中には誉と同様に貝森高校系列の生徒であった者もいるので、貝森特区の様子を鶴花が下見に行ってたのだ。貝森特区には誉の親友もいるというので、誉も貝森特区に足を運ぼうとしていた。そこに夜を見かけたという鶴花の証言から、夜に一発殴る程度に何かしてやろうと企んでいた。
蛇を崇拝する村には、四天と呼ばれる強者がいる。蛇のパートナーを持たずとも、四属性のいずれかの強力な魔力と実績を持つ者たちで、この者たちもまた蛇を崇拝する村を支えている。そして、この現代に四天の1人である水天に最年少で選ばれたスイも貝森第二高校に通っていたというので、誉は彼女を誘い、貝森特区に行くことになった。スイはかなり強力な魔力を持ち、それは今までの四天でも類をみないほどで、魔女ほどではないが熟練の魔導士よりもずっと高い魔力を持っており、蛇神様の使いであるが現在パートナーがいないため表に出ることができないはずの上級蛇のミズチを、降ろすことができたというだ。これも蛇神様たちの予想外の出来事であったので、誉のパートナーの蛇のロイもこの世代はいろいろ異常なのではないかと混乱しているのである。
3078世界的な事件がきっかけに起きた魔女狩りの襲撃、その日に夜とクランと戦って大けがをした誉はこの1年半ですっかり回復していた。蛇を崇拝する村の人の中には誉と同様に貝森高校系列の生徒であった者もいるので、貝森特区の様子を鶴花が下見に行ってたのだ。貝森特区には誉の親友もいるというので、誉も貝森特区に足を運ぼうとしていた。そこに夜を見かけたという鶴花の証言から、夜に一発殴る程度に何かしてやろうと企んでいた。
蛇を崇拝する村には、四天と呼ばれる強者がいる。蛇のパートナーを持たずとも、四属性のいずれかの強力な魔力と実績を持つ者たちで、この者たちもまた蛇を崇拝する村を支えている。そして、この現代に四天の1人である水天に最年少で選ばれたスイも貝森第二高校に通っていたというので、誉は彼女を誘い、貝森特区に行くことになった。スイはかなり強力な魔力を持ち、それは今までの四天でも類をみないほどで、魔女ほどではないが熟練の魔導士よりもずっと高い魔力を持っており、蛇神様の使いであるが現在パートナーがいないため表に出ることができないはずの上級蛇のミズチを、降ろすことができたというだ。これも蛇神様たちの予想外の出来事であったので、誉のパートナーの蛇のロイもこの世代はいろいろ異常なのではないかと混乱しているのである。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編26フォーチュンドール4章4話幸達の魔法特訓も数日が経ち、幸はある程度魔法が使えるようになっていたが、雫はまだ膨大な魔力が使いこなせず、落ち込んでいた。そんな雫を慰めているのは唯であった。唯は全く魔法が使えないので練習に参加できるだけでも凄いと思っていた。
「元気だしなって、魔法が使えるのも何かの起点かもしれないよ?」
「うーん…でも…何で私に…」
「運命ってやつだよ~。」
「はぁ、唯ちゃんは、特訓の時いないけど一人で寂しくないの?」
「寂しくないよ。俺にはしずからもらったティンダロスがいるし。」
「そっか…ティンダロス…気に入ってよかった。」
「とりあえず、周りの噂とか有意義な情報には聞き耳立ててるよ~。」
「うん…ありがとう…」
そのとき、雫にはティンダロスがうなずいたように見えたが、唯の能力で動かしたか、もしくは気のせいだろうと思った。雫は唯と話して少し安心したのか、特訓頑張ってくるねと言い、唯と別れて幸のもとへ向かうのだった。
3085「元気だしなって、魔法が使えるのも何かの起点かもしれないよ?」
「うーん…でも…何で私に…」
「運命ってやつだよ~。」
「はぁ、唯ちゃんは、特訓の時いないけど一人で寂しくないの?」
「寂しくないよ。俺にはしずからもらったティンダロスがいるし。」
「そっか…ティンダロス…気に入ってよかった。」
「とりあえず、周りの噂とか有意義な情報には聞き耳立ててるよ~。」
「うん…ありがとう…」
そのとき、雫にはティンダロスがうなずいたように見えたが、唯の能力で動かしたか、もしくは気のせいだろうと思った。雫は唯と話して少し安心したのか、特訓頑張ってくるねと言い、唯と別れて幸のもとへ向かうのだった。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編25フォーチュンドール4章3話幸たちが魔法の特訓を始めたころ、オレンジのベストに黒いズボン、鉄板のついた手袋を身に着けた澪は貝森特区のとある道場で今日も修行に励んでいた。と言っても道場の師匠からは目の前にある大岩をひたすら殴り続けろとしか言われていないのだ。澪は半信半疑で岩を殴り続けたが腕が痛くなるばかり。しかし、気合が足りないことに気付き、気持ちを入れ替え、ひたすら殴り続けると、腕に黄色いオーラを纏い、大岩を破壊した。師匠が言ってたのはこれか…と思う澪はこの力の感覚を身に着けようとその場で軽くジャブし、目を瞑った。
「兄弟、何かつかんだか?」
澪の後ろから話しかけたのはタンクトップ姿に胸当てなどの金属装備をいくつか身につけた赤いはちまきの男。この道場に通う澪の兄弟子である夜であった。二人は澪が道場に入った時から仲が良く、お互いに兄弟と呼び合い、共に修行に励んでいる。
2878「兄弟、何かつかんだか?」
