マトリフ
なりひさ
DONEガンマト。マトリフ死亡IF、というつもりで書いたもの。あえて竜殺しの汚名をきて 竜の夢をみる。青い竜が遠い空を飛んでいる夢だ。あまりに高いところを飛ぶので、その姿は豆粒のように小さく見える。マトリフはまるで飛び方を忘れてしまったように、地上から竜を見上げていた。
しかし夢はいつも突然に終わる。誰かが廊下を歩く足音が、夢を壊していくからだ。
城の中で働く者の朝は随分と早いらしい。控えめな小走りの靴音が遠くから聞こえる。寝汚いと言われるほど寝坊をしていたマトリフが、今ではすっかり早起きになってしまった。
靴音が部屋の前を通り過ぎてからマトリフは身体を起こした。しばらくベッドの上でぼうっとしていたが、いずれ動かねばならないのだと己を叱咤してベッドから降りる。その際に手が真っ先に杖を探していた。だがそれは旅へと持っていった輝きの杖ではない。宝玉もなにも埋め込まれていない、ただ歩行を補助するための杖だった。
22872しかし夢はいつも突然に終わる。誰かが廊下を歩く足音が、夢を壊していくからだ。
城の中で働く者の朝は随分と早いらしい。控えめな小走りの靴音が遠くから聞こえる。寝汚いと言われるほど寝坊をしていたマトリフが、今ではすっかり早起きになってしまった。
靴音が部屋の前を通り過ぎてからマトリフは身体を起こした。しばらくベッドの上でぼうっとしていたが、いずれ動かねばならないのだと己を叱咤してベッドから降りる。その際に手が真っ先に杖を探していた。だがそれは旅へと持っていった輝きの杖ではない。宝玉もなにも埋め込まれていない、ただ歩行を補助するための杖だった。
okrt15
DONE旧魔王軍戦でマトリフと戦って大きな傷を負ったガンガディアと自分も体を悪くしているマトリフのもし、和解して同じ島に住んでいたらという話。色々捏造です。
ザムザが割りと出てきます
バッドエンドでは無いですがハッピーかといわれるとどうかな?という話です 18
なりひさ
DONE【ごくパ展示】ロカ+マト。最終決戦で呪いを受けて眠り続けるロカ。マトリフはロカを目覚めさせようと奮闘する。しかしロカに残された時間は少なくて……君に残す物語【ごくパ展示】 部屋は眩い光に包まれていた。回復呪文の淡緑の光はロカに惜しみなく注がれ、やがて霧散していく。
マトリフは回復呪文を唱えながら、ロカに目をやった。その瞼は閉じられ、その奥にある瞳を長く見ていない。このままでは笑った顔すら忘れてしまいそうだと思う。
「マトリフ、もういいわ」
レイラの手がやんわりとマトリフの手を止める。マトリフはまだ諦めきれない気持ちでロカの顔を見ながら、回復呪文をやめた。
「疲れたでしょう。お茶を淹れてくるから」
レイラは床で遊んでいたマァムに、おいでと誘ったが、マァムは首を横に振って手にした積み木をさらに積み上げた。
「マトリフおじさん、つみきしよう」
マァムは手にした丸い積み木をマトリフに差し出す。ロカが寝ているこの部屋が、すっかりマァムの遊び場になっているらしく、ベッドの周りにはおもちゃが散乱していた。
6566マトリフは回復呪文を唱えながら、ロカに目をやった。その瞼は閉じられ、その奥にある瞳を長く見ていない。このままでは笑った顔すら忘れてしまいそうだと思う。
「マトリフ、もういいわ」
レイラの手がやんわりとマトリフの手を止める。マトリフはまだ諦めきれない気持ちでロカの顔を見ながら、回復呪文をやめた。
「疲れたでしょう。お茶を淹れてくるから」
レイラは床で遊んでいたマァムに、おいでと誘ったが、マァムは首を横に振って手にした積み木をさらに積み上げた。
「マトリフおじさん、つみきしよう」
マァムは手にした丸い積み木をマトリフに差し出す。ロカが寝ているこの部屋が、すっかりマァムの遊び場になっているらしく、ベッドの周りにはおもちゃが散乱していた。
なりひさ
DONE【ごくパ展示】ガンマト。キャンプに行く少し前の話。ヒュンケルの恋愛相談に乗るガンガディアとマトリフ。ヒュンポプ、ハドアバ同軸設定。【ごくパ展示】恋愛指南「好きな相手にどう接すればいいか、かね」
ガンガディアは眼鏡を押し上げて目の前のヒュンケルを見下ろした。ヒュンケルは真剣に面持ちで頷く。あの小さかったヒュンケルがそんな悩みを口にするほどに成長したとは感動を覚える。
「そういう相談ならガンガディアに、と父さんが」
言ってヒュンケルはちらりとマトリフを見た。マトリフは我関せずという風に本を読んでいる。ガンガディアとマトリフがパートナーであることは皆が知っていることだった。
「私で良ければ相談に乗ろう」
「よろしく頼む」
「好きな相手にどう接すれば良いか、だったな。もちろん一概に言えることではない。ひとは様々だ」
ガンガディアは当たり障りがないことを言いながら思考を巡らせる。相談に乗ると言ったものの、恋愛は得意な事柄ではなかった。マトリフとパートナーになったが、彼以外に恋愛感情を持ったことすらない。
3221ガンガディアは眼鏡を押し上げて目の前のヒュンケルを見下ろした。ヒュンケルは真剣に面持ちで頷く。あの小さかったヒュンケルがそんな悩みを口にするほどに成長したとは感動を覚える。
「そういう相談ならガンガディアに、と父さんが」
言ってヒュンケルはちらりとマトリフを見た。マトリフは我関せずという風に本を読んでいる。ガンガディアとマトリフがパートナーであることは皆が知っていることだった。
「私で良ければ相談に乗ろう」
「よろしく頼む」
「好きな相手にどう接すれば良いか、だったな。もちろん一概に言えることではない。ひとは様々だ」
ガンガディアは当たり障りがないことを言いながら思考を巡らせる。相談に乗ると言ったものの、恋愛は得意な事柄ではなかった。マトリフとパートナーになったが、彼以外に恋愛感情を持ったことすらない。
lovepopp_ibkino
DONE獄炎のマトリフまとめです。超天才、規格外な力を持つゆえの孤独な大魔法使い。
素直じゃないけど、実は人情味があって心がアツくて仲間のために身体を張れる彼が大好きです。 10
たらpoipiku
MOURNINGたまきず時空にて、最終決戦の深層神殿へ行く前夜の会話だけ。マトリフ師匠とアバン先生とクロコダインを呑ませたいなと思ってたら、ホントに中身のない会話をしはじめて、まとまらず。呑んだくれているのでテンポもあがらず。
これ以上、どこにも話が行きそうにないので、とりあえずアップしてみました。
本当は、師匠が寿命で亡くなってもミラドで逢えるかもって話もしようかと思いましたがそぐわない気がしたのでカット。
絆の旅路-捏造7章5.6話の別の部屋 呑んだくれな大人たち-マトリフとアバンが割り当てられた部屋にて。
外で寝るなら床で寝てもいいだろうと誘われたクロコダインがかなりの酒瓶を消費している。
マトリフ
「ってぇことは、おめぇが凍ったハドラーをかっぱらった張本人か!」
アバン
「マトリフ。『かっぱらった』は無いでしょう。当時のクロコダインの立場からすれば『頼まれて、取り返した』ですよ」
マトリフ
「うちの弟子が地面を火炎呪文で掘ったことがある。それはおめぇさんに倣ったってハナシだが。それの大元があの時のハドラー強奪たぁね」
アバン
「どこで縁が繋がるかわかりませんね」
マトリフ
「オレが使うには気持ちのわりぃ言葉だが、これもピラの言葉を借りると絆が繋がったってやつかね」
クロコダイン
2122外で寝るなら床で寝てもいいだろうと誘われたクロコダインがかなりの酒瓶を消費している。
