フォーチュン
暁月さん
DONEバーソロミューとロイヤル・フォーチュンちゃんがラブラブです。お互いがお互いの一番で絶対譲らない。そしてそんなふたりのことが一番大切なパーシヴァルさんが、ロイヤルちゃん(人のすがた)と夢でお話しています。
そんな感じです。
一番の宝物「幸せそうだね、バーソロミュー」
「そうかい?」
「あぁ、とても。……彼女には、やはり敵わないな」
「うん? 何か言ったかい?」
「いや……ふふ。貴方は、本当にこの船を愛しているのですね」
「もちろんだとも! 彼女は世界で一番美しくて可憐な愛する船(ひと)だからね」
「……羨ましいな」
「おっと、駄目だよパーシヴァル。彼女は私の一番の宝物だ。決して奪わせはしないからね?」
「奪うなど! 恐れ多いことだよ」
(私が手に入れたいのは、むしろ貴方の方だと。そう言ったら貴方と──そしてこの船(ひと)はどう思うのだろうね)
ゆらり、と。風も波も無いはずのシミュレーターの海上で、僅かに船が揺れた気がした。
─────
夢を、見た。
1227「そうかい?」
「あぁ、とても。……彼女には、やはり敵わないな」
「うん? 何か言ったかい?」
「いや……ふふ。貴方は、本当にこの船を愛しているのですね」
「もちろんだとも! 彼女は世界で一番美しくて可憐な愛する船(ひと)だからね」
「……羨ましいな」
「おっと、駄目だよパーシヴァル。彼女は私の一番の宝物だ。決して奪わせはしないからね?」
「奪うなど! 恐れ多いことだよ」
(私が手に入れたいのは、むしろ貴方の方だと。そう言ったら貴方と──そしてこの船(ひと)はどう思うのだろうね)
ゆらり、と。風も波も無いはずのシミュレーターの海上で、僅かに船が揺れた気がした。
─────
夢を、見た。
LD_ZAB
PROGRESS何でも許せる人向けなんか本物月ドバイに最終的に着地して皆でニコニコしてる世界
そんなものはなくなりそうなので今のうちに
全部捏造です。
ロイヤル・フォーチュンが喋ります。人型があるようなないような。
書きかけなので飛び飛びなのが残念
さわりとラムの話だけ 1917
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編ラストフォーチュンドールエピローグ幸が人形を取り戻し、霊魂の魔女を倒してから大きな事もなく3年が経過していた。将信は貝森学園に通っていたものの、あと2年ほど通えるが任意のため、23歳で充分魔導士としてのスキルを身に着けて就活に臨んでいた。そこに幸が教室に入り込んできて将信と話した。
「先輩、卒業しちゃうんですか?」
「まぁ、そうだな。」
「そうですか、寂しくなりますね。」
「そんな永遠の別れでもあるまいし…」
「そうですよね!先輩、一戦交えてくれませんか?」
将信は幸がずいぶん強気になったと感心し、勝負に挑んだ。幸は人形や樹属性魔法を駆使して、将信に挑んだが、将信も強くなっていて、さすがにマグマゴーレムとまで出されると、幸も打つ手がなかった。そしていい汗かいた幸は、ここからが本題であると将信に言った。
2260「先輩、卒業しちゃうんですか?」
「まぁ、そうだな。」
「そうですか、寂しくなりますね。」
「そんな永遠の別れでもあるまいし…」
「そうですよね!先輩、一戦交えてくれませんか?」
将信は幸がずいぶん強気になったと感心し、勝負に挑んだ。幸は人形や樹属性魔法を駆使して、将信に挑んだが、将信も強くなっていて、さすがにマグマゴーレムとまで出されると、幸も打つ手がなかった。そしていい汗かいた幸は、ここからが本題であると将信に言った。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編50フォーチュンドール7章5話幸と将信、雨と零子は地図に記された場所の近くまで来ていた。そこで一人の女性に声をかけられた。その声の主は夏希であり、澪と雫も一緒であった。
「おー、将信も来たか!来なかったら本体は澪先輩に持たせようと思ったけど~。」
「まぁ、あるとも限らないが、そっちの双子はなんかの手伝い?」
「人形の回収がまだで、さらにここに敵の親玉がいるようで、先に来た仲間が捕まってるかもしれん。」
「親玉?ここには霊魂の魔女がいると聞いたが。」
「その霊魂の魔女が今回の件の黒幕らしい。」
将信と澪の会話の間に入ったのは、少し遅れてきた瀬津だった。瀬津は漣と朝と夜と一緒だった。
時間は少し前、瀬津たちは昨日見た地図の場所へ行こうとしていたところ、天使のような白い羽根の何かが落ちていることに気が付いた。それはぐったりとしており、朝がそれを注視すると、死神のようなあの悪魔であった。瀬津は悪魔に剣を見せ、今までの行動の理由を聞き出そうとした。
2734「おー、将信も来たか!来なかったら本体は澪先輩に持たせようと思ったけど~。」
「まぁ、あるとも限らないが、そっちの双子はなんかの手伝い?」
「人形の回収がまだで、さらにここに敵の親玉がいるようで、先に来た仲間が捕まってるかもしれん。」
「親玉?ここには霊魂の魔女がいると聞いたが。」
「その霊魂の魔女が今回の件の黒幕らしい。」
将信と澪の会話の間に入ったのは、少し遅れてきた瀬津だった。瀬津は漣と朝と夜と一緒だった。
時間は少し前、瀬津たちは昨日見た地図の場所へ行こうとしていたところ、天使のような白い羽根の何かが落ちていることに気が付いた。それはぐったりとしており、朝がそれを注視すると、死神のようなあの悪魔であった。瀬津は悪魔に剣を見せ、今までの行動の理由を聞き出そうとした。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編49フォーチュンドール7章4話唯と凛太郎は散歩していた。今日も何事もない平和な一日で、他愛もない話で盛り上がっていたところ、突然ティンダロスが何かを見つけたのか、走り出した。唯と凛太郎もそれについていくと、そこには幸の人形の一人であるリレットがいた。何も知らない唯はリレットが幸の元を離れて、迷子になってしまったのだろうと思い、声をかけた。しかし、リレットは逃げていき、唯が追いかけると、リレットは振り向き魔物を召喚した。
「え?なんで?どうしたの!?」
「ついてこないでほしいのです!」
「待ってよ!幸さんから逃げてきたの?なんで?」
「関係ないのです!邪魔をするなら容赦しないのです。」
唯と凛太郎は状況が読み込めず、魔物と対峙することになってしまった。
2847「え?なんで?どうしたの!?」
「ついてこないでほしいのです!」
「待ってよ!幸さんから逃げてきたの?なんで?」
「関係ないのです!邪魔をするなら容赦しないのです。」
唯と凛太郎は状況が読み込めず、魔物と対峙することになってしまった。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編48フォーチュンドール7章3話フェルネリシアを回収した翌日、昼すぎ頃にようやく気が落ち着いたフェルネリシアは幸と話す準備ができたようで幸と将信、グレーラの前で思い出せる範囲で話そうとする。
「たしか…それは霊魂で体を取り戻そうとしてて…」
「先輩のように霊魂で彷徨うことのできる存在なのかしら?」
「いや、俺は魂を交換するだけで魂を漂わせることはできないぞ…」
「絨毯…?吸血…?幸運…?停止…?えーっと…」
「どうしたの?その単語が結びつくの?」
フェルネリシアはだいぶ記憶が曖昧になってきたようで、ひたすら関連しそうな言葉を羅列していく、その中でグレーラが気になった言葉があった。それは「蛇」であった。グレーラは蛇壺の件を思い出した。
「蛇ねぇ…うちは苦手だなぁ。もう二度とあんな目には遭いたくないわ…」
2931「たしか…それは霊魂で体を取り戻そうとしてて…」
「先輩のように霊魂で彷徨うことのできる存在なのかしら?」
「いや、俺は魂を交換するだけで魂を漂わせることはできないぞ…」
「絨毯…?吸血…?幸運…?停止…?えーっと…」
「どうしたの?その単語が結びつくの?」
フェルネリシアはだいぶ記憶が曖昧になってきたようで、ひたすら関連しそうな言葉を羅列していく、その中でグレーラが気になった言葉があった。それは「蛇」であった。グレーラは蛇壺の件を思い出した。
「蛇ねぇ…うちは苦手だなぁ。もう二度とあんな目には遭いたくないわ…」
🐰🐯
DONE【安ピク】『中指からアイ・ラブ・ユー♡』
Day.3 5/5
谷のしらべ2展示作品です。
パスワードはピクリエオンリーイベント「谷のしらべ2」の「ムムリクエリア【C7】ももいろ♡ふぉーちゅん」のお品書きにて記載しております。
15戦目★朝起きて一番に見るのは君が良い目が覚めて一番初めに香るのはタバコの匂い。
