まどろみ
TRAINING七灰。彼女が欲しい灰と恋人になりたい七ノンケの灰「彼女が欲しい!」
職員室で叫びながら項垂れる後輩に夏油は声をかけた。
「荒れてるね、今度は何があったの?」
「聞いてくださいよ!」
灰原は涙目になりながら夏油に縋り付く。
「昨日合コンだったんですけど、女の子と話は盛り上がるのにその先に進めなくって、しかも後から何故か男友達から『お前もう呼ばない』なんて言われちゃうし」
「そっかー。ところで首元が赤いけどどうしたの?」
「これですか?一昨日、七海の家に泊まったら虫に刺されたみたいで」
灰原はため息をつきながら首元を押さえる。その手に収まりきらない赤い痕から彼女持ちと思われたんだろうなと夏油は真相を察したが、本人に教えることはしない。背後に現れた男が怖いから。
「お疲れ様です」
1155職員室で叫びながら項垂れる後輩に夏油は声をかけた。
「荒れてるね、今度は何があったの?」
「聞いてくださいよ!」
灰原は涙目になりながら夏油に縋り付く。
「昨日合コンだったんですけど、女の子と話は盛り上がるのにその先に進めなくって、しかも後から何故か男友達から『お前もう呼ばない』なんて言われちゃうし」
「そっかー。ところで首元が赤いけどどうしたの?」
「これですか?一昨日、七海の家に泊まったら虫に刺されたみたいで」
灰原はため息をつきながら首元を押さえる。その手に収まりきらない赤い痕から彼女持ちと思われたんだろうなと夏油は真相を察したが、本人に教えることはしない。背後に現れた男が怖いから。
「お疲れ様です」
珠鬼緤萩(たまきせっしゅう)
DOODLE8/25 COMIC CITY VEGA2024購入特典。
SWEET SMOKE CIGARETTEの番外編。
本編で出てきたとあるキャラとのファーストコンタクトの話。 2662
まどろみ
TRAINING七灰。恋シリーズの続き。寝言で会話はできるのかメリーさんの恋それは、ちょっとした悪戯心が始まりだった。
「手料理だったら何が食べたい?」
一緒に課題をしようと連れ込んだ自室で眠りこけてしまった恋人に、構って欲しいと言う気持ちから出た言葉だった。
「んなにゃみが作ってくれるの?じゃあフレンチトーストがいいなー」
「フレンチトースト?」
むにゃむにゃと眠りながらの返事に驚いたが、その後の単語の方が気になった。
「珍しいな。雄がパンを食べたがるなんて」
「ななみが作るやつ、僕のと違ってふわふわで美味しいんだよねー」
はて、フレンチトーストなんて作ったことがあったかな?と自問し、彼が話している七海が『前の自分』である可能性に思い至った。となるとこれはただのイタズラではなく負けられない戦いとなってくる。彼の好みを探るため情報収集を開始した。
928「手料理だったら何が食べたい?」
一緒に課題をしようと連れ込んだ自室で眠りこけてしまった恋人に、構って欲しいと言う気持ちから出た言葉だった。
「んなにゃみが作ってくれるの?じゃあフレンチトーストがいいなー」
「フレンチトースト?」
むにゃむにゃと眠りながらの返事に驚いたが、その後の単語の方が気になった。
「珍しいな。雄がパンを食べたがるなんて」
「ななみが作るやつ、僕のと違ってふわふわで美味しいんだよねー」
はて、フレンチトーストなんて作ったことがあったかな?と自問し、彼が話している七海が『前の自分』である可能性に思い至った。となるとこれはただのイタズラではなく負けられない戦いとなってくる。彼の好みを探るため情報収集を開始した。
まどろみ
TRAINING七灰。七の結i婚式の後にバームクーヘンを食べる灰の話。ハッピーエンドバームクーヘンハッピーエンドこれは明晰夢というものなんだろうな、と目を開けた瞬間はっきりとわかった。何故かって、未来の自分であろう顔に傷のある男が目の前にいて、見知らぬ部屋で泣きながらバームクーヘンを食べていたから。
「なんで泣いてるの?」
夢ならば自分に干渉してもいいだろうと声をかける。
「ぅぐ…今日…七海…の結婚式で…」
「…七海?」
ここにはいない人間の名前に心臓が跳ねる。片思いをしているたった一人の同級生。彼の結婚式の後、菓子を食べているということは。
「そのバームクーヘン、七海の結婚式の引き出物?」
目の前の男は首を縦に振った。
「そっかあ」
七海は僕を置いて幸せになるんだ、という事実に目元が熱くなる。泣いちゃダメだと慌てて上を向いた。この想いが叶うとは思っていないけれど、終わりを見せられて傷つかないわけでは無い。
950「なんで泣いてるの?」
夢ならば自分に干渉してもいいだろうと声をかける。
「ぅぐ…今日…七海…の結婚式で…」
「…七海?」
ここにはいない人間の名前に心臓が跳ねる。片思いをしているたった一人の同級生。彼の結婚式の後、菓子を食べているということは。
「そのバームクーヘン、七海の結婚式の引き出物?」
目の前の男は首を縦に振った。
「そっかあ」
七海は僕を置いて幸せになるんだ、という事実に目元が熱くなる。泣いちゃダメだと慌てて上を向いた。この想いが叶うとは思っていないけれど、終わりを見せられて傷つかないわけでは無い。
nononoko1996666
MOURNING灰原に泣いて欲しい七海の話。ほぼ会話文なので供養です。
涙「どっちが化け物か、分からないじゃないかっ!」
少年の悲鳴にも取れる言葉は、大量の濁った液体を被ったまま動かない灰原に、無粋にも放たれた。
少年が背負っていたランドセルは、粉々になり原型はもはや、足元にあるその黒い革一枚だけだった。
自身の物を破壊された驚きよりも、呪霊となった動物が目の前で消された事実のほうが、この少年は余程傷ついたのだろうか。
「こんな、の…うっ、…僕の友達だった…のに」
「その友達が、貴方を襲いますか?」
酷く冷たい声だなと我ながら、思う。
だが、この少年の先程の言葉はどうしても許せなかった。幼さ故の思考がそうさせているのだろうか、そんなことは知ったことでは無い。
私の言葉が聞こえたのか分からないが、少年は灰原への恨み言を止めて、ただ泣き崩れていた。
1114少年の悲鳴にも取れる言葉は、大量の濁った液体を被ったまま動かない灰原に、無粋にも放たれた。
少年が背負っていたランドセルは、粉々になり原型はもはや、足元にあるその黒い革一枚だけだった。
自身の物を破壊された驚きよりも、呪霊となった動物が目の前で消された事実のほうが、この少年は余程傷ついたのだろうか。
「こんな、の…うっ、…僕の友達だった…のに」
「その友達が、貴方を襲いますか?」
酷く冷たい声だなと我ながら、思う。
だが、この少年の先程の言葉はどうしても許せなかった。幼さ故の思考がそうさせているのだろうか、そんなことは知ったことでは無い。