マトリフ
「ってぇことは、おめぇが凍ったハドラーをかっぱらった張本人か!」
アバン
「マトリフ。『かっぱらった』は無いでしょう。当時のクロコダインの立場からすれば『頼まれて、取り返した』ですよ」
マトリフ
「うちの弟子が地面を火炎呪文で掘ったことがある。それはおめぇさんに倣ったってハナシだが。それの大元があの時のハドラー強奪たぁね」
アバン
「どこで縁が繋がるかわかりませんね」
マトリフ
「オレが使うには気持ちのわりぃ言葉だが、これもピラの言葉を借りると絆が繋がったってやつかね」
クロコダイン
なりひさ
MAIKINGガンマト。罠を使ってマトリフを捕まえるガンガディア【まおしゅう2展示】罠を使って大魔道士捕獲大作戦 ガンガディアは茂みに隠れて罠を見ていた。鬱蒼とした森の中は小鳥の声がどこからか聞こえている。
罠と一口に言っても種類は多彩だ。天井がないタイプの囲い罠、罠を踏むと足が括られて捕まえられる括り罠、檻のような箱に餌で誘導して捕まえる箱罠などだ。
今回の獲物は飛翔呪文が使えるので囲い罠では無意味だ。また括り罠では獲物の足を痛める可能性があるから却下。そのためガンガディアは箱罠を用意していた。餌を地面に設置して、その頭上に鉄製の檻を用意してある。もちろんこの檻は目で見えないように細工してある。
人の気配を感じてガンガディアは息をひそめる。見ればこちらに歩いてくる人影があった。それが今回の獲物、大魔道士マトリフであるとわかる。
3919罠と一口に言っても種類は多彩だ。天井がないタイプの囲い罠、罠を踏むと足が括られて捕まえられる括り罠、檻のような箱に餌で誘導して捕まえる箱罠などだ。
今回の獲物は飛翔呪文が使えるので囲い罠では無意味だ。また括り罠では獲物の足を痛める可能性があるから却下。そのためガンガディアは箱罠を用意していた。餌を地面に設置して、その頭上に鉄製の檻を用意してある。もちろんこの檻は目で見えないように細工してある。
人の気配を感じてガンガディアは息をひそめる。見ればこちらに歩いてくる人影があった。それが今回の獲物、大魔道士マトリフであるとわかる。
なりひさ
DONEガンマト。片付けをしていたマトリフはあるものを見つける。それは絶対にガンガディアに知られてはいけないものだった。マトリフはそれをこっそり処分しようとするが……【まおしゅう2展示】絶対に見つかってはいけないものを消滅させる話 マトリフは見つけた箱を手にして首を傾げた。マトリフの洞窟には雑多な物が溢れている。散らかったそれらを片付けようと気まぐれを起こしたはいいものの、中には持ち主のマトリフでさえ不可解な物も紛れていた。
マトリフが手にしたのは細長い箱である。ちょうど輝きの杖が入るほどの大きさだ。随分と重く、やけに頑丈な木箱で、厳重に封がされている。中身が思い出せなくてマトリフは記憶を辿った。だが思い出せない。
ならば見たほうが早かろうと封を解く。木箱の蓋をぱかりと開ければ、そこに鎮座したものが目に入った。
「やべ……」
マトリフは即座に蓋をした。そしてさっき剥がした封をきっちりと巻き付ける。中に入っていた物は、確かにマトリフが過去に使っていた物だ。だがあまりの威力に、使うのを止めて仕舞い込んでいた。
4403マトリフが手にしたのは細長い箱である。ちょうど輝きの杖が入るほどの大きさだ。随分と重く、やけに頑丈な木箱で、厳重に封がされている。中身が思い出せなくてマトリフは記憶を辿った。だが思い出せない。
ならば見たほうが早かろうと封を解く。木箱の蓋をぱかりと開ければ、そこに鎮座したものが目に入った。
「やべ……」
マトリフは即座に蓋をした。そしてさっき剥がした封をきっちりと巻き付ける。中に入っていた物は、確かにマトリフが過去に使っていた物だ。だがあまりの威力に、使うのを止めて仕舞い込んでいた。
なりひさ
DONEガンマト。ガンガディアがお菓子を作ると言い出した。マトリフはそれを手伝うが、問題が発生してしまう。ガンガディアの目的とは?【まおしゅう2展示】大魔道士の胃袋を掴もう大作戦「大魔道士、台所を使ってもいいだろうか」
ガンガディアの言葉にマトリフは読んでいた魔導書から顔を上げる。帰ってきたばかりのガンガディアの腕には紙袋があった。
お日様燦々のどかな午後。いつもは薄暗いマトリフの洞窟でさえ暖かな空気が満ちていた。
「台所? 何するんだ」
「もちろん料理だ」
ガンガディアは買い物に行くと言っていたから何か買ってきたのだろう。しかしマトリフは訝しげに眉間に皺を寄せた。
「料理って、どういう風の吹き回しだ」
ガンガディアは料理というものをしたことがないはずだ。普段の食事は果物や肉を生で食べるので調理の必要がなく、いつもマトリフの食事を珍しそうに見ている。そのマトリフだって大抵は魚を焼くか、作ってもスープくらいである。
3622ガンガディアの言葉にマトリフは読んでいた魔導書から顔を上げる。帰ってきたばかりのガンガディアの腕には紙袋があった。
お日様燦々のどかな午後。いつもは薄暗いマトリフの洞窟でさえ暖かな空気が満ちていた。
「台所? 何するんだ」
「もちろん料理だ」
ガンガディアは買い物に行くと言っていたから何か買ってきたのだろう。しかしマトリフは訝しげに眉間に皺を寄せた。
「料理って、どういう風の吹き回しだ」
ガンガディアは料理というものをしたことがないはずだ。普段の食事は果物や肉を生で食べるので調理の必要がなく、いつもマトリフの食事を珍しそうに見ている。そのマトリフだって大抵は魚を焼くか、作ってもスープくらいである。
なりひさ
DONEガンマト。恋人同士のガンガディアとマトリフ。しかしマトリフはガンガディアに「好き」と素直に言えなかった。そんなある日、ガンガディアが魔界へ行くと知ってしまう。マトリフは自分の気持ちに素直になれるのか【まおしゅう2展示】素直に「好き」と言えない大魔道士の話「よう、邪魔するぞ」
マトリフは言葉と同時に扉に手をかける。そこは地底魔城のガンガディアの部屋だった。
ガンガディアは突然入ってきたマトリフに怒るでもなく、柔らかな笑顔で出迎えた。嬉しさを隠しもしないその表情に、マトリフも自然と笑みが浮かぶ。
「大魔道士」
ガンガディアは身を屈めてマトリフを抱きしめた。その大きく温かな身体に抱きしめられて満たされた気持ちになる。マトリフも腕を伸ばして大きなガンガディアの身体を抱き返した。
「散らかっていてすまない。調べ物をしていて」
ガンガディアの言葉通り、部屋は魔導書や地図などが散乱していた。それは生真面目で綺麗好きなガンガディアには珍しいことだった。
ガンガディアは身を屈めると本を拾い集めてた。マトリフも足元にあった地図を拾い上げる。
6120マトリフは言葉と同時に扉に手をかける。そこは地底魔城のガンガディアの部屋だった。
ガンガディアは突然入ってきたマトリフに怒るでもなく、柔らかな笑顔で出迎えた。嬉しさを隠しもしないその表情に、マトリフも自然と笑みが浮かぶ。
「大魔道士」
ガンガディアは身を屈めてマトリフを抱きしめた。その大きく温かな身体に抱きしめられて満たされた気持ちになる。マトリフも腕を伸ばして大きなガンガディアの身体を抱き返した。
「散らかっていてすまない。調べ物をしていて」
ガンガディアの言葉通り、部屋は魔導書や地図などが散乱していた。それは生真面目で綺麗好きなガンガディアには珍しいことだった。
ガンガディアは身を屈めると本を拾い集めてた。マトリフも足元にあった地図を拾い上げる。