それはなんて幸せな瞬間なのだろうと、目が覚めたピクは匂いの主である布団に頬を擦り付けた。
「……あれ」
眠っている間、手探りで探って触れた筈の人肌が見当たらない。ピクはがらんと空いた布団にさわさわと触れてみる。
余り温かくない、どうやらこの布団の主はピクが寝ている間に早々と布団を抜け出し外へ出たらしい。
寝起きの悪いアイツが僕より早く起きるなんて珍しい……外にいるであろうアイツを追ってテントを出ようとピクは酷く重い身体を起き上がらせる。
「これ、アイツのシャツじゃないか」
ゆらりと起き上がったピクが着ていたのはいつもの山吹色のロングシャツではなく若草色のワイシャツだった。
4846それはなんて幸せな瞬間なのだろうと、目が覚めたピクは匂いの主である布団に頬を擦り付けた。
「……あれ」
眠っている間、手探りで探って触れた筈の人肌が見当たらない。ピクはがらんと空いた布団にさわさわと触れてみる。
余り温かくない、どうやらこの布団の主はピクが寝ている間に早々と布団を抜け出し外へ出たらしい。
寝起きの悪いアイツが僕より早く起きるなんて珍しい……外にいるであろうアイツを追ってテントを出ようとピクは酷く重い身体を起き上がらせる。
「これ、アイツのシャツじゃないか」
ゆらりと起き上がったピクが着ていたのはいつもの山吹色のロングシャツではなく若草色のワイシャツだった。
🐰🐯
DONE【安ピク】『中指からアイ・ラブ・ユー♡』
Day.3 4/5
谷のしらべ2展示作品です。
パスワードはピクリエオンリーイベント「谷のしらべ2」の「ムムリクエリア【C7】ももいろ♡ふぉーちゅん」のお品書きにて記載しております。
14戦目★そのボトル一本分の価値がある「いい酒を手に入れた」
そう言ってピクは手馴染んだリュックサックから深色のガラスボトルを取り出す。
酸化を防ぐ遮光ボトルからして品のあるそのボトルを前に安原は目を見張った。
「ほぉ、中々いい酒じゃないか。どのツテで手に入れたんだ?」
「たまたま出会った老人が洋酒のコレクターでね、その老人のバーでギターを弾いたら持っていけって」
安原はボトルに張り付いたラベルの文字を追う。製造年がかなり古くその辺の立ち飲みの酒場ではお目にかかれないであろう、恐らく希少で上等なスコッチの様だ。
その洋酒コレクターのマスターはピクの弾き語りが余程気に入ったのだろう。そうでなければ行きずりの旅人に品質の良い年代物のスコッチをチップとして渡すなど粋な大盤振る舞いなどしない。
3247そう言ってピクは手馴染んだリュックサックから深色のガラスボトルを取り出す。
酸化を防ぐ遮光ボトルからして品のあるそのボトルを前に安原は目を見張った。
「ほぉ、中々いい酒じゃないか。どのツテで手に入れたんだ?」
「たまたま出会った老人が洋酒のコレクターでね、その老人のバーでギターを弾いたら持っていけって」
安原はボトルに張り付いたラベルの文字を追う。製造年がかなり古くその辺の立ち飲みの酒場ではお目にかかれないであろう、恐らく希少で上等なスコッチの様だ。
その洋酒コレクターのマスターはピクの弾き語りが余程気に入ったのだろう。そうでなければ行きずりの旅人に品質の良い年代物のスコッチをチップとして渡すなど粋な大盤振る舞いなどしない。
🐰🐯
DONE【安ピク】『中指からアイ・ラブ・ユー♡』
Day.3 3/5
谷のしらべ2展示作品です。
パスワードはピクリエオンリーイベント「谷のしらべ2」の「ムムリクエリア【C7】ももいろ♡ふぉーちゅん」のお品書きにて記載しております。
13戦目★酒は飲んでも飲まれるな!酒は好きだ。
見知った仲間と酒を飲む雰囲気もそれなりに気に入ってはいる。
だがひとつだけ、どうしても許してはならない事があった。
「し〜んっのんでるかい?」
「ああ、程々に。ピクは……もう出来上がってる様だね」
「にへへ〜〜」
満月を肴に酒を嗜む。なんて粋で風情のある夜だろうか――この距離の近い酔っ払いがいなければ。
「まだよってないよぅ?」
「酔ってる人は皆そう言うんだよ」
一体何がおかしいのか、ピクはワイングラス片手に新の肩を抱きいつもの五倍は陽気に笑っていた。
見ての通り、ピクは笑い上戸の絡み酒である。
完全に出来上がったピクに絡まれない様予め距離を取っていた安原は見事に絡まれた新にご愁傷さま、とその光景を肴に葡萄酒を一口含み、数秒後の未来を予測し今晩の生贄に憐れみの目を向ける。
2650見知った仲間と酒を飲む雰囲気もそれなりに気に入ってはいる。
だがひとつだけ、どうしても許してはならない事があった。
「し〜んっのんでるかい?」
「ああ、程々に。ピクは……もう出来上がってる様だね」
「にへへ〜〜」
満月を肴に酒を嗜む。なんて粋で風情のある夜だろうか――この距離の近い酔っ払いがいなければ。
「まだよってないよぅ?」
「酔ってる人は皆そう言うんだよ」
一体何がおかしいのか、ピクはワイングラス片手に新の肩を抱きいつもの五倍は陽気に笑っていた。
見ての通り、ピクは笑い上戸の絡み酒である。
完全に出来上がったピクに絡まれない様予め距離を取っていた安原は見事に絡まれた新にご愁傷さま、とその光景を肴に葡萄酒を一口含み、数秒後の未来を予測し今晩の生贄に憐れみの目を向ける。
🐰🐯
DONE【安ピク】『中指からアイ・ラブ・ユー♡』
Day.3 2/5
谷のしらべ2展示作品です。
パスワードはピクリエオンリーイベント「谷のしらべ2」の「ムムリクエリア【C7】ももいろ♡ふぉーちゅん」のお品書きにて記載しております。
12戦目★"かわいい"は正義!安原とピク。二人の喧嘩に理由などいらない。言うなればそもそも二人の喧嘩に大した理由などないのだ。
「だからそれのどこに俺の非があるっていうんだ?!」
「だって……っあの時君がちょっかいかけなかったらケンカにならなかった!」
「ちょっかいかけた?あれのどこが必要のないちょっかいだ?お前が危なっかしいから助け舟を出してやっただけだろう?!」
「それが余計なお節介って言ってるんじゃないか!」
喧嘩の発端はあえて記述はしない。日常に溶け込み過ぎたこの華麗なる小競り合い、そもそも発端がどこなのか誰が見ても分からない。
挨拶よりも先にと、今日も今日とて繰り広げられる喧嘩という名のコミニュケーションに理由は不問なのだ。
「あの時俺がいなかったらどうなっていたか言ってみな?」
1989「だからそれのどこに俺の非があるっていうんだ?!」
「だって……っあの時君がちょっかいかけなかったらケンカにならなかった!」
「ちょっかいかけた?あれのどこが必要のないちょっかいだ?お前が危なっかしいから助け舟を出してやっただけだろう?!」
「それが余計なお節介って言ってるんじゃないか!」
喧嘩の発端はあえて記述はしない。日常に溶け込み過ぎたこの華麗なる小競り合い、そもそも発端がどこなのか誰が見ても分からない。
挨拶よりも先にと、今日も今日とて繰り広げられる喧嘩という名のコミニュケーションに理由は不問なのだ。
「あの時俺がいなかったらどうなっていたか言ってみな?」
🐰🐯
DONE【安ピク】『中指からアイ・ラブ・ユー♡』
Day.3 1/5
谷のしらべ2展示作品です。
パスワードはピクリエオンリーイベント「谷のしらべ2」の「ムムリクエリア【C7】ももいろ♡ふぉーちゅん」のお品書きにて記載しております。
11戦目★寝込みを襲うのは襲われる覚悟がある奴だけだ陽だまりが心地良い昼下がり、人里離れた草原に身を預け安原が寝転んでいた。
無防備に寝転ぶ安原を見つけたピクは傾斜の草原を降り安原の顔を覗き込む。
「安原ぁ」
頭上から名前を呼んでみるが応答はない。
「やーすーはーらぁ」
耳元で名前を呼んでみるも一寸も反応しない所を見るとかなりぐっすり寝ているのかと納得したピクは昼寝に勤しむ安原の顔をじっと見つめてみる。
瞼を閉じ気の抜けた顔で昼寝に勤しむ安原の寝顔は幾分か幼く見え、普段の仏頂面とのギャップに思わず小さく吹き出すピク。
「寝てるのかい?君は一度寝ると中々起きないからなぁ……」
眠りこける安原の頬を指で突いているとピコン、と頭上の豆電球が光り、おもちゃを見つけた猫の様ににんまりと微笑む。
2060無防備に寝転ぶ安原を見つけたピクは傾斜の草原を降り安原の顔を覗き込む。
「安原ぁ」
頭上から名前を呼んでみるが応答はない。
「やーすーはーらぁ」
耳元で名前を呼んでみるも一寸も反応しない所を見るとかなりぐっすり寝ているのかと納得したピクは昼寝に勤しむ安原の顔をじっと見つめてみる。
瞼を閉じ気の抜けた顔で昼寝に勤しむ安原の寝顔は幾分か幼く見え、普段の仏頂面とのギャップに思わず小さく吹き出すピク。
「寝てるのかい?君は一度寝ると中々起きないからなぁ……」