澪の後ろから話しかけたのはタンクトップ姿に胸当てなどの金属装備をいくつか身につけた赤いはちまきの男。この道場に通う澪の兄弟子である夜であった。二人は澪が道場に入った時から仲が良く、お互いに兄弟と呼び合い、共に修行に励んでいる。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編24フォーチュンドール4章2話「別の地域で魔力を失った人の報告が多くなっているらしい。」
「凛太郎のせいなのか、はたまた似たような能力の誰かなのか…」
「まぁどうにしろ、またクランにそいつが近づこうもんならぶっ飛ばすつもりだけどな。」
「もう雨ちゃん物騒だよ。」
クランと雨、零子も貝森特区に来ていた。クランたちは特区の説明を受けた際、クランがマナコアを失っているという話を魔女に相談したところ、一定量魔力を入れることができる魔女製の“マナタンク”というものを体に入れるという提案をされたが、魔力は使えば無くなり、今までと違い自動回復はないため、再び魔力を使えるようにするには魔女たちに魔力を補給してもらう必要があるそうだ。現在、魔力が使えない以上、仕方なくクランはマナタンクを使うことにした。魔力を分けてくれる魔女によっては金銭などを要求してくる場合があるので、知り合いに魔力を分けてくれる心優しい魔女がいたらなぁと思うクランであった。
3559「凛太郎のせいなのか、はたまた似たような能力の誰かなのか…」
「まぁどうにしろ、またクランにそいつが近づこうもんならぶっ飛ばすつもりだけどな。」
「もう雨ちゃん物騒だよ。」
クランと雨、零子も貝森特区に来ていた。クランたちは特区の説明を受けた際、クランがマナコアを失っているという話を魔女に相談したところ、一定量魔力を入れることができる魔女製の“マナタンク”というものを体に入れるという提案をされたが、魔力は使えば無くなり、今までと違い自動回復はないため、再び魔力を使えるようにするには魔女たちに魔力を補給してもらう必要があるそうだ。現在、魔力が使えない以上、仕方なくクランはマナタンクを使うことにした。魔力を分けてくれる魔女によっては金銭などを要求してくる場合があるので、知り合いに魔力を分けてくれる心優しい魔女がいたらなぁと思うクランであった。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編23フォーチュンドール4章1話時は幸の入学から二年…いや、世界同時多発的気候変動から1年半ほどが経った頃…
日本の中で東日本ほどの広さを持つ貝森特区ができ、能力者や魔導士、魔女たちの生活も落ち着いてきたころ。さて、久しぶりに幸の登場です。人形達からもらった四つ葉のついたカチューシャをつけ、全身を緑ベースの服を着た幸は特区内に唯や雫、また先輩たちも来ている情報を得ると、まずは唯と雫に会おうと待ち合わせ場所を決めていた。それにしても特区内は広いため、幸のいる地域に唯たちがいるかもわからなかったが、各所にワープゲートがあり、それをくぐれば端から端に行くのも容易らしい、唯が道に迷わないといいのだが。
幸はスマホで、唯や雫と連絡を取りながら今どこにいるか確認し、ようやく東地区の学校らしき建物に集まることができた。赤いバンダナが特徴で服はサロペット、黄色いリュックサックには幸と雫からもらったティンダロスのぬいぐるみが入っている唯、全身紫ベースでワンピースとマントを身に着けた雫、久しぶりの三人の再会にみんな喜びながら、他愛ない話をしている。
3069日本の中で東日本ほどの広さを持つ貝森特区ができ、能力者や魔導士、魔女たちの生活も落ち着いてきたころ。さて、久しぶりに幸の登場です。人形達からもらった四つ葉のついたカチューシャをつけ、全身を緑ベースの服を着た幸は特区内に唯や雫、また先輩たちも来ている情報を得ると、まずは唯と雫に会おうと待ち合わせ場所を決めていた。それにしても特区内は広いため、幸のいる地域に唯たちがいるかもわからなかったが、各所にワープゲートがあり、それをくぐれば端から端に行くのも容易らしい、唯が道に迷わないといいのだが。
幸はスマホで、唯や雫と連絡を取りながら今どこにいるか確認し、ようやく東地区の学校らしき建物に集まることができた。赤いバンダナが特徴で服はサロペット、黄色いリュックサックには幸と雫からもらったティンダロスのぬいぐるみが入っている唯、全身紫ベースでワンピースとマントを身に着けた雫、久しぶりの三人の再会にみんな喜びながら、他愛ない話をしている。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール番外編2フォーチュンドール3章番外編2……
………あれ……ここ…は……?
…蛇の教会…蛇神様の部屋…?
なんで…こんなところに…
そもそも…何していたっけ?
確か、誉を攻撃した人間に嚙みつこうとして…
…体が動かない…
黒くて大きな蛇の黄色い目がぎょろりと辺りを見渡すと、目の前には三日月の模様のついた小さな白い蛇とシーサーペントと呼ぶにふさわしいエラやヒレのついた大きな青い蛇がいたのだった。
蛇神様の第一従者にして最強の毒を持つ三日月の蛇、愛称はミカヅキ、普段は穏やかな性格であるが物忘れが多かったりどこででも寝たりするうえ、怒ると怖く、怒らせた相手を抱き枕にする上かなり寝相が悪いのだというので、普段ロイも手を焼いている。そんなミカヅキが珍しくはっきり起きていて、ロイの介抱をしているのだ。
1989………あれ……ここ…は……?
