なりひさ
DOODLE雨の日のガンマト驟雨 ふと静けさが響く。日が落ちた頃に急に降り出した雨はいつの間にか止んでいた。それに気付けないほどガンガディアは夢中になっていた。
雨の日に情を交わすようになったのはいつからだろうか。激しい雨の日は岩戸を閉めきって肌を合わせるのが暗黙の了解だった。
腕の中のマトリフは息を荒げて声を殺している。ガンガディアの背に立てた爪は、絶頂が近いためか更に食い込んできた。
やがて短い声を上げてマトリフが果てる。夜目がきくガンガディアは、マトリフの顔に浮かんだ笑みを見た。満足そうでいて、狡猾さが滲む。それは目的を遂げた策士の含み笑いであった。
ガンガディアはふと、自分が罠にかかった獲物であると知った。この世には天候を操る呪文があるという。そして今夜の雨は急であった。雲の流れから雨など降りそうもなかったのに。
538雨の日に情を交わすようになったのはいつからだろうか。激しい雨の日は岩戸を閉めきって肌を合わせるのが暗黙の了解だった。
腕の中のマトリフは息を荒げて声を殺している。ガンガディアの背に立てた爪は、絶頂が近いためか更に食い込んできた。
やがて短い声を上げてマトリフが果てる。夜目がきくガンガディアは、マトリフの顔に浮かんだ笑みを見た。満足そうでいて、狡猾さが滲む。それは目的を遂げた策士の含み笑いであった。
ガンガディアはふと、自分が罠にかかった獲物であると知った。この世には天候を操る呪文があるという。そして今夜の雨は急であった。雲の流れから雨など降りそうもなかったのに。
なりひさ
DOODLEメイドの日のガンマト冥土へようこそ マトリフは青い巨体を見上げた。ガンガディアが身に纏っている服から目が離せないからだ。ガンガディアが身につけているのは黒を基調としたワンピースと白いエプロンで、いわゆるメイド服と呼ばれるものだった。
「どうかな?」
どうかなじゃねえよ、とマトリフは叫びそうになったものの、なんとか押し留めた。そして何と言うべきか悩んだ。何故こんなことになってしまったのか、皆目見当がつかない。
ガンガディアの鍛え上げられた肉体は窮屈そうにメイド服に包まれている。黒のワンピースはミニスカートで、胸元も大きく開いている。エプロンにはフリルやリボンがふんだんにあしらわれていて、服だけ見れば可愛らしい作りだった。
「……君がこういうものを好むと聞いたのだが」
1584「どうかな?」
どうかなじゃねえよ、とマトリフは叫びそうになったものの、なんとか押し留めた。そして何と言うべきか悩んだ。何故こんなことになってしまったのか、皆目見当がつかない。
ガンガディアの鍛え上げられた肉体は窮屈そうにメイド服に包まれている。黒のワンピースはミニスカートで、胸元も大きく開いている。エプロンにはフリルやリボンがふんだんにあしらわれていて、服だけ見れば可愛らしい作りだった。
「……君がこういうものを好むと聞いたのだが」
なりひさ
DOODLE転生現パロHey ガンガディアはエレベーターを待っていた。だがエレベーターはまだ上の階にいるらしく、焦ったい気持ちで表示を見上げる。階を表す数字が光り、ゆっくりと下降を知らせてくるが、その遅さが苛立たせてくる。
ガンガディアは無意識に手に持った書類を整えた。ガンガディアの部署に持ち込まれる書類のうち、完璧に整ったものはごく一部だ。どこか抜けがあったり、記載ミスがあるなど、訂正を必要とするものが多い。いくら社内文書とはいえ、提出前に十分に確認すべきだとガンガディアは思う。そしてその訂正を必要とする書類を抱えて、ガンガディアはエレベーターを待っていた。特に一番上の書類ときたら、付箋が何枚も貼られている。いったいどんな書き方をすればこんなにミスをするのかと思うほどだった。
37424ガンガディアは無意識に手に持った書類を整えた。ガンガディアの部署に持ち込まれる書類のうち、完璧に整ったものはごく一部だ。どこか抜けがあったり、記載ミスがあるなど、訂正を必要とするものが多い。いくら社内文書とはいえ、提出前に十分に確認すべきだとガンガディアは思う。そしてその訂正を必要とする書類を抱えて、ガンガディアはエレベーターを待っていた。特に一番上の書類ときたら、付箋が何枚も貼られている。いったいどんな書き方をすればこんなにミスをするのかと思うほどだった。
なりひさ
DOODLEシャンプー「おーい師匠ぉ」
その声に顔を上げれば、ポップが洞窟に入ってきたところだった。ポップは駆け足でこちらへ来ると、そのままオレの背にへばりついた。
「なあ師匠〜、やっぱり相談役に戻ってくれよう」
「嫌だね」
ポップの提案をきっぱりと切り捨てる。ポップはパプニカ王家の相談役として宮仕えしていた。
「だからやめとけって言っただろうが」
「だって姫さんと約束しちまったしさ。ダイが帰ってきたらおれが姫さんの相談役になるって」
「あの姫さんの抜け目の無さは親父譲りか」
つい意地が悪い笑い声をあげてしまう。自分も似たような経緯で相談役になったからだ。背でポップがむくれるのがわかる。
「まさか嫌がらせされてるわけじゃねえだろうな」
1782その声に顔を上げれば、ポップが洞窟に入ってきたところだった。ポップは駆け足でこちらへ来ると、そのままオレの背にへばりついた。
「なあ師匠〜、やっぱり相談役に戻ってくれよう」
「嫌だね」
ポップの提案をきっぱりと切り捨てる。ポップはパプニカ王家の相談役として宮仕えしていた。
「だからやめとけって言っただろうが」
「だって姫さんと約束しちまったしさ。ダイが帰ってきたらおれが姫さんの相談役になるって」
「あの姫さんの抜け目の無さは親父譲りか」
つい意地が悪い笑い声をあげてしまう。自分も似たような経緯で相談役になったからだ。背でポップがむくれるのがわかる。
「まさか嫌がらせされてるわけじゃねえだろうな」
なりひさ
DOODLEガンガさんを想うマト青 繰り返し見る夢がある。あいつが出てくる夢だ。
夢の中であいつは遠くからじっとオレを見ている。場所はその時々によって違うものの、何もせず、ただこちらを見ているのだ。
後悔を罪の意識で包んだような夢だ。それが原因に違いない。
ガンガディア。あの戦いで、オレの腕の中で死んでいった男。温かな青い血が法衣に染み込んでいくあの感覚をまだ鮮明に覚えている。
だがその夢を、オレは夢だと気づけないまま、ガンガディアを呼ぶのだ。緊張を持って呼ぶこともあれば、友人のように呼ぶときもあった。だがガンガディアはその声が聞こえないかのように何の反応もしない。焦れてオレが近付いていくと、途端にガンガディアの体の輪郭は歪んでいく。まるで水に溶けるようにその体は失われていくのだ。そして伸ばした手は空を切る。