私の言葉が聞こえたのか分からないが、少年は灰原への恨み言を止めて、ただ泣き崩れていた。
nononoko1996666
MOURNING空港での2人。七海と灰原は、ずっと一緒にいてほしいです。
エンドロールの後は「ねぇ、これからどこに行こうか?」
場違いな程の、明るく凛とした声。
灰原の声だけが響き渡り、私と彼以外、この場所には誰もいなかった。
「灰原?…何を言って」
「ここってさ、まあ空港だから遊ぶ場所はないんだけどね!」
あはは、と乾いた笑顔を浮かべる灰原の顔を、私は直視出来ずに、唾を飲み込んで自分の感情を誤魔化した。
彼の後ろには、大きな白い扉がただ一つ立っているだけ。その頭上には電光掲示板が不自然に掲げられ、彼の名が映し出され、チカチカと光っている。
灰原はその扉のドアノブに触れる事はなく、こちらに腕をぐっと伸ばし、掌を上に向けていた。
まるで、手を繋いでほしいとでも言うような仕草で。
「私は…」
貴方と、同じ場所へは行けない。
1982場違いな程の、明るく凛とした声。
灰原の声だけが響き渡り、私と彼以外、この場所には誰もいなかった。
「灰原?…何を言って」
「ここってさ、まあ空港だから遊ぶ場所はないんだけどね!」
あはは、と乾いた笑顔を浮かべる灰原の顔を、私は直視出来ずに、唾を飲み込んで自分の感情を誤魔化した。
彼の後ろには、大きな白い扉がただ一つ立っているだけ。その頭上には電光掲示板が不自然に掲げられ、彼の名が映し出され、チカチカと光っている。
灰原はその扉のドアノブに触れる事はなく、こちらに腕をぐっと伸ばし、掌を上に向けていた。
まるで、手を繋いでほしいとでも言うような仕草で。
「私は…」
貴方と、同じ場所へは行けない。
珠鬼緤萩(たまきせっしゅう)
TRAINING七海誕生日おめでとう小説!原作軸で七海の時計を狙ってる猪野くんの設定から妄想を膨らませたものです。
ほんのり七灰があります。
誕生日と時計の話「七海さん!その時計ください!!」
「お断りします」
ここ最近している会話。七海さんとご飯食べに行った帰りに決まりのように言ってみてるけど、毎回即答で断られてる。
「なんでなんですか〜!」
「君の給料ならこれより良いもの買えるでしょう。10年前デザインですよ、これ」
10年前のものを現役で使えるなんて七海さん物持ち良いんですね!!
でも、なんで10年前のもの使ってんだろ。七海さんをリスペクトしてる俺的に気になる。
「それなら、七海さんの給料ならもっと良いの買えるはずですよね?」
「えぇ、実際にイギリスのブランド時計なら一つ持ってます」
やっぱりいいの持ってるじゃん。でもなんでそれなんだ?
見るからにそんなに高いブランドのものじゃないし、俺でも買えそうなものじゃん。
1393「お断りします」
ここ最近している会話。七海さんとご飯食べに行った帰りに決まりのように言ってみてるけど、毎回即答で断られてる。
「なんでなんですか〜!」
「君の給料ならこれより良いもの買えるでしょう。10年前デザインですよ、これ」
10年前のものを現役で使えるなんて七海さん物持ち良いんですね!!
でも、なんで10年前のもの使ってんだろ。七海さんをリスペクトしてる俺的に気になる。
「それなら、七海さんの給料ならもっと良いの買えるはずですよね?」
「えぇ、実際にイギリスのブランド時計なら一つ持ってます」
やっぱりいいの持ってるじゃん。でもなんでそれなんだ?
見るからにそんなに高いブランドのものじゃないし、俺でも買えそうなものじゃん。
まどろみ
MOURNING七灰。人間味のある灰を探した結果。ハッピーエンド栄養を摂らないと頭は回らない家入さんと七海と僕の三人で出かけた日。二人を待たせてゴミを捨てて戻ろうとしたとき、女性の話が耳に飛び込んできた。
「あの二人素敵」
向かおうとした場所を女性陣が取り囲んでいる。まるでそこに入るなとでも言うように。
「誰か待ってるのかな」
「まさか!デートでしょうに」
私服姿の二人は確かに大人っぽくて、デートですと言われたらそうなんですねと頷きそうな気迫がある。
「行く場所の相談でもしてるんじゃない?」
外野の声など聞こえないかのように二人は話し込んでいる。僕も気にせず「お待たせ!」と話の中に入っていけばいいのに二の足を踏んでしまう。原因はわかっている。僕が彼に恋をしてしまったから。
「お似合い、か…」
確かに、僕といる時より七海も熱心に話しているし、家入さんも楽しそうだ。気がついてしまうと、胸が苦しくなってきた。
2990「あの二人素敵」
向かおうとした場所を女性陣が取り囲んでいる。まるでそこに入るなとでも言うように。
「誰か待ってるのかな」
「まさか!デートでしょうに」
私服姿の二人は確かに大人っぽくて、デートですと言われたらそうなんですねと頷きそうな気迫がある。
「行く場所の相談でもしてるんじゃない?」
外野の声など聞こえないかのように二人は話し込んでいる。僕も気にせず「お待たせ!」と話の中に入っていけばいいのに二の足を踏んでしまう。原因はわかっている。僕が彼に恋をしてしまったから。
「お似合い、か…」
確かに、僕といる時より七海も熱心に話しているし、家入さんも楽しそうだ。気がついてしまうと、胸が苦しくなってきた。
まどろみ
TRAINING七灰。恋シリーズの続き。比較的甘めサクラサク恋テキストの最後の問題を解き終えシャープペンを置く。週末の今日は七海の家で二人、課題をしていた。先に終わらせた七海はというと、灰原の膝の上にいる。正確には、膝に頭を乗せている、いわゆる膝枕というやつだ。
そんな彼も乗った直後はこちらの顔を凝視していたが今は眠っている。あどけない顔が可愛いなと透き通る髪に手を通した。
「好きだよ…なんて」
直接伝えるにはまだ少し恥ずかしい言葉を口にする。だけど本当は。
「伝えるつもりはなかったんだけどな」
「どうして」
「うわっ!?」
起きてたの!?という言葉は眠たげな声に遮られる。
「私はずっと言いたかったのに」
「七海?」
「自覚したあの日からずっと言おうと思っていて、でも中々言えなくて、気づいたらきみはいなくなっていた。それからずっと後悔していた」
1084そんな彼も乗った直後はこちらの顔を凝視していたが今は眠っている。あどけない顔が可愛いなと透き通る髪に手を通した。
「好きだよ…なんて」
直接伝えるにはまだ少し恥ずかしい言葉を口にする。だけど本当は。
「伝えるつもりはなかったんだけどな」
「どうして」
「うわっ!?」
起きてたの!?という言葉は眠たげな声に遮られる。
「私はずっと言いたかったのに」
「七海?」
「自覚したあの日からずっと言おうと思っていて、でも中々言えなくて、気づいたらきみはいなくなっていた。それからずっと後悔していた」
まどろみ