…蛇の教会…蛇神様の部屋…?
なんで…こんなところに…
そもそも…何していたっけ?
確か、誉を攻撃した人間に嚙みつこうとして…
…体が動かない…
黒くて大きな蛇の黄色い目がぎょろりと辺りを見渡すと、目の前には三日月の模様のついた小さな白い蛇とシーサーペントと呼ぶにふさわしいエラやヒレのついた大きな青い蛇がいたのだった。
蛇神様の第一従者にして最強の毒を持つ三日月の蛇、愛称はミカヅキ、普段は穏やかな性格であるが物忘れが多かったりどこででも寝たりするうえ、怒ると怖く、怒らせた相手を抱き枕にする上かなり寝相が悪いのだというので、普段ロイも手を焼いている。そんなミカヅキが珍しくはっきり起きていて、ロイの介抱をしているのだ。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール番外編フォーチュンドール3章番外編ここは蛇を崇拝する者たちの住む村、先祖代々蛇を崇拝している。蛇神様からかなり恩恵を受けており、村では争いごとも少なく、作物も不良になることもなく、村の人たちはみな美男美女である。そんな村では、蛇神様からパートナーとなる蛇を授かることもあり、それが決まるのは村で生まれた子が3歳になるまでに蛇神様からの手紙が届くのだという。その手紙には選ばれた子が3歳になったら、蛇の教会に赴くことが書かれているようだ。そしてある年にその蛇を授かる儀式が行われた。選ばれたのは鶴花という女の子であるが、一つイレギュラーが発生していた。本来、一つ前の年に来るはずだった、兄である誉が4歳でこの蛇の教会に入るという。まぁ、一年ずれたとことで特に問題はないのだが、ビビりな鶴花はなかなか教会の中に入ろうとしないのである。そこで、誉が鶴花の手を取り、お兄ちゃんから離れるんじゃないぞと言わんばかりに固く手を握り、教会の中に入っていく。教会の中は薄暗く、今にも泣きだしそうな鶴花は誉の右腕にしがみつき、誉は歩きにくそうに前に進んだ。そして、教会の中の広くいくつかの廊下につながっている部屋にたどり着くと、壁にかかっているいくつものろうそくの火でその部屋が照らされている。いくつもある廊下の向こうから大量の大蛇が顔をのぞかせ、目を光らせると、兄妹は2人とも目を見開き、硬直した。先に動いたのは鶴花である。鶴花は誉の腕から手を放し、大泣きして来た道を戻り、教会の外に逃げてしまったのである。一方、誉は目を輝かせ、一番近くの蛇に挨拶し、戯れる。ある程度戯れたら次の蛇、またある程度戯れたら次の蛇、次から次へと挨拶を繰り返し、そして、ある蛇と目が合うと時間が止まる。誉はこの蛇に間違えないと運命を感じ、手を伸ばす。その蛇、呪いの大蛇もそれに答えるように尻尾を差し出した。これが彼らの出会いである。その後、誉には鶴化に託すはずだった蛇壺を持たせ、呪いの大蛇とともに教会から出るのであった。その日の夜、誉は疲れからか呪いの大蛇に包まれながらぐっすりと寝ていたという。しかし、この後、人間の子育てに慣れた呪いの大蛇でも想像がつかないほどの子に誉は育つのである。
2581キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編22フォーチュンドール3章6話「待ちやがれ!」
雨は凛太郎を追いかけていた。しかし、ただただ走っても一行に距離が縮まりそうになく、雨に遠方に対する攻撃がないため、ここままでは逃がしてしまう可能性がある。雨はパーカーの袖に腕を通した。そして、念力を使い自分自身を宙に浮かせ一気に距離を詰める。その速さで思いっきり凛太郎に殴りかかろうとするが、凛太郎はそれに気付いたのか、振り向き、左の黄色の目を輝かせて、光属性魔法で壁を作り、雨の攻撃を防御した。雨は一歩下がり、体制を整え、もう一度攻撃を繰り出す。すると凛太郎は左目の色を赤く変え、炎属性魔法を繰り出し、雨の拳に火をつけた。雨は苦しそうな顔をし、腕の火を振り払っていると、今度は凛太郎の左目が茶色に変わる。地属性魔法で地面を細かくめくり、雨と距離を置き、再び逃げようとするが、それを雨が許さない。雨は念力でめくられた地面を浮かせ、凛太郎のほうに投げつけ、一歩踏み出そうとしたが、何かに足をとられる。足元を見ると左足に太い木の蔦が絡まっていた。凛太郎は左目を緑色に染めて、にやりと笑う。
2204雨は凛太郎を追いかけていた。しかし、ただただ走っても一行に距離が縮まりそうになく、雨に遠方に対する攻撃がないため、ここままでは逃がしてしまう可能性がある。雨はパーカーの袖に腕を通した。そして、念力を使い自分自身を宙に浮かせ一気に距離を詰める。その速さで思いっきり凛太郎に殴りかかろうとするが、凛太郎はそれに気付いたのか、振り向き、左の黄色の目を輝かせて、光属性魔法で壁を作り、雨の攻撃を防御した。雨は一歩下がり、体制を整え、もう一度攻撃を繰り出す。すると凛太郎は左目の色を赤く変え、炎属性魔法を繰り出し、雨の拳に火をつけた。雨は苦しそうな顔をし、腕の火を振り払っていると、今度は凛太郎の左目が茶色に変わる。地属性魔法で地面を細かくめくり、雨と距離を置き、再び逃げようとするが、それを雨が許さない。雨は念力でめくられた地面を浮かせ、凛太郎のほうに投げつけ、一歩踏み出そうとしたが、何かに足をとられる。足元を見ると左足に太い木の蔦が絡まっていた。凛太郎は左目を緑色に染めて、にやりと笑う。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編21フォーチュンドール3章5話クランは帽子を脱ぎ捨てて部屋でのんびりしていた。季節は2月、寒さもだいぶ和らいできたが、たまにまだ寒い日もある。クランはマグカップにココアを注ぎ、リビングにあるソファに腰かけた。