1497夢の中であいつは遠くからじっとオレを見ている。場所はその時々によって違うものの、何もせず、ただこちらを見ているのだ。
後悔を罪の意識で包んだような夢だ。それが原因に違いない。
ガンガディア。あの戦いで、オレの腕の中で死んでいった男。温かな青い血が法衣に染み込んでいくあの感覚をまだ鮮明に覚えている。
だがその夢を、オレは夢だと気づけないまま、ガンガディアを呼ぶのだ。緊張を持って呼ぶこともあれば、友人のように呼ぶときもあった。だがガンガディアはその声が聞こえないかのように何の反応もしない。焦れてオレが近付いていくと、途端にガンガディアの体の輪郭は歪んでいく。まるで水に溶けるようにその体は失われていくのだ。そして伸ばした手は空を切る。
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DOODLE禁呪法でマトを作ったガンガさん禁呪法 アバンがガンガディアの姿を見たのは久しぶりだった。深い森の奥の、誰からも忘れられたような遺跡に彼はいた。その姿は以前と変わらないように見える。
「お久しぶりですね」
ガンガディアと会ったのは二十年ぶりだろうか。最後に会ったのはマトリフを見送った日だ。みんなが泣きながら別れを惜しむ中で、ガンガディアは毅然としていた。最後までマトリフと共に過ごしたのだから、誰よりもその喪失を感じていただろう。しかし彼は最後の最後まで涙を流さず、その墓をじっと見つめていた。
「勇者か。久しいな」
「ここに住んでいたのですか。実は興味深い文献を読んで……」
アバンは各地の遺跡調査を行っていた。この遺跡を記した書物を手に入れて、調べに来たのだ。
1145「お久しぶりですね」
ガンガディアと会ったのは二十年ぶりだろうか。最後に会ったのはマトリフを見送った日だ。みんなが泣きながら別れを惜しむ中で、ガンガディアは毅然としていた。最後までマトリフと共に過ごしたのだから、誰よりもその喪失を感じていただろう。しかし彼は最後の最後まで涙を流さず、その墓をじっと見つめていた。
「勇者か。久しいな」
「ここに住んでいたのですか。実は興味深い文献を読んで……」
アバンは各地の遺跡調査を行っていた。この遺跡を記した書物を手に入れて、調べに来たのだ。
なりひさ
DOODLE「コーヒーと紅茶」でコーヒーを選んだルートコーヒー「オレはコーヒーを」
「私も同じものを」
店員は小さくお辞儀をして去っていく。ガンガディアは神妙な顔でマトリフを見た。
「暫く会えなかったから寂しかったよ」
ガンガディアはそう言って机にあったマトリフの手に手を重ねた。マトリフはその温もりに思わず目頭が熱くなる。今の自分にガンガディアの存在がいかに必要なのか、嫌というほどわかっていた。
前世の記憶が思い出さられたのは突然だった。それはマトリフが二人で住むための家を探していた時だった。
マトリフはガンガディアから同棲しようと誘われていたが、ずっと断っていた。その覚悟を持てなかったからだ。ガンガディアはマトリフより若い。それを言い訳にしながら、自分が一歩踏み込む勇気が持てないでいた。
15216「私も同じものを」
店員は小さくお辞儀をして去っていく。ガンガディアは神妙な顔でマトリフを見た。
「暫く会えなかったから寂しかったよ」
ガンガディアはそう言って机にあったマトリフの手に手を重ねた。マトリフはその温もりに思わず目頭が熱くなる。今の自分にガンガディアの存在がいかに必要なのか、嫌というほどわかっていた。
前世の記憶が思い出さられたのは突然だった。それはマトリフが二人で住むための家を探していた時だった。
マトリフはガンガディアから同棲しようと誘われていたが、ずっと断っていた。その覚悟を持てなかったからだ。ガンガディアはマトリフより若い。それを言い訳にしながら、自分が一歩踏み込む勇気が持てないでいた。
なりひさ
DOODLE「コーヒーと紅茶」で紅茶を選んだルート紅茶「オレは紅茶を」
「私も同じものを」
店員は小さくお辞儀をして去っていく。ガンガディアは神妙な顔でマトリフを見た。
「暫く会えなかったから寂しかったよ」
ガンガディアはそう言って机にあったマトリフの手に手を重ねた。マトリフはその温もりに思わず目頭が熱くなる。今の自分にガンガディアの存在がいかに必要なのか、充分にわかっていたからだ。
前世の記憶が思い出さられたのは突然だった。それはマトリフが二人で住むための家を探していた時だった。
マトリフはガンガディアから同棲しようと誘われていたが、ずっと断っていた。その覚悟を持てなかったからだ。ガンガディアはマトリフより若い。それを言い訳にしながら、自分が一歩踏み込む勇気が持てないでいた。
14099「私も同じものを」
店員は小さくお辞儀をして去っていく。ガンガディアは神妙な顔でマトリフを見た。
「暫く会えなかったから寂しかったよ」
ガンガディアはそう言って机にあったマトリフの手に手を重ねた。マトリフはその温もりに思わず目頭が熱くなる。今の自分にガンガディアの存在がいかに必要なのか、充分にわかっていたからだ。
前世の記憶が思い出さられたのは突然だった。それはマトリフが二人で住むための家を探していた時だった。
マトリフはガンガディアから同棲しようと誘われていたが、ずっと断っていた。その覚悟を持てなかったからだ。ガンガディアはマトリフより若い。それを言い訳にしながら、自分が一歩踏み込む勇気が持てないでいた。
なりひさ
DOODLE現パロガンマトコーヒーと紅茶 ガンガディアの部屋の、ガンガディアが選んだらしい家具はやたらと豪華だ。そのひとつのソファに寝そべりながら、マトリフは天井を見上げていた。高い天井には、くるくると回るファンが付いていて、金持ちはなぜあんなものを天井に付けたがるのかと不思議に思う。
バスルームからはシャワーの音が聞こえていた。ガンガディアが出てくるまであと数分。先にベッドルームに行っていてもいいのだが、面倒臭さが勝っていてソファでだらけている。飲み終わったミネラルウォーターのペットボトルを手で弄びながら、ガンガディアが出てくる前に帰ってしまおうかと考えた。
だが数分も待たない間にガンガディアがバスローブを着て出てきた。なぜ金持ちはバスローブを着るのだろうか。
