nekononora 94とFGO。書くのも読むのも雑食でいきます。逆、リバ、R、G、などなど書きたいように書き散らかします。設定がわからーん! ☆quiet follow Yell with Emoji POIPOI 50
nekononoraPROGRESS「貴方を愛する事はありません」の異世界パーバソの進歩①同姓でも結婚ができ、相手に嫁ぐ方を妻、嫁がれる方を夫と呼ぶ世界だよ。貴族の爵位とかふっわふわ知識です。半年後、離縁予定の旦那様の様子がなにやらおかしいです -1-◆◆◆プロローグのような何か◆◆◆ バーソロミュー・ロバーツ。 悪名高いロバーツ家の男爵子息、25歳。 引きこもりで教養はなく、腰まで無造作に伸ばした髪は櫛が通らぬほど痛み、髪に隠された顔は二目と見られぬほどに崩れている。声はしわがれ、ヒステリックに叫び、メイドや妹に手を挙げ、暴れる癇癪持ち。 しかもまことしやかに囁かれる噂では気狂いであると。 あのロバーツ家が制御しきれぬ、悪行に利用できもせぬ、せめて不利になるような事はするなと、家に閉じ込め無駄飯をくらわしているそんな男。 そのバーソロミュー・ロバーツは今、数年ぶりに見た、記憶よりもでっぷり太った父親に告げられた決定事項に、言葉を飲み込むのに必死になっていた。 3745 nekononoraDONEパーバソ♀→パー+バソお題:翌朝時間:1.5先天的女体化、髭さんもちょろっと出てきます。バソ♀さんが元気で処◯連呼してたりします、パーバソも匂わせありで、尻切れトンボで、やりたい放題です。私と貴方と貴方と私 目を開けたらパーシヴァルの寝顔があった時の心境を20文字以下で述べよ。 答え、よし! これでラブラブセックス生活突入ー! である。歌って踊り出さなかった自分を褒めてやりたい。 恋人となったものの手を出されず添い寝すらしてもらえず、落ち込んでいたのだ。黒髭をBARに連れ出し、相談してしまうほどには。 『黒髭。率直な意見が欲しい、三十代後半女、見目は悪くなく、性格は外向的、箱入りというわけでもない。そんな恋人が処女だった場合、関係を進展させる上で処女はプラスかマイナスか』 『オブラートいります?』 『貴様の溶けやすく破れやすいオブラートなど初めからない方がマシだ』 『マイナス一択。重そうだし面倒臭そうだし、扱いに困る』 2725 nekononoraDONEパーバソお題:白昼夢時間:1h夢と現実との境界があやうくなった鯖達のお話。夢から覚めても「待ってくれパーシヴァル。落ちつきなさい。一旦状況を整理しよう。これは……」 「バーソロミュー。待ちません。私は貴方に告白しなければならない」 バーソロミューの部屋。 椅子に腰掛け優雅にティータイムを楽しんでいた。 湯気が出る紅茶をテーブルに残し、バーソロミューは立ち上がって壁際まで逃げる。 パーシヴァルが自分の身体と壁をもってバーソロミューを追い詰める。 「バーソロミュー、私は……」 真摯な顔と真剣な声でパーシヴァルが告げかけた時、ピンポンパーンと船内放送の音が鳴った。 『ダ・ヴィンチの緊急放送だよ〜! 今! サーヴァント達の中で白昼夢が流行っている!!』 白昼夢は流行るのもなのか? 魔術的攻撃という事だろうか? 2624 nekononoraDONEパーバソ。お題:はじまり時間:1h微小特異点、女マスターや話すモブ女性でます。恋のはじまりとその顛末「“恋のはじまり”素敵な響きだ。得恋となるか悲恋となるか分からないが、確実に何かがはじまるのをその一文で表現している。だがねマスター。恋のはじまりとはなんだろうか? まだ恋におちてないとして、対象の人物達が出会った瞬間は恋のはじまりとは言えるのか? それはこれからはじまる恋の布石でありはじまりとは言えないのか? 好意を抱いた瞬間なのか? その好意もどの程度の基準をいうのか。曖昧すぎる。だからねマスター、もう少し探りをいれてからでいいのでは? 安易に話すべきではないと私は思うのだよ」 白い壁に白い柱。 