ふと、学校行事が終わった後にチームメンバーでハロウィンパーティをしたことを思い出す。コスプレはしなかったもののかぼちゃを切り抜いてランタンを作ったり、女の子は夜のもう一人の姉さんと一緒に料理を作ったりしたのだが、夜のお姉さんはたくさん料理を作る人だからとんでもなく量が多くて、食べきれなくて持ち帰ったのだ。そういえばクリスマスはやらなかったのと思ったクランであるが、雨が上手く誘えるわけがなく、夜も家族で過ごしたためである。
2712ふと、学校行事が終わった後にチームメンバーでハロウィンパーティをしたことを思い出す。コスプレはしなかったもののかぼちゃを切り抜いてランタンを作ったり、女の子は夜のもう一人の姉さんと一緒に料理を作ったりしたのだが、夜のお姉さんはたくさん料理を作る人だからとんでもなく量が多くて、食べきれなくて持ち帰ったのだ。そういえばクリスマスはやらなかったのと思ったクランであるが、雨が上手く誘えるわけがなく、夜も家族で過ごしたためである。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編20フォーチュンドール3章4話「ばぁん!冷綺夜光(ひゃっきやこう)っていうのはどう!?」
「ダッセ…。」
「いーんじゃねえの?」
「わぁ、それぞれの特徴とかつかんでいてかっこいい!」
「え?ナニコレ?あたしの感性がおかしいの?」
「いや、俺はテキトー、そういうセンスないし名前は飾りだからな。」
クランのチームはチーム名を決めていた。4人で集まるのはこの日が初めてであり、夜は他のみんなと自己紹介をしてグループの輪に入っていた。夜曰く、チームリーダーはクランに任せるというのだ、夜はそこまでリーダーシップに自信はないらしく、さらに後輩のこれからの経験やクランや双子の中の良さを考えての事だ。いろいろ話し合ったところで雨が前から気になっていたことを聞き始めた。
3238「ダッセ…。」
「いーんじゃねえの?」
「わぁ、それぞれの特徴とかつかんでいてかっこいい!」
「え?ナニコレ?あたしの感性がおかしいの?」
「いや、俺はテキトー、そういうセンスないし名前は飾りだからな。」
クランのチームはチーム名を決めていた。4人で集まるのはこの日が初めてであり、夜は他のみんなと自己紹介をしてグループの輪に入っていた。夜曰く、チームリーダーはクランに任せるというのだ、夜はそこまでリーダーシップに自信はないらしく、さらに後輩のこれからの経験やクランや双子の中の良さを考えての事だ。いろいろ話し合ったところで雨が前から気になっていたことを聞き始めた。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編19フォーチュンドール3章3話体育館裏、陰になっており実に目立たない、クランにとって苦手な場所であるだろう。それに定番で言うと、この後恐喝でもされるのではじゃないかとハラハラするクランは光学迷彩で隠れつつ、他に誰かいないか確認してから夜を待った。夜は少し遅れてきた。クランはあたかも自分が遅れてきたかのように夜の前に姿を現した。
「来たか。こんな場所だから、ビビッて来ないんじゃないかと思ったがな。」
「なんでこんなところに呼んだんですか?これじゃあ目立たないじゃないですか。」
「目立たないからだよ。」
「あ…もしかしてマジですか?」
「え?マジって何に対して?」
「いや、普通に考えてこれあれですよねぇ!?いやあああああ!?俺うるさいからここで消されるの?!だーれかー!」
2645「来たか。こんな場所だから、ビビッて来ないんじゃないかと思ったがな。」
「なんでこんなところに呼んだんですか?これじゃあ目立たないじゃないですか。」
「目立たないからだよ。」
「あ…もしかしてマジですか?」
「え?マジって何に対して?」
「いや、普通に考えてこれあれですよねぇ!?いやあああああ!?俺うるさいからここで消されるの?!だーれかー!」
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編18フォーチュンドール3章2話火桜夜は嫌われ者である。
貝森第二高校は能力者を集められた学校であるが、能力者ではない魔法使いも数多くいるのである。そんな魔法使いや魔導士たちの中で強い魔力を持つものでも、夜の体質である驚異的な魔法抵抗力に敵わないからである。相手にすると魔法で勝つことはほぼできないため、このチーム決めの期間は成績を上げるためや相手したくないためにチームに夜を誘うものもかなり多いのだ。そしてその情報を知ってるのはだいたい前の年からいる2年生以上である。
夜は呆れていた。戦うことが好きな彼であるが、ラクして成績をあげたいという魂胆が見えている生徒多いからである。3年生にもなると、まともに成績をあげたい生徒ならチームワークのいい仲良しメンバーで組むことがほとんどで、話しかけられることも少ない夜が、こういうときだけ話しかける生徒が気に入らなかった。しかし、戦うなら誰かしらと組む必要がある。何を基準にメンバーを決めるべきか、夜は悩んでいたところだが、夜の周りに人だかりができている教室の扉が思いっきり開き、その乱暴な音にその場にいたほぼ全員が扉のほうを振り向く。そして拡声器を使ったバカみたいに大きな声が廊下まで響いた。