18640バスルームからはシャワーの音が聞こえていた。ガンガディアが出てくるまであと数分。先にベッドルームに行っていてもいいのだが、面倒臭さが勝っていてソファでだらけている。飲み終わったミネラルウォーターのペットボトルを手で弄びながら、ガンガディアが出てくる前に帰ってしまおうかと考えた。
だが数分も待たない間にガンガディアがバスローブを着て出てきた。なぜ金持ちはバスローブを着るのだろうか。
なりひさ
DOODLEガンマトバレンタインオレの この甘ったるい季節がまたやってきた。マトリフは街を歩きながら、赤やら茶色の飾り付けを見る。並ぶチョコレートとその芳香が、準備は大丈夫かとお節介を焼いてくるように思えた。
正月がついさっき終わったと思ったら、もうバレンタインだという。そう同僚に溢せば「歳を取ると時間の経過を早く感じるそうですよ」と笑われた。ついでに「今年も楽しみですね」と付け加えられ、バレンタインの話題を振ったことを後悔した。
楽しみですね、と言われた通り、マトリフは今日を楽しみにしていた。今年はバレンタインが平日であるからお互いに半日休を取るくらいには浮かれている。待ち合わせを街の有名な待ち合わせスポットに指定したのはマトリフだ。
1253正月がついさっき終わったと思ったら、もうバレンタインだという。そう同僚に溢せば「歳を取ると時間の経過を早く感じるそうですよ」と笑われた。ついでに「今年も楽しみですね」と付け加えられ、バレンタインの話題を振ったことを後悔した。
楽しみですね、と言われた通り、マトリフは今日を楽しみにしていた。今年はバレンタインが平日であるからお互いに半日休を取るくらいには浮かれている。待ち合わせを街の有名な待ち合わせスポットに指定したのはマトリフだ。
なりひさ
DOODLE現パロガンマトとヒュンおじさんの恋人 店のチャイムが鳴る。夜のコンビニは煌々とした明かりを灯していた。
「いらっしゃいませ」
ヒュンケルは小さな声を上げる。コンビニのアルバイトは数日目だがまだ慣れなかった。元より接客に向く性格でないことはわかっている。だが親がいないヒュンケルを引き取って、一人で育ててくれている父を少しでも助けたくて、ヒュンケルはアルバイトを始めた。
ヒュンケルは棚の前に屈みながら、減っている商品を補充していく。すると客がレジへと向かうのが見えた。ヒュンケルは立ち上がって急足でレジへと向かう。ちょうど客がカウンターにカゴを置いたところだった。ヒュンケルはバーコードスキャナーを片手に持ち、カゴの商品を手に取る。
「ヒュンケル?」
1962「いらっしゃいませ」
ヒュンケルは小さな声を上げる。コンビニのアルバイトは数日目だがまだ慣れなかった。元より接客に向く性格でないことはわかっている。だが親がいないヒュンケルを引き取って、一人で育ててくれている父を少しでも助けたくて、ヒュンケルはアルバイトを始めた。
ヒュンケルは棚の前に屈みながら、減っている商品を補充していく。すると客がレジへと向かうのが見えた。ヒュンケルは立ち上がって急足でレジへと向かう。ちょうど客がカウンターにカゴを置いたところだった。ヒュンケルはバーコードスキャナーを片手に持ち、カゴの商品を手に取る。
「ヒュンケル?」
yuma
DONE復活IF 魔力供給ガンマト微修正済み
「そろそろ魔力が足りないんじゃないか?」
床に座り込んで熱心に古書のページを捲るガンガディアの背中に向かって、マトリフは声をかける。
「いや、まだ結構だ」
精一杯の誘いの言葉に対して、ガンガディアはあまりにもそっけなく、マトリフは眉をしかめる。
マトリフとガンガディアが一緒に暮らし始めて、しばらく経つ。
死の間際のガンガディアから譲り受けたドラゴラムの書には、ガンガディアの魂が僅かに残っていた。その魂は、マトリフの魔力に触れ続けたことで、ふたたび生を得て、さらには実体を伴うことまでできるようになったのであった。
初めて本の中からガンガディアに語りかけられた時、マトリフは大変驚いたものだが、好敵手が蘇ったことは嬉しくないわけがなかった。今度こそ、平和に友情を築きたいと思ったのだ。
1730床に座り込んで熱心に古書のページを捲るガンガディアの背中に向かって、マトリフは声をかける。
「いや、まだ結構だ」
精一杯の誘いの言葉に対して、ガンガディアはあまりにもそっけなく、マトリフは眉をしかめる。
マトリフとガンガディアが一緒に暮らし始めて、しばらく経つ。
死の間際のガンガディアから譲り受けたドラゴラムの書には、ガンガディアの魂が僅かに残っていた。その魂は、マトリフの魔力に触れ続けたことで、ふたたび生を得て、さらには実体を伴うことまでできるようになったのであった。
初めて本の中からガンガディアに語りかけられた時、マトリフは大変驚いたものだが、好敵手が蘇ったことは嬉しくないわけがなかった。今度こそ、平和に友情を築きたいと思ったのだ。
yuma
DONE求愛行動ガンマト書きたくて…色々ネタを混ぜました。バルマト風味(誤解)も混ざるので何でも大丈夫な方向け。
ガンガディアの与える過ぎた快楽に、マトリフの身体は翻弄されている。普段はよく回る舌も今はただただ吐息を漏らすことしかできず、その最中で何かを口走った気もするが、自分ではわからない。
突然、ガンガディアの動きが止まった。
「マトリフ……?」
たったいま絶頂を極めた恋人にかけるには、戸惑いの多い声にマトリフは違和感を覚えてゆっくりと目を開けた。
「どうした?」
覆い被さる巨体の顔は逆光で、よくわからない。
だが、長年の付き合いで、なんらかの理由で目の前の男が絶句している、ということは伝わってきた。
「すまない。君の過去にはこだわらないつもりだったが……」ガンガディアは、口元を手で覆って、かなりショックを受けているような口ぶりだ。
2240突然、ガンガディアの動きが止まった。
「マトリフ……?」
たったいま絶頂を極めた恋人にかけるには、戸惑いの多い声にマトリフは違和感を覚えてゆっくりと目を開けた。
「どうした?」
覆い被さる巨体の顔は逆光で、よくわからない。
だが、長年の付き合いで、なんらかの理由で目の前の男が絶句している、ということは伝わってきた。
「すまない。君の過去にはこだわらないつもりだったが……」ガンガディアは、口元を手で覆って、かなりショックを受けているような口ぶりだ。
yuma
TRAINING現パロガンマトでコマ割りの練習。描きたいとこだけ。せっかくなのでSSではあまり書かなかったガンガさんの反応とかマトの表情をもっと描いた方が良いのかなあ……と思うのだけど、淡々とさせたくもあり……?