眠りこける安原の頬を指で突いているとピコン、と頭上の豆電球が光り、おもちゃを見つけた猫の様ににんまりと微笑む。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編47フォーチュンドール7章2話次の日になり、幸と将信は魔女の集会場に来ていた。朝と夜、そして魔物ハンターの瀬津と漣、天音もそこにいた。朝が言うにはもしも人形達が悪魔に操られていたりした場合、魔物を召喚してくる可能性があるという。そこで魔物の気配を察知できる瀬津と漣が人形達を見つけ出すことが出来るのではないか憶測と、本当に魔物を召喚した際に仲間になって戦ってくれるというのだ。
「人形だけは壊さないでほしいのですが…」
「うまく捕らえたらいいんだね?でも朝さんは夜くんの力で解けたけど、人形達が洗脳されていたらどうすれば…」
「そうなっていたら、とりあえず私のカバンに入れておいて、洗脳を解く方法を見つけます。」
「それで君に被害がなければいいのだけど…」
2954「人形だけは壊さないでほしいのですが…」
「うまく捕らえたらいいんだね?でも朝さんは夜くんの力で解けたけど、人形達が洗脳されていたらどうすれば…」
「そうなっていたら、とりあえず私のカバンに入れておいて、洗脳を解く方法を見つけます。」
「それで君に被害がなければいいのだけど…」
🐰🐯
DONE【安ピク】『中指からアイ・ラブ・ユー♡』
Day.2 5/5
谷のしらべ2展示作品です。
パスワードはピクリエオンリーイベント「谷のしらべ2」の「ムムリクエリア【C7】ももいろ♡ふぉーちゅん」のお品書きにて記載しております。
10戦目★眠れぬうさぎの寝かしつけ――ねぇ、知ってるかい?こころのSOSって、自分以外の人にしか見えないんだよ。
青葉の香りを乗せた新風がピンク色の花冠をそよがせる。
「わぁ、ありがとうスナフキン!」
「役に立てたなら良かった。じゃあ僕は街の方へ降りてくるよ。おみやげ、期待してても良いよ?」
「スナフキンのおみやげはいつも見た事のないものばかりだから楽しみだわ!」
「もしかしてあのキラキラのケーキ?」
「ふふ、さぁ、どうだろうね?」
都会的なこのムーミン谷のスナフキンであるピクはフランクな笑みを浮かべ軽い足取りでムーミン達の元から去っていった。
「良かったわね、ムーミン。スナフキンがここを通らなかったら大変な事になってたわ」
「ぼくたちが知らない事なんでも知ってるし、どんな事もでも助けてくれるし、見た事のない形の車だって乗れちゃうなんて、やっぱりスナフキンはすごいや!」
3979青葉の香りを乗せた新風がピンク色の花冠をそよがせる。
「わぁ、ありがとうスナフキン!」
「役に立てたなら良かった。じゃあ僕は街の方へ降りてくるよ。おみやげ、期待してても良いよ?」
「スナフキンのおみやげはいつも見た事のないものばかりだから楽しみだわ!」
「もしかしてあのキラキラのケーキ?」
「ふふ、さぁ、どうだろうね?」
都会的なこのムーミン谷のスナフキンであるピクはフランクな笑みを浮かべ軽い足取りでムーミン達の元から去っていった。
「良かったわね、ムーミン。スナフキンがここを通らなかったら大変な事になってたわ」
「ぼくたちが知らない事なんでも知ってるし、どんな事もでも助けてくれるし、見た事のない形の車だって乗れちゃうなんて、やっぱりスナフキンはすごいや!」
🐰🐯
DONE【安ピク】『中指からアイ・ラブ・ユー♡』
Day.2 4/5
谷のしらべ2展示作品です。
パスワードはピクリエオンリーイベント「谷のしらべ2」の「ムムリクエリア【C7】ももいろ♡ふぉーちゅん」のお品書きにて記載しております。
9戦目★結局は似た者同士なのさ大塚は安原を尊敬している。
スナフキンにしては野性的で雄々しいが不思議と下賎さは感じない、寧ろそのワイルドさがアダルティで際立った魅力がある。
頼もしさを感じる広い背中に腕まくりで露になった筋張った腕、歌劇スターに劣らない華やかな顔立ち。ノリが軽い分多少ヘタレでも大塚にとってはそれすらも愛嬌の範囲内である。
言うなれば新にとっての旧の様な存在が大塚にとっての安原なのだ。
尊敬で目指すべき存在である安原。だがそんな大塚にもひとつだけ安原に言いたい事があった。
「安原さん、僕は安原さんの事をかっこいいと思ってますし、尊敬してます」
「ありがとな。でもどうした急に」
安原の隣に座った大塚が唐突にそんな事を言う。
そんな二人の間を通った柔らかな風を受け、短い若草がそよそよと靡く。
3297スナフキンにしては野性的で雄々しいが不思議と下賎さは感じない、寧ろそのワイルドさがアダルティで際立った魅力がある。
頼もしさを感じる広い背中に腕まくりで露になった筋張った腕、歌劇スターに劣らない華やかな顔立ち。ノリが軽い分多少ヘタレでも大塚にとってはそれすらも愛嬌の範囲内である。
言うなれば新にとっての旧の様な存在が大塚にとっての安原なのだ。
尊敬で目指すべき存在である安原。だがそんな大塚にもひとつだけ安原に言いたい事があった。
「安原さん、僕は安原さんの事をかっこいいと思ってますし、尊敬してます」
「ありがとな。でもどうした急に」
安原の隣に座った大塚が唐突にそんな事を言う。
そんな二人の間を通った柔らかな風を受け、短い若草がそよそよと靡く。
🐰🐯
DONE【安ピク】『中指からアイ・ラブ・ユー♡』
Day.2 3/5
谷のしらべ2展示作品です。
パスワードはピクリエオンリーイベント「谷のしらべ2」の「ムムリクエリア【C7】ももいろ♡ふぉーちゅん」のお品書きにて記載しております。
8戦目★顔が良いにも程がある!人は外見よりも中身が大事だ、と世間は言う。
だがどれだけ中身が良くても最初に惹かれていくきっかけというのは大体が顔だという事実が覆る事は無い。
「〜〜♪」
柔らかい日差しに照らされ煌めく森に、ピクの上機嫌な鼻歌がよく馴染む。
暑過ぎず曇り過ぎず、草花もご機嫌なお散歩日和となれば鼻歌が弾むのも頷ける。ピクは軽い足取りで森の小道を散歩していた。
森の小道を抜けていくとその先では小川が流れ、その近くに見慣れたテントの頭が見える。その見慣れたテントを前にピクが軽い足取りをピタリと止めた。
見慣れたテント――安原のテントを前に、ピクは鼻歌も忍ばせるといそいそと木の影に隠れる。
――どうせなら驚かせてやろう。
驚かせた時の安原の間抜け面が見物だとニヤリと笑うピクが足音を忍ばせながら安原のテントに忍び寄る。
3065だがどれだけ中身が良くても最初に惹かれていくきっかけというのは大体が顔だという事実が覆る事は無い。
「〜〜♪」
柔らかい日差しに照らされ煌めく森に、ピクの上機嫌な鼻歌がよく馴染む。
暑過ぎず曇り過ぎず、草花もご機嫌なお散歩日和となれば鼻歌が弾むのも頷ける。ピクは軽い足取りで森の小道を散歩していた。
森の小道を抜けていくとその先では小川が流れ、その近くに見慣れたテントの頭が見える。その見慣れたテントを前にピクが軽い足取りをピタリと止めた。
見慣れたテント――安原のテントを前に、ピクは鼻歌も忍ばせるといそいそと木の影に隠れる。
――どうせなら驚かせてやろう。
驚かせた時の安原の間抜け面が見物だとニヤリと笑うピクが足音を忍ばせながら安原のテントに忍び寄る。
🐰🐯
DONE【安ピク】『中指からアイ・ラブ・ユー♡』
Day.2 2/5
谷のしらべ2展示作品です。
パスワードはピクリエオンリーイベント「谷のしらべ2」の「ムムリクエリア【C7】ももいろ♡ふぉーちゅん」のお品書きにて記載しております。
7戦目★ヒーローは都合良く助けに来るもので視界に広がるのは青い空と新緑の木々、そして削ぎ落ちた崖の断面。
「やっちゃったなーー……」
あちゃー…、と渇いた笑みを浮かべるピクは投げ飛ばされた大の字で寝転がったまま、パラパラと名残の残骸を落とす崖を見上げていた。
偶然が重なった不運だった。
踏み込んだ足元の崖が崩れ投げ出されたピクはそのまま崖の下に転げ落ちたのだ。崖の高さが数十メートルと比較的浅く、落ちた先の若葉がクッションとなってくれたお陰で大事は免れた事は不幸中の幸いである。
ピクは上体を起こし片膝を立て立ち上がろうと右足を生い茂った若葉についた。
「ぃっ……!!」
右足首を地面に着いた途端右足首に走った電撃の様な痛みにピクは顔を歪め、その場にぺたりとへたり込む。
3064「やっちゃったなーー……」
あちゃー…、と渇いた笑みを浮かべるピクは投げ飛ばされた大の字で寝転がったまま、パラパラと名残の残骸を落とす崖を見上げていた。
偶然が重なった不運だった。
踏み込んだ足元の崖が崩れ投げ出されたピクはそのまま崖の下に転げ落ちたのだ。崖の高さが数十メートルと比較的浅く、落ちた先の若葉がクッションとなってくれたお陰で大事は免れた事は不幸中の幸いである。