広い空間の左右には白い長椅子が奥の壁と並行に等間隔で並べられ、椅子によって中央に開けられた道を通って奥にいけば、白い説教台があり、その後ろの壁には大きなステンドグラスが窓にはめ込まれている。 3749 nekononoraDONEパーバソワンドロライです。お題:『花言葉』『バレンタイン』時間:1h現パロ。未成立。逃避行。ラ卿でます。これからハッピーエンドになるから。多分。臆病者の恋 大通りから一本入り、喧騒が薄れ、閑静な住宅街となる手前。 そこに紅茶を専門とする喫茶『ロイヤル・フォーチュン』はあった。 店内は洋風のクラシカルな店構えで、店主が自ら足を運んで揃えたという調度品は、どれも店を厳かに彩る事に成功しており、店内は落ち着いたおとなの隠れ家のような空気が流れていた。 そんな店のカウンター席。 しょぼんと肩を落とした白熊……ではなく、とても体格に恵まれた見るからに好青年という男性が肩を落としていた。 顔は落ち込んだ黄色いポ◯モンのようになっているし、背景に『ショボン』と効果音まで見える。 事情をしっている常連客の何人かが、同情めいた視線を青年に、そして非難まではいかないが、何かしてやれよ、という視線をカウンターの奥に送る。 2181 nekononoraPROGRESSパーバソです。パーバソったらパーバソです。ガ卿やジョンさんでます。とある水夫の一日ストームボーダー生活 ブツと意識が現実と繋がる感覚。 夢から急に覚まされたようなそれに目を開ければ、白い天井が見えた。 寝起き特有の気怠さを纏いながらゆっくりと起き上がり、周囲を見る。 質の良いベッドの上、材質が木や石でない丸テーブルに椅子、壁に埋め込まれる形であるクローゼットに、透明なガラスの板に囲われた風呂場。 ——ふむ。またか。 と、ナイトテーブルの上に置かれたノートを手に取る。 それはこの日の為、私宛に書かれたノート。 一度目はただ訳が分からず一日、部屋から出ず。 二度目はノートがあった為に状況を飲み込み、漫画やアニメという娯楽に一日ひたり。 三度目は紅茶や珈琲、スコーンやクッキーなどに舌鼓を打ちつつメカクレ作品を楽しみ。 2247 nekononoraDONEパーバソワンドロライお題:記憶喪失時間:1h事後を匂わせる描写があります。 もはや通信障害が発生するのが恒例となったレイシフト。 今回も今回とて、通信障害が発生。 管制室からはレイシフト先が観測できるのに、レイシフト先からは管制室に通信できない状況となっていた。 しかも特異点の性質なのか、聖杯の影響か、管制室からはマスターやマシュだけでなく、サーヴァント一騎一騎、観察する事ができていた。 そんな状況、管制室のモニターに映しだされたバーソロミューが、ふむ、と顎に手を当て、話しだす。 ◆◆◆ 「つまり私達の誰かが恋人に関する記憶をなくしており、その誰かを当てれば恋の魔女は満足して聖杯を渡してくれるというわけだね」 朝、レイシフトしてきて昼には特異点で悪さをしていた悪党は退治したという、最短記録を更新した特異点。 2374 nekononoraPROGRESSパーバソのなろうパロ。ネタバレに配慮をしておりません。少しの流血表現、欠損表現があります。他の鯖も多数でます。後日、最終まで加筆修正と設定をちょき直したものを支部にあげます。まったりスローライフ系が溺愛系になりそうです5◆◆◆ それじゃあと女神達にさよならの挨拶をすれば、目を開けて立っていたのに目を閉じて横になっていた。 混乱はしない。夢から覚めた時、横になっていても驚かないのと同じで、すんなりと受け入れた。 目を開ければ、天井にレースの空。 白いカーテンなのだが部屋が暗い為、夜空のような、もしくは海の中のような感覚に陥いる。 「……?」 どちらかといえばこちらに混乱し、そういえば貴方のと紹介された部屋に天蓋付きベッドがあったのを思いだす。 あの時は部屋の広さと調度品の高級さに圧倒され、家具一つ一つに感想を抱く余裕がなかったが、レースカーテンの天蓋付きベッドって。 ——そうか私はヒロインだったか。 