なりひさ
DONE闇堕ち黒アバンと闇堕ちてない黒マトリフの話黒雲 黒い空には雷鳴が響いていた。強い風が吹き、重たい雲が引き摺られるように動いている。それは大きな化け物のように空を覆っていた。
ポップはまだ信じたくない気持ちで二人を見つめていた。空に浮かぶ二人の人物。それはポップにとっての先生と師匠だった。
「おやぁ、今日はポップが相手をしてくれるんですか?」
アバン先生はにこやかに言った。黒いマントと服が強い風に靡いている。
「ねえマトリフ。ほらポップですよ」
マトリフは腕を組んだままポップからは視線を外していた。まるで見ないようにするかのように。
「アバン先生、マトリフ師匠、なんでこんなことするんだよ!」
ポップの背後には街があった。豊かで人口の多い大きな街だった。だが今は跡形もなく破壊されている。ポップは知らせを聞いて文字通り飛んできたが、間に合わなかった。
9072ポップはまだ信じたくない気持ちで二人を見つめていた。空に浮かぶ二人の人物。それはポップにとっての先生と師匠だった。
「おやぁ、今日はポップが相手をしてくれるんですか?」
アバン先生はにこやかに言った。黒いマントと服が強い風に靡いている。
「ねえマトリフ。ほらポップですよ」
マトリフは腕を組んだままポップからは視線を外していた。まるで見ないようにするかのように。
「アバン先生、マトリフ師匠、なんでこんなことするんだよ!」
ポップの背後には街があった。豊かで人口の多い大きな街だった。だが今は跡形もなく破壊されている。ポップは知らせを聞いて文字通り飛んできたが、間に合わなかった。
なりひさ
DONEマトリフとポップのクリスマスの話聖夜の贈り物 良い子が眠るクリスマスイブ。その夜は星が綺麗に見える夜だった。
ポップはその夜、師匠であるマトリフの洞窟へと来ていた。お手製のチェリーパイでささやかなクリスマスディナーを楽しんだあと、ポップは先に寝ることにした。寝酒を飲みながら本を読んでいる宵っ張りの爺に付き合っていては、明日のダイとの約束に寝坊してしまう。
ポップが暖かな布団に包まってウトウトとしていると、微かに物音がした。マトリフも寝に来たのかとポップが夢現に思っていると、何やら妙な気配がする。人ではない何かが近くに来たような気がして、ポップはぱっと目を覚ました。
「ぎゃっ!」
目を開けたポップは驚いて飛び退いた。何か黒い影が宙に浮いている。するとその黒い影はゆっくりとポップの布団の上に下りてきた。ポップは慌ててメラで蝋燭に火をつける。そこにあったのは紙で包まれた何かだった。
5615ポップはその夜、師匠であるマトリフの洞窟へと来ていた。お手製のチェリーパイでささやかなクリスマスディナーを楽しんだあと、ポップは先に寝ることにした。寝酒を飲みながら本を読んでいる宵っ張りの爺に付き合っていては、明日のダイとの約束に寝坊してしまう。
ポップが暖かな布団に包まってウトウトとしていると、微かに物音がした。マトリフも寝に来たのかとポップが夢現に思っていると、何やら妙な気配がする。人ではない何かが近くに来たような気がして、ポップはぱっと目を覚ました。
「ぎゃっ!」
目を開けたポップは驚いて飛び退いた。何か黒い影が宙に浮いている。するとその黒い影はゆっくりとポップの布団の上に下りてきた。ポップは慌ててメラで蝋燭に火をつける。そこにあったのは紙で包まれた何かだった。
なりひさ
DONEガンマト。マトリフとクロコダインの会話おめえかよ テランの森の小屋はハドラーの急襲をダイが返り討ちにしてから、ようやく静かな夜を取り戻していた。
クロコダインは小屋の前で見張りに立っていた。もう敵襲はないだろうが、念のために警戒している。
小屋の扉が開く。見ればマトリフが小屋から出てきていた。
「寝てなくて良いのか」
ポップから聞いた話ではマトリフは体が悪いらしい。さらにハドラーの攻撃に対抗して呪文を使って吐血したらしく、ベッドを使って寝ていたはずだ。
「ベッドならあのバカに譲った」
マトリフは腕を組んで口を曲げている。あのバカが指すのがポップだとクロコダインはすぐに気付いた。二人は師弟関係にあり、親しくしているのを見ていた。ポップは大丈夫だと言っていたが、無理をしているのをマトリフは見抜いたのだろう。
2333クロコダインは小屋の前で見張りに立っていた。もう敵襲はないだろうが、念のために警戒している。
小屋の扉が開く。見ればマトリフが小屋から出てきていた。
「寝てなくて良いのか」
ポップから聞いた話ではマトリフは体が悪いらしい。さらにハドラーの攻撃に対抗して呪文を使って吐血したらしく、ベッドを使って寝ていたはずだ。
「ベッドならあのバカに譲った」
マトリフは腕を組んで口を曲げている。あのバカが指すのがポップだとクロコダインはすぐに気付いた。二人は師弟関係にあり、親しくしているのを見ていた。ポップは大丈夫だと言っていたが、無理をしているのをマトリフは見抜いたのだろう。
なりひさ
DONEガンマト。デトロイトビカムヒューマンのパロ。ガンガディアがアンドロイドで、画家のマトリフを介護している。善の鼓動善の鼓動
「おはようマトリフ」
言いながらカーテンを開けた。太陽は既に高い位置にある。背後のベッドからは呻き声が聞こえた。マトリフは日光を遮るように手を上げてから寝返りをうった。
「もう十時を過ぎている。さっき画材屋から絵具を受け取ってきた。昼からは小雨が降るそうだ」
「二度寝日和だな」
私はベッドサイドに移動してコップに水を注ぐ。そばにあった薬と一緒にマトリフに差し出した。
「さあ飲んで」
「どうだ、お前も一緒に二度寝しないか」
マトリフは差し出した薬を無視して私を誘う。だがそれに応じては駄目だと瞬時に判断した。
「薬を飲んで」
「ふん」
マトリフはぼやきながら薬を手に取って水で流し込んだ。マトリフは長年の病気のせいで心臓が悪い。時間通りに服薬させることも私の仕事のひとつだった。
33718「おはようマトリフ」
言いながらカーテンを開けた。太陽は既に高い位置にある。背後のベッドからは呻き声が聞こえた。マトリフは日光を遮るように手を上げてから寝返りをうった。
「もう十時を過ぎている。さっき画材屋から絵具を受け取ってきた。昼からは小雨が降るそうだ」
「二度寝日和だな」
私はベッドサイドに移動してコップに水を注ぐ。そばにあった薬と一緒にマトリフに差し出した。
「さあ飲んで」
「どうだ、お前も一緒に二度寝しないか」
マトリフは差し出した薬を無視して私を誘う。だがそれに応じては駄目だと瞬時に判断した。
「薬を飲んで」
「ふん」
マトリフはぼやきながら薬を手に取って水で流し込んだ。マトリフは長年の病気のせいで心臓が悪い。時間通りに服薬させることも私の仕事のひとつだった。
なりひさ
DONEガンマト。カラー表紙のプールにいる目隠し束縛マトリフとガンガディアプール 若者のはしゃぐ声が聞こえる。跳ねる水音は軽やかだった。陽射しはさんさんと降り注ぎ、夏の匂いが漂っていた。
だがマトリフの視界は真っ暗に閉ざされていた。腕は胴体ごと縛られている。その姿は楽しげなプールサイドには似つかわしくないものだったが、自業自得でもあった。
アバンたちは揃ってプールに来ていた。知り合いからオープン前に誘われて、貸切状態で遊んでいたのだ。マトリフも水着を着て遊ぶのかと思いきや、プールサイドに陣取って、目の保養とばかりににやけて若者たちの水着姿を眺めていた。だがその視線だけでも御用となった。マトリフは目隠しをされた上にチェアに縛り付けられてしまった。