MOURNING七灰。ななみちゃんがもこもこの部屋着を着ているだけの話。とても短い。会話のみななみちゃん「お兄ちゃんがよく話してくれるななみちゃんってさ、彼女なのかな?」
「だったらお母さん嬉しくてアップルパイ焼いちゃうわ」
「美人さんらしいしさー、こういうふわふわの部屋着、絶対似合うよね。…万が一家に来た時用に買ってもいい?」
「それならお兄ちゃん用のメンズも一緒に買おうか」
***
「もしもしお母さん?うん、雄だよ。電車が止まっちゃってさ、今日七海とそっちの家に泊まってもいい?…ありがとう!この雨で僕たちずぶ濡れだから、家に着いたら七海は真っ先にお風呂に入れたいんだけど…。うん、うん、ありがとう!じゃあまた後で!」
「まさかこんな形でご家族にご挨拶に行くことになるとは…」
「もー!任務でヘトヘトなんだからそんなに気負わないでよ」
514「だったらお母さん嬉しくてアップルパイ焼いちゃうわ」
「美人さんらしいしさー、こういうふわふわの部屋着、絶対似合うよね。…万が一家に来た時用に買ってもいい?」
「それならお兄ちゃん用のメンズも一緒に買おうか」
***
「もしもしお母さん?うん、雄だよ。電車が止まっちゃってさ、今日七海とそっちの家に泊まってもいい?…ありがとう!この雨で僕たちずぶ濡れだから、家に着いたら七海は真っ先にお風呂に入れたいんだけど…。うん、うん、ありがとう!じゃあまた後で!」
「まさかこんな形でご家族にご挨拶に行くことになるとは…」
「もー!任務でヘトヘトなんだからそんなに気負わないでよ」
まどろみ
TRAINING七灰。恋シリーズ。迷走する恋より少し前の話紙の中の恋灰原雄は人がいい。人望も厚く、頼み事は余程のことがない限り断らない。
「デッサンのモデルになってほしいの」
普段接点のないクラスメイトからの提案にも灰原は即時に快諾した。
「いつやるのかな?」
「今日の放課後はどう?」
「OK」
***
「というわけだから、今日は一緒に帰れないんだ」
「私も見学したいのですが」
「集中力切れるから二人きりでしたいの」
「!?」
「別に灰原くん狙ってるわけじゃないからね!?安心してね!?」
「………」
「七海」
「…わかりました」
***
放課後。なんとか七海を説き伏せて教室で二人になった。
「それじゃあ、今から始めるから、楽なポーズになって、動かないで」
「うん」
椅子に座り足を開き股の間に両手を置く。動かないで、と言われて安定できるイメージがこれだった。クラスメイトはあでやかな動きで鉛筆を走らせる。書き上げては破り、書き上げては破りを繰り返し、画用紙が教室の中を舞っていた。
1885「デッサンのモデルになってほしいの」
普段接点のないクラスメイトからの提案にも灰原は即時に快諾した。
「いつやるのかな?」
「今日の放課後はどう?」
「OK」
***
「というわけだから、今日は一緒に帰れないんだ」
「私も見学したいのですが」
「集中力切れるから二人きりでしたいの」
「!?」
「別に灰原くん狙ってるわけじゃないからね!?安心してね!?」
「………」
「七海」
「…わかりました」
***
放課後。なんとか七海を説き伏せて教室で二人になった。
「それじゃあ、今から始めるから、楽なポーズになって、動かないで」
「うん」
椅子に座り足を開き股の間に両手を置く。動かないで、と言われて安定できるイメージがこれだった。クラスメイトはあでやかな動きで鉛筆を走らせる。書き上げては破り、書き上げては破りを繰り返し、画用紙が教室の中を舞っていた。
まどろみ
TRAINING七灰。恋シリーズの続き。とても短い微笑ましい恋この学校には普通科棟、旧美術棟の間に教員棟という選択科目の教室や職員室の入る棟がある。七海と灰原はその距離故に昼休みと放課後しか会えないのだが、今日は違った。灰原が昼飯を忘れたために職員棟の売店に向かった所、選択科目の教室へ移動中の七海と遭遇したのだ。
「七…」
見つけて声をかけようとしたが途中で口を閉ざす。七海が女子生徒からマフィンを手渡されたからだ。貰おうと思ってではなく半ば押し付けられる形のそれは、女子生徒が走り去ってしまったために返すこともできず、七海の手に収まっていた。
「なーなみ」
「…!?灰原!あの、これは」
「わかってるよ、見てたもん。でも、面白くないよね」
七海の手からマフィンを奪い取り簡易的に留められた封を開ける。止める暇もなく頭からかぶりついた。
800「七…」
見つけて声をかけようとしたが途中で口を閉ざす。七海が女子生徒からマフィンを手渡されたからだ。貰おうと思ってではなく半ば押し付けられる形のそれは、女子生徒が走り去ってしまったために返すこともできず、七海の手に収まっていた。
「なーなみ」
「…!?灰原!あの、これは」
「わかってるよ、見てたもん。でも、面白くないよね」
七海の手からマフィンを奪い取り簡易的に留められた封を開ける。止める暇もなく頭からかぶりついた。
まどろみ
MOURNING七灰パロ。営業職灰と学生七と祓本。灰→記憶無、七と祓本と夜→記憶有。導入だけ常識人枠が灰しかいない世界『祓ったれ本舗』とは、突如動画投稿サイトに現れた現役高校生の漫才師コンビである。だが今回の話の主役は二人ではない。彼らに巻き込まれる形で動画に出ている少年だ。皆には『ナナミン』と呼ばれ、コンビの後輩だのマネージャーだのパシリだの散々言われているが、仲は一応良好である。
そんな彼が注目される事態が起きた。動画のリアルタイム配信の雑談会で「ナナミンは漫才しないんですか?」の質問にこう答えたのだ。
「そうですね…相方の『灰原雄』が見つかれば、漫才でもなんでもやりますよ」
こうして、ナナミンデビューと灰原雄という単語がSNSでトレンド入りした。
***
「なにこれ?」
終電の中、時間つぶしにとSNSを開いたら自分のフルネームがトレンド入りしていた。
1028そんな彼が注目される事態が起きた。動画のリアルタイム配信の雑談会で「ナナミンは漫才しないんですか?」の質問にこう答えたのだ。
「そうですね…相方の『灰原雄』が見つかれば、漫才でもなんでもやりますよ」
こうして、ナナミンデビューと灰原雄という単語がSNSでトレンド入りした。
***
「なにこれ?」
終電の中、時間つぶしにとSNSを開いたら自分のフルネームがトレンド入りしていた。
まどろみ
TRAINING七灰。安心安全健全三拍子揃ったDom/Subパロ。しぶにあげている小話1に入ってるものの続きですがこれだけでも読めます。ギャグよいこのどむさぶ前回までのあらすじ
健全なDom/Sub生活を送っていた七灰が無事成人を迎えた。未成年フィルターが外れたので早速七海は灰原をプレイに誘った。
***
「誕生日おめでとうございました!というわけで灰原、早速今日のプレイをはじめるぞ!」
「よろしくお願いします!」