なんて心の中でボケつつ、もう少し寝るかと目を閉じる。 9758 nekononoraDONEパーバソです。お題:御伽話みないな時間:1h現パロ、転生、色々捏造。パーさんでないよ。髭さんはでるよ。御伽話のような再会を「パーバソという動詞があるだろう?」 「ねぇよ」 純喫茶風の喫茶店。 がたいが良い男性二人が奥のテーブル席に座っている。 そのうちの一人、整った顔をし洒落た服を着こなす伊達男が問いかけた言葉を、二メートルは超えていそうな黒髭の男が即座に否定する。 黒髭男の否定を受け、伊達男が「ならば教えてやろう」と、紙の上にボールペンを置く。 それに対して黒髭男は手帳から顔も上げずに拒否した。 「謹んでお断りしまーす」 「そう遠慮するな。“空と海とあと事件”シリーズのダブル主人公、パーシヴァルとバーソロミューのカップリングがしけこむ事を、」 「断るって言ってんだろうが。それに原作者が二次把握とか、地雷とする読者もいるんだから控えてくれや。売上に影響したら困るのはお前さんもだろ? なぁ“バーソロミュー”先生?」 3153 nekononoraPROGRESSパーバソなろうの続きいろんな鯖が登場します。ネタバレに配慮していません。まったりスローライフ系が溺愛系になりそうです4◆◆◆ パーシヴァルの名を呼んで合流できたはいいが、なぜか抱き上げられ部屋に連行され、手早く濡れた身体を拭かれて服を着替えさせられた。 パーシヴァル自ら。 執事や侍女が一度、私がと言ったが、「下がれ」の一言に部屋を出ていった。 バーソロミューは着替えさせられている間、風呂場で本を持っていたメイドが入ってきた事を話し、驚いてパーシヴァルの名を呼んだのだと語る。 バーソロミューがあの麗しいメカクレのと特徴を言えば、パーシヴァルは「ここに座って少し待っていて」と三面鏡の前に座らせられる。 パーシヴァルは扉まで歩いていけば、外に待っていた執事に何かを伝えて、また戻ってくる。 「今から髪を乾かすね。渡り人様がもたらした知識によって開発されたドライヤーという道具があって、他にもバーソロミューにとっては馴染みの深い道具は多くあると思うよ」 5817 nekononoraPROGRESSなろうパーバソ進捗状況。奏3の鯖を積極的にだしていくので、その鯖のネタバレがひょっこり飛び出していきます。あるホラー夏イベでのネタバレも今後飛び出すので、注意してください。まったりスローライフ系が溺愛系になりそうです3◆◆◆ 異世界でも風呂はいいものだ 「ぁ〜〜」 人の平均体温よりも高い湯船に足先から入り、肩までつかればおっさんのような声がでた。 事実おっさんではあるのだが、伊達男を装っているので、誰かいれば出さなかった声だ。 だがこの場にはバーソロミューしかおらず、しかも泳げるとまではいかずとも、バーソロミューの身体をもってしても足と手を伸ばしてゆうゆうと入れる浴槽となれば、声もでるというともの。 「生き返る〜」 異世界に風呂文化があってよかった。あ、それともこれは渡り人用かな? なんて考えながら、この十二時間で起こった怒涛の展開を思いだす。 ——まず、死んだ。 そう死んだんだよなぁ、と、ちゃぷ、と湯船から腕を上げる。 5401 nekononoraDONEパーバソのプロット交換会に参加いたしました。男マスターがちらりと登場します。すてきなプロットありがとうございますー!!とても楽しかったです。木の間隠れの夜 生前は夜空といえば、地平線まで続く海と星だった。 今、バーソロミューが見上げる夜空は、木や葉によって遮られ、隙間から月や星がのぞいていた。 「バーソロミュー?」 ふいに名前を呼ばれ、空から前に視線を戻せば、焚き火を挟んで向こうの丸太に座るパーシヴァルが少し怪訝そうな顔をしていた。 「なにかありましたか?」 「あぁ、いや——」 ——しまった。彼と話していた。そちらにも意識をさき、会話はスムーズだったが、目線などで気づかれるか。ましてやパーシヴァルは—— 「——すまないね。恋人の君を蔑ろにしたつもりはないんだ」 話の内容は覚えている。