「ちぇっ……」
せっかくの楽しみを奪われてマトリフは不貞腐れた。そのマトリフに影が差す。マトリフも気配に気づいて顔を上げた。
968だがマトリフの視界は真っ暗に閉ざされていた。腕は胴体ごと縛られている。その姿は楽しげなプールサイドには似つかわしくないものだったが、自業自得でもあった。
アバンたちは揃ってプールに来ていた。知り合いからオープン前に誘われて、貸切状態で遊んでいたのだ。マトリフも水着を着て遊ぶのかと思いきや、プールサイドに陣取って、目の保養とばかりににやけて若者たちの水着姿を眺めていた。だがその視線だけでも御用となった。マトリフは目隠しをされた上にチェアに縛り付けられてしまった。
「ちぇっ……」
せっかくの楽しみを奪われてマトリフは不貞腐れた。そのマトリフに影が差す。マトリフも気配に気づいて顔を上げた。
なりひさ
DONEガンマト。キギロに恋愛相談をするマトリフの話恋愛相談 キギロは空を見上げる。丸く囲まれた空は、今日も青かった。
キギロは挿木だ。地底魔城へと下りる階段の、ちょっとした隙間に植わっている。まだ小さいために自由に歩くことも出来ない。だから日がな一日空を見上げるくらいしかする事がない。だから話し相手は大歓迎で、少々気に入らない相手でもいいから暇潰しに話をしたいくらいだった。
だが、誰でもいいというわけではない。例えば、今こちらに歩いて来ている人間なんてもってのほかだった。
「よお、雑草」
大魔道士と呼ばれる人間がキギロを見下ろして言った。キギロは小さな手を握り締める。
「もしそれがボクを呼んだのだとしたら許さないよ」
大魔道士はキギロの言葉を気にする風もなく隣に腰を下ろした。大魔道士は帽子を脱ぐとクッション代わりに背に置いている。
5931キギロは挿木だ。地底魔城へと下りる階段の、ちょっとした隙間に植わっている。まだ小さいために自由に歩くことも出来ない。だから日がな一日空を見上げるくらいしかする事がない。だから話し相手は大歓迎で、少々気に入らない相手でもいいから暇潰しに話をしたいくらいだった。
だが、誰でもいいというわけではない。例えば、今こちらに歩いて来ている人間なんてもってのほかだった。
「よお、雑草」
大魔道士と呼ばれる人間がキギロを見下ろして言った。キギロは小さな手を握り締める。
「もしそれがボクを呼んだのだとしたら許さないよ」
大魔道士はキギロの言葉を気にする風もなく隣に腰を下ろした。大魔道士は帽子を脱ぐとクッション代わりに背に置いている。
なりひさ
DONEガンマト。凍れる時間の秘法期間の二人。仲良くないバージョン。原作程度のマトリフの吐血あり。溶けない氷 マトリフは膨大な魔法力が無意味なまま霧散するのを感じた。もっとも、この呪文でも凍りついた勇者を救えないとわかっていた。だがもし万が一、ほんの少しでも可能性があるならと、縋るような気持ちで呪文を唱えたのだ。
勇者アバンは寸分違わない状態でそこに立っていた。マトリフは震える手を握りしめる。強大な威力の呪文はマトリフの手を焼いていった。その肉が焦げた匂いが鼻につく。回復呪文をかけなければと頭では思いながら、膝の力が抜けてその場にしゃがみ込んだ。
焼け爛れた手のひらを見つめる。こんなことをしたって、アバンは救えない。
「ッ……!」
マトリフは急に息苦しさを感じて胸元を掴んだ。内臓が締め付けられるような感覚に体を丸める。それが先ほど使った呪文のせいだとわかっていた。この呪文は人間が使えるものではない。その強大さは人間の肉体には負荷が大きすぎるからだ。
1815勇者アバンは寸分違わない状態でそこに立っていた。マトリフは震える手を握りしめる。強大な威力の呪文はマトリフの手を焼いていった。その肉が焦げた匂いが鼻につく。回復呪文をかけなければと頭では思いながら、膝の力が抜けてその場にしゃがみ込んだ。
焼け爛れた手のひらを見つめる。こんなことをしたって、アバンは救えない。
「ッ……!」
マトリフは急に息苦しさを感じて胸元を掴んだ。内臓が締め付けられるような感覚に体を丸める。それが先ほど使った呪文のせいだとわかっていた。この呪文は人間が使えるものではない。その強大さは人間の肉体には負荷が大きすぎるからだ。
なりひさ
DONEみんな生存IF話。「もしもポップがギュータでマトリフと出会っていたら」と同じ世界設定です。もしもヒュンケルが地底魔城でバルトスと仲良く暮らしていたら ヒュンケルはジョウロに水を満たした。小さい頃から変わらず使っているジョウロは、今では片手で持てるほどになった。もう片方の手には植木鉢を持っている。普段は部屋に置いてあるのだが、天気の良い日は外へ運び出すことにしていた。
「トマトの橫には置くなよ」
植木鉢に植わっているキギロが言った。キギロは苗木のような小ささで、細い枝を伸ばしている。昨日は畑の横に置いたので虫が寄ってきたらしい。
「わかった」
ヒュンケルは言葉少なに答える。十をいくつか超えたほどの年齢になったヒュンケルは畑の管理を一任されていた。
通路を通り抜ければかつて闘技場だった場所に出る。そこは畑に姿を変えていた。何種類もの作物が植えられ、そのいくつかは収獲の頃を迎えていた。
7802「トマトの橫には置くなよ」
植木鉢に植わっているキギロが言った。キギロは苗木のような小ささで、細い枝を伸ばしている。昨日は畑の横に置いたので虫が寄ってきたらしい。
「わかった」
ヒュンケルは言葉少なに答える。十をいくつか超えたほどの年齢になったヒュンケルは畑の管理を一任されていた。
通路を通り抜ければかつて闘技場だった場所に出る。そこは畑に姿を変えていた。何種類もの作物が植えられ、そのいくつかは収獲の頃を迎えていた。
なりひさ
DONEガンマト。爆弾岩と一緒に狭い洞窟に閉じ込められたガンガディアとマトリフの話。【まおしゅう展示】狭い洞窟に爆弾岩と一緒に閉じ込められたんだが!? マトリフが気がつくとそこは暗闇だった。頭をぶつけたらしく、くらくらする。何も見えないが立ちあがろうとして、また頭をぶつけた。そのときになってマトリフは自分が洞窟にいることを思い出した。洞窟は狭いらしく、立ち上がれないほどだった。出入口がぴったり塞がれているのか、光がまるでない。マトリフは目をすがめてあたりを見渡した。
「ひでぇなこりゃ」
マトリフはメラを灯してあたりを見ようとした。だが真っ先に見えたのは青い壁だった。いや、壁ほども大きいガンガディアの体だった。
「熱い」
メラが当たったのかガンガディアは迷惑そうに言った。ガンガディアは大きな体を屈めている。頭が洞窟の天井についていて窮屈そうだった。さっきマトリフが頭をぶつけたのはガンガディアの腕だったらしい。マトリフはちょうどガンガディアの膝あたりにいた。あまりの近さに飛び退こうとしたが、すぐに背がぶつかる。見ればそれはガンガディアの手だった。
7367「ひでぇなこりゃ」
マトリフはメラを灯してあたりを見ようとした。だが真っ先に見えたのは青い壁だった。いや、壁ほども大きいガンガディアの体だった。
「熱い」
メラが当たったのかガンガディアは迷惑そうに言った。ガンガディアは大きな体を屈めている。頭が洞窟の天井についていて窮屈そうだった。さっきマトリフが頭をぶつけたのはガンガディアの腕だったらしい。マトリフはちょうどガンガディアの膝あたりにいた。あまりの近さに飛び退こうとしたが、すぐに背がぶつかる。見ればそれはガンガディアの手だった。