3433貝森第二高校は能力者を集められた学校であるが、能力者ではない魔法使いも数多くいるのである。そんな魔法使いや魔導士たちの中で強い魔力を持つものでも、夜の体質である驚異的な魔法抵抗力に敵わないからである。相手にすると魔法で勝つことはほぼできないため、このチーム決めの期間は成績を上げるためや相手したくないためにチームに夜を誘うものもかなり多いのだ。そしてその情報を知ってるのはだいたい前の年からいる2年生以上である。
夜は呆れていた。戦うことが好きな彼であるが、ラクして成績をあげたいという魂胆が見えている生徒多いからである。3年生にもなると、まともに成績をあげたい生徒ならチームワークのいい仲良しメンバーで組むことがほとんどで、話しかけられることも少ない夜が、こういうときだけ話しかける生徒が気に入らなかった。しかし、戦うなら誰かしらと組む必要がある。何を基準にメンバーを決めるべきか、夜は悩んでいたところだが、夜の周りに人だかりができている教室の扉が思いっきり開き、その乱暴な音にその場にいたほぼ全員が扉のほうを振り向く。そして拡声器を使ったバカみたいに大きな声が廊下まで響いた。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編17フォーチュンドール3章1話時は幸が転校してきたころ、他所の地域にある、貝森第二高校。ここでも能力者や魔法使いが集まり、今年も学校行事が行われようとしていた。
始業式を終え、黄色い髪に緑色の目、左頬にテープガーゼを張っている青い服と帽子、キラキラしたベルトを身につけたハーフの少年、百代 クラン(ももしろくらん)は一番に教室に向かおうと全力疾走していた。その後ろを追いかける学生風の衣装に小柄な体、アホ毛のある茶髪に緑の眼鏡、右目が水色のオッドアイの少年、平山 凛太郎(ひらやまりんたろう)はクランの足を止めようとしていた。
「へっへ~、一番乗りして派手に目立つぜ~」
「待ってクラン、それくらいで目立つと思うの!?」
「そりゃ、誰もいない教室に俺だけいたら、俺に目が行くだろ?」
2335始業式を終え、黄色い髪に緑色の目、左頬にテープガーゼを張っている青い服と帽子、キラキラしたベルトを身につけたハーフの少年、百代 クラン(ももしろくらん)は一番に教室に向かおうと全力疾走していた。その後ろを追いかける学生風の衣装に小柄な体、アホ毛のある茶髪に緑の眼鏡、右目が水色のオッドアイの少年、平山 凛太郎(ひらやまりんたろう)はクランの足を止めようとしていた。
「へっへ~、一番乗りして派手に目立つぜ~」
「待ってクラン、それくらいで目立つと思うの!?」
「そりゃ、誰もいない教室に俺だけいたら、俺に目が行くだろ?」
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編16フォーチュンドール2章6話譲葉雫はいつにも増して悩んでいた。今日は夏希の提案でこの前の調査チームで集まって食事会をするのだ。余裕をもって待ち合わせの場所に兄である澪とともに向かうが、親友の唯は澪や夏希に苦手意識を持っているため、無理に誘ったのではないかとか、6人もいると自分まで必要あるのかと思っていたり、話の輪に入れないのではじゃないかと思ったりで不安な感情でいっぱいだった。そんな、雫の浮かない顔を見て澪は心配した。さらに雫の呼吸はどんどん荒くなり、体調が悪いのか膝をついてしまうほどである。澪は雫に体調が悪いなら一度帰ろうかと提案しようとするが、空気感が重い…否、空気そのものが重い…低気圧に弱い人間ではないはずの澪でも頭が痛くなるほどである。何かがおかしいと思い始めたその時、雫の口から悲鳴が聞こえたと思えば、急激に突風が吹き荒れたのである。澪は雫が飛ばされないように、また気を落ち着かせるために、雫を抱きしめたのである。
2720キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編15フォーチュンドール2章5話季節は12月下旬、幸の家に置いてあった地域情報誌をカーマインとアリサが覗いていた。
巷ではクリスマスというイベント情報でいっぱいであり、カーマインもイルミネーションというものを一目見ようと、幸に外出しないか聞いていた。一方アリサはカーマインが案外ロマンチストであることに意外だと思ったがクリスマスというイベント、どこぞの宗教のお偉いさんの誕生日だとお祭り好きな民族がでっち上げたイベントだと聞いているし、家族で過ごす日というのも紀元前からその風習はあったとどこかで情報を見たことがあるのであまり魅力的に感じなかったのだ。
幸はイルミネーションを見るなら夜のほうがいいし、何より買い物に行く理由があんまりなかったので、何か買い足すものはないか考えていた。そこにリレットが幸に話しかけに来た。これもまたクリスマスに関したことで、この時期にしか買えない限定の模様の布地を買うのはどうかと提案したのである。幸はなるほどと言い、具体的にどんなものがあるのかスマホで調べ始めた、北欧雑貨に使われる模様の布地などがあるとおしゃれかもしれない、後で雑貨屋さんに行こうと幸がいうと、カーマインは喜んでアリサのほうを見た。