ピクは上体を起こし片膝を立て立ち上がろうと右足を生い茂った若葉についた。
「ぃっ……!!」
右足首を地面に着いた途端右足首に走った電撃の様な痛みにピクは顔を歪め、その場にぺたりとへたり込む。
🐰🐯
DONE【安ピク】『中指からアイ・ラブ・ユー♡』
Day.2 1/5
谷のしらべ2展示作品です。
パスワードはピクリエオンリーイベント「谷のしらべ2」の「ムムリクエリア【C7】ももいろ♡ふぉーちゅん」のお品書きにて記載しております。
6戦目★たまたま手元にあったから!ムーミン谷を出て一番近い街の歓楽通りにて、イカした帽子の男が出店の前でなにやら物色をしていた。
年頃の少女が好みそうな華やかで煌びやかなアクセサリーの出店を前にそのアクセサリーとは正反対とも言える男が品の並ぶ屋台の中心で一際目を引くピンクの花飾りをじっと見ていた。
「さっきからずっと見てるね。にーちゃん、なんか買ってくかい?」
「ああ……」
家主の女店主にそう言われ、男――安原は今一度そのピンクの花飾りを見つめる。
ガーベラを模ったピンクの花飾りを見た瞬間、安原の中で憎たらしくも目が離せないあの男を思い浮かんだ。
冬の季節になり、あの男がトレードマークのピンクの花冠を被っているのをめっきり見なくなった。
安原はトレードマークのピンクの花冠の代わりに枯れ草で編んだ草冠を被り挑発じみた目で笑うあの男の顔を思い出す。
1957年頃の少女が好みそうな華やかで煌びやかなアクセサリーの出店を前にそのアクセサリーとは正反対とも言える男が品の並ぶ屋台の中心で一際目を引くピンクの花飾りをじっと見ていた。
「さっきからずっと見てるね。にーちゃん、なんか買ってくかい?」
「ああ……」
家主の女店主にそう言われ、男――安原は今一度そのピンクの花飾りを見つめる。
ガーベラを模ったピンクの花飾りを見た瞬間、安原の中で憎たらしくも目が離せないあの男を思い浮かんだ。
冬の季節になり、あの男がトレードマークのピンクの花冠を被っているのをめっきり見なくなった。
安原はトレードマークのピンクの花冠の代わりに枯れ草で編んだ草冠を被り挑発じみた目で笑うあの男の顔を思い出す。
🐰🐯
DONE【安ピク】【平新】『中指からアイ・ラブ・ユー♡』
Day.1 5/5
谷のしらべ2展示作品です。
パスワードはピクリエオンリーイベント「谷のしらべ2」の「ムムリクエリア【C7】ももいろ♡ふぉーちゅん」のお品書きにて記載しております。
5戦目★好きなもの、最初に食べるか、最後に食べるか旅人四名が集う草原には青葉の香りと花々の香り、そしてふんわり砂糖菓子の甘い香り。
「ーーーーっっっ!!!」
そんな御伽噺の一節をぶち壊したのはピクの愕然の叫びだった。
三分の一程ぽっかりと齧られた焼き菓子を前に愕然としたピクは隣で元三分の一を咀嚼する安原をキッと睨みつける。
「信じられない!一番ラズベリーが入ってるところ一口で食べたよこの男!!」
「お前が食わせたんだろうが。そもそも食べてみろってしつこかったのはそっちじゃないか?」
「遠慮ってものがあるだろう?!」
指差しなじり罵倒する、いつもの小競り合いを平と新は焼き菓子をちまちま食べながらまた始まったねとのんびり眺めていた。
――事の発端は数分前、平と新が穏やかな午後を過ごしていた頃に愛車のオープンカーと共にピクが二人に会いに来た。
3149「ーーーーっっっ!!!」
そんな御伽噺の一節をぶち壊したのはピクの愕然の叫びだった。
三分の一程ぽっかりと齧られた焼き菓子を前に愕然としたピクは隣で元三分の一を咀嚼する安原をキッと睨みつける。
「信じられない!一番ラズベリーが入ってるところ一口で食べたよこの男!!」
「お前が食わせたんだろうが。そもそも食べてみろってしつこかったのはそっちじゃないか?」
「遠慮ってものがあるだろう?!」
指差しなじり罵倒する、いつもの小競り合いを平と新は焼き菓子をちまちま食べながらまた始まったねとのんびり眺めていた。
――事の発端は数分前、平と新が穏やかな午後を過ごしていた頃に愛車のオープンカーと共にピクが二人に会いに来た。
🐰🐯
DONE【安ピク】『中指からアイ・ラブ・ユー♡』
Day.1 4/5
谷のしらべ2展示作品です。
パスワードはピクリエオンリーイベント「谷のしらべ2」の「ムムリクエリア【C7】ももいろ♡ふぉーちゅん」のお品書きにて記載しております。
4戦目★水も滴るなんとやら雨降る夜が明け、白い朝焼けがいつにも増して眩しい。
青々しい森の小道で朝から小枝に止まる小鳥達が雨が止んだと囀る横を通りすぎた二人の旅人の間で、本日一回目の小競り合いを告げるゴングが鳴った。
「君が朝に弱くて起きれないから、仕方なく僕がわざわざ起こしに来ているんじゃないか!逆に感謝して欲しいね!」
「俺が言ってるのはやり方だ!なにも耳元でフライパンを叩き鳴らす事は無いだろう?!」
「あれなら君がいかに寝起きが悪くても一瞬で目が覚めて飛び上がる。ナイスアイデアだろう?」
アプから教えてもらったんだ、と得意げに両手で拳を作りフライパンとおたまの取っ手を握りフライパンを叩き鳴らすジェスチャーを取ったピクとは対照的に安原は忘れかけた耳鳴りを思い出し苦い表情を浮かべる。
2444青々しい森の小道で朝から小枝に止まる小鳥達が雨が止んだと囀る横を通りすぎた二人の旅人の間で、本日一回目の小競り合いを告げるゴングが鳴った。
「君が朝に弱くて起きれないから、仕方なく僕がわざわざ起こしに来ているんじゃないか!逆に感謝して欲しいね!」
「俺が言ってるのはやり方だ!なにも耳元でフライパンを叩き鳴らす事は無いだろう?!」
「あれなら君がいかに寝起きが悪くても一瞬で目が覚めて飛び上がる。ナイスアイデアだろう?」
アプから教えてもらったんだ、と得意げに両手で拳を作りフライパンとおたまの取っ手を握りフライパンを叩き鳴らすジェスチャーを取ったピクとは対照的に安原は忘れかけた耳鳴りを思い出し苦い表情を浮かべる。
🐰🐯
DONE【安ピク】『中指からアイ・ラブ・ユー♡』
Day.1 3/5
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3戦目★君じゃなきゃダメなんだ総てのスナフキンの原点である原は云う――あの二人にとって小競り合いとは出会いの挨拶と同義なのだと。
「あ、白髪」
「いって?!」
おはようよりも先に髪の毛を引き抜かれた頭皮から、ブチッと明らかに余計に抜かれた音がした。
「ちょっと!いきなりなんなんだ!ていうか何本抜いた気だい?!」
「悪い、白髪と思って抜いたら思いの他抜けちまった」
「全然悪いと思ってないだろう?!」
本命の白髪一本に対して犠牲になった髪は五本。一本の白い髪と五本の太陽色の髪は安原の指から離れひらひらと風に乗ってどこかへ行った。
「白髪が目立ってたからな……歳か?」
「ちがいますーどこかの誰かさんに突っかかられて心痛が溜まってるんですー」
「ほぉ、そのどこかの誰かさんを待ちぼうけてたのは何処の誰だろうな?」
1826「あ、白髪」
「いって?!」
おはようよりも先に髪の毛を引き抜かれた頭皮から、ブチッと明らかに余計に抜かれた音がした。
「ちょっと!いきなりなんなんだ!ていうか何本抜いた気だい?!」
「悪い、白髪と思って抜いたら思いの他抜けちまった」
「全然悪いと思ってないだろう?!」
本命の白髪一本に対して犠牲になった髪は五本。一本の白い髪と五本の太陽色の髪は安原の指から離れひらひらと風に乗ってどこかへ行った。
「白髪が目立ってたからな……歳か?」
「ちがいますーどこかの誰かさんに突っかかられて心痛が溜まってるんですー」
「ほぉ、そのどこかの誰かさんを待ちぼうけてたのは何処の誰だろうな?」
🐰🐯
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Day.1 2/5
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2戦目★巻き込み事故にはご用心はらり、重力に反って落ちてきた数本の黒髪が邪魔だと安原は垂れてきた前髪をかきあげる。
「ヤースッ」
「あ?っっって?!」
変に上機嫌なピクに呼ばれ振り返った安原からパチンッと指先で弾いた気味の良い音が鳴る。
不意打ちに受けた小さな火花が弾けた様な刺激に流石の安原も驚き二歩程後ずさった。
「っピクお前っ、急になにするんだ?!」
「いやぁ、中々良い音がなりそうなおでこがあったからついつい」
「ついつい人のデコを指で弾くバカがどこにいるんだ?!」
ここにいたな!と怒りの人相で額を隠すように摩る安原の想像通りの様子を見るピクは悪戯が成功した小悪魔の様な愉悦の笑みを浮かべ満足気である。