なりひさ
DONEガンマト+ポプ。ガンガディアはマトリフから愛されてるの気付いてねえなって話かわいい弟子と「師匠〜!」
元気のいい声が洞窟まで響いてきた。その声の主はマトリフの愛弟子である。私はそっとマトリフを見た。マトリフは読んでいた本から顔を上げると、頬杖をついて不機嫌そうな顔を作った。
「なあ師匠〜いるか〜?」
「うるせえな。いることくらいわかってんだろ」
ポップは何冊もの分厚い魔導書を抱えて洞窟へと入ってきた。魔導書を机に置くと私に向かって人好きのする笑顔を向けてくる。私は小さく手を上げて応えた。
「助けてくれよ師匠〜。この呪文なんだけどさ」
「なんだよ……おめえ、またこんな古代呪文引っ張り出してきたのか……」
大魔道士二人は顔を寄せ合って一冊の魔導書を覗き込んでいる。ポップはパプニカの宮廷魔道士をしており、時折こうして魔導書片手にマトリフを訪ねてくる。ポップは古代呪文を研究しているらしく、マトリフに呪文の助言を求めにくるのだ。短くても数時間、長ければ数日間は二人でああでもないこうでもないと議論を交わす。マトリフは面倒臭いなどとぼやきながらも、この時間を楽しみにしていた。私は二人の邪魔をしないようにとそっと席を外した。
2016元気のいい声が洞窟まで響いてきた。その声の主はマトリフの愛弟子である。私はそっとマトリフを見た。マトリフは読んでいた本から顔を上げると、頬杖をついて不機嫌そうな顔を作った。
「なあ師匠〜いるか〜?」
「うるせえな。いることくらいわかってんだろ」
ポップは何冊もの分厚い魔導書を抱えて洞窟へと入ってきた。魔導書を机に置くと私に向かって人好きのする笑顔を向けてくる。私は小さく手を上げて応えた。
「助けてくれよ師匠〜。この呪文なんだけどさ」
「なんだよ……おめえ、またこんな古代呪文引っ張り出してきたのか……」
大魔道士二人は顔を寄せ合って一冊の魔導書を覗き込んでいる。ポップはパプニカの宮廷魔道士をしており、時折こうして魔導書片手にマトリフを訪ねてくる。ポップは古代呪文を研究しているらしく、マトリフに呪文の助言を求めにくるのだ。短くても数時間、長ければ数日間は二人でああでもないこうでもないと議論を交わす。マトリフは面倒臭いなどとぼやきながらも、この時間を楽しみにしていた。私は二人の邪魔をしないようにとそっと席を外した。
なりひさ
DONEガンマト。敵同士の二人。風邪っぴきマトリフがガンガディアに連れ去られる。作業用BGM「からっぽのまにまに」君と一緒にいる未来が見えた気がした マトリフの異変に最初に気づいたのはロカだった。最後尾を歩いていたロカは、前方のマトリフの歩く速度が遅くなっていると気付いた。
「大丈夫かマトリフ。背負ってやろうか?」
マトリフは高齢ゆえに体力がない。これまでに何度も彼を運んだ経験があるロカは迷わずに言った。だがマトリフの顔を見てロカは驚く。それはただ体力切れではない顔色の悪さだった。
「ああ……わりぃ……」
マトリフは足を止めたが、体がふらふらと揺れていた。そもそも、いつもなら自分から「疲れたから運べ」と言ってくるマトリフである。それが憎まれ口も叩けないのか、帽子を脱いで汗を拭っていた。
「おい、調子悪いのか?」
ロカは思わずマトリフの体を支えた。そうでもしないと今にも倒れそうだったからだ。その触れた体が熱い。布越しでもその体温の高さが伝わってきた。
7440「大丈夫かマトリフ。背負ってやろうか?」
マトリフは高齢ゆえに体力がない。これまでに何度も彼を運んだ経験があるロカは迷わずに言った。だがマトリフの顔を見てロカは驚く。それはただ体力切れではない顔色の悪さだった。
「ああ……わりぃ……」
マトリフは足を止めたが、体がふらふらと揺れていた。そもそも、いつもなら自分から「疲れたから運べ」と言ってくるマトリフである。それが憎まれ口も叩けないのか、帽子を脱いで汗を拭っていた。
「おい、調子悪いのか?」
ロカは思わずマトリフの体を支えた。そうでもしないと今にも倒れそうだったからだ。その触れた体が熱い。布越しでもその体温の高さが伝わってきた。
なりひさ
DONEガンマト。幼児化したマトリフの話小さな頃に見たもの アバンはマトリフに会うために海岸沿いに降り立った。穏やかな気候は心地よい潮風を運んでくる。
アバンが洞窟の入り口へと向かっていると大きな声が聞こえた。それは子供特有の柔らかくも甲高い声で、悲鳴のようだった。アバンは声のしたほうへと急ぐ。だがその声はどうやらマトリフの洞窟から聞こえていた。
「どうしたんですか!」
アバンは言いながら洞窟に駆け込む。すると今ではすっかり馴染みとなったガンガディアが困り果てたようにアバンを見た。その顔が半分凍っている。小さな子どもがガンガディアの耳を掴んでぶら下がり、ガンガディアに向かってヒャドを唱えていた。まだ五つか六つほどの歳だろうか。淡い色の髪で手足が棒のように細い。
7546アバンが洞窟の入り口へと向かっていると大きな声が聞こえた。それは子供特有の柔らかくも甲高い声で、悲鳴のようだった。アバンは声のしたほうへと急ぐ。だがその声はどうやらマトリフの洞窟から聞こえていた。
「どうしたんですか!」
アバンは言いながら洞窟に駆け込む。すると今ではすっかり馴染みとなったガンガディアが困り果てたようにアバンを見た。その顔が半分凍っている。小さな子どもがガンガディアの耳を掴んでぶら下がり、ガンガディアに向かってヒャドを唱えていた。まだ五つか六つほどの歳だろうか。淡い色の髪で手足が棒のように細い。
なりひさ
DONEバル+マト。大師匠にベタンを使うマトリフベタンの正しい使い方 マトリフはバルゴートの部屋へと呼び出された。その理由はわかっていたのでマトリフは不貞腐れた気持ちでその扉を開けた。
バルゴートは胡座をかいて宙に浮いている。何故かは知らないがやたらと宙に浮きたがる人だった。マトリフは今さら気にすることなく部屋の中ほどまで進む。
「……何故呼ばれたか理解しているのか」
「門限を破ったからだろ」
「わかっているのに何故破る」
バルゴートがマトリフの前に降り立った。
「門限が早すぎんだよ。日暮れが門限ってガキかよオレは。そんなんじゃ楽しい店は開いてねえだろ」
マトリフはお姉さんが沢山いるお店で遊ぶために門限を破ったのだ。もっとも、年齢制限に引っかかり、入店できずに帰ってきたところで捕まってしまった。
2191バルゴートは胡座をかいて宙に浮いている。何故かは知らないがやたらと宙に浮きたがる人だった。マトリフは今さら気にすることなく部屋の中ほどまで進む。
「……何故呼ばれたか理解しているのか」
「門限を破ったからだろ」
「わかっているのに何故破る」
バルゴートがマトリフの前に降り立った。
「門限が早すぎんだよ。日暮れが門限ってガキかよオレは。そんなんじゃ楽しい店は開いてねえだろ」
マトリフはお姉さんが沢山いるお店で遊ぶために門限を破ったのだ。もっとも、年齢制限に引っかかり、入店できずに帰ってきたところで捕まってしまった。
なりひさ
DONEガンマト。本に封印されたガンガディアがマトリフの魔力供給によって力を貸す話本「よせよ、師匠」
ポップは悲痛な顔で呟いた。マトリフの行動を止めるように腕を掴む。ポップの伏せられた瞼が己の不甲斐なさに震えていた。しかしマトリフの意志は固く、ポップの手を取るとそっと腕から外した。