私がどのような話題をふり、彼がどのように返したのかも。 私は、イギリスは世界一幽霊がでる国らしく、ホラースポットも多いんだよと。 3821 nekononoraDONEパーバソお題・満月の夜時間・一時間事前作成事後表現あり。なんのパロになるのか、ファンタジーパロです。世界観はよくある中世の貴族のふっわふわです。気にしたら負けます。仮面舞踏会に参加して、というような感じです。こんなよくある話ならこの後の展開は彼の勝ち 蝶や花よとまではいかずとも、それなりに守られて育てられてきたお坊ちゃんお嬢ちゃん。 後、数年して成人すれば学園を卒業し、本格的に家を継ぐ為の仕事だの、幼い頃に決められた許嫁の元に嫁ぐだの、今ほどの自由は無くなるのは肌で感じている。 だから今。 青春真っ只中の今、友人達と少しの冒険をしてみる。 大人には内緒の秘密の思い出になるはずだから。 ——という事で、バーソロミューは仮面舞踏会に参加していた。 ことわっておくが、バーソロミューは今年で30歳だ。 少年という年代ではなく、大人に秘密の思い出はもう溢れるほど持っている。どちらかと言えばそれは青春の一ページというより、知られれば厳重注意ではすまないかもしれないものだ。 2955 nekononoraPROGRESSある鯖のネタバレがあるので注意パーバソなろう続きポイピクにちょくちょく上げていって、しぶにはまとめてあげます。まったりスローライフ系が溺愛系になりそうです2◆◆◆ チートはこれ以上、いりません 馬に触った事すらないバーソロミューは、もちろん馬に乗れはしない。 正直にそう告げれば、パーシヴァルは親切に馬の乗り方から教えてくれた。 まずパーシヴァルがお手本を見せ、次にバーソロミューが手取り足取り教えてもらった。 「どこを掴めばいいんだい? タテガミ? え、痛くないのかいそれは?」 「あぶみ? あぶみって? あ、騒いだらこの子驚いちゃうか、でも待って、本当にどうすればいい?」 「しっかりした子だけど、本当に私が乗っても問題ないね? けっこう体重あるよ?」 「え、ここから右足で跨ぐ感じで? 後ろに倒れたら支えてくれよ?」 というバーソロミューに、パーシヴァルは、 「引きちぎるほど引っ張るわけでなかったら問題ないです」 5075 nekononoraDONEパーさんが生前、恋愛方面で純粋無垢なパーバソです。別れ云々してますので、苦手な方は注意してください。愛を伝える硝子玉◆◆◆ 世界が白紙化され、たった十数人の人間と、多数のサーヴァントで、世界を救わんと奮闘しているカルデア。 彼等は24時間365日、一秒と気を抜かず緊迫し、張り詰めている——というわけではない。 正月やバレンタイン、ホワイトデーに夏休み、ハロウィンやクリスマスといったイベントごとには接触的に取り組み、望む望まないに関わらずそれはトンチキな事件に巻き込まれる事も多数ある。 笑いが絶えず、穏やかな雰囲気が常にというわけでもないが、悲壮感や鬱々とした雰囲気が蔓延しているような組織ではない。 そんなカルデアは今は一月下旬。 もうすぐバレンタインという事で、毎年勝手に微小特異点なり問題なり何なりが発生するけれど、今年は迎えうつのでなく、打って出ようではないかと、食堂にて会議が開かれていた。 7352 nekononoraTRAINING18↑?パーバソ種火などの設定は捏造です。 6216 nekononoraTRAINING18↑?パーバソ道具を使ってみよう! だったのに、なんか違う感じになりました。 5187 nekononoraDONEワンドロ。お題『新しい一年』時間『1h+1h』パー→←バソのなろうパロ?です。追放ものです。多分。世界観はふっわふわです。気にしちゃいけません。海賊他鯖も出てきます。