「今日も絶好調じゃないか、君のおでこ」
2521「ヤースッ」
「あ?っっって?!」
変に上機嫌なピクに呼ばれ振り返った安原からパチンッと指先で弾いた気味の良い音が鳴る。
不意打ちに受けた小さな火花が弾けた様な刺激に流石の安原も驚き二歩程後ずさった。
「っピクお前っ、急になにするんだ?!」
「いやぁ、中々良い音がなりそうなおでこがあったからついつい」
「ついつい人のデコを指で弾くバカがどこにいるんだ?!」
ここにいたな!と怒りの人相で額を隠すように摩る安原の想像通りの様子を見るピクは悪戯が成功した小悪魔の様な愉悦の笑みを浮かべ満足気である。
「今日も絶好調じゃないか、君のおでこ」
🐰🐯
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Day.1 1/5
谷のしらべ2展示作品です。
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1戦目★自分のものには名前を書きましょう緩やかな川のせせらぎを耳にして、今日もなんとなく平和で良かったなとのんびり感じる新は今日も今日とて連れていない模様。
釣れればラッキー、釣れなければ釣れないで別に良いのスタンスで、魚を釣ることよりも浮で描かれる水面の波紋を眺めて楽しむ事の方がメインになっている新の釣り現場にピクは出くわした。
「やあ新、調子はどうだい?」
「ピク。まあいつも通り――」
ピクの方を振り返った途端、言葉を無くした新はぱちくりと目を丸くしてじっとピクの顔を凝視する。
「どうしたんだい?僕の顔に何か付いてる?」
「………っふふ、ふふふ」
「どうして笑うんだい?!」
驚いた顔も数秒、途端に小刻みに肩を振るわせコロコロと鈴音の様に笑いだした新に次はピクの方が驚いた。
1694釣れればラッキー、釣れなければ釣れないで別に良いのスタンスで、魚を釣ることよりも浮で描かれる水面の波紋を眺めて楽しむ事の方がメインになっている新の釣り現場にピクは出くわした。
「やあ新、調子はどうだい?」
「ピク。まあいつも通り――」
ピクの方を振り返った途端、言葉を無くした新はぱちくりと目を丸くしてじっとピクの顔を凝視する。
「どうしたんだい?僕の顔に何か付いてる?」
「………っふふ、ふふふ」
「どうして笑うんだい?!」
驚いた顔も数秒、途端に小刻みに肩を振るわせコロコロと鈴音の様に笑いだした新に次はピクの方が驚いた。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編46フォーチュンドール7章1話前回までのあらすじ
幸と将信は魂の能力者の強化講習というものに興味を持ち、それに行くことにした。そこには数人の魂の能力者がいたが、その主催があの死神のような悪魔だと知り、幸と将信は逃げようとしたものの、幸はグレーラ以外の5体の人形と、将信は自らの本体を奪われてしまう。
将信は人形の体で、行動することとなり、幸もどうにか人形達を取り戻すために情報を得ようとしていた。
うん?これ前回までのあらすじじゃないな?40話以上書いてるのにまだコツ掴めないんだよ!
幸と将信は幸の家で今後どうするか相談していた。人形達のいない家は物寂しい雰囲気で幸の気分もすぐれなかった。将信は人形達を取り戻すためにどうやってもう一度悪魔と関与し、戦うことになれば倒すことが出来るか考えた。
3319幸と将信は魂の能力者の強化講習というものに興味を持ち、それに行くことにした。そこには数人の魂の能力者がいたが、その主催があの死神のような悪魔だと知り、幸と将信は逃げようとしたものの、幸はグレーラ以外の5体の人形と、将信は自らの本体を奪われてしまう。
将信は人形の体で、行動することとなり、幸もどうにか人形達を取り戻すために情報を得ようとしていた。
うん?これ前回までのあらすじじゃないな?40話以上書いてるのにまだコツ掴めないんだよ!
幸と将信は幸の家で今後どうするか相談していた。人形達のいない家は物寂しい雰囲気で幸の気分もすぐれなかった。将信は人形達を取り戻すためにどうやってもう一度悪魔と関与し、戦うことになれば倒すことが出来るか考えた。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編45フォーチュンドール6章6話「ふふふっ、なぁにその魔女をこっちに渡してくれれば危害は加えないさ。」
「今の姉さんじゃ信用できないね。雫は渡さない。」
「そうか、ではお前たちを倒すまで。」
澪は先程まで餓者髑髏と戦っていたため万全の状態とは言い難いが、雫を守るために必死だった。朝が剣を振るうと、それを夜が大剣で受け止め、その隙を澪が攻撃をする。将信は他に敵が来ないか、警戒していた。しかし、朝は強く、2人を薙ぎ払っていく。そして、的を澪に絞り一気に攻め込んだ。将信も咄嗟に朝の足元を崩すが、朝はうまくそれを切り抜け、澪を攻撃した。固い音がする。ここまでかと思った澪が顔をあげると、そこには帽子をかぶった長髪の男性、瀬津がそこにいたのだった。
2451「今の姉さんじゃ信用できないね。雫は渡さない。」
「そうか、ではお前たちを倒すまで。」
澪は先程まで餓者髑髏と戦っていたため万全の状態とは言い難いが、雫を守るために必死だった。朝が剣を振るうと、それを夜が大剣で受け止め、その隙を澪が攻撃をする。将信は他に敵が来ないか、警戒していた。しかし、朝は強く、2人を薙ぎ払っていく。そして、的を澪に絞り一気に攻め込んだ。将信も咄嗟に朝の足元を崩すが、朝はうまくそれを切り抜け、澪を攻撃した。固い音がする。ここまでかと思った澪が顔をあげると、そこには帽子をかぶった長髪の男性、瀬津がそこにいたのだった。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編44フォーチュンドール6章5話あれから3日経った。幸と将信と雫は今日も鍛錬している。そろそろ雫も武器の扱いきなれてきたころだ。しかし、以前の冬希からの不意打ちにより将信は毒を体に盛られてしまったようで、体の回復にかなり時間を要しているようだ。つまり今は人形の状態で活動している。そして、ここ3日の鍛錬には付き添いで澪と夜もいた。さすがに毎日会うことはなくても雫を狙って悪魔が来たらと思うと澪は気が気じゃなかった。夜もまた悪魔が来た時に朝の情報を手に入れるために行動を共にしている。ここにはいないが夏希も姉の情報を裏で探しているようだ。外で鍛錬をしていると幸が一つ提案する。
「ここ最近、そちらの二人がいることですし、近接戦闘の相手での練習はいかがでしょうか?」
2715「ここ最近、そちらの二人がいることですし、近接戦闘の相手での練習はいかがでしょうか?」
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編43フォーチュンドール6章4話魔女であるドクターに澪は質問した。悪魔となってしまった人間を戻すことが出来るのかと。ドクターは少し考えつつ自分の見解を述べた。
「結論から言うとできないね。人間が悪魔となるのも、おそらくは人間が魔女になるのとそう変わらないもんだと思うよ。魔女から戻るというケースは今までに聞いたことがないからね。」
「そうか…」
話を聞き、澪はうつむきながら返事をした。雫も朝も戻ることはない…ならどうしたらいいのか。ひとまず朝がどういう行動をとったか思い出す澪であるが、過去のことに気をとられていたためあまり覚えていない。しかし、雫に攻撃しようとしたのは確かだった。なぜ雫を狙ったのか…魔女であるからか?澪は周りに共有するように声に出しながら話を整理した。
2998「結論から言うとできないね。人間が悪魔となるのも、おそらくは人間が魔女になるのとそう変わらないもんだと思うよ。魔女から戻るというケースは今までに聞いたことがないからね。」
「そうか…」
話を聞き、澪はうつむきながら返事をした。雫も朝も戻ることはない…ならどうしたらいいのか。ひとまず朝がどういう行動をとったか思い出す澪であるが、過去のことに気をとられていたためあまり覚えていない。しかし、雫に攻撃しようとしたのは確かだった。なぜ雫を狙ったのか…魔女であるからか?澪は周りに共有するように声に出しながら話を整理した。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編42フォーチュンドール6章3話クランたちがおじぃの所に戻る頃には夕方になろうとしていた。戻ってきたクラン達を見ておじいは喜び、クランもこれで魔力が戻ると思うとホッとするが、おじぃからの一言は。
「夕飯の材料がそろったわい。」