時刻は早朝だった。しかし清爽さとは無縁の鎮痛な空気が洞窟に満ちている。大魔道士が二人揃っても解決できない問題に直面していたからだ。数多の呪文も叡智もこの問題の解決は不可能だった。ポップは悔しそうに拳を握りしめる。
「おれにもっと力があれば……」
「そう落ち込むな。オレの魔法力で済むなら安いもんだ」
マトリフは書架から一冊の本を手に取った。皮表紙のそれは金文字で仰々しく飾られているが古寂びている。長い年月人の手にあったことを示すように落ち着いた色合いになったその本は、マトリフの手によく馴染んでいた。
1743ポップは悲痛な顔で呟いた。マトリフの行動を止めるように腕を掴む。ポップの伏せられた瞼が己の不甲斐なさに震えていた。しかしマトリフの意志は固く、ポップの手を取るとそっと腕から外した。
時刻は早朝だった。しかし清爽さとは無縁の鎮痛な空気が洞窟に満ちている。大魔道士が二人揃っても解決できない問題に直面していたからだ。数多の呪文も叡智もこの問題の解決は不可能だった。ポップは悔しそうに拳を握りしめる。
「おれにもっと力があれば……」
「そう落ち込むな。オレの魔法力で済むなら安いもんだ」
マトリフは書架から一冊の本を手に取った。皮表紙のそれは金文字で仰々しく飾られているが古寂びている。長い年月人の手にあったことを示すように落ち着いた色合いになったその本は、マトリフの手によく馴染んでいた。
なりひさ
DONEガンマト。ガンガディアを想って彼の死に場所を呪文で花畑にするマトリフ空に君を想う 平和が訪れた。その功労者である勇者がひっそりと訪れたのは魔王軍との最終決戦の地だった。
あの戦いで魔王軍は勇者たちを待ち構えていた。地底魔城のその周囲を埋め尽くすほどの魔物たちを一手に引き受けたのはマトリフだった。その魔王軍の先頭にいたデストロールをアバンは覚えている。そこからどんな戦闘になったのかは、先に進んだアバンには知りようがなかった。ただ勝ったのはマトリフで、その戦闘の激しさは筆舌に尽くしがたいものだったのは変わり果てた地形からも明らかだった。
だが、今その地面が変わっていることにアバンは驚いていた。呪文のせいか、あるいは魔物たちの攻撃で抉れて起伏が激しくなっていた地面には一面の花が咲いていた。それが風に吹かれて揺れている。
1952あの戦いで魔王軍は勇者たちを待ち構えていた。地底魔城のその周囲を埋め尽くすほどの魔物たちを一手に引き受けたのはマトリフだった。その魔王軍の先頭にいたデストロールをアバンは覚えている。そこからどんな戦闘になったのかは、先に進んだアバンには知りようがなかった。ただ勝ったのはマトリフで、その戦闘の激しさは筆舌に尽くしがたいものだったのは変わり果てた地形からも明らかだった。
だが、今その地面が変わっていることにアバンは驚いていた。呪文のせいか、あるいは魔物たちの攻撃で抉れて起伏が激しくなっていた地面には一面の花が咲いていた。それが風に吹かれて揺れている。
なりひさ
DONEガンマト。3人のマトリフに翻弄されるガンガディアそしてこのあと無茶苦茶4Pした ガンガディアは目の前に並ぶ三人のマトリフを見下ろした。三人だ。よく見れば年齢が異なるのだとわかる。その三人のマトリフがニヤニヤとガンガディアを見上げていた。
ちょっとした時空の歪みから同じ人物が複数人存在する怪奇現象が起こった。そのためにマトリフは三人になり、なぜかそろってガンガディアのところへ来た。一人はガンガディアのよく知るマトリフだ。もう一人はそれより若く、えりあしを刈り上げにしている。もう一人は年齢を重ねたマトリフで、こちらは髪型をオールバックにしていた。
三人が何かを企んでいるのは一目瞭然だ。一人でさえガンガディアを翻弄するのに、三人となればその三倍。いや、もっと大変なことになるだろう。すると一人のマトリフがこう言った。
1715ちょっとした時空の歪みから同じ人物が複数人存在する怪奇現象が起こった。そのためにマトリフは三人になり、なぜかそろってガンガディアのところへ来た。一人はガンガディアのよく知るマトリフだ。もう一人はそれより若く、えりあしを刈り上げにしている。もう一人は年齢を重ねたマトリフで、こちらは髪型をオールバックにしていた。
三人が何かを企んでいるのは一目瞭然だ。一人でさえガンガディアを翻弄するのに、三人となればその三倍。いや、もっと大変なことになるだろう。すると一人のマトリフがこう言った。
なりひさ
DONEマトポプ。現パロでアイス屋でバイトするポップと、それを見にきたマトリフあいシてる「へえ、似合ってるじゃねえか」
マトリフはにやにやと笑いながら弟子の姿を見た。ポップは突然にバイト先に現れたマトリフにぎょっとする。
「なんで来てんだよ!」
「おめえがここでバイトしてるってアバンから聞いたからな。からかいに来た」
言いながらマトリフは並んだアイスを眺めている。ポップのバイト先はアイス屋であった。しかも多くの種類が並ぶ人気のアイス屋である。ピンクの制服と帽子を被ったポップは、ニコリと引き攣った笑みを浮かべた。
「買わねえなら帰ってくれよ」
「買わねえとは言ってねえだろ」
マトリフはアイスを一通り眺めてから「食ったことねえからわからねえな」と呟いた。そしてあるポスターに目を止めた。それは「何を食べていいかわからないアナタへ! 店員がアナタのためにアイスをお選びします」というものだった。
1284マトリフはにやにやと笑いながら弟子の姿を見た。ポップは突然にバイト先に現れたマトリフにぎょっとする。
「なんで来てんだよ!」
「おめえがここでバイトしてるってアバンから聞いたからな。からかいに来た」
言いながらマトリフは並んだアイスを眺めている。ポップのバイト先はアイス屋であった。しかも多くの種類が並ぶ人気のアイス屋である。ピンクの制服と帽子を被ったポップは、ニコリと引き攣った笑みを浮かべた。
「買わねえなら帰ってくれよ」
「買わねえとは言ってねえだろ」
マトリフはアイスを一通り眺めてから「食ったことねえからわからねえな」と呟いた。そしてあるポスターに目を止めた。それは「何を食べていいかわからないアナタへ! 店員がアナタのためにアイスをお選びします」というものだった。
なりひさ
DONE現パロ。ギュータ組に絡まれるガンガディアコンビニ ガンガディアは深夜のコンビニに向かっていた。そこのコンビニは昼間に利用することはあっても、深夜に来るのは初めてだった。
住宅地にぽつんとあるコンビニは、その明るさのために安心感がある。ガンガディアは広い駐車場を横切って入り口へと向かった。
ところがコンビニの入り口で数人がたむろっていた。入り口を塞ぐほどではないが、やや近寄り難い雰囲気を放っている。
それは四人連れの若者だった。まず目立ったのが筋肉質な男だ。長めの髪を束ねて髭を生やし、タンクトップに迷彩のパンツといういで立ちである。その横にいたのは黒髪の青年だった。無精髭を生やしているが、四人の中では一番若そうだ。その隣にいた女性は長い艶やかな髪を高い位置でお団子にしている。意志の強そうな視線がこちらを向いた。そして一番端にいたのは一番年長の男だ。派手なアロハシャツの胸元を大きく開けている。小柄だが纏った雰囲気がそれを感じさせなかった。
1810住宅地にぽつんとあるコンビニは、その明るさのために安心感がある。ガンガディアは広い駐車場を横切って入り口へと向かった。
ところがコンビニの入り口で数人がたむろっていた。入り口を塞ぐほどではないが、やや近寄り難い雰囲気を放っている。