追放されたら領主からの溺愛生活が決定しているので回避したいです ここ数年、海軍を増強しだした隣国との微妙な関係や、棲家を沖合から遠洋へ移したシーサーペントの報告、それによりシーサーペントを恐れ逃げたモンスター達が沖合や沿岸で見掛け、そこで生態系を形成したのが観測され、さらには地形や気候が鱗が薬となるとされる魚の養殖に適している事もわかり、元は国もさほど力を入れていない港町だったのだが、今では注目を集め、仕事を求めて人や冒険者達が集まり、人が集まれば商人も店を開き、寂れていたのが嘘のように賑わうようになっていた。 数年前までは新年を祝う行事もひっそりと行われていたものだったが、いまでは花火があげられ、音楽が奏でられ、踊り、深夜まで酒場や店も開き、祝い酒や料理が振る舞われている。 3497 nekononoraTRAINING18↑?えちち練習第二弾。初夜失敗編。技術顧問もでるよ。 3818 nekononoraTRAINING18↑?えちちが書けなくなっている気がする!!と言う事で、自主練です。パーバソです。不定期にあげてきます。 3014 nekononoraMEMOメモメモメモメモメモカルデアの記憶もある転生現パロ。カルデアと現在の描写を交互にいれる。 一章『忘れられない』現代 幼いバソ。5歳ぐらい。ネグレクトされていたが、パーの記憶を頼りに耐えている。ある日、前世の記憶のある鯖に引き取られる。その鯖は俳優と女優だが、バソを芸能界には近づけさせない。 バソには援助をしてくれるあしながおじさんのような存在がおり、義父母から月に一回、そのあしながおじさんさんから手紙を渡される。 二章『約束』カルデア 世界を救い、退去時の話。 約束を覚えているかと話し、笑って両片想いの状態で別れるパーバソ。 三章『過去』現在 バソ6歳。手紙はパ卿だろうと義父母に質問するが答えてはくれない。 7歳。手紙の消印を頼りに探そうとする。 1032 nekononoraDONEパー→←バソです。ワンドロです。事前作成お題・「騎士」「海賊」時間・1時間➕1時間次こそは一時間で書きたい。ベディさんとバソさんが喋っていて、パーさんは最後にちょろっとでます。海賊と騎士と例の部屋 カルデアにおいて、お騒がせなサーヴァントは多数いる。 お騒がせにも種類があり、微小特異点を作りだすものから、猫耳をはやしてまわるというものまで、様々だ。 多種多様のお騒がせの中でも、特に厄介とされるのがキャスターどものはっちゃけだ。 ふだんは個人の工房に篭ったり、一匹狼を気取ってるくせに、「こんなのできたらおもしろいんじゃね?」で、徒党を組み、「これも」「あれも」「こうしたら」で、技術顧問も頭痛を覚える魔術を生みだす。 生みだして有効活用するなら、よくはないが、まだいいと言いたくなるのだが、作れた! 満足!! 解散!! という遊んだ玩具は片づけなさい状態になる事もしばしば。 マスターやサーヴァントの誰かが被害に遭い、作ったキャスターどもが呼び出されて片付けを命じられる姿は、頻繁に見られるものであった。 5429 nekononoraDONEパーバソになるお話を書きたかったんですよ。お題『晴れた朝』時間1h45とあるリリィの人魚劇 その港町は白夜が空と海を支配していた。 夜と言うには明るく、朝というには暗く、そんな薄暗い世界が数十年と続いており、太陽が海を照らす昼や、月が空を輝かすを知る者は老人ばかりで、今は昔話として語り継がれているような伝説となっていた。 昔は夏になれば暑く、冬になれば寒かったらしいが、今は一年を通して、いや一日を通してずっと肌寒く、涼しくて過ごしやすいが、油断すると手足が冷えてしまうような気候が続いていた。 日照や寡照で人体や家畜、作物等にも様々な問題が起きるはずなのだが、不思議な事にその港町にはそれらの弊害は起きていなかった。 ただ日照が多い地域にありがちな明るさは落とされ、暗く淀んだとまではいかないが静かで凪いだ営みが港を包んでいた。 3854 nekononoraDONEパーバソ。トリさんとバソさんがお喋りしてるよ。パも少しだけでるよ。二人の秘密 古今東西、紀元前の時代からの神も未来のAIだって在るカルデアでは、本人達も予期せぬ恋の花咲く事がある。 