であった。まぁ、予想はできていただろうけど。その言葉に雨は再び怒りをあらわにして、おじぃを何度も殴ろうとするが、おじぃはその拳を毎回受け止める。おじぃにとって雨の拳はハイタッチも同然らしい。
「ほっほっほ、そんなに動いて、お腹も空いたじゃろ?一緒にどうじゃ?」
「騙したな!」
「雨、そんなに怒らないで?」
「これが怒らずにいられるか!」
「腹が減っては何もできぬぞ?まず腹ごしらえをして、それから技を教えよう。」
「本当に教えてくれるんだろうな?」
3219「夕飯の材料がそろったわい。」
であった。まぁ、予想はできていただろうけど。その言葉に雨は再び怒りをあらわにして、おじぃを何度も殴ろうとするが、おじぃはその拳を毎回受け止める。おじぃにとって雨の拳はハイタッチも同然らしい。
「ほっほっほ、そんなに動いて、お腹も空いたじゃろ?一緒にどうじゃ?」
「騙したな!」
「雨、そんなに怒らないで?」
「これが怒らずにいられるか!」
「腹が減っては何もできぬぞ?まず腹ごしらえをして、それから技を教えよう。」
「本当に教えてくれるんだろうな?」
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編41フォーチュンドール6章2話クランと雨と凛太郎は川辺を歩いていた。川はそこそこ大きく魚が泳いでおり、その魚の鱗が太陽の光に反射して川全体がキラキラとしている。
「この辺に小屋があってそこに魔女がいるようだね。」
「どんな魔女か聞いてこなかったけどねえ、悪い奴じゃねえっていうのはちょっと怪しいけどな~。」
「怖い人じゃないといいな…あっあの小屋じゃない?」
3人が歩いていると、少し開けた場所に出てきた。そこには質素な家がぽつんと立っていた。クランがその家の扉をノックし挨拶するが返事は来ない。留守なのだろうか?もう一度同じようにノックするが何も起こらない。近くに外出しているのだろうか?とクランが言うと雨が小屋の高い所に窓かついていることを確認し、バレないように覗けるかクランに確認をとった。そしてクランは雨に体を念力で浮かせてもらうと窓の中を見る。中にはちゃぶ台と、その付近に座る男がいた。つるつるの頭に目は眉毛で隠れており、口の周りには白く立派な髭を携えていた。いかにもおじいちゃんである。人が中にいることをクランが雨と凛太郎に伝えると、雨はそのおじいちゃんが何か知っているかもしれないと、小屋の扉を開けて声をかけた。おじいちゃんがゆったりと雨の方を見ると
3332「この辺に小屋があってそこに魔女がいるようだね。」
「どんな魔女か聞いてこなかったけどねえ、悪い奴じゃねえっていうのはちょっと怪しいけどな~。」
「怖い人じゃないといいな…あっあの小屋じゃない?」
3人が歩いていると、少し開けた場所に出てきた。そこには質素な家がぽつんと立っていた。クランがその家の扉をノックし挨拶するが返事は来ない。留守なのだろうか?もう一度同じようにノックするが何も起こらない。近くに外出しているのだろうか?とクランが言うと雨が小屋の高い所に窓かついていることを確認し、バレないように覗けるかクランに確認をとった。そしてクランは雨に体を念力で浮かせてもらうと窓の中を見る。中にはちゃぶ台と、その付近に座る男がいた。つるつるの頭に目は眉毛で隠れており、口の周りには白く立派な髭を携えていた。いかにもおじいちゃんである。人が中にいることをクランが雨と凛太郎に伝えると、雨はそのおじいちゃんが何か知っているかもしれないと、小屋の扉を開けて声をかけた。おじいちゃんがゆったりと雨の方を見ると
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編40フォーチュンドール6章1話凛太郎は機嫌がよかった。数日前の研究所の事で完全に魔導書と縁を切ることが出来たためである。少しずつではあるが魔力も取り戻し、あとは何をしたらいいか考えていた。何気なく外に出て散歩していると、ふと目の前には唯が歩いているのが見えて、声をかけた。唯もそれに応え、凛太郎に近付いた。
「やっほー凛太郎さん!どこかお出かけ?」
「やぁ、唯ちゃん。なんとなく散歩していただけ、唯ちゃんはどこに行くの?」
「これから魔女の集会場に行く予定で、しずと待ち合わせしているんですよ。」
「唯ちゃん、こっちじゃないワン。」
唯の足元にはティンダロスがいて、頭を唯に擦り付けていた。唯が凛太郎に気をとられて道を間違えたかと思い、ティンダロスが修正しようとしていたのだ。唯がティンダロスを抱っこすると、ティンダロスは凛太郎を見てふふんっと自慢げにする。凛太郎はむっとするが唯の方を向き直す。すると唯は凛太郎も一緒に来ないかと誘うのだった。これに対しティンダロスは少し体を跳ね上がらせて、動揺し、凛太郎はそれを見てどや顔をする。しかし、凛太郎は魔女にされたこと考えるとちょっと気が引ける話で、でも唯と一緒に居られる時間が増えると思うと行きたい気もする、悩んでいるとティンダロスがあっち行けと言わんばかりに前足をばたばたさせる。
2564「やっほー凛太郎さん!どこかお出かけ?」
「やぁ、唯ちゃん。なんとなく散歩していただけ、唯ちゃんはどこに行くの?」
「これから魔女の集会場に行く予定で、しずと待ち合わせしているんですよ。」
「唯ちゃん、こっちじゃないワン。」
唯の足元にはティンダロスがいて、頭を唯に擦り付けていた。唯が凛太郎に気をとられて道を間違えたかと思い、ティンダロスが修正しようとしていたのだ。唯がティンダロスを抱っこすると、ティンダロスは凛太郎を見てふふんっと自慢げにする。凛太郎はむっとするが唯の方を向き直す。すると唯は凛太郎も一緒に来ないかと誘うのだった。これに対しティンダロスは少し体を跳ね上がらせて、動揺し、凛太郎はそれを見てどや顔をする。しかし、凛太郎は魔女にされたこと考えるとちょっと気が引ける話で、でも唯と一緒に居られる時間が増えると思うと行きたい気もする、悩んでいるとティンダロスがあっち行けと言わんばかりに前足をばたばたさせる。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編39フォーチュンドール5章11話科学部の研究所、その奥にマナイーターの魔導書があった。凛太郎は動揺した。なぜここにマナイーターの魔導書が?凛太郎は導かれるように魔導書に近付き手を伸ばしていく。
「何しているんですか!?凛太郎さん!」
声が聞こえて凛太郎は振り向いた。唯は凛太郎をまっすぐ見つめ、凛太郎の手を取った。
「早く逃げましょう、そんな本きっと危ないです!」
唯に手を引かれ凛太郎はそのまま振り向くことなく、唯とともにその場を離れていった。
夏希とクランは翔織との戦いに苦戦していた。完全に翔織のフィールドであるため、うまく兵器を利用して2人を躱していく。そこに幸達、そして遅れて唯と凛太郎がその部屋にやってくると、翔織は舌打ちをした。そして何かがおかしいことに気が付いた翔織は焦りを見せた。
3203「何しているんですか!?凛太郎さん!」
声が聞こえて凛太郎は振り向いた。唯は凛太郎をまっすぐ見つめ、凛太郎の手を取った。
「早く逃げましょう、そんな本きっと危ないです!」
唯に手を引かれ凛太郎はそのまま振り向くことなく、唯とともにその場を離れていった。
夏希とクランは翔織との戦いに苦戦していた。完全に翔織のフィールドであるため、うまく兵器を利用して2人を躱していく。そこに幸達、そして遅れて唯と凛太郎がその部屋にやってくると、翔織は舌打ちをした。そして何かがおかしいことに気が付いた翔織は焦りを見せた。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編38フォーチュンドール5章10話魔物ハンターと特訓をしてから数日、雫は信楽や漣からの教えで魔法がずいぶん使えるようになってきた。幸ももう使えない衝撃吸収の能力に頼らない戦い方を覚えてきて、そろそろ将信も教えることはなくなってきた。その場には唯と凛太郎もいて、幸と凛太郎で実践練習を行っていた。
「はぁ、僕もだいぶ魔力が戻ってきたけど、これはいい勝負だね。」
「幸さんも凛太郎さんも頑張りましたね。」
「あとは回数を重ねていくだけですか?先輩。」
「そうだな、だが高校の時のようにたくさんのパターンと戦えればいいが今はどんな強さの魔物が出るか、わからないからな。」
「その時は先輩頼みます。」
「そういうときだけ盾に使うな。」
「二人は本当に仲がいいですね。」
3233「はぁ、僕もだいぶ魔力が戻ってきたけど、これはいい勝負だね。」
「幸さんも凛太郎さんも頑張りましたね。」
「あとは回数を重ねていくだけですか?先輩。」