僕の誕生日の翌日、妙に張り切った七海とベッドの上で正座になって向かい合っていた。
「成人したからって何か変わるかな?」
「stripで服がダメにならない」
「それは助かる」
stripは七海が僕に使うコマンドの一つ。服が破れて四方八方に飛び散ってしまう単語。任務で無茶をしそうな僕を止めるために使われるが、その度に服を新調しなくてはならなくて大変だった。
「全裸は問題じゃないのか?」
907健全なDom/Sub生活を送っていた七灰が無事成人を迎えた。未成年フィルターが外れたので早速七海は灰原をプレイに誘った。
***
「誕生日おめでとうございました!というわけで灰原、早速今日のプレイをはじめるぞ!」
「よろしくお願いします!」
僕の誕生日の翌日、妙に張り切った七海とベッドの上で正座になって向かい合っていた。
「成人したからって何か変わるかな?」
「stripで服がダメにならない」
「それは助かる」
stripは七海が僕に使うコマンドの一つ。服が破れて四方八方に飛び散ってしまう単語。任務で無茶をしそうな僕を止めるために使われるが、その度に服を新調しなくてはならなくて大変だった。
「全裸は問題じゃないのか?」
まどろみ
MOURNINGオマケが書きたかっただけの小話求婚「おうじさま、あたしがおよめさんになってあげる」
とある片田舎の任務終わり。近隣住民と話していると女の子が七海に話しかけてきた。
「おや、このお兄さんが気に入ったのかな?」
「うん、だからあたしがおよめさんになってあげる」
「おませだねー」
自信満々に話す女の子を周囲は微笑ましく見守っている。声をかけられた七海はというと、眉間に皺を寄せながら膝を折り彼女に目線を合わせた。
「申し訳ありませんが、私はあなたをお嫁さんにはできません」
「なんで?あたしがいいっていってるのよ?」
「私がダメだと言ってるからです」
「なんでダメなの?」
「ダメなものはダメです」
「ダメじゃない!」
***
「いやー、七海も子供には弱いよね」
結局、女の子の両親が止めに入るまで押し問答は続き、七海は任務とは別の意味で疲弊していた。
898とある片田舎の任務終わり。近隣住民と話していると女の子が七海に話しかけてきた。
「おや、このお兄さんが気に入ったのかな?」
「うん、だからあたしがおよめさんになってあげる」
「おませだねー」
自信満々に話す女の子を周囲は微笑ましく見守っている。声をかけられた七海はというと、眉間に皺を寄せながら膝を折り彼女に目線を合わせた。
「申し訳ありませんが、私はあなたをお嫁さんにはできません」
「なんで?あたしがいいっていってるのよ?」
「私がダメだと言ってるからです」
「なんでダメなの?」
「ダメなものはダメです」
「ダメじゃない!」
***
「いやー、七海も子供には弱いよね」
結局、女の子の両親が止めに入るまで押し問答は続き、七海は任務とは別の意味で疲弊していた。
まどろみ
TRAINING七灰。並行世界の七が入れ替わる話。それはなんて残酷な教室に向かう途中に青い顔をして走る伊地知とすれ違う。何事かと彼の来た方を見ると、スーツを着た金髪の青年がこちらに歩いてきているところだった。
「こんにちは、虎杖くん」
「だ、誰!?」
「失礼ですね。七海です」
***
「呪霊のせいで並行世界のナナミンと入れ替わった!?」
「説明ありがとうございます」
戻ってきた伊地知に二人は空き教室へ放り込まれた。なんでもこの件は緘口令が引かれているらしく、虎杖が遭遇してしまったのはよくないことのようだ。
「それにしても」
改めて並行世界の七海を見る。金髪、緑眼、スーツ。言われてみればいつもの七海だが、虎杖が気がつかなかったのには理由がある。
「…ナナミン、若くない?」
「失礼ですよ」
1435「こんにちは、虎杖くん」
「だ、誰!?」
「失礼ですね。七海です」
***
「呪霊のせいで並行世界のナナミンと入れ替わった!?」
「説明ありがとうございます」
戻ってきた伊地知に二人は空き教室へ放り込まれた。なんでもこの件は緘口令が引かれているらしく、虎杖が遭遇してしまったのはよくないことのようだ。
「それにしても」
改めて並行世界の七海を見る。金髪、緑眼、スーツ。言われてみればいつもの七海だが、虎杖が気がつかなかったのには理由がある。
「…ナナミン、若くない?」
「失礼ですよ」
珠鬼緤萩(たまきせっしゅう)
DONE原作軸からの空港軸。復帰したばかりだと絶対ブランクあるから死にかけそうだよねって考えから。
最初は追い返されてからの最後に迎えに来てほしいなという考えからです。
⚠Attention⚠
七が呪術師復帰してからの間捏造。
死の描写あり。
事変での最期から空港までの間も捏造。 2903
まどろみ
TRAINING七灰。横槍から進む恋の続き。作戦会議迷走する恋「第一回灰原雄にどうやったら好きになってもらえるかの作戦会議を始めます」
「「帰っていい(っスか)?」」
「ダメです」
七海は部屋を出ていこうとする小学生二人を引き留めた。
***
七海建人の自室。そこにいるのは部屋の主と、低学年と高学年の小学生が一人ずつ。小学生の名前はそれぞれ虎杖悠仁と猪野琢真という。
「なんで俺らが呼ばれたの?」
「雄のことを知っていてかつ雄に情報が漏れない相手が君らしかいないんだ。あと議題的にアドバイスがもらえそうだったから」
「俺たちが七海サンを好きだったからって話か」
「傷抉ってくるやつだ~」
ひどーいと言いながらも二人共笑っている。その目は恋に焦がれる少年のものではなく、友人の恋路を応援する穏やかなものだった。
1777「「帰っていい(っスか)?」」
「ダメです」
七海は部屋を出ていこうとする小学生二人を引き留めた。
***
七海建人の自室。そこにいるのは部屋の主と、低学年と高学年の小学生が一人ずつ。小学生の名前はそれぞれ虎杖悠仁と猪野琢真という。
「なんで俺らが呼ばれたの?」
「雄のことを知っていてかつ雄に情報が漏れない相手が君らしかいないんだ。あと議題的にアドバイスがもらえそうだったから」
「俺たちが七海サンを好きだったからって話か」
「傷抉ってくるやつだ~」
ひどーいと言いながらも二人共笑っている。その目は恋に焦がれる少年のものではなく、友人の恋路を応援する穏やかなものだった。
珠鬼緤萩(たまきせっしゅう)
DONE【webオンリー】5/18 22:00〜5/19 23:00
七灰webオンリー「桜の下で待ち合わせ4」
展示作品
パスワードは0518web
灰原が日系二世で英語が堪能だったらという設定。
本作品の英文はgoole翻訳を使用している為、実際の英会話とは違うものとなります。
キャラクターのみクロスオーバーあり。
時々英語以外の言語が混ざります。 13910
まどろみ