春は花見で花が咲き、夏は夏季休暇で花が咲き、秋は紅葉狩りで花が咲き、冬は雪合戦で花咲く事がある。 さて。 この度、夏休暇を経て、カルデアではある花が咲いていた。 咲き誇っていた。 それは清き愚か者円卓第二席パーシヴァルと軽妙洒脱の伊達男バーソロミュー。 主に伊達男のバーソロミューが持ち前の顔と身体と技術と話術を駆使してパーシヴァルに迫り、パーシヴァルは頬を赤くしたり注意したりしながらもしっかりとバーソロミューの手を離さなかったりするので、皆、温かく見守っていた。 そんな二人がついに数日前、お付き合いを始め、身内の祝い事にガウェインとランスロットはトリスタンの部屋で祝賀会という名の飲み会をひらいていた。 4592 nekononoraDONEオメガバースの続き。パー←バソ。今回は黒髭さんとバソが出るよ。時たまあるのですが、なぜか改行がずれるので、縦書き表示にしてます。空に芽吹いた恋心「最近、私は腑抜けている」 元々、夏からよくつるむようになった秩序善のパーシヴァルやカルナにあてられてはいたのだ、そこに混沌中庸のアーラシュにパーシヴァルの語りを聞いてもらってニコニコだったり、混沌中庸のオジマンディアスのスフィンクスアウラードに癒されたりと、なんだか最近、浄化されている気がする。 つまり混沌悪が足りていない。 圧倒的に不足している。 水清ければ魚棲まずというではないか。 少しは濁ってくれないと息ができない。あ、この諺ははあまりに清廉潔白だと人が寄ってこないという意味だったか。まぁいい。ともかく、ともかくだ、一発で周囲の治安を下げて水を濁らせてくれるサーヴァントを求めていた。 そしてバーソロミューには心当たりがあった。 2262 nekononoraDONEパー→←バソバソがガウェと話す。パーさんででないよ。この後、パーバソになる。恋人となるまで後一歩「お隣、失礼します」 BAR蜘蛛の巣。 カウンターの席でひっそり呑んでいたバーソロミューの横に、サーヴァントが一騎座る。 バーソロミューは呑んでいた白いカクテルをカウンターに置くと、マントも鎧も身につけず、軽装の太陽の騎士に向かい苦笑した。 「円卓は皆、そう押しがつよいのかい?」 「皆とまでは。トリスタン卿などはああ見えてのらりくらりと引きますし……あぁモリアーティ教授……今はマスターでしたか、私にもカクテルを。甘いのが飲みたい気分で、カルーアミルクで」 「……」 童顔の顔に似合ったカクテルを頼むものだと思いはしたが、言葉にはしない。 二分もせずにガウェインの前に置かれたグラス。底に一センチほどのコーヒーリキュールとその上に牛乳のコントラストだけで甘い酒のカクテル言葉が『臆病』だと知っていたからだ。 3143 nekononoraDONEパー→バソ。ワンドロ。過去のお題をお借りしました。『デート』恋に恋する大海賊 生前、ついぞ恋だの愛だのに縁がなかった。 いやこの言い方では、私に好意を向け、告白してくれた者達にあまりに不義理だ、訂正しよう。 「生前、私は誰かに恋をした事がなくてね。このみてくれだ、秋波は多数に送られたが……どうにもそれ止まりで。私が一歩踏み出せなかったといえばそれまでなのだが……」 そこで言葉を区切り、目の前の青年を見やる。 一回り年下の白い髪と空色の目の青年は、動かしていた手を止め、戸惑ったようにバーソロミューを見た。 「別に避けていたわけでも忌避していたわけでもなく、それなりに興味はあったのだよ。身を焦がすような恋や、誰かを自分以上に慈しむ深い愛に」 だからね、とフフッと微笑みを青年に向ける。 1658 nekononoraDONEパー←バソのパーバソ。前回の続き。オメガバースおや? パーさんの様子が?自分への矢印は鈍いバソさん。海は空の異変に気が付かない「ハハハハハハハ!!!!」 真横で聞くこの声量にももう慣れたなぁ、あ、うそ、慣れてない。耳、きーんてなる。音量絞ってとか不敬になるかなぁやっぱり耳栓かなぁこれも不敬かなぁなんて思いながら、バーソロミューはモグモグとマッシュポテトを食べる。 