2765巷ではクリスマスというイベント情報でいっぱいであり、カーマインもイルミネーションというものを一目見ようと、幸に外出しないか聞いていた。一方アリサはカーマインが案外ロマンチストであることに意外だと思ったがクリスマスというイベント、どこぞの宗教のお偉いさんの誕生日だとお祭り好きな民族がでっち上げたイベントだと聞いているし、家族で過ごす日というのも紀元前からその風習はあったとどこかで情報を見たことがあるのであまり魅力的に感じなかったのだ。
幸はイルミネーションを見るなら夜のほうがいいし、何より買い物に行く理由があんまりなかったので、何か買い足すものはないか考えていた。そこにリレットが幸に話しかけに来た。これもまたクリスマスに関したことで、この時期にしか買えない限定の模様の布地を買うのはどうかと提案したのである。幸はなるほどと言い、具体的にどんなものがあるのかスマホで調べ始めた、北欧雑貨に使われる模様の布地などがあるとおしゃれかもしれない、後で雑貨屋さんに行こうと幸がいうと、カーマインは喜んでアリサのほうを見た。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編14フォーチュンドール2章4話昼休みの時間、幸は自分の手作り弁当を食べていた。座っている席の向えには唯と雫がおり、幸の彩り豊かな弁当を見て目を輝かせていた。
「わー、幸さんのお弁当、おいしそうだな~。」
「唯はいつもパンを買っているけどたまには作らないの?」
「俺は包丁が使えないんで…あ、クッキーとかなら作れますよ。」
「ジンジャーマンクッキーかしら?私は頭から食べるタイプよ。」
「あー人型のクッキーですね!タイ焼きはどこから食べるんですか?俺はあんこたっぷりのお腹から!」
「唯ちゃん…どんどん話がずれてるよ?」
他愛もない話を食堂でしていると、3人のもとに将信が話しかけてくる。たまたま見かけたので、幸に人形を返そうとしたのである。しかし、幸はもしもの時のために持っていてもいいというのだ。幸はなぜか具体的に言おうとして、将信に失礼なことを言い始めた。
3634「わー、幸さんのお弁当、おいしそうだな~。」
「唯はいつもパンを買っているけどたまには作らないの?」
「俺は包丁が使えないんで…あ、クッキーとかなら作れますよ。」
「ジンジャーマンクッキーかしら?私は頭から食べるタイプよ。」
「あー人型のクッキーですね!タイ焼きはどこから食べるんですか?俺はあんこたっぷりのお腹から!」
「唯ちゃん…どんどん話がずれてるよ?」
他愛もない話を食堂でしていると、3人のもとに将信が話しかけてくる。たまたま見かけたので、幸に人形を返そうとしたのである。しかし、幸はもしもの時のために持っていてもいいというのだ。幸はなぜか具体的に言おうとして、将信に失礼なことを言い始めた。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編13フォーチュンドール2章3話時間は幸が貝森高校に転校する2年前に遡る。
高校2年生の澪は前の年の先輩たちに不満を持っていた。過去を見る能力から相手の能力や戦い方、弱点を割り出せるかつ、相手から読まれにくい戦い方をする澪に発言権がなく、効率的な戦い方ができなかったからである。
今年こそは良い成績を獲得しようと鏡を取り出し、下級生の能力を見定める。また先輩なんかと組んだら発言権はないだろうから、今回は後輩と組んで自分がリーダーになれば、上手く指示できると踏んでいるのだ。
そして、下級生の中で特に選んだ能力は瞬間移動の能力と魂を交換する能力である。効率で選ぶというよりは、単純に自分の戦闘スタイルと照らし合わせて、相手にしたくない能力を選んだのだ。学校行事のチーム決めが始まった時、1年生の教室の前で立っていた澪は教室から出てきた夏希にすぐさま話しかけた。
2177高校2年生の澪は前の年の先輩たちに不満を持っていた。過去を見る能力から相手の能力や戦い方、弱点を割り出せるかつ、相手から読まれにくい戦い方をする澪に発言権がなく、効率的な戦い方ができなかったからである。
今年こそは良い成績を獲得しようと鏡を取り出し、下級生の能力を見定める。また先輩なんかと組んだら発言権はないだろうから、今回は後輩と組んで自分がリーダーになれば、上手く指示できると踏んでいるのだ。
そして、下級生の中で特に選んだ能力は瞬間移動の能力と魂を交換する能力である。効率で選ぶというよりは、単純に自分の戦闘スタイルと照らし合わせて、相手にしたくない能力を選んだのだ。学校行事のチーム決めが始まった時、1年生の教室の前で立っていた澪は教室から出てきた夏希にすぐさま話しかけた。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編12フォーチュンドール2章2話幸の家に将信が謎の男を連れてきたがそれは謎の男の策略で将信の力を利用し、幸に近づき殺そうとしていたのである。そこに将信の友人だという夏希が現れ、幸のピンチを助けたのである。
幸は初対面の夏希にいきなり挨拶され、家に上がられていることに戸惑っていると、グレーラ達が使っていた道具を片づける際に落とした、グレーラの作った男の子人形が動き出した。
「あー、この人形に緊急脱出したみたいだな…。俺の体大丈夫?」
「お、将信~そこにいたんすね~。」
「泉谷!?いつの間にここに!」
「いや~、英国から帰ってきて日本の街並み見ていたら将信見かけたけどなんかやばそうだったから何とかしただけ~、ちなみに英国料理は美味しかったぞ~。」