「そうだな、だが高校の時のようにたくさんのパターンと戦えればいいが今はどんな強さの魔物が出るか、わからないからな。」
「その時は先輩頼みます。」
「そういうときだけ盾に使うな。」
「二人は本当に仲がいいですね。」
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編37フォーチュンドール5章9話ドクターが幸の魔力強化をしようとしたが、魔導書の能力がドクターの魔力を吸い取り、巨大なクジラの魔物と化した。ドクターは逃げ出し、幸も気絶している状況で将信たちはクジラの魔物と戦うことになった。将信は幸を守るため、ひとまず地属性魔法で幸の周りを囲う。将信は室内戦があまり得意ではない旨をクランたちに伝えるとクランはここは任せてくれといい、光の弾を宙に浮かせ、魔物の周りで爆発させた。しかし、その爆発をの魔物は大きな口を開けて吸い込み、その後に咆哮をした。クランたちは何とか持ちこたえる。零子が後ろにまわり剣を投げ、雨は念力で宙に浮き、魔物の上に乗っかり拳で思いっきり殴りかかる。すると、魔物は大きく尻尾を動かし、零子は上手くよける。そしてクジラ型の魔物であるために潮吹き攻撃をする。ちょうど雨のいる足元から光が当たると虹色になる白濁とした液体が吹き出し、雨に直撃する。雨に纏わりつくその液体は次第に凝固していき、雨は上手く身動きが取れなくなり、下まで落ちてしまう。それをクランがキャッチしに行き、ダメージを抑えることができた。零子も雨を心配し、そちらに行く。
2582キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編36フォーチュンドール5章8話幸、唯、雫の3人はカフェで女子会をして楽しんだ。しかし、幸の様子が何かいつもとは違うように唯は感じた。幸に調子が悪いのか聞くと、何でもないというが明らかに表情は険しかった。雫も唯に言われて幸の表情を見る。幸は二人の視線が鬱陶しいのか早歩きをして、2人の前を歩くようにした。唯が何かしたなら謝ると言い、幸に手を伸ばすと、幸はその手を振りほどき、唯にビンタをした。雫は動揺し、幸の腕をつかみ揺さぶると、幸は雫を突き飛ばす。唯が幸の名を呼ぶと、幸は我に返り、何が起きたのかわからず、頭を抱える。
「幸さん?どうしたんですか?本当に幸さん?」
「わからない…今私は何を?」
「っていうことがあったんですよ。」
唯と雫は昨日の幸の事を凛太郎に話した。凛太郎は幸が魔導書を読んでいるという話を聞いていたので、それは魔導書の副作用のようなものではないかという。実際に凛太郎も魔導書を読んだ時に常に空腹を覚えていたので、魔導書の有害性を2人に話した。雫はぎょっとして、幸の性格が治らなかったらと心配した。唯が凛太郎の魔導書の能力がなくなった時はどうしたかを聞くと、魔女たちに捕まっていろいろされたというのだ。そして、魔導書の能力を本に戻す魔女は今は眠っていると聞いているので、他に案はないだろうかと考えていると、そこに信楽が現れた。信楽にも幸の話をすると、ちょうどいい機会だと雫に魔女の集会場に行ってみることを提案する。しかし、凛太郎はあまり乗り気ではなく、また魔女たちに何かされると考えると恐怖でしかなかった。そのため、雫と信楽で魔女の集会場へ行くことになった。と言っても信楽は場所を案内しただけで、あとのことは雫1人に任せたのだった。一人ぼっちになった雫は戸惑った。これなら唯ちゃんも連れてきたら心強かったなぁと思うが、せめてこの場所を一通り覚えようと見て周っていた。どこがどういった場所か聞こうにも、知り合いの魔女がほかにいるわけでもなく、話しかけるのも難しいと思っているし、さらに言えば他の魔女たちに怪しい視線で睨まれているような気がして、怖くなってきた。そんなところに、博士のような帽子に袖の長い白衣、ぐるぐる眼鏡をかけた女性が話しかけてきた。
3087「幸さん?どうしたんですか?本当に幸さん?」
「わからない…今私は何を?」
「っていうことがあったんですよ。」
唯と雫は昨日の幸の事を凛太郎に話した。凛太郎は幸が魔導書を読んでいるという話を聞いていたので、それは魔導書の副作用のようなものではないかという。実際に凛太郎も魔導書を読んだ時に常に空腹を覚えていたので、魔導書の有害性を2人に話した。雫はぎょっとして、幸の性格が治らなかったらと心配した。唯が凛太郎の魔導書の能力がなくなった時はどうしたかを聞くと、魔女たちに捕まっていろいろされたというのだ。そして、魔導書の能力を本に戻す魔女は今は眠っていると聞いているので、他に案はないだろうかと考えていると、そこに信楽が現れた。信楽にも幸の話をすると、ちょうどいい機会だと雫に魔女の集会場に行ってみることを提案する。しかし、凛太郎はあまり乗り気ではなく、また魔女たちに何かされると考えると恐怖でしかなかった。そのため、雫と信楽で魔女の集会場へ行くことになった。と言っても信楽は場所を案内しただけで、あとのことは雫1人に任せたのだった。一人ぼっちになった雫は戸惑った。これなら唯ちゃんも連れてきたら心強かったなぁと思うが、せめてこの場所を一通り覚えようと見て周っていた。どこがどういった場所か聞こうにも、知り合いの魔女がほかにいるわけでもなく、話しかけるのも難しいと思っているし、さらに言えば他の魔女たちに怪しい視線で睨まれているような気がして、怖くなってきた。そんなところに、博士のような帽子に袖の長い白衣、ぐるぐる眼鏡をかけた女性が話しかけてきた。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編35フォーチュンドール5章7話「この世界に来るのも久しぶりだなぁ…」
くすんだ黄色い長いはねっ毛の髪にワークキャップをかぶり、あごには髭、トラ柄のシャツにジャケット、黒いズボンにロングブーツをはいた男は、片手に大きな剣を持ちながら魔物の死体を蹴った。その男に話しかけるのはアホ毛のある緑の髪に短めのポンチョ、へそ出しのスタイルで左腕にはタトゥー、赤い羽根の首飾りをつけた男。先程の男よりは若く見える。
「瀬津さんはこの世界の出身だったか?」
「あぁ、ここ数年ですっかり変り果てちまったけどな。」
「随分、魔物が出てるみたいだね。昔からこうだったのか?」
「いや、そもそもこの世界では魔法も気功も剣術も隠れていたものだ。この先の貝森特区という場所では、それらが一般的なようだ。」
2529くすんだ黄色い長いはねっ毛の髪にワークキャップをかぶり、あごには髭、トラ柄のシャツにジャケット、黒いズボンにロングブーツをはいた男は、片手に大きな剣を持ちながら魔物の死体を蹴った。その男に話しかけるのはアホ毛のある緑の髪に短めのポンチョ、へそ出しのスタイルで左腕にはタトゥー、赤い羽根の首飾りをつけた男。先程の男よりは若く見える。
「瀬津さんはこの世界の出身だったか?」
「あぁ、ここ数年ですっかり変り果てちまったけどな。」
「随分、魔物が出てるみたいだね。昔からこうだったのか?」
「いや、そもそもこの世界では魔法も気功も剣術も隠れていたものだ。この先の貝森特区という場所では、それらが一般的なようだ。」
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編34フォーチュンドール5章6話魔物が同時多発的に出現してから3日ほどが経った。幸は今日、零子が来るという連絡をもらい、休憩室で待っていた。しかし、幸は一つ頭を悩ませていた。ミラルージュがお姉ちゃんっ子になっており、みんなのもとから離れたくないというのだ、ミラルージュはアリサにひっつき、幸を説得するように頼んでいるが、最初からそう言う予定だったというばかりである。そんな時、休憩室に入ってきたのは唯と凛太郎であった。唯は幸に近付き、ティンダロスを見せて、目を輝かせた。
「幸さん!見てくださいよぉ!」
「どうしたの?ティンダロスに穴でも開いた?」
「穴なんて開いてないワン。」
「ほら!ティンダロスがひとりでに動いたんですよ!」
「腹話術が上手ね。」
2754「幸さん!見てくださいよぉ!」
「どうしたの?ティンダロスに穴でも開いた?」
「穴なんて開いてないワン。」
「ほら!ティンダロスがひとりでに動いたんですよ!」
「腹話術が上手ね。」
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編33フォーチュンドール5章5話今日も道場は活気にあふれていた。
「兄弟!いい汗かいたな。」
「あぁ、なかなか僕も強くなっただろう。」
「何で上半身脱ぐんだろう…。」
澪と夜が汗をぬぐって着替えに行く、クランが二人の着替えを待っていると何だか外が暗くなったように感じた。クランが何か変だなと上を見ると、何か大きなものが道場に向って落ちてきた。