TRAININGラジオ越しの攻防の続き。次からがっつり七灰になる予定ラジオ越しの攻防2「ようやくこの話ができるね!見てくれたかな?先日の灰原のドラマ!」
「お遊び回?スポーツ回?だっけ。すごかったよな」
「灰原、あれ最初はどういう話だったの?」
「台本もらった時点ではレッドの虎杖くんと正体を隠した僕でワンオンワン対決の予定でした」
「一応バスケをする予定だったんだ?」
「その回に急遽七海が出演することになって、それを知った私たちピンチャンが参戦したら呪専プロも負けじと所属タレント出してきてそのことを聞いた他事務所も出てきて最終的に芸能人大運動会になっちゃったんだよね」
「羂索さんの八艘飛び格好よかったです!」
「灰原自身はどれが面白かった?」
「五十on五十ですかね!大人数でも互いの数さえ合っていればバスケはできるってはじめて知りました」
1245「お遊び回?スポーツ回?だっけ。すごかったよな」
「灰原、あれ最初はどういう話だったの?」
「台本もらった時点ではレッドの虎杖くんと正体を隠した僕でワンオンワン対決の予定でした」
「一応バスケをする予定だったんだ?」
「その回に急遽七海が出演することになって、それを知った私たちピンチャンが参戦したら呪専プロも負けじと所属タレント出してきてそのことを聞いた他事務所も出てきて最終的に芸能人大運動会になっちゃったんだよね」
「羂索さんの八艘飛び格好よかったです!」
「灰原自身はどれが面白かった?」
「五十on五十ですかね!大人数でも互いの数さえ合っていればバスケはできるってはじめて知りました」
まどろみ
TRAINING気持ちは七灰。実際はそれ未満。転生if、2818パロ注意。所属が違う七と灰の話。ギャグラジオ越しの攻防「リスナーのみなさんこんばんは!羂索と」
「髙羽の」
「「オールナイトピンチャン!」」
「いやー僕たちが事務所を立ち上げて一か月たちましたが」
「今日は皆さんに報告があるんですよ」
「ほう。なんですか」
「なんと!僕たちに後輩ができました!」
「わーいどんどんパフパフ」
「早速初仕事としてゲストに呼んでるよ」
「では紹介します!後輩の灰原雄くんでーす!」
「灰原雄です!よろしくお願いします!」
五条に渡された録音テープを聞いていた七海は持っていたペットボトルを握りつぶした。
***
「なんで灰原がウチに来ないんですか!?」
呪専芸能プロダクション。社長室で所属タレントの七海は五条に詰め寄っていた。
「いや、悪いと思ったから録音聞かせたわけで…」
2333「髙羽の」
「「オールナイトピンチャン!」」
「いやー僕たちが事務所を立ち上げて一か月たちましたが」
「今日は皆さんに報告があるんですよ」
「ほう。なんですか」
「なんと!僕たちに後輩ができました!」
「わーいどんどんパフパフ」
「早速初仕事としてゲストに呼んでるよ」
「では紹介します!後輩の灰原雄くんでーす!」
「灰原雄です!よろしくお願いします!」
五条に渡された録音テープを聞いていた七海は持っていたペットボトルを握りつぶした。
***
「なんで灰原がウチに来ないんですか!?」
呪専芸能プロダクション。社長室で所属タレントの七海は五条に詰め寄っていた。
「いや、悪いと思ったから録音聞かせたわけで…」
まどろみ
TRAINING七灰。記憶なし×記憶あり。罰ゲームからはじまる恋と蜂蜜の恋の続き。転生if、途中虎→七描写注意横槍から進む恋付き合い始めて早二か月。今日は七海の家に来ています。
「うわあ」
飲み物を持ってくるからゆっくりしてて、と案内された七海の部屋。内装や本の趣味が昔―――前世と同じで驚いた。
「ベッドのシーツの色も、本棚の質感もおんなじだ…!」
他人の部屋を勝手に漁るのはよくないことだとはわかっていても、見慣れた光景にテンションが上がってしまう。
「そういえば七海、エロ本どこにしまってたんだろう?」
昔の七海との関係性ではそういう話になったことはなく、ましてや部屋をまじまじと見る機会もなかったので知らないが、恋人の今なら許されるだろうか。
「何してるんだ?」
「うわ!」
ベッドの下を覗き込んでると七海がお茶を持って部屋に入ってきた。
2152「うわあ」
飲み物を持ってくるからゆっくりしてて、と案内された七海の部屋。内装や本の趣味が昔―――前世と同じで驚いた。
「ベッドのシーツの色も、本棚の質感もおんなじだ…!」
他人の部屋を勝手に漁るのはよくないことだとはわかっていても、見慣れた光景にテンションが上がってしまう。
「そういえば七海、エロ本どこにしまってたんだろう?」
昔の七海との関係性ではそういう話になったことはなく、ましてや部屋をまじまじと見る機会もなかったので知らないが、恋人の今なら許されるだろうか。
「何してるんだ?」
「うわ!」
ベッドの下を覗き込んでると七海がお茶を持って部屋に入ってきた。
Chit_seAMEX
MOURNINGにょたゆり七灰です。五条家に嫌々仕えている七海と夏油家でお気楽に仕えている灰原がメイド姿で一緒に呪霊玉を集めるドタバタコメディ序章。
(すこし夏灰、五七っぽいところがあります)
※全員女体化の世界線です。
※呪霊が蔓延る世界で主要キャラが呪霊狩りとして
動いていて、呪霊は呪霊玉として収集されます。
我ながらよくわからん設定です。 4264
まどろみ
TRAINING七灰♀。バレンタインデーとホワイトデーと可愛い君がいっぱい見たいの続き可愛い君と幸せになりたい先輩たちが卒業して最上級生になった。すると何故か女性に声をかけられることが増え、今日も任務前に新卒の補助監督から連絡先を渡されどう断るか考えあぐねるハメになっていた。だが今日はいつもみたいに苛立つだけでは終わらなかった。連絡先を渡された場面を灰原に見られてしまったのだ。
平手打ちと共に「僕も浮気してやる!」との言葉を受けたが悲しきかな、そこは呪術師。走り去る彼女を追えずに死んだ空気の中で任務へと向かうことになった。
***
こういう日に限って難しい任務が割り当てられているものである。日付が変わる頃に帰還し灰原の捜索を始めるが、寮には外泊届をだして失踪中だった。こんな夜中にと不安が募る中、携帯に一件の連絡が入る。差出人は去年高専を中退した先輩で、件名は『かわいいね』、本文なし、添付画像は2枚。1枚目は女性の胸に顔を埋める彼女の姿が、2枚目には先輩が育てている双子に囲まれて眠っている彼女の姿がそれぞれ写っていた。感謝と嫉妬の感情がない混ぜになりつつ、某宗教団体の本部へと向かった。
1933平手打ちと共に「僕も浮気してやる!」との言葉を受けたが悲しきかな、そこは呪術師。走り去る彼女を追えずに死んだ空気の中で任務へと向かうことになった。