それは四人連れの若者だった。まず目立ったのが筋肉質な男だ。長めの髪を束ねて髭を生やし、タンクトップに迷彩のパンツといういで立ちである。その横にいたのは黒髪の青年だった。無精髭を生やしているが、四人の中では一番若そうだ。その隣にいた女性は長い艶やかな髪を高い位置でお団子にしている。意志の強そうな視線がこちらを向いた。そして一番端にいたのは一番年長の男だ。派手なアロハシャツの胸元を大きく開けている。小柄だが纏った雰囲気がそれを感じさせなかった。
なりひさ
DONEマトリフがガンガディアに指輪をあげる話ひとつの指輪「これを、私に?」
ガンガディアは差し出された指輪に驚いた。箱に入れられたわけでも、リボンがかかってるわけでもない指輪は、マトリフの両手の中で鈍く光っている。
「早く受け取れよ。重いんだよこれ」
言われてガンガディアは指輪をつまみ上げる。マトリフは息をつくと肩を回した。ガンガディアにとっては軽いが、小さなマトリフにとっては随分と重かったらしい。
「どうして指輪を?」
「どうしてって、前のは無くしたって言ってただろ」
それは以前にマトリフが指摘したことだった。マトリフとはじめてヨミカイン魔道図書館で出会ったとき、ガンガディアは右手に指輪をしていた。しかしそれ以降は指輪をしているのを見なかったという。ガンガディアはマトリフがそこまで見ていたことに驚いた。ガンガディアはヨミカインでマトリフからベタンを受け、地下深くに落とされた。その拍子に割ってしまったのか、気付いたら指輪は無くなっていた。その事を伝えると、マトリフは興味を失ったように素っ気ない返事をしたのだ。
1828ガンガディアは差し出された指輪に驚いた。箱に入れられたわけでも、リボンがかかってるわけでもない指輪は、マトリフの両手の中で鈍く光っている。
「早く受け取れよ。重いんだよこれ」
言われてガンガディアは指輪をつまみ上げる。マトリフは息をつくと肩を回した。ガンガディアにとっては軽いが、小さなマトリフにとっては随分と重かったらしい。
「どうして指輪を?」
「どうしてって、前のは無くしたって言ってただろ」
それは以前にマトリフが指摘したことだった。マトリフとはじめてヨミカイン魔道図書館で出会ったとき、ガンガディアは右手に指輪をしていた。しかしそれ以降は指輪をしているのを見なかったという。ガンガディアはマトリフがそこまで見ていたことに驚いた。ガンガディアはヨミカインでマトリフからベタンを受け、地下深くに落とされた。その拍子に割ってしまったのか、気付いたら指輪は無くなっていた。その事を伝えると、マトリフは興味を失ったように素っ気ない返事をしたのだ。
なりひさ
DONEアバンはマトリフを訪ねてパプニカ王国へ行くが、マトリフはは既にパプニカを去っていた。アバンはマトリフを探してヨミカイン魔導図書館へ行くが、そこにいたのは青いトロルで……魔導図書館の地下深く アバンがマトリフを訪ねたのはあの戦いから数年後のことだった。最後に会ったときには彼はパプニカの王宮に勤めていた。そのためアバンはパプニカにむかったのだが、そこに彼はいなかった。
アバンにその事を伝えたのは城の衛兵だった。もう辞めたと言われたきり、理由さえ教えてくれない。アバンがなんとか聞き出そうとすると、王の側近という者が出てきた。その者が言うには、マトリフは最初からパプニカ王国に仕える気など無かったのだという。仕事も不真面目、職権の濫用、閲覧禁止の魔導書の持ち出しなどを行なったために追放したという。側近はマトリフが国家を転覆させようとしていたのではないかとまで言った。
アバンはマトリフのことはあの旅の間のことしか知らない。彼が癖のある人物であることは間違いないが、側近の語るような人でないことは理解していた。マトリフは魔王との戦いで我が身を削ってまで正義のために戦ってくれたのだ。
4510アバンにその事を伝えたのは城の衛兵だった。もう辞めたと言われたきり、理由さえ教えてくれない。アバンがなんとか聞き出そうとすると、王の側近という者が出てきた。その者が言うには、マトリフは最初からパプニカ王国に仕える気など無かったのだという。仕事も不真面目、職権の濫用、閲覧禁止の魔導書の持ち出しなどを行なったために追放したという。側近はマトリフが国家を転覆させようとしていたのではないかとまで言った。
アバンはマトリフのことはあの旅の間のことしか知らない。彼が癖のある人物であることは間違いないが、側近の語るような人でないことは理解していた。マトリフは魔王との戦いで我が身を削ってまで正義のために戦ってくれたのだ。
なりひさ
MAIKINGガンマト。ダイを探すポップのためにマトリフは魔界へ通じる道をこじ開ける。そこでマトリフを待っていたのは……。⚠︎ギュータ編ネタバレ含有⚠︎魔界旅路思慕 封印されたギュータの地下深くにマトリフとポップはいた。かつては逢魔窟と呼ばれたそこは禍々しい魔力が澱んでおり、それらが見せる幻影に打ち勝って辿り着いた最深部に、魔界へと繋がる裂け目があった。
「大丈夫かよ、師匠」
ポップは気遣わしげに師を見る。攻撃してくる幻影への反撃に、マトリフはかなり苦戦していた。以前はマァムの父であるロカに担がれて通ったのだと聞いたが、ポップがマトリフを担いでいくには無理があり、二人で背を守りながら裂け目まで来た。しかし体力が限界まできているようで、マトリフは肩で息をしていた。
「……いらねえ心配すんじゃねえ。ここで開けられなきゃ来た意味がねえんだ」
マトリフは裂け目を睨め付ける。二人がここへ来たのは魔界へ行き、ダイを探すためである。マトリフはそのためにギュータの封印を解き、ポップをここまでへ連れてきた。
10858「大丈夫かよ、師匠」
ポップは気遣わしげに師を見る。攻撃してくる幻影への反撃に、マトリフはかなり苦戦していた。以前はマァムの父であるロカに担がれて通ったのだと聞いたが、ポップがマトリフを担いでいくには無理があり、二人で背を守りながら裂け目まで来た。しかし体力が限界まできているようで、マトリフは肩で息をしていた。
「……いらねえ心配すんじゃねえ。ここで開けられなきゃ来た意味がねえんだ」
マトリフは裂け目を睨め付ける。二人がここへ来たのは魔界へ行き、ダイを探すためである。マトリフはそのためにギュータの封印を解き、ポップをここまでへ連れてきた。
lovepopp_ibkino
DOODLEマトリフとカノンさんが好きだー!!!の気持ちでラクガキ。カノンさんの純愛に泣くしかない。
もっともっとふたりが喧嘩しながらわちゃわちゃしてるところが見たかった。
mone77
DOODLE現パロhdav夫婦ベリー親バカ夫婦
マトリフ名誉教授はそんな二人の大学時代の恩師です
たまに子を連れて会いに行くも息子自慢ばかり
しょうもねー奴らだ、なぁ?と
言いながらお菓子あげて甘やかすマトリフ
2枚目はトサカ画のカラー 2
ムーンストーン
DONEダイの大冒険 140字SSです。本編終了後、ポップがダイを探す為に無茶をするのをとめられない師匠を妄想しました。
禁呪法、もしくは愛執魔法陣の光が七色に輝く。
もう遅い。俺は間に合わなかった。
あいつの臆病さは、魂に対して身体が出せる最後の足掻きだと知っていたのに。
竜の騎士の魔法使いとして人を超え「神の理」を捩じ伏せる事を神々は許すまい。
片翼を探す為に「世界に穿孔した」弟子の昏い微笑を大魔道士は只見詰めた。
140もう遅い。俺は間に合わなかった。
あいつの臆病さは、魂に対して身体が出せる最後の足掻きだと知っていたのに。