p2の3コマ目のマトの目線をガンガさんに向けるかどうか迷った……夜だし、車内が暗い設定だし、ガンガさん運転していて見えていないけど、良い表情みたいな‥‥。
飄々としている感を出したかったので、結局目線はやめ。
コマを割って見て、このお話で注目してもらいたいのはマトのセリフだな〜って感じたので、漫画にする意味があまり出てない……
難しい!!!他の人がコマ割るとどうなるのか見てみたいです……
現パロだけど、ガンガさんはトロルのままでサイズとタトゥーだけ控えめに。 4
なりひさ
DONE【ごくパ展示】ガンマト。キャンプに行く少し前の話。ヒュンケルの恋愛相談に乗るガンガディアとマトリフ。ヒュンポプ、ハドアバ同軸設定。【ごくパ展示】恋愛指南「好きな相手にどう接すればいいか、かね」
ガンガディアは眼鏡を押し上げて目の前のヒュンケルを見下ろした。ヒュンケルは真剣に面持ちで頷く。あの小さかったヒュンケルがそんな悩みを口にするほどに成長したとは感動を覚える。
「そういう相談ならガンガディアに、と父さんが」
言ってヒュンケルはちらりとマトリフを見た。マトリフは我関せずという風に本を読んでいる。ガンガディアとマトリフがパートナーであることは皆が知っていることだった。
「私で良ければ相談に乗ろう」
「よろしく頼む」
「好きな相手にどう接すれば良いか、だったな。もちろん一概に言えることではない。ひとは様々だ」
ガンガディアは当たり障りがないことを言いながら思考を巡らせる。相談に乗ると言ったものの、恋愛は得意な事柄ではなかった。マトリフとパートナーになったが、彼以外に恋愛感情を持ったことすらない。
3221ガンガディアは眼鏡を押し上げて目の前のヒュンケルを見下ろした。ヒュンケルは真剣に面持ちで頷く。あの小さかったヒュンケルがそんな悩みを口にするほどに成長したとは感動を覚える。
「そういう相談ならガンガディアに、と父さんが」
言ってヒュンケルはちらりとマトリフを見た。マトリフは我関せずという風に本を読んでいる。ガンガディアとマトリフがパートナーであることは皆が知っていることだった。
「私で良ければ相談に乗ろう」
「よろしく頼む」
「好きな相手にどう接すれば良いか、だったな。もちろん一概に言えることではない。ひとは様々だ」
ガンガディアは当たり障りがないことを言いながら思考を巡らせる。相談に乗ると言ったものの、恋愛は得意な事柄ではなかった。マトリフとパートナーになったが、彼以外に恋愛感情を持ったことすらない。
なりひさ
DONE【ごくパ展示】ガンマト。ガンマトのイチャイチャを目撃してしまうアバン。【ごくパ展示】甘噛み アバンは出来上がったシチューを器に入れた。日も傾き、一番星が空に輝いている。
皆は楽しそうに食事を楽しんでいた。平和になってからというもの、皆で定期的に集まっては食事会を開いている。
しかし今回は趣向を変えてキャンプをすることになった。ポップは野宿と何が違うのかと不満を言っていたが、今は楽しそうにダイたちと出来上がったシチューを食べている。他の者たちも会話に花を咲かせていた。
アバンは器に入れたシチューを二つ持ち、あたりを見渡した。先ほどからマトリフとガンガディアの姿が見えない。二人は近くの川に魚を釣りに行っていたはずだ。
アバンは器を持ったまま小川の方へと向かう。小さな森をこえた先にその小川はあった。
1886皆は楽しそうに食事を楽しんでいた。平和になってからというもの、皆で定期的に集まっては食事会を開いている。
しかし今回は趣向を変えてキャンプをすることになった。ポップは野宿と何が違うのかと不満を言っていたが、今は楽しそうにダイたちと出来上がったシチューを食べている。他の者たちも会話に花を咲かせていた。
アバンは器に入れたシチューを二つ持ち、あたりを見渡した。先ほどからマトリフとガンガディアの姿が見えない。二人は近くの川に魚を釣りに行っていたはずだ。
アバンは器を持ったまま小川の方へと向かう。小さな森をこえた先にその小川はあった。
なりひさ
DONEガンマト。指輪にまつわる話君に渡すひとつの指輪「師匠〜!」
元気のいい声が外から響いて、ガンガディアは読んでいた魔導書を閉じた。
「いらっしゃいポップ君」
「おじゃましまーすって、あれ、師匠は?」
ポップは洞窟内を見渡してマトリフがいないことに気づいた。ガンガディアは立ち上がるとポップに椅子をすすめる。
「大魔道士は出かけている。だがすぐに帰ってくるだろう。かけたまえ。お茶を淹れる」
「そっかー。あ、これお土産」
ポップは椅子に腰掛けると手土産を机に並べた。それらは焼き菓子で、アバン特製のものだろう。それに合う茶葉があったはずだとガンガディアは棚の中を探した。
「師匠どこ行ってんの?」
「ベンガーナだ。探し物だと言っていたが」
「じゃあ帰ってくんの遅いんじゃねえの?」
8334元気のいい声が外から響いて、ガンガディアは読んでいた魔導書を閉じた。
「いらっしゃいポップ君」
「おじゃましまーすって、あれ、師匠は?」
ポップは洞窟内を見渡してマトリフがいないことに気づいた。ガンガディアは立ち上がるとポップに椅子をすすめる。
「大魔道士は出かけている。だがすぐに帰ってくるだろう。かけたまえ。お茶を淹れる」
「そっかー。あ、これお土産」
ポップは椅子に腰掛けると手土産を机に並べた。それらは焼き菓子で、アバン特製のものだろう。それに合う茶葉があったはずだとガンガディアは棚の中を探した。
「師匠どこ行ってんの?」
「ベンガーナだ。探し物だと言っていたが」
「じゃあ帰ってくんの遅いんじゃねえの?」
なりひさ
MAIKINGガンマト。罠を使ってマトリフを捕まえるガンガディア【まおしゅう2展示】罠を使って大魔道士捕獲大作戦 ガンガディアは茂みに隠れて罠を見ていた。鬱蒼とした森の中は小鳥の声がどこからか聞こえている。
罠と一口に言っても種類は多彩だ。天井がないタイプの囲い罠、罠を踏むと足が括られて捕まえられる括り罠、檻のような箱に餌で誘導して捕まえる箱罠などだ。
今回の獲物は飛翔呪文が使えるので囲い罠では無意味だ。また括り罠では獲物の足を痛める可能性があるから却下。そのためガンガディアは箱罠を用意していた。餌を地面に設置して、その頭上に鉄製の檻を用意してある。もちろんこの檻は目で見えないように細工してある。
人の気配を感じてガンガディアは息をひそめる。見ればこちらに歩いてくる人影があった。それが今回の獲物、大魔道士マトリフであるとわかる。
3919罠と一口に言っても種類は多彩だ。天井がないタイプの囲い罠、罠を踏むと足が括られて捕まえられる括り罠、檻のような箱に餌で誘導して捕まえる箱罠などだ。
今回の獲物は飛翔呪文が使えるので囲い罠では無意味だ。また括り罠では獲物の足を痛める可能性があるから却下。そのためガンガディアは箱罠を用意していた。餌を地面に設置して、その頭上に鉄製の檻を用意してある。もちろんこの檻は目で見えないように細工してある。
人の気配を感じてガンガディアは息をひそめる。見ればこちらに歩いてくる人影があった。それが今回の獲物、大魔道士マトリフであるとわかる。