***
こういう日に限って難しい任務が割り当てられているものである。日付が変わる頃に帰還し灰原の捜索を始めるが、寮には外泊届をだして失踪中だった。こんな夜中にと不安が募る中、携帯に一件の連絡が入る。差出人は去年高専を中退した先輩で、件名は『かわいいね』、本文なし、添付画像は2枚。1枚目は女性の胸に顔を埋める彼女の姿が、2枚目には先輩が育てている双子に囲まれて眠っている彼女の姿がそれぞれ写っていた。感謝と嫉妬の感情がない混ぜになりつつ、某宗教団体の本部へと向かった。
まどろみ
TRAINING七灰。原作軸の未来の一部を知った灰の話死別だとは夢にも思っていないよくある二級任務に向かった恋人が泣き腫らした顔で帰ってきた。それだけで大事件なのに、抱きしめることも触れることも許されず、極めつけには"七海だけが入れない帳"を下ろして自室に引きこもってしまった。手も足も出ない状況に、渋々頼り甲斐だけはある先輩たちを召喚したのだった。
***
「失恋しました」
「は?」
先輩たちの説得で天岩戸から出てきた灰原の第一声。信じられない内容に思わず声が出た。
「灰原の恋人は私だよな?」
「うん」
「…フった覚えはないし、フラれた覚えもないんだが?」
「…」
口を真一文字に結んだかと思うと目元が潤む。なんで泣くんだ、泣きたいのはこっちなのに。
「今日の任務で何かあった?」
3110***
「失恋しました」
「は?」
先輩たちの説得で天岩戸から出てきた灰原の第一声。信じられない内容に思わず声が出た。
「灰原の恋人は私だよな?」
「うん」
「…フった覚えはないし、フラれた覚えもないんだが?」
「…」
口を真一文字に結んだかと思うと目元が潤む。なんで泣くんだ、泣きたいのはこっちなのに。
「今日の任務で何かあった?」
まどろみ
TRAINING七灰。記憶なし×記憶あり。罰ゲームからはじまる恋の続き。転生if、捏造注意。甘め蜂蜜の恋君の瞳をはじめて見た時、『彼を二度と手放すな』とナニカが私に囁いてきた。
食事を摂るのは嫌いではない。だが最近は食べることよりもっと楽しみなことがある。
「…ねえ、いつも聞いてるけど、お昼食べないの?」
「いつも言ってるが、早弁してる」
「僕もしてるんだけどなあ」
この時間になるとお腹空くんだよね、とおにぎりを頬張るのは可愛い恋人。腰に回す腕に力を入れ直して彼を見上げる。
「健康的な証拠じゃないか。それに、こうして雄の食べてる姿が見れるから私は嬉しい」
「…ねえ、やっぱり下ろしてくれない?」
ぽんぽんと膝を叩かれるがその手をつかみ指を絡ませることで拒否を示す。クラスが違う私にとって、昼休みに君を横抱きに膝に乗せていられるこの時間は貴重なのだ。誰にも邪魔させない。たとえ君でも。
1334食事を摂るのは嫌いではない。だが最近は食べることよりもっと楽しみなことがある。
「…ねえ、いつも聞いてるけど、お昼食べないの?」
「いつも言ってるが、早弁してる」
「僕もしてるんだけどなあ」
この時間になるとお腹空くんだよね、とおにぎりを頬張るのは可愛い恋人。腰に回す腕に力を入れ直して彼を見上げる。
「健康的な証拠じゃないか。それに、こうして雄の食べてる姿が見れるから私は嬉しい」
「…ねえ、やっぱり下ろしてくれない?」
ぽんぽんと膝を叩かれるがその手をつかみ指を絡ませることで拒否を示す。クラスが違う私にとって、昼休みに君を横抱きに膝に乗せていられるこの時間は貴重なのだ。誰にも邪魔させない。たとえ君でも。
まどろみ
MOURNING七灰。うろおぼえへいせいギャグ【アウト?】安価で同級生に凸する【セウト?】「ここから入れる保険があるんですか!?」
寮の談話室で一息ついている所に灰原の声が響き渡った。
「そこになければないですね。…とりあえず灰原、着替えてから話をしようか」
視線を落とすと目の前にはぎりぎり服を着ていると表現できる格好の灰原が倒れ込んでいた。
***
「高専入学前から安価スレにハマってまして。知ってますか?番号を指定してその番号に書いてある行動をするっていうスレなんですけど」
「ああ…」
「夏油さんを尊敬するのも安価で決めました」
ズボンを履きながら拳を握る後輩にそれは聞きたくなかったかな、と苦笑する。
「で、それと今の格好はどう関係あるのかな?」
「安価スレに書き込みをしてたら七海の僕への態度がセウトという話になりまして」
905寮の談話室で一息ついている所に灰原の声が響き渡った。
「そこになければないですね。…とりあえず灰原、着替えてから話をしようか」
視線を落とすと目の前にはぎりぎり服を着ていると表現できる格好の灰原が倒れ込んでいた。
***
「高専入学前から安価スレにハマってまして。知ってますか?番号を指定してその番号に書いてある行動をするっていうスレなんですけど」
「ああ…」
「夏油さんを尊敬するのも安価で決めました」
ズボンを履きながら拳を握る後輩にそれは聞きたくなかったかな、と苦笑する。
「で、それと今の格好はどう関係あるのかな?」
「安価スレに書き込みをしてたら七海の僕への態度がセウトという話になりまして」
まどろみ
TRAINING七灰。フラグ管理ができてない七。途中うっすらと虎→七、猪→七描写がありますので苦手な方はご注意ください果たしてこの七は灰ルートにいけるのか生まれ変わってみんな幸せに暮らしました、めでたしめでたし。とはいかないもので。いろいろあって転生した今、五条と夏油は別の学校に通っている。
「ありえねーよな」
五条は愚痴ってきたが、その事実を聞いた時は「だろうな」としか思わなかった。ここ−五条が自分が通うために作った元呪術師たちの集まる通称呪術高校−に通うには、夏油には自業自得の敵が多すぎる。
だが数日もしないうちに七海も似たようなことを呟くことになった。夏油さんの件は彼ににとって序章に過ぎなかったのだ。何が起きたのかというと、何も起きなかったのだ。灰原が呪術高校に来なかった。正確には、灰原が夏油の通う高校に入学した。何故かと本人を問い詰めても「こっちの方が味方が多いから」なんてよくわからないことを言う。灰原たちの高校に転校することも考えたが実行には移せず、寂しさを覚えながらも七海は学生生活を送っていた。
1990「ありえねーよな」
五条は愚痴ってきたが、その事実を聞いた時は「だろうな」としか思わなかった。ここ−五条が自分が通うために作った元呪術師たちの集まる通称呪術高校−に通うには、夏油には自業自得の敵が多すぎる。
だが数日もしないうちに七海も似たようなことを呟くことになった。夏油さんの件は彼ににとって序章に過ぎなかったのだ。何が起きたのかというと、何も起きなかったのだ。灰原が呪術高校に来なかった。正確には、灰原が夏油の通う高校に入学した。何故かと本人を問い詰めても「こっちの方が味方が多いから」なんてよくわからないことを言う。灰原たちの高校に転校することも考えたが実行には移せず、寂しさを覚えながらも七海は学生生活を送っていた。