2672幸は初対面の夏希にいきなり挨拶され、家に上がられていることに戸惑っていると、グレーラ達が使っていた道具を片づける際に落とした、グレーラの作った男の子人形が動き出した。
「あー、この人形に緊急脱出したみたいだな…。俺の体大丈夫?」
「お、将信~そこにいたんすね~。」
「泉谷!?いつの間にここに!」
「いや~、英国から帰ってきて日本の街並み見ていたら将信見かけたけどなんかやばそうだったから何とかしただけ~、ちなみに英国料理は美味しかったぞ~。」
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編11フォーチュンドール2章1話11月下旬頃、外の寒さも強くなり、幸は家で暖をとっていた。
幸のいるリビングの机の上にはグレーラとリレットが仲良く新しい人形作りをしているが、グレーラがなかなか理想通りに人形が作れないらしく、リレットも慰めながら人形の衣服を作っていた。
「グレーラ、何がうまくいかないのです?」
「いやぁ、男の子人形って難しいんだな~って女の子に比べて服装も髪型も少ないし、男の人って頓着ないのかしら?」
「逆に女の子がお洒落さんなのです。グレーラもいろいろ思い浮かべたら理想に近づけるかもですよ。」
「理想も何もそもそもゼロからってのは難しいわね~」
グレーラは幸や幸の父親が作ってこなかった男の子の人形を作ろうとしている。
これも一つの挑戦として、何より幸ばかりに依存するのもよくないと思ってか、彼氏でも作ろうとしているのと、あわよくば幸が異性に興味を持つ可能性があるというのが本音だ。
3060幸のいるリビングの机の上にはグレーラとリレットが仲良く新しい人形作りをしているが、グレーラがなかなか理想通りに人形が作れないらしく、リレットも慰めながら人形の衣服を作っていた。
「グレーラ、何がうまくいかないのです?」
「いやぁ、男の子人形って難しいんだな~って女の子に比べて服装も髪型も少ないし、男の人って頓着ないのかしら?」
「逆に女の子がお洒落さんなのです。グレーラもいろいろ思い浮かべたら理想に近づけるかもですよ。」
「理想も何もそもそもゼロからってのは難しいわね~」
グレーラは幸や幸の父親が作ってこなかった男の子の人形を作ろうとしている。
これも一つの挑戦として、何より幸ばかりに依存するのもよくないと思ってか、彼氏でも作ろうとしているのと、あわよくば幸が異性に興味を持つ可能性があるというのが本音だ。
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DONEサンタカルナさん復刻ありがとう!!【友情出演】
サンタカルナさん(メカクレ)をロイヤルフォーチュン号に誘おうとしてる(健全)バソさんとそれをたまたま目撃してしまったジュナさん
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編10フォーチュンドール1章10話「はぁ?あいつ体調悪いから今日は休み?」
最終トーナメント初戦、幸のいるチームの対戦相手は将信のいるチームだがそのチームは今日1人体調不良で欠席しているらしい。将信のいるチームは本来4人なのだが1人は海外留学しているため実質チームにいたことはない、ただ成績のために入れてもらっているという、そして1人いないとなると対戦相手は二人、対して幸のチームは基本3人なのだが人形も含めたら8人にもなる。これは大きなチャンスかもしれない。
そして試合開始の合図のあと将信は仲間に指示を出す。その内容は将信と幸を実質1対1で戦わせることだった。将信の仲間は唯と雫と戦い、先に決着がついたほうが加勢する形にしたのだ。1対1といえど幸は人形が5人いるのだ、他の2人も2対1になるのなら数ではこちらが優勢であるが相手は3年生なので油断はできない。
2108最終トーナメント初戦、幸のいるチームの対戦相手は将信のいるチームだがそのチームは今日1人体調不良で欠席しているらしい。将信のいるチームは本来4人なのだが1人は海外留学しているため実質チームにいたことはない、ただ成績のために入れてもらっているという、そして1人いないとなると対戦相手は二人、対して幸のチームは基本3人なのだが人形も含めたら8人にもなる。これは大きなチャンスかもしれない。
そして試合開始の合図のあと将信は仲間に指示を出す。その内容は将信と幸を実質1対1で戦わせることだった。将信の仲間は唯と雫と戦い、先に決着がついたほうが加勢する形にしたのだ。1対1といえど幸は人形が5人いるのだ、他の2人も2対1になるのなら数ではこちらが優勢であるが相手は3年生なので油断はできない。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編9フォーチュンドール1章9話雫のところに兄である澪が話しかけてきた。これまで雫はあまり家では絵を描くことはなかったので絵の練習をしているのは珍しいと思ったからである。どんな感じで絵を描いているのか、また実体化したときにすぐに対応できるように近くにいたのだ。雫は最近の絵の練習は幸から渡された絵を写し描きしているのだ。それも幸の描いた絵で普段から幸は設計図を描くために少し絵を描いているのでその絵を描いているという。ときより、澪が雫の手が震えていて線が安定してないと指摘しているところも見られたがわかりやすい絵になっていった。