なりひさ
DONEガンマト。片付けをしていたマトリフはあるものを見つける。それは絶対にガンガディアに知られてはいけないものだった。マトリフはそれをこっそり処分しようとするが……【まおしゅう2展示】絶対に見つかってはいけないものを消滅させる話 マトリフは見つけた箱を手にして首を傾げた。マトリフの洞窟には雑多な物が溢れている。散らかったそれらを片付けようと気まぐれを起こしたはいいものの、中には持ち主のマトリフでさえ不可解な物も紛れていた。
マトリフが手にしたのは細長い箱である。ちょうど輝きの杖が入るほどの大きさだ。随分と重く、やけに頑丈な木箱で、厳重に封がされている。中身が思い出せなくてマトリフは記憶を辿った。だが思い出せない。
ならば見たほうが早かろうと封を解く。木箱の蓋をぱかりと開ければ、そこに鎮座したものが目に入った。
「やべ……」
マトリフは即座に蓋をした。そしてさっき剥がした封をきっちりと巻き付ける。中に入っていた物は、確かにマトリフが過去に使っていた物だ。だがあまりの威力に、使うのを止めて仕舞い込んでいた。
4403マトリフが手にしたのは細長い箱である。ちょうど輝きの杖が入るほどの大きさだ。随分と重く、やけに頑丈な木箱で、厳重に封がされている。中身が思い出せなくてマトリフは記憶を辿った。だが思い出せない。
ならば見たほうが早かろうと封を解く。木箱の蓋をぱかりと開ければ、そこに鎮座したものが目に入った。
「やべ……」
マトリフは即座に蓋をした。そしてさっき剥がした封をきっちりと巻き付ける。中に入っていた物は、確かにマトリフが過去に使っていた物だ。だがあまりの威力に、使うのを止めて仕舞い込んでいた。
なりひさ
DONEガンマト。恋人同士のガンガディアとマトリフ。しかしマトリフはガンガディアに「好き」と素直に言えなかった。そんなある日、ガンガディアが魔界へ行くと知ってしまう。マトリフは自分の気持ちに素直になれるのか【まおしゅう2展示】素直に「好き」と言えない大魔道士の話「よう、邪魔するぞ」
マトリフは言葉と同時に扉に手をかける。そこは地底魔城のガンガディアの部屋だった。
ガンガディアは突然入ってきたマトリフに怒るでもなく、柔らかな笑顔で出迎えた。嬉しさを隠しもしないその表情に、マトリフも自然と笑みが浮かぶ。
「大魔道士」
ガンガディアは身を屈めてマトリフを抱きしめた。その大きく温かな身体に抱きしめられて満たされた気持ちになる。マトリフも腕を伸ばして大きなガンガディアの身体を抱き返した。
「散らかっていてすまない。調べ物をしていて」
ガンガディアの言葉通り、部屋は魔導書や地図などが散乱していた。それは生真面目で綺麗好きなガンガディアには珍しいことだった。
ガンガディアは身を屈めると本を拾い集めてた。マトリフも足元にあった地図を拾い上げる。
6120マトリフは言葉と同時に扉に手をかける。そこは地底魔城のガンガディアの部屋だった。
ガンガディアは突然入ってきたマトリフに怒るでもなく、柔らかな笑顔で出迎えた。嬉しさを隠しもしないその表情に、マトリフも自然と笑みが浮かぶ。
「大魔道士」
ガンガディアは身を屈めてマトリフを抱きしめた。その大きく温かな身体に抱きしめられて満たされた気持ちになる。マトリフも腕を伸ばして大きなガンガディアの身体を抱き返した。
「散らかっていてすまない。調べ物をしていて」
ガンガディアの言葉通り、部屋は魔導書や地図などが散乱していた。それは生真面目で綺麗好きなガンガディアには珍しいことだった。
ガンガディアは身を屈めると本を拾い集めてた。マトリフも足元にあった地図を拾い上げる。
なりひさ
DONEガンガさんとももんじゃマトシリーズその3。100日後にすけべするガンマト。どうせモフモフのほうが好きなんだろ〜すけべするまであと99日〜
ガンガディアはふと本から顔を上げた。そっと隣に座るマトリフに視線をやる。マトリフの頭はふらふらと揺れていた。目は閉じては開き、またゆっくりと閉じていく。もう真夜中だとガンガディアは気付いた。
マトリフが地底魔城に通うようになって暫くが経つ。特に用事があるわけではないのだろうが、マトリフは二、三日おきにやって来ては、地底魔城の様子を見ていく。ガンガディアはマトリフが来るのをいつも心待ちにしていた。会っても少し話をするだけなのだが、それでもマトリフに会えるのが嬉しかった。
今日はマトリフが土産だと言って魔導書を数冊持ってきた。師から譲り受けた貴重なものらしく、ガンガディアは礼を言って読み始めた。するとマトリフもそのうちの一冊を手に取って開いていた。
32701ガンガディアはふと本から顔を上げた。そっと隣に座るマトリフに視線をやる。マトリフの頭はふらふらと揺れていた。目は閉じては開き、またゆっくりと閉じていく。もう真夜中だとガンガディアは気付いた。
マトリフが地底魔城に通うようになって暫くが経つ。特に用事があるわけではないのだろうが、マトリフは二、三日おきにやって来ては、地底魔城の様子を見ていく。ガンガディアはマトリフが来るのをいつも心待ちにしていた。会っても少し話をするだけなのだが、それでもマトリフに会えるのが嬉しかった。
今日はマトリフが土産だと言って魔導書を数冊持ってきた。師から譲り受けた貴重なものらしく、ガンガディアは礼を言って読み始めた。するとマトリフもそのうちの一冊を手に取って開いていた。
なりひさ
DONEガンガさんとももんじゃマトシリーズその2白いモフモフ、魔王軍辞めるってよ マトリフは眠れない夜を過ごしていた。そもそも、今が夜なのかどうかもわからない。
マトリフはももんじゃにモシャスして地底魔城へと潜入していた。その途中でガンガディアに見つかってしまい、正体はバレていないものの、ガンガディアから離れられない状況にあった。
マトリフはガンガディアに抱き締められている。といっても、体の大きさがあまりにも違うために、マトリフがガンガディアの顔面に張り付いているような格好になっている。
「君からは空の匂いがする」
先ほどからマトリフの白い腹毛に顔を埋めながら深呼吸をしていたガンガディアが呟いた。マトリフは何と答えていいかわからないので、とりあえず小さく鳴いてみた。
君の匂いを嗅がせてほしい、とガンガディアに言われたときは、こいつは過労のせいでおかしくなったのかと思った。だがガンガディアの真剣な様子に、マトリフはつい頷いてしまった。
17845マトリフはももんじゃにモシャスして地底魔城へと潜入していた。その途中でガンガディアに見つかってしまい、正体はバレていないものの、ガンガディアから離れられない状況にあった。
マトリフはガンガディアに抱き締められている。といっても、体の大きさがあまりにも違うために、マトリフがガンガディアの顔面に張り付いているような格好になっている。
「君からは空の匂いがする」
先ほどからマトリフの白い腹毛に顔を埋めながら深呼吸をしていたガンガディアが呟いた。マトリフは何と答えていいかわからないので、とりあえず小さく鳴いてみた。