そこに食堂にパーシヴァルを含めた数人の円卓が入ってくるのが見え、目線だけで挨拶を送る。 パーシヴァルは承知した、というように少しだけ頭を前に傾け頷いた。 なんというかその顔にはまだ心配という文字が張り付いて見える。これは時間を作って説得する必要があるかもしれない。うーん、いつか作れるかなぁ。今は無理かぁと、横に座るファラオを見やる。 そこに、 「同席するぞ」 と、バーソロミューの前に座ったのはカルナだ。 5632 nekononoraDONEパー←バソオメガバースです。ベータだと思っていたバソがオメガだと知って、はっちゃけます。海は空に手を伸ばす ドバイの夏を経て、バーソロミュー、パーシヴァル、カルナの三人は仲を深めていた。 始めはベータのバーソロミューがアルファの二人に対し壁を勝手に感じているようだったが、今では第二の性の垣根を越えて友となっている。 一週間に一度定期的に集まって近状を報告したり食事をしたり、シミュレーターに行ったり手合わせしたりと友好を育んでいたが、最近、スケジュールが合わず、三週間は集まっていなかった。 パーシヴァルが声をかけ、この日、昼の二時間なら三人の予定があった。 パーシヴァルの部屋に各々紅茶や菓子を持ち寄り、久々の集まりに話に花が咲き、盛り上がった。 二時間はあっという間に過ぎ、バーソロミューが「ではそろそろ私はお暇するよ」と立ち上がる。 6991 nekononoraDONEパーバソのワンドロです。お題……貴方のせい本来なら一騎ずつ部屋はないし、湯船はないだろうが、弊カルデアにはある感じで!!あれ? シリアスなった? あれ??指先からこぼれ落ちる宝物「バーソロミュー、いるだろうか?」 恋人の声とコンコンというノックの音。 ベッドで横になり、ブカブカのシャツと下着という少々だらしない格好で漫画を読んでいたバーソロミューは慌てて起き上がる。 「パーシヴァル? いるよ。今開けるから待ちたまえ」 返事をしつつ、清き愚か者には目に毒な漫画をベッドの下に隠し、シャツを脱いでこれもベッドの下に突っ込むと、エーテルで服を編み、身だしなみを整える。 五秒で支度を整えると、バーソロミューは姿勢良く優雅にドアまで歩き、鍵を解除した。 ウィンと機械音が鳴り、自動でドアが開く。 バーソロミューよりも頭一つ分ほど高い位置にあるパーシヴァルの顔を見上げ、口元を緩めて微笑む。 3455 nekononoraDONE観用少女パロ。パーバソです。空の瞳を持つ少年の初恋「“人魚姫”を探して欲しいのです」 事務所を訪れた、えらく毛並みの良い男から告げられた依頼に、バーソロミューは微笑みを崩さぬまま目を細めた。 “人魚姫” 多くの者はハンス・クリスチャン・アンデルセン作の御伽噺を思い浮かべるだろう。 だがこの港町と、観用少女に興味がある者の間では違った意味を持つ。 二十年ほど前。 とある富豪がある観用少女に惚れ込んだ。 カラスの濡れ羽色の絹のような髪に、褐色の肌。整った顔とスラリと伸びた四肢は中性的な魅力があり、多くの者を虜にした。 そしてその多くの者が観用少女の主人になろうと、少女の瞼をあげようとした。 観用少女は大金を積まれようとも、宝石を用意されようとも、訪れるどの顧客にもその瞳を見せる事はなかった。 5645 nekononoraDONE18↑?ワンドロで書こうとした。本番はないよ。あくまで魔力供給だよ。マスターと逸れちゃったよ。一時間では書けたが、なんというかあれ? テーマにそってないし、これじゃあ騎上だよってなり、朝起きたら騎上にもなってねぇじゃねぇかと気づいた。まだ付き合っていない両片思いのパーバソです。 1648 nekononoraDONE神ミキみっきーについてあれこれ神先生が考える話。他登場、担当編集、くらさん、よしさん年老いてもずっと隣に⚫️⚫️⚫️⚫️⚫️ 「んぁ?」 顔を上げると、懐かしい——いや見慣れた黒板が。 黒板と自分との間には他の生徒の机と椅子があって、右にはカーテンと窓があって、左には、 「んっ、ふふ」 左から堪えきれないというように、笑い声が漏れた。 