そこにインターホンが鳴る。雫が唯を遊びに誘っていたのでちょうど唯が来たのだ。雫は唯を出迎え出かける準備をしたが、その時、澪は玄関に飾ってあった鏡を見てしまったのだ。澪の能力は鏡に映る相手や場所の過去を見る事ができる、そこに映っていたのは唯、澪から見える視界は鏡の中の景色を変える。そこには唯の過去の姿であろう少女が映っていた。澪はそれを凝視する。徐々に赤く染まるその過去に澪は形相を変え、雫の肩を引く。
3123そこにインターホンが鳴る。雫が唯を遊びに誘っていたのでちょうど唯が来たのだ。雫は唯を出迎え出かける準備をしたが、その時、澪は玄関に飾ってあった鏡を見てしまったのだ。澪の能力は鏡に映る相手や場所の過去を見る事ができる、そこに映っていたのは唯、澪から見える視界は鏡の中の景色を変える。そこには唯の過去の姿であろう少女が映っていた。澪はそれを凝視する。徐々に赤く染まるその過去に澪は形相を変え、雫の肩を引く。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編8フォーチュンドール1章8話季節は秋にさしかかったころ、残り一か月半の学校行事も大詰め、生徒たちは活気にあふれていた。10月中頃までに約150組の中から上位30位の中に入ると最終トーナメントに参加ができ、その中でもトップレベルに上がるとかなりいい成績をもらえるため、将来にも期待できるのだという。
幸たちもそこまではいかないかもしれないが少しずつ勝利をつかみ取っていた。カーマインとミウが前線に立つ形で、幸は指示を出し、唯は作戦を考え、雫は必要な道具を絵に描いて出すのだが相変わらず雫の画力から思ったものは出てこない、この前もせめて自分たちがやられなければ問題ないのではと壁を出そうとしたところこんにゃくだったり豆腐だったりが飛び出してきたのだ。その出てきたこんにゃくに相手が転んで体制を崩していまい、奇跡的に勝ったことはお互い恥ずかしくてとても言えない。
3113幸たちもそこまではいかないかもしれないが少しずつ勝利をつかみ取っていた。カーマインとミウが前線に立つ形で、幸は指示を出し、唯は作戦を考え、雫は必要な道具を絵に描いて出すのだが相変わらず雫の画力から思ったものは出てこない、この前もせめて自分たちがやられなければ問題ないのではと壁を出そうとしたところこんにゃくだったり豆腐だったりが飛び出してきたのだ。その出てきたこんにゃくに相手が転んで体制を崩していまい、奇跡的に勝ったことはお互い恥ずかしくてとても言えない。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編7フォーチュンドール1章7話夏も後半、幸は唯たちからお祭りに誘われていた。楽しみ半分不安半分の状態である、というのも幸は祭りに行くことは初めてで、今まで絵本の中の世界としか思っていたかったのである。人混みは大丈夫か?どんな服を着ていこうか?と迷っていた。お祭りなのでやはり浴衣を買おうかな?それともその日のためだけの衣装はあまり買わないほうがいいのか、そうこう考えているうちにリレットが幸に話しかける。
「幸、何を迷っているのです?」
「リレット、カーマインやミウの服はできたの?」
「もちろんなのです。二人とも動きやすい服で気に入ってくれたのです。」
「それは良かった。私は明日お祭りに行くんだけど…どんな衣装で行くべきか迷っていてね、お祭りに最適な浴衣っていう衣装は持ってないからこの日のためだけに買っておこうか…?」
3327「幸、何を迷っているのです?」
「リレット、カーマインやミウの服はできたの?」
「もちろんなのです。二人とも動きやすい服で気に入ってくれたのです。」
「それは良かった。私は明日お祭りに行くんだけど…どんな衣装で行くべきか迷っていてね、お祭りに最適な浴衣っていう衣装は持ってないからこの日のためだけに買っておこうか…?」
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編6フォーチュンドール1章6話幸は授業を受けていた。唯が来るのもただ待つだけでは時間がもったいないからである。というか今後、唯は雫と一緒に学校に向かわせた方がいいのではとも考えているが問題はこのまま雫が転校したりしないかという不安だった。授業はろくに頭に入らず、昨日の件を思い出す。雫のお兄さんはとても怖い顔をしていたからすぐに雫の家に向かっていってもそもそもうまく話せるかどうか、そもそも家の場所を知らないので唯に聞いたほうがよさそうだし、唯はいったいどこほっつき歩いているんだか…。フェルネリシアが幸に話しかける。
「雫ちゃんがチームから抜けることはやっぱり阻止したいけど、そのお兄さんが納得する理由って何かあるかな…?」
ただでさえ、まともに話せそうにもないのにまっとうな理由もなし、今の状態はかなり詰んでいる。はっきり言って勝ち目はない、ここで暴力沙汰になったところで、昨日の誘拐犯集団をやっつけるほどの実力者じゃとても歯が立たないだろう。
2861「雫ちゃんがチームから抜けることはやっぱり阻止したいけど、そのお兄さんが納得する理由って何かあるかな…?」
ただでさえ、まともに話せそうにもないのにまっとうな理由もなし、今の状態はかなり詰んでいる。はっきり言って勝ち目はない、ここで暴力沙汰になったところで、昨日の誘拐犯集団をやっつけるほどの実力者じゃとても歯が立たないだろう。