君の匂いを嗅がせてほしい、とガンガディアに言われたときは、こいつは過労のせいでおかしくなったのかと思った。だがガンガディアの真剣な様子に、マトリフはつい頷いてしまった。
なりひさ
DONEガンマト。ガンガディアがももんじゃに癒される話。まだ二人は敵対関係ガンガディアと白いモフモフ ガンガディアは早足で地底魔城の通路を急いでいた。ハドラーは凍れる時間の秘法から復活したが、それは同時に勇者の復活も意味する。いつ勇者が攻めてきてもおかしくなかった。
ガンガディアはハドラーに、凍れる時間の秘法に封印されていた期間の出来事、人間に押し返された地域、つまり現状の報告だけでも多大な時間を要した。魔王軍の立て直しが急務であり、勇者の動向も探らねばならない。ガンガディアは各方面からの連絡をまとめて行い、逐一ハドラーに報告していた。
そんなガンガディアに僅かに休憩する時間が与えられた。ガンガディアはその時間を自己鍛錬に当てようと闘技場へと向かっていた。
するとひと気のない通路に一匹のももんじゃを見つけた。そのももんじゃは薄暗い通路の奥へと向かって歩いている。なぜももんじゃがこんな場所にいるのかとガンガディアは足を止めた。
1728ガンガディアはハドラーに、凍れる時間の秘法に封印されていた期間の出来事、人間に押し返された地域、つまり現状の報告だけでも多大な時間を要した。魔王軍の立て直しが急務であり、勇者の動向も探らねばならない。ガンガディアは各方面からの連絡をまとめて行い、逐一ハドラーに報告していた。
そんなガンガディアに僅かに休憩する時間が与えられた。ガンガディアはその時間を自己鍛錬に当てようと闘技場へと向かっていた。
するとひと気のない通路に一匹のももんじゃを見つけた。そのももんじゃは薄暗い通路の奥へと向かって歩いている。なぜももんじゃがこんな場所にいるのかとガンガディアは足を止めた。
なりひさ
DONEガンマト。現パロ大晦日と正月の朝 大掃除、といってもガンガディアが普段からマメに掃除をしているので、大して汚れてもいない部屋をマトリフは見渡す。申し訳程度に埃取りモップを手にテレビの裏などを覗き込んでみるが、そこは掃除の必要がないほどにきれいだった。
マトリフは一瞬で掃除をする気を無くしてコタツへと入り込む。蜜柑も電気ポットも手の届く位置にあるし、ここに座れば数時間は動かないことになる。
「私はもう行くが、大丈夫かね」
コートを着たガンガディアが言った。マトリフは軽く手を振って早く行けと示す。ガンガディアは元魔王軍連中の年越しパーティーに呼ばれているので、もう出かける時間だった。
「オレも夕方には師匠のとこに行くから気にすんな」
いつもは二人で年越しをするが、今年はガンガディアがいないのでマトリフは師であるバルゴートのところへ行く予定だった。
4244マトリフは一瞬で掃除をする気を無くしてコタツへと入り込む。蜜柑も電気ポットも手の届く位置にあるし、ここに座れば数時間は動かないことになる。
「私はもう行くが、大丈夫かね」
コートを着たガンガディアが言った。マトリフは軽く手を振って早く行けと示す。ガンガディアは元魔王軍連中の年越しパーティーに呼ばれているので、もう出かける時間だった。
「オレも夕方には師匠のとこに行くから気にすんな」
いつもは二人で年越しをするが、今年はガンガディアがいないのでマトリフは師であるバルゴートのところへ行く予定だった。
なりひさ
DONEガンマト。キリ番を踏んでくださった皆様へキリ番マトリフと魔法のランプ
昔々、あるところに大魔道士がいました。大魔道士はある城に暮らしています。その国の名をパプニカといいました。大魔道士はその城に勤める宮廷魔道士でした。
大魔道士の名前はマトリフといいます。マトリフは王様の相談役でもありました。今日もマトリフは持ちかけられた相談について頭を悩ませていました。ところがいい解決策は見つかりません。
「ちょっと休憩でもするか」
マトリフは椅子から立ち上がると背伸びをしました。その拍子に手が棚に当たり、棚にあったものがバラバラと落ちてきました。マトリフは溜息をつきながらそれらを拾い集めていきました。
「なんだこれ」
マトリフが手に取ったのは古びたランプでした。そこでマトリフは数年前に洞窟探検をしてこのランプを見つけたことを思い出しました。しかし持ち帰ったランプは棚に置かれたまま、ずっと忘れ去られていました。
4703昔々、あるところに大魔道士がいました。大魔道士はある城に暮らしています。その国の名をパプニカといいました。大魔道士はその城に勤める宮廷魔道士でした。
大魔道士の名前はマトリフといいます。マトリフは王様の相談役でもありました。今日もマトリフは持ちかけられた相談について頭を悩ませていました。ところがいい解決策は見つかりません。
「ちょっと休憩でもするか」
マトリフは椅子から立ち上がると背伸びをしました。その拍子に手が棚に当たり、棚にあったものがバラバラと落ちてきました。マトリフは溜息をつきながらそれらを拾い集めていきました。
「なんだこれ」
マトリフが手に取ったのは古びたランプでした。そこでマトリフは数年前に洞窟探検をしてこのランプを見つけたことを思い出しました。しかし持ち帰ったランプは棚に置かれたまま、ずっと忘れ去られていました。
なりひさ
DONEガンマト。アドベントカレンダー企画まとめ。オオグンタマを添えて。ただいまのあと ただいま、と言いながらドアを開ける。するとすぐに足音がこちらへと向かってきた。まるで主人の帰りを待ち侘びた犬のようだとマトリフはいつも思う。
「おかえり」
ガンガディアはマトリフを出迎えたが、すぐにリビングへと戻ってしまった。見ればテレビがついている。放送されているのは自然ドキュメンタリーなのか、雄大な森が映し出されていた。
「実に興味深い内容でね」
言いながらガンガディアはテレビの前のソファに座っている。どうやらガンガディアの知的好奇心を刺激する内容らしい。
「一緒に見ないかね」
「ああ、風呂上がったらな」
マトリフは鞄を置いて風呂へと向かった。ガンガディアは大きな身体を丸めて熱心に画面を見ている。
4950「おかえり」
ガンガディアはマトリフを出迎えたが、すぐにリビングへと戻ってしまった。見ればテレビがついている。放送されているのは自然ドキュメンタリーなのか、雄大な森が映し出されていた。
「実に興味深い内容でね」
言いながらガンガディアはテレビの前のソファに座っている。どうやらガンガディアの知的好奇心を刺激する内容らしい。
「一緒に見ないかね」
「ああ、風呂上がったらな」
マトリフは鞄を置いて風呂へと向かった。ガンガディアは大きな身体を丸めて熱心に画面を見ている。
なりひさ
DONEガンマト。アドベントカレンダー企画まとめガンマトアドベントカレンダー3.521素晴らしい人々
「ガンガディアのおっさんが師匠の百歳の誕生日をサプライズで祝いたいんだとよ」
「お前サプライズの意味わかってんのか?」
秘密であろう内容をさらりと言ってしまったポップにマトリフは呆れた。だがポップは調子良く笑いながら肘でマトリフをつつく。
「師匠はとっくに気付いてたろ〜?」