まどろみ
TRAINING七灰。転生if。灰は記憶あり、五、夜は記憶なし、七は…?七のイマジナリーフレンド灰の話。
非実在少年(実在)七海建人二十五歳、モデルから子役を経て今はピン芸人という異色の経歴を持つ。五条の事務所の後輩でもある彼は業界では常識人として知られているが、一方で業界一の変人と呼ばれることもある。その理由は彼の芸風。
「灰原も笑ってないでなんとか言ったらどうですか…まったく」
とある番組の雛壇。七海はいつものように何もない隣の空間に話しかける。その場にいるのであろう『灰原』に向かって。
お笑い好きか七海のファンなら知らないものはいない七海の相方『灰原雄』は、七海の想像上の存在…いわゆるイマジナリーフレンドだった。
七海の芸能界入りは三歳、子供モデルが始まりだった。既に同業で活躍していた五条から見た彼は、見た目は派手だが気難しい、つまらない奴という印象だった。あの日までは。
2918「灰原も笑ってないでなんとか言ったらどうですか…まったく」
とある番組の雛壇。七海はいつものように何もない隣の空間に話しかける。その場にいるのであろう『灰原』に向かって。
お笑い好きか七海のファンなら知らないものはいない七海の相方『灰原雄』は、七海の想像上の存在…いわゆるイマジナリーフレンドだった。
七海の芸能界入りは三歳、子供モデルが始まりだった。既に同業で活躍していた五条から見た彼は、見た目は派手だが気難しい、つまらない奴という印象だった。あの日までは。
まどろみ
MOURNING七灰。察しの悪いシリーズが完結した。ハッピーエンド察しの悪い灰原3呪術界の忘年会、灰原は高専教師として、七海は呪術師としてそれぞれ参加していた。会場も温まり代わる代わる人が動き出した頃、灰原の隣に神妙な面持ちの七海が座った。
「灰原、飲んでるか?」
「飲んでるよ〜。七海はどう〜?」
「人並みには」
七海は人より酒が強いためちょっとやそっとじゃ酔わない。対して灰原は量は飲めるのだが普通に酔いはするタイプだった。現に顔は紅いし口調もいつもより間延びしている。だが長年の付き合いで七海は知っている。どれだけ酔っても彼が意識を飛ばしたり記憶を無くしたりしないことを。
だからこそ、今日という日に仕掛けることにしたのだ。七海はある覚悟を決めていた。
「灰原は結婚する予定があるのか?」
「え?ないよ〜?突然なんで?」
1799「灰原、飲んでるか?」
「飲んでるよ〜。七海はどう〜?」
「人並みには」
七海は人より酒が強いためちょっとやそっとじゃ酔わない。対して灰原は量は飲めるのだが普通に酔いはするタイプだった。現に顔は紅いし口調もいつもより間延びしている。だが長年の付き合いで七海は知っている。どれだけ酔っても彼が意識を飛ばしたり記憶を無くしたりしないことを。
だからこそ、今日という日に仕掛けることにしたのだ。七海はある覚悟を決めていた。
「灰原は結婚する予定があるのか?」
「え?ないよ〜?突然なんで?」
まどろみ
MOURNING七灰。転生if。双方記憶あり。クレープを紙ごと食べる七の話。口は禍の元前世の恋人と再会できるならどんな状況でもいい。会えることの方が重要だから。そう思ってはいたが、これはあんまりではないか?
***
学校の最寄り沿線の某商店街。
七海は今世の同級生(前世の後輩)たちに連れられてクレープを食べにやってきた。人混みの中を歩き続けると虎杖がある一点を指差して七海の腕を引いた。
「あった!あの店だよナナミン!」
クレープなんてどれも同じじゃ…と考えていた七海の思考を見抜いての行動だろう。よっぽど楽しみにしていたのだろう。釘崎や伏黒も心なしか浮き足立っていた。
「…人気店なんですね」
店先には老若男女が列を作っている。
「ボケっとしてないで私たちも並ぶわよ!」
釘崎に促され行列の最後尾に向かう。前のグループからメニューを渡されたその時だった。
1583***
学校の最寄り沿線の某商店街。
七海は今世の同級生(前世の後輩)たちに連れられてクレープを食べにやってきた。人混みの中を歩き続けると虎杖がある一点を指差して七海の腕を引いた。
「あった!あの店だよナナミン!」
クレープなんてどれも同じじゃ…と考えていた七海の思考を見抜いての行動だろう。よっぽど楽しみにしていたのだろう。釘崎や伏黒も心なしか浮き足立っていた。
「…人気店なんですね」
店先には老若男女が列を作っている。
「ボケっとしてないで私たちも並ぶわよ!」
釘崎に促され行列の最後尾に向かう。前のグループからメニューを渡されたその時だった。
まどろみ
TRAINING七灰。タイムカプセルを開ける話。メリバタイムカプセル≒恋文珍しくもない五条の呼び出しに応答し二つの箱を持って帰宅した。片手で持てるくらいのサイズのそれはタイムカプセルだ。手渡されるまですっかり存在を忘れていた。十年前の今日、先輩の思い付きがきっかけで作ったものだった。一つは自分のもの、もう一つは…同級生の灰原のもの。「本人がいないから仕方ないだろ」という彼の手には、取りに来れない人間の分を含めて二つの箱があった。差し出されたものを固辞しようとしたが「それはお前が開けるべきだ」と家入にまで言われては持ち帰るしかなかった。
手始めに自分の名前が書かれた箱を開ける。中には手紙と当時好きだった作家の文庫本が一冊。手紙には当たり障りのない文章が羅列されており、すぐに読み終わってしまった。当時は自分でこれを読むとは思ってなかったのだ。呪術界という万年人手不足のこの業界、後ろ盾のない身では早々に切り捨てられるだろうと。だから誰に見られてもよいものにしたのだったと当時を振り返る。後ろ向きな気持ちで作ったものに哀愁や懐かしさなんてかけらもない。というより、手渡された時からもう一つの箱にしか意識は向かなかった。唯一の同級生、灰原雄のタイムカプセル。これを作った数か月後には儚くなってしまった彼だが、未来の彼自身に一体何を残したのか。勝手に見てしまうことへの謝罪をしつつ彼の分の箱を開ける。中に入っていたのは手紙と旧式の携帯電話と充電器。これを作る少し前に新しい機種にしたんだーと言っていたな、と当時を振り返る。随分昔の話なのに、彼のことならすぐ思い出せてしまうことに苦笑する。携帯を充電し電源を入れると暗証番号四桁を求められた。彼にプライバシーやセキュリティなんて概念があったのかと驚きつつ誕生日や身長など知りうる情報を入れるがどれも違うようではねられてしまった。仕方なく見るのが怖くて後回しにしていた手紙を開封する。一枚の紙には、懐かしい彼の筆跡で僕の好きな食べ物を英語で!とだけ書かれていた。彼の好きな食べ物、米だ。それが何だ…と考えているところに携帯が目に入る。暗証番号は数字だとばかり考えていたがどうやら違ったようだ。無事ホーム画面に移り、操作しているとメール欄の中に一件の未送信の下書きを見つけた。
