夏の日差しは厳しく、外はあまりの明るさに目がくらむようだ。
立香は片手で目元に影を作りながらポケットから持っていたサングラスを取り出してかけた。
試着以外で初めてかけるサングラスに少しワクワクしながら目を開ける。
さっきまでとは違って眩さはなく世界がはっきりと見える。
無くてもいいと思っていたけれどこれは便利だ。
何やら紫外線カットがどうとかも言っていた気がするし、きっとこれからも重宝するだろう。
似合うかどうかは試着の時に確認してもらってOKを貰っていたので気にすることなく立香は外に出て行こうとした。
「君、そんなの持ってた?」
「え?」
声のした方を見ると隣で黒いサマーパーカー姿のオベロンが渋い顔で立香を見ていた。
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