「まあな」
ここ数日ガンガディアは挙動不審だった。それがマトリフの百歳を祝うための準備をしているためだとマトリフは気付いていた。
「当日に師匠を連れ出す役目をガンガディアのおっさんに頼まれたんだよ。理由は何でもいいから適当に出かける用事に誘えってさ。師匠どこか行きたいとこあるか?」
「ねえよ」
「パプニカで最近流行ってるデザートでも食いに行く? あ、でもアバン先生のケーキがあるから甘いものは被るなあ」
1762「ガンガディアのおっさんが師匠の百歳の誕生日をサプライズで祝いたいんだとよ」
「お前サプライズの意味わかってんのか?」
秘密であろう内容をさらりと言ってしまったポップにマトリフは呆れた。だがポップは調子良く笑いながら肘でマトリフをつつく。
「師匠はとっくに気付いてたろ〜?」
「まあな」
ここ数日ガンガディアは挙動不審だった。それがマトリフの百歳を祝うための準備をしているためだとマトリフは気付いていた。
「当日に師匠を連れ出す役目をガンガディアのおっさんに頼まれたんだよ。理由は何でもいいから適当に出かける用事に誘えってさ。師匠どこか行きたいとこあるか?」
「ねえよ」
「パプニカで最近流行ってるデザートでも食いに行く? あ、でもアバン先生のケーキがあるから甘いものは被るなあ」
なりひさ
DONEガンマト。アドベントカレンダー企画まとめガンマトアドベントカレンダー422渦巻く心
君のことが好きだ、とガンガディアは言った。マトリフはその声を思い出して頭を抱える。
ガンガディアは魔王軍に属する魔王の側近、マトリフは勇者一行の魔法使いだ。そのガンガディアからの告白を受けたマトリフは、頭を悩ませていた。
その告白を聞いたときは、尊敬の延長線上にある好意なのかと思った。ガンガディアから妙に気に入られていることには気付いていたからだ。
だが、ガンガディアの様子からどうも違うらしいと察した。ガンガディアはどこか思い詰めた顔をしていた。そしてその告白のあと、何も望まないと言った。
「私のこれまでの行いは変えられない。君とはこれからも敵対関係が続くだろう。だが、どうしても私の思いを伝えておきたかった」
3419君のことが好きだ、とガンガディアは言った。マトリフはその声を思い出して頭を抱える。
ガンガディアは魔王軍に属する魔王の側近、マトリフは勇者一行の魔法使いだ。そのガンガディアからの告白を受けたマトリフは、頭を悩ませていた。
その告白を聞いたときは、尊敬の延長線上にある好意なのかと思った。ガンガディアから妙に気に入られていることには気付いていたからだ。
だが、ガンガディアの様子からどうも違うらしいと察した。ガンガディアはどこか思い詰めた顔をしていた。そしてその告白のあと、何も望まないと言った。
「私のこれまでの行いは変えられない。君とはこれからも敵対関係が続くだろう。だが、どうしても私の思いを伝えておきたかった」
なりひさ
DONEガンマト。アドベントカレンダー企画まとめガンマトガンマトアドベントカレンダー315ふとんの抜け殻
ぽっかりと空いた穴を見つめる。布団はそこに寝ていた主人の形を残していた。マトリフは器用に布団から抜け出したらしい。
部屋は暖炉の火のおかげで充分に暖まっている。外は荒れた天気だが、それを全く感じさせなかった。
さて本人はどこへ行ったのだろうとガンガディアはあたりを見渡す。昨夜は一緒に寝なかったために、その姿を見ていない。ガンガディアの部屋はその体のサイズに合わせてあるので広い。マトリフ一人が身を隠そうと思えばその場所は沢山あった。
「大魔道士」
ガンガディアは極力優しい声音で言った。寝起きのマトリフは機嫌がよろしくない。無駄に刺激しないに限る。だがその姿が何処にあるかだけは確認しておかねばならなかった。
12872ぽっかりと空いた穴を見つめる。布団はそこに寝ていた主人の形を残していた。マトリフは器用に布団から抜け出したらしい。
部屋は暖炉の火のおかげで充分に暖まっている。外は荒れた天気だが、それを全く感じさせなかった。
さて本人はどこへ行ったのだろうとガンガディアはあたりを見渡す。昨夜は一緒に寝なかったために、その姿を見ていない。ガンガディアの部屋はその体のサイズに合わせてあるので広い。マトリフ一人が身を隠そうと思えばその場所は沢山あった。
「大魔道士」
ガンガディアは極力優しい声音で言った。寝起きのマトリフは機嫌がよろしくない。無駄に刺激しないに限る。だがその姿が何処にあるかだけは確認しておかねばならなかった。
なりひさ
DONEガンマト。アドベントカレンダー企画まとめあなたが選んだのは 森の奥深くに、不思議な泉があるという。その泉は水が清らからで、その水と同じくらい清らかな者が訪れたら、幸せになれるという。
「だったらオレは無理だな」
話を聞いたマトリフは笑い飛ばした。自他とも悪党と認める素行の悪さと、清らかとは真逆の性格なのだ。ところがガンガディアが珍しく行きたいと言い張った。知識欲に飢えたこのトロルの我儘を、マトリフも珍しく聞いてやりたくなった。
そして落ちた。ガンガディアが泉に。それはそれは高い水飛沫が上がった。
「何やってんだ?」
マトリフとガンガディアはトベルーラで泉を探して飛んでいた。森の上を飛んでいたら、ぽっかりと空いた場所があり、そこに泉があった。そしてちょうど泉の真上に来たときに、ガンガディアが落ちたのだ。
12966「だったらオレは無理だな」
話を聞いたマトリフは笑い飛ばした。自他とも悪党と認める素行の悪さと、清らかとは真逆の性格なのだ。ところがガンガディアが珍しく行きたいと言い張った。知識欲に飢えたこのトロルの我儘を、マトリフも珍しく聞いてやりたくなった。
そして落ちた。ガンガディアが泉に。それはそれは高い水飛沫が上がった。
「何やってんだ?」
マトリフとガンガディアはトベルーラで泉を探して飛んでいた。森の上を飛んでいたら、ぽっかりと空いた場所があり、そこに泉があった。そしてちょうど泉の真上に来たときに、ガンガディアが落ちたのだ。
なりひさ
DONEガンマト。アドベントカレンダー企画作成まとめガンマトアドベントカレンダー1.5 私は今日こそマトリフに好きだと伝えようと思っていた。私がマトリフに出会ったのはちょうど五年前。恋に落ちたのは四年と三百六十四日前だ。
私はマトリフの研究室に来ていた。私は企業の研究職だが、共同研究員としてマトリフがいる大学に派遣されている。夕方の研究室には私とマトリフしかいなかった。
「マトリフ、話があるのだが」
「なんだよ改まって」
マトリフは競馬新聞を片手にビーカーで黒い液体を混ぜていた。それがインスタントコーヒーで、そのビーカーが前回は何に使われていたのか思い出そうとしてやめた。衛生的であることを信じたい。
「以前から言おうと思っていたのだが」
「マグカップならねぇんだよ。でもコーヒーが飲みてえし」
8026私はマトリフの研究室に来ていた。私は企業の研究職だが、共同研究員としてマトリフがいる大学に派遣されている。夕方の研究室には私とマトリフしかいなかった。
「マトリフ、話があるのだが」
「なんだよ改まって」