「…え!?」
大きな何かが道場をつぶし、たまたま外に出ようとした澪と夜は、衝撃はで外に吹っ飛ばされた。道場にいる他の弟子たちもつぶれた道場の方を一斉に見る。そこには巨大な岩、否、巨大な亀の甲羅があった。その中から次々と人間大の亀がわらわらと出てきたと思うと、その巨大な甲羅も1つの亀の魔物であった事が判明した。
2605「兄弟!いい汗かいたな。」
「あぁ、なかなか僕も強くなっただろう。」
「何で上半身脱ぐんだろう…。」
澪と夜が汗をぬぐって着替えに行く、クランが二人の着替えを待っていると何だか外が暗くなったように感じた。クランが何か変だなと上を見ると、何か大きなものが道場に向って落ちてきた。
「…え!?」
大きな何かが道場をつぶし、たまたま外に出ようとした澪と夜は、衝撃はで外に吹っ飛ばされた。道場にいる他の弟子たちもつぶれた道場の方を一斉に見る。そこには巨大な岩、否、巨大な亀の甲羅があった。その中から次々と人間大の亀がわらわらと出てきたと思うと、その巨大な甲羅も1つの亀の魔物であった事が判明した。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編32フォーチュンドール5章4話唯は幸たちが鍛錬している場所に凛太郎と共に行った。幸たちが唯を見かけると少し休憩しましょうと言い、室内の休憩室に向かっていった。
「唯、そちらの方は?」
「凛太郎さんです。この前仲良くなってからいつも話し相手になってくれるんです。」
「えへへ、よろしくお願いします。」
「おや、お前はいつぞや魔導書を盗んだクズ魔導士ではないか。」
「ひぃ!何でそんなこと!」
「魔導書を盗んだ?」
「こいつは魔導書を盗んでいろいろやっていたようだが、その時の能力は魔導書に戻させてもらった。だがそのための魔女が力を使い果たし眠っている状態だ。」
「魔導書に能力を戻すことは可能なのか?」
「今はできぬぞ、へっぽこ魔導士。」
「魔導書を読んだ尼波に何も起きなきゃいいんだが。」
2577「唯、そちらの方は?」
「凛太郎さんです。この前仲良くなってからいつも話し相手になってくれるんです。」
「えへへ、よろしくお願いします。」
「おや、お前はいつぞや魔導書を盗んだクズ魔導士ではないか。」
「ひぃ!何でそんなこと!」
「魔導書を盗んだ?」
「こいつは魔導書を盗んでいろいろやっていたようだが、その時の能力は魔導書に戻させてもらった。だがそのための魔女が力を使い果たし眠っている状態だ。」
「魔導書に能力を戻すことは可能なのか?」
「今はできぬぞ、へっぽこ魔導士。」
「魔導書を読んだ尼波に何も起きなきゃいいんだが。」
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編31フォーチュンドール5章3話衝撃吸収の能力を手に入れてから数日、まだその能力が上手く使いこなせていない幸であるが、ここ数日は気分転換も兼ねて人形作りに励んでいた。
「幸~、今日はどんな人形を作っているの?」
「これは零子にプレゼントしようかと思っているの。」
「えぇ!幸ってば、ああいうテンションの人は苦手じゃないの?」
「まぁ、うん。でもこの前も話してパパの人形の事本当に気に入ってくれてたし、せっかくだから、魂入りの人形を渡そうと思ってね。」
連絡先を交換してから幸は零子と話す機会もあり、自分だけでは知らなかった父親の人形の情報を聞くことができた。零子は本当にアマハドールシリーズが好きなようで、幸も今回は特に張り切っているようだ。しかし、1つ難点があるとするなら、他人様に渡すものだが魂の入ったものであるため、失礼のないようにある程度の常識を教えなければいけないということ。人形を完成させて、魂を入れる。数年前とは違い、魂を入れた瞬間に何かあっても、自らの力やグレーラ達もいるので何とか対処できると思いながら様子を見た。緑色の髪、水色の目、黄色、先程より濃い緑、黒を基調とした服を着ているその人形は意識を得て、きょろきょろと周りを見渡す。幸はその人形にミラルージュと名をつけると、他の人形達もミラルージュの周りに集まってきて、それぞれ自己紹介をする。幸が一仕事終えて、ふぅと息をつく、時間を確認すると、将信たちとの鍛錬の時間が迫っていた。人形作りに集中しすぎてこんなに時間が経っていると思わず、少し焦った幸は、戦うことを想定していないミラルージュにいきなり戦っているところを見られても…と思い、他の人形達にミラルージュに常識を覚えてもらうためにいろいろ教えてあげてほしいと頼む。鍛錬は幸とグレーラで行くことになり、他の人形達は幸を見送った後に、ミラルージュのほうを向く。
2908「幸~、今日はどんな人形を作っているの?」
「これは零子にプレゼントしようかと思っているの。」
「えぇ!幸ってば、ああいうテンションの人は苦手じゃないの?」
「まぁ、うん。でもこの前も話してパパの人形の事本当に気に入ってくれてたし、せっかくだから、魂入りの人形を渡そうと思ってね。」
連絡先を交換してから幸は零子と話す機会もあり、自分だけでは知らなかった父親の人形の情報を聞くことができた。零子は本当にアマハドールシリーズが好きなようで、幸も今回は特に張り切っているようだ。しかし、1つ難点があるとするなら、他人様に渡すものだが魂の入ったものであるため、失礼のないようにある程度の常識を教えなければいけないということ。人形を完成させて、魂を入れる。数年前とは違い、魂を入れた瞬間に何かあっても、自らの力やグレーラ達もいるので何とか対処できると思いながら様子を見た。緑色の髪、水色の目、黄色、先程より濃い緑、黒を基調とした服を着ているその人形は意識を得て、きょろきょろと周りを見渡す。幸はその人形にミラルージュと名をつけると、他の人形達もミラルージュの周りに集まってきて、それぞれ自己紹介をする。幸が一仕事終えて、ふぅと息をつく、時間を確認すると、将信たちとの鍛錬の時間が迫っていた。人形作りに集中しすぎてこんなに時間が経っていると思わず、少し焦った幸は、戦うことを想定していないミラルージュにいきなり戦っているところを見られても…と思い、他の人形達にミラルージュに常識を覚えてもらうためにいろいろ教えてあげてほしいと頼む。鍛錬は幸とグレーラで行くことになり、他の人形達は幸を見送った後に、ミラルージュのほうを向く。
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編30フォーチュンドール5章2話夏希は武器のメンテナンスのために翔織のもとへ向かおうとしていたが、そういえば会議は終わったのだろうかと思い、施設の入り口前で立っていた。そこに他の客人なのかもう一人、男の人が施設の入り口に向かって歩いてきた。その特徴的な見た目に夏希は見覚えがあった。体が半分機械になっているその男。藤宮鯆であった。夏希が鯆に気付くと声をあげる。
「あー!」
「なんだ私に何か用か?
「お前は前に将信の事襲ってた!」
「将信…?」
鯆は少し考えた後、思い出したようで険しい顔をする。
「あぁ、尼波の彼氏か…」
「彼…氏…」
夏希は笑いを堪えて鯆と会話を続ける。
「尼波はこの特区に来ているのか?どこにいるんだ?」
「いや…どこに…ぶはっ!」
2669「あー!」
「なんだ私に何か用か?
「お前は前に将信の事襲ってた!」
「将信…?」
鯆は少し考えた後、思い出したようで険しい顔をする。
「あぁ、尼波の彼氏か…」
「彼…氏…」
夏希は笑いを堪えて鯆と会話を続ける。
「尼波はこの特区に来ているのか?どこにいるんだ?」
「いや…どこに…ぶはっ!」
キラライ
TRAININGフォーチュンドール本編29フォーチュンドール5章1話貝森特区への移住者も落ち着き、教育施設として貝森学園が建設され、すでに数十人の入学者や見学者がいた。25歳まで任意で生徒として通うことができるこの場所に、幸も見学に行くついでに先行で入学をしていた将信に会うことにした。将信が一つ授業を終えたところ、人の捌けた教室に幸が入ってきた。幸は将信に挨拶すると早速カバンから一冊の古い本を取り出した。将信がその本を見るとぎょっとし、この本をどこで手に入れたのかと問いかける。予想通りこれは魔導書であるが、将信はそれ以上のことは専門外で分からないという。
「黒い猫についていったら拾ったのですが、やはり魔導書でしたか…」
「いくら魔法を教えることができるからって、あんまり俺を便利屋だと思うなよ?」
2872「黒い猫についていったら拾ったのですが、やはり魔導書でしたか…」
「いくら魔法を教えることができるからって、あんまり俺を便利屋だと思うなよ?」