竜の騎士の魔法使いとして人を超え「神の理」を捩じ伏せる事を神々は許すまい。
片翼を探す為に「世界に穿孔した」弟子の昏い微笑を大魔道士は只見詰めた。
ムーンストーン
DONEポップとマトリフ師匠のチェスを使った戦況分析と、ポップがメガンテにいたる心象風景を妄想した話です。竜の守護者1.The flame behind the eyes
瞳の奥の炎〜マトリフ〜
ポップを弟子にして暫く後の事、マトリフは今日の魔法修行が終わってホッとした顔をしている弟子に声をかけた。
「おい、お前チェスを指したことあるか」
「俺みたいな庶民にはチェスなんてお貴族様のゲームとは無縁だよ。 キングとかナイトの駒があるのを知ってる位だ」
ポップはマトリフが部屋の奥から引っ張りだしたボードを見ながら言った。
「まあそうだろうな。俺も魔法使いの弟子入りする迄見たことは無かった」
師匠がまた面倒な事を言い始めたな、とわかりやすい顔をした弟子を無視してマトリフはテーブルにボードを置き、駒を並べた。
「今はゲームをするつもりはねぇよ。 これを使って今までの魔王軍とのバトルを再現してみな」
3696瞳の奥の炎〜マトリフ〜
ポップを弟子にして暫く後の事、マトリフは今日の魔法修行が終わってホッとした顔をしている弟子に声をかけた。
「おい、お前チェスを指したことあるか」
「俺みたいな庶民にはチェスなんてお貴族様のゲームとは無縁だよ。 キングとかナイトの駒があるのを知ってる位だ」
ポップはマトリフが部屋の奥から引っ張りだしたボードを見ながら言った。
「まあそうだろうな。俺も魔法使いの弟子入りする迄見たことは無かった」
師匠がまた面倒な事を言い始めたな、とわかりやすい顔をした弟子を無視してマトリフはテーブルにボードを置き、駒を並べた。
「今はゲームをするつもりはねぇよ。 これを使って今までの魔王軍とのバトルを再現してみな」
calliop48774680
PROGRESS【面影を追う】しばらく放置していたバラン編の後日談的な掌編連作 その3
支部へまとめ上げする前の仮置き。加筆修正するかもしれないしこのままかもしれない。 1225
たらpoipiku
DOODLEダイ大本編終了後のダイ捜索中。アバンとポップの会話。出てこないマトリフ師匠に謎の存在感を持たせたかった。
大魔道士は潜りたい-破邪の洞窟攻略準備 ダイの剣は光り続けている。しかし地上のめぼしいところにダイはいない。で、あればそう簡単に見つかる場所にダイはいない。ということでポップの目下の目的は2つ。1つは簡単に行くことができない場所を幾つかピックアップすること。もう1つは簡単に行くことができない場所に行く方法をポップが習得することである。
破邪の秘法+アバカム、リリルーラなどなど。そういった手段を得るためには。
「先生、破邪の洞窟の地図を貸してください。書き写すんで」
「大丈夫ですよ、ポップ。今すぐ差し上げます」
こんなこともあろうかと攻略時に作成した地図の複製をそれなりに用意しているということらしい。さすが大勇者にして教育者のアバンである。かつてアバンの書は手書きで1冊だけであったが、今やカール王国の王配たるアバンには人や財を用いて複製する手段がある。
2429破邪の秘法+アバカム、リリルーラなどなど。そういった手段を得るためには。
「先生、破邪の洞窟の地図を貸してください。書き写すんで」
「大丈夫ですよ、ポップ。今すぐ差し上げます」
こんなこともあろうかと攻略時に作成した地図の複製をそれなりに用意しているということらしい。さすが大勇者にして教育者のアバンである。かつてアバンの書は手書きで1冊だけであったが、今やカール王国の王配たるアバンには人や財を用いて複製する手段がある。
たらpoipiku
DOODLEダイ大本編後マトリフ師匠+ポップ
大魔道士は追いかけたい オマケ01↓の翌日
https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=3116479&TD=4830984
バーンパレスでの戦いを読み返して、これは翌日のポップさんはゆっくり休んでほしいし師匠もがんばってたよなあ。
ってとこから会話を展開
大魔道士は追いかけたい オマケ01の翌日 ベッドでマトリフが目が覚める。視線を少し動かすとポップが目に入る。ポップは机に向かって、何かを書き付けていた。どうやら勝手に抜け出してダイ捜索、ということはなさそうだ。マトリフは長く息を吐きながら半身を起こす。
「師匠、起きた?なんか食えそう?先生が果物とか持ってきていたし、それでも食う?」
水だけでいいとマトリフが答える。ポップは立ち上がり枕もとの水差しからガラスの器に水を注いでマトリフに差し出した。
「ちゃんと休んでたんだな」
「いや、うん……本当は抜け出そうと思ったけども、あんたがまた無茶しておれを探しに来ると思って」
「知るか、いかねぇよ、勝手にどこかでくたばれ」
水を飲み終えたマトリフは、器を枕元に置きながら軽口を叩く。しかし額面通りに受け取るポップではない。
3617「師匠、起きた?なんか食えそう?先生が果物とか持ってきていたし、それでも食う?」
水だけでいいとマトリフが答える。ポップは立ち上がり枕もとの水差しからガラスの器に水を注いでマトリフに差し出した。
「ちゃんと休んでたんだな」
「いや、うん……本当は抜け出そうと思ったけども、あんたがまた無茶しておれを探しに来ると思って」
「知るか、いかねぇよ、勝手にどこかでくたばれ」
水を飲み終えたマトリフは、器を枕元に置きながら軽口を叩く。しかし額面通りに受け取るポップではない。
たらpoipiku
DOODLEマトリフ師匠とポップの会話だけ。140文字に収まらんかったので。ダイ大本編終了後~ダイ帰還まで。
タイトルはダイ好きTVのセリフそのまま。
無茶してない報告やら状況整理を含めてポップは定期的に師匠のところへ行ってる想定。
チャーハン作ってみた「チャーハン作ってみた」
「あん?どうした急に」
「いやさ、旅の最初ころにダイに作ってやるって言っててさ。材料とかねぇけど、そのうちな?つってて。でもほらそのまま旅が終わって今だろ?帰ってきたらすぐに食わしてぇな、でも今でもパパッて作れるかなって思って」
「そっか」
「……どう?」
「うめぇよ」
「そっか、良かった」
「アバンも似たようなもん作ってたな」
「そ、おれのは先生流。けど調味料とか高級でもないし分量もテキトーだけど。」
「オレも作れるぜ、オレ流のやつ」
「え、師匠のもめっちゃうまそう」
「今度つくってやる」
「じゃあそれも覚える。ダイに食わせたいもん増えるなぁ」
「そうだな」
「あいつ、早く見つかんねぇかなぁ」
「……」
423「あん?どうした急に」
「いやさ、旅の最初ころにダイに作ってやるって言っててさ。材料とかねぇけど、そのうちな?つってて。でもほらそのまま旅が終わって今だろ?帰ってきたらすぐに食わしてぇな、でも今でもパパッて作れるかなって思って」
「そっか」
「……どう?」
「うめぇよ」
「そっか、良かった」
「アバンも似たようなもん作ってたな」
「そ、おれのは先生流。けど調味料とか高級でもないし分量もテキトーだけど。」
「オレも作れるぜ、オレ流のやつ」
「え、師匠のもめっちゃうまそう」
「今度つくってやる」
「じゃあそれも覚える。ダイに食わせたいもん増えるなぁ」
「そうだな」
「あいつ、早く見つかんねぇかなぁ」
「……」