1935手始めに自分の名前が書かれた箱を開ける。中には手紙と当時好きだった作家の文庫本が一冊。手紙には当たり障りのない文章が羅列されており、すぐに読み終わってしまった。当時は自分でこれを読むとは思ってなかったのだ。呪術界という万年人手不足のこの業界、後ろ盾のない身では早々に切り捨てられるだろうと。だから誰に見られてもよいものにしたのだったと当時を振り返る。後ろ向きな気持ちで作ったものに哀愁や懐かしさなんてかけらもない。というより、手渡された時からもう一つの箱にしか意識は向かなかった。唯一の同級生、灰原雄のタイムカプセル。これを作った数か月後には儚くなってしまった彼だが、未来の彼自身に一体何を残したのか。勝手に見てしまうことへの謝罪をしつつ彼の分の箱を開ける。中に入っていたのは手紙と旧式の携帯電話と充電器。これを作る少し前に新しい機種にしたんだーと言っていたな、と当時を振り返る。随分昔の話なのに、彼のことならすぐ思い出せてしまうことに苦笑する。携帯を充電し電源を入れると暗証番号四桁を求められた。彼にプライバシーやセキュリティなんて概念があったのかと驚きつつ誕生日や身長など知りうる情報を入れるがどれも違うようではねられてしまった。仕方なく見るのが怖くて後回しにしていた手紙を開封する。一枚の紙には、懐かしい彼の筆跡で僕の好きな食べ物を英語で!とだけ書かれていた。彼の好きな食べ物、米だ。それが何だ…と考えているところに携帯が目に入る。暗証番号は数字だとばかり考えていたがどうやら違ったようだ。無事ホーム画面に移り、操作しているとメール欄の中に一件の未送信の下書きを見つけた。
まどろみ
TRAINING七灰というか七→灰。物事をあまり深く考えない灰を曲解した。頭がいい灰原くん灰原雄は頭がいい。それを知ったのは中間テストが返ってきた時のこと。いつもと変わらぬ顔で全教科満点のテスト用紙を手に「考えなくてもわかるよね?」などとぬかしてきたからだ。物事を深く考えないと常日頃言っているがなんてことはない、単に考えなくても『わかる』人種なのだ。そんな彼が呪術師になった理由は常人には到底考えつかないものだった。
「人や呪いって何を考えているのかわからないから好きなんだよね」
朗らかに笑う彼はどこまでも純粋で、美しかった。
「ここ、抜け道があるよ」
「足!足を狙って!」
「七海、今日体調悪い?顔色がいつもと違うけど」
『物事をあまり深く考えない』彼は謎の力で全てを見抜いてしまう。初見の場所の地理も、敵の弱点も、私の体調の変化も。その能力を惜しげもなく発揮し手を差し伸べる姿はさながら神のようだ。自分と違いすぎる存在に恐怖し、嫌いになれたらどんなに良かっただろう。その快活さ、底知れぬ明るさに救われると同時に惹かれるのは必然だった。
1011「人や呪いって何を考えているのかわからないから好きなんだよね」
朗らかに笑う彼はどこまでも純粋で、美しかった。
「ここ、抜け道があるよ」
「足!足を狙って!」
「七海、今日体調悪い?顔色がいつもと違うけど」
『物事をあまり深く考えない』彼は謎の力で全てを見抜いてしまう。初見の場所の地理も、敵の弱点も、私の体調の変化も。その能力を惜しげもなく発揮し手を差し伸べる姿はさながら神のようだ。自分と違いすぎる存在に恐怖し、嫌いになれたらどんなに良かっただろう。その快活さ、底知れぬ明るさに救われると同時に惹かれるのは必然だった。
まどろみ
TRAINING七灰小ネタまとめ2。察しの悪い灰の続きと大人七社畜七高専七の三人で灰を取り合う話。捏造、生存if注意七灰小ネタまとめ2察しの悪い灰原2
「ナナミン大変!」
高専に報告書を出しに来た七海のもとに、顔を青くした虎杖がやってきた。
「虎杖くん、廊下は走らない。…どうしたんですか?」
「灰原先生がナナミンの結婚式の友人代表スピーチ原稿を書きだした!」
七海は職員室へ駆け出した。
***
「七海の気持ちに灰原が気が付いてないって聞いたから…」
「『七海には好きな人がいるんだって。でも先に進めなくて困っているみたいだよ』って教えてあげたら…」
「何を思ったか七海が結婚するんだって勘違いしてスピーチ原稿書き出した」
「あいつすげえよ、相手が自分のことだなんて露程も考えてねえ」
「だけど友人代表に選ばれる自信はあるみたいだよ」
「「お手上げだ」」
「…」
1208「ナナミン大変!」
高専に報告書を出しに来た七海のもとに、顔を青くした虎杖がやってきた。
「虎杖くん、廊下は走らない。…どうしたんですか?」
「灰原先生がナナミンの結婚式の友人代表スピーチ原稿を書きだした!」
七海は職員室へ駆け出した。
***
「七海の気持ちに灰原が気が付いてないって聞いたから…」
「『七海には好きな人がいるんだって。でも先に進めなくて困っているみたいだよ』って教えてあげたら…」
「何を思ったか七海が結婚するんだって勘違いしてスピーチ原稿書き出した」
「あいつすげえよ、相手が自分のことだなんて露程も考えてねえ」
「だけど友人代表に選ばれる自信はあるみたいだよ」
「「お手上げだ」」
「…」
まどろみ
MOURNING灰+最強二人と七灰。出られない部屋の話。ギャグ※彼は成人しています灰原と夏油の合同任務。だったはずなのだが現場に着くとそこに五条もいた。
「悟は今日別の任務じゃなかった?」
「あんなの一瞬!それより灰原ずりーぞ!傑と一緒に任務なんて」
「はい!すみません!」
「灰原も付き合わなくていいからね」
雑談しながら歩いていると隙を突かれ視界を奪われる。目を開けるとそこは先ほどまでいた屋外ではなく簡素な部屋の中だった。
「ここは…」
「呪霊の領域みたいだな」
五条は夏油の疑問に答えながら壁の上方を眺めている。
「にしてもさん≪ピー≫ってなんだ?」
五条の発言に突如規制音が入るが場所を間違えているようで意味をなしていない。親友の発言に咳込みつつ、彼が見上げている場所へ夏油も視線を写した。
「…」
1884「悟は今日別の任務じゃなかった?」
「あんなの一瞬!それより灰原ずりーぞ!傑と一緒に任務なんて」
「はい!すみません!」
「灰原も付き合わなくていいからね」
雑談しながら歩いていると隙を突かれ視界を奪われる。目を開けるとそこは先ほどまでいた屋外ではなく簡素な部屋の中だった。
「ここは…」
「呪霊の領域みたいだな」
五条は夏油の疑問に答えながら壁の上方を眺めている。
「にしてもさん≪ピー≫ってなんだ?」
五条の発言に突如規制音が入るが場所を間違えているようで意味をなしていない。親友の発言に咳込みつつ、彼が見上げている場所へ夏油も視線を写した。
「…」