マトリフは競馬新聞を片手にビーカーで黒い液体を混ぜていた。それがインスタントコーヒーで、そのビーカーが前回は何に使われていたのか思い出そうとしてやめた。衛生的であることを信じたい。
「以前から言おうと思っていたのだが」
「マグカップならねぇんだよ。でもコーヒーが飲みてえし」
なりひさ
DONEガンマト。アドベントカレンダー企画作品まとめガンマトアドベントカレンダー11恋の物語
これは恋の物語だ。誰に語り聞かせるわけでもないが。
はじめてマトリフに出会ったとき、その鮮やかな魔法は私の世界を変えてしまった。
二度目に会ったとき、その存在にどうしようもなく憧れた。それから私はいつもマトリフのことを考えていた。その魔法と知恵は、私が欲して止まないものだった。
三度目に会ったとき、私は勝利を確信した。この拳があの小さな体の骨を砕く感触がわかった。ようやく勝てると思うと、どこか惜しい気がした。
するとマトリフは血を流しながら、私を褒めた。それは今まで生きてきた中で、一番の喜びだった。
私は魔王を探す中で、少しの期間をマトリフと過ごした。マトリフは決して魔王の居場所を言わなかったが、その少しの停戦が、その後の私たちを変えるきっかけとなった。
3495これは恋の物語だ。誰に語り聞かせるわけでもないが。
はじめてマトリフに出会ったとき、その鮮やかな魔法は私の世界を変えてしまった。
二度目に会ったとき、その存在にどうしようもなく憧れた。それから私はいつもマトリフのことを考えていた。その魔法と知恵は、私が欲して止まないものだった。
三度目に会ったとき、私は勝利を確信した。この拳があの小さな体の骨を砕く感触がわかった。ようやく勝てると思うと、どこか惜しい気がした。
するとマトリフは血を流しながら、私を褒めた。それは今まで生きてきた中で、一番の喜びだった。
私は魔王を探す中で、少しの期間をマトリフと過ごした。マトリフは決して魔王の居場所を言わなかったが、その少しの停戦が、その後の私たちを変えるきっかけとなった。
なりひさ
DONEガンマト。ダイ大小説家ダイ君編を読んで思ったガンマトうちの大魔道士が世話になったようだな「ふざけんなこの野郎! 騙しやがったな」
チンピラは罵声を浴びせながらマトリフの襟首を掴んだ。偽造された証文をマトリフが燃やしてしまったからだ。いくら大魔道士とはいえ小柄な老人であるマトリフは、男に胸元を掴まれて体が傾く。しかしマトリフは危機感などまるでなく、涼しい顔をしていた。そのことにマトリフを掴んでいる男が苛立ちを覚えた。
「このジジイ」
しかし次の瞬間、チンピラは吹き飛んでいた。文字通り、体が弾け飛んで地面に転がっていた。
「大魔道士に気安く触るな」
チンピラを突き飛ばしたのは巨大な青いトロルだった。突然に現れたそのトロルに周りにいた者たちが驚く。トロルはマトリフに向き直ると、掴まれたせいで乱れた法衣を大きな指で器用に直した。
603チンピラは罵声を浴びせながらマトリフの襟首を掴んだ。偽造された証文をマトリフが燃やしてしまったからだ。いくら大魔道士とはいえ小柄な老人であるマトリフは、男に胸元を掴まれて体が傾く。しかしマトリフは危機感などまるでなく、涼しい顔をしていた。そのことにマトリフを掴んでいる男が苛立ちを覚えた。
「このジジイ」
しかし次の瞬間、チンピラは吹き飛んでいた。文字通り、体が弾け飛んで地面に転がっていた。
「大魔道士に気安く触るな」
チンピラを突き飛ばしたのは巨大な青いトロルだった。突然に現れたそのトロルに周りにいた者たちが驚く。トロルはマトリフに向き直ると、掴まれたせいで乱れた法衣を大きな指で器用に直した。
なりひさ
DONEガンマト。と巻き込まれポップトラップブック ポップは不貞腐れていた。己の行動が招いた結果であるのは間違いないが、どこか納得できない気持ちだった。
ポップは本になっていた。比喩でも冗談でもなく、本になっていた。表紙はポップの顔になっており、律儀にバンダナが背表紙に付いていた。
それもこれも、ポップがマトリフの洞窟で開いた本のせいだった。ポップはパプニカで宮仕えをしているが、時々マトリフの知恵を借りに洞窟へと赴いていた。
しかし今日はマトリフは留守だった。ポップは実家に帰ってきたような感覚で洞窟で寛ぎながらマトリフを待っていたのだが、そのときふと本棚のある本に目が留まった。
タイトルが古語であるが、どうもいかがわしいタイトルに読めてしまう。現代語に訳すなら「魔界のエッチ盛り合わせ」とでもなるのだろうか。古代の人もすけべだったんだなあとポップは思いながら、つい手が伸びてしまった。マトリフがいない間にこっそり、最初の一頁だけでも読んでみたかったのだ。
2153ポップは本になっていた。比喩でも冗談でもなく、本になっていた。表紙はポップの顔になっており、律儀にバンダナが背表紙に付いていた。
それもこれも、ポップがマトリフの洞窟で開いた本のせいだった。ポップはパプニカで宮仕えをしているが、時々マトリフの知恵を借りに洞窟へと赴いていた。
しかし今日はマトリフは留守だった。ポップは実家に帰ってきたような感覚で洞窟で寛ぎながらマトリフを待っていたのだが、そのときふと本棚のある本に目が留まった。
タイトルが古語であるが、どうもいかがわしいタイトルに読めてしまう。現代語に訳すなら「魔界のエッチ盛り合わせ」とでもなるのだろうか。古代の人もすけべだったんだなあとポップは思いながら、つい手が伸びてしまった。マトリフがいない間にこっそり、最初の一頁だけでも読んでみたかったのだ。
なりひさ
DONEガンマト。マトリフとクロコダインの会話おめえかよ テランの森の小屋はハドラーの急襲をダイが返り討ちにしてから、ようやく静かな夜を取り戻していた。
クロコダインは小屋の前で見張りに立っていた。もう敵襲はないだろうが、念のために警戒している。
小屋の扉が開く。見ればマトリフが小屋から出てきていた。
「寝てなくて良いのか」
ポップから聞いた話ではマトリフは体が悪いらしい。さらにハドラーの攻撃に対抗して呪文を使って吐血したらしく、ベッドを使って寝ていたはずだ。
「ベッドならあのバカに譲った」
マトリフは腕を組んで口を曲げている。あのバカが指すのがポップだとクロコダインはすぐに気付いた。二人は師弟関係にあり、親しくしているのを見ていた。ポップは大丈夫だと言っていたが、無理をしているのをマトリフは見抜いたのだろう。
2333クロコダインは小屋の前で見張りに立っていた。もう敵襲はないだろうが、念のために警戒している。
小屋の扉が開く。見ればマトリフが小屋から出てきていた。
「寝てなくて良いのか」
ポップから聞いた話ではマトリフは体が悪いらしい。さらにハドラーの攻撃に対抗して呪文を使って吐血したらしく、ベッドを使って寝ていたはずだ。
「ベッドならあのバカに譲った」
マトリフは腕を組んで口を曲げている。あのバカが指すのがポップだとクロコダインはすぐに気付いた。二人は師弟関係にあり、親しくしているのを見ていた。ポップは大丈夫だと言っていたが、無理をしているのをマトリフは見抜いたのだろう。