え? とそちらを見れば、僕のノートを持つ三木がいた。 「涎で汚れたらなんなんで、避難させといたぜ」 なんていって、頭にポンとノートを乗せてくる。 ありがとうと言ってそれを受け取ったら、次の授業は移動だから早く行くぞと急かされた。 「待っててくれてありがとう」とお礼を言うと、三木は「あと一分起きるの遅かったら、蹴り起こしたけどな」とニッと笑った。 約十八年前、高校時代、毎日のように続いた日常だった。 6553 nekononoraMOURNING神ミキで、こういうのを書こうとして、プロット段階で大きくそれたので、供養しとく。親友というには愛深く「我が名は吸血鬼——」 シンヨコでよくある吸血鬼騒動。 今夜も今夜とて吸血鬼が現れる。 それにいつものようにシンヨコの住人が巻き込まれ、退治人や吸対が退治して一件落着——とはならなかった。 三木カナエが消失した。 久しぶりに飯でも行こうと連れ立って、シンヨコの町を歩いていたら、吸血鬼が何かを叫び、ビームのような光を受けた三木は輪郭がぼやけ、空気に溶けるように消え去った。 「え?」 三木がいた空間を触る。 なんの手応えもない。 吸血鬼は、と慌てて周囲を探すが、もう逃げおおせた後であった。 目の前で人が煙のように消えた。 異常事態とはいえ、神在月はそこまで焦ってはいなかった。 ここはシンヨコ。超常な出来事が日常な町。 1194 nekononoraDONE後編ミキヨシ。視点がコロコロかわります。その他登場人物、弟さん、神先生。例え姿形が変わっても -後-●◯●◯●◯ 三木さんは見た目とは裏腹に、分かりやすく素直な人だった。 だから僕に向けられた好意に気づくのは簡単だったし、僕の行動で一喜一憂する様が可愛くて愛おしくて、気づけば僕も好きになっていた。 とはいえ自分はもう四十の冴えないおっさん。 しかも恋愛経験も豊富とは言えず、自分から踏み出す勇気はなく、三木さんからの出方を待った。 そんな僕達をクラさんは見守って……くれてなかったな、めっちゃストレートに背中押しまくってたな僕のも三木さんのも……クラさんが ガンガンいこうぜであの手この手をするものだから、ノースディンさんに、『人間の短い時間でなにを躊躇しているんだ。というかな、私との時間もお前等の相談が増えてる、どうにかしろ』って言われた事もあったな。 5912 nekononoraMAIKING中編交際済みミキヨシと、クラさんにに片想い中のノスです。とある宗教を彷彿とさせる描写がガッツリあります。前後半予定が、思いの外、長くなり分けました。三木さんが知らぬところで何が起こっていたのか回。静かに怒っているクラさんと、内心動揺してちょっと破れかぶれになっているヨシさんです。モブオリキャラ吸血鬼二人と、ドちゃんとロくんも少しだけ出ます。例え姿形が変わっても -中-●◯●◯●◯ 能力に目覚めた若い吸血鬼が二人。 血気盛んで畏怖欲も強い彼らはシンヨコという町で出会い、意気投合し、Y談結界というシンヨコ全てを巻き込んだ騒動に憧れ、夜の町で腕を磨いた。 その甲斐あってか最近では二人の催眠を混ぜる事にも成功していた。ただまだ不安定であり、どのように作用するかも二人自身にも分からない。 だからもっと研鑽を積まなければと、気合を入れて夜の町でポンチ被害をばら撒いていた。 そんな忙しくも充実した日々が続いていたある夜、いつものように逃げ場のない道で、通りかかった男性二人組を正面と背後から挟み撃ちにして、催眠をかけようとした。 だが男性の片方、長身で首筋に傷がある男の動きが妙に良く、焦っているうちに吸血鬼達の連携もバラバラになり、そうこうしているうちにメガネをかけた中年男性を庇うようにして長身の男が転倒、怪我を負ってしまった。 4640 nekononoraMAIKING前編交際済みのミキヨシと、クラに片思い中のノスです。後者はこの話ではくっつきませんが、距離は近いです。その他登場人物、弟さん、神先生、太公。例え姿形が変わっても -前-●◯●◯●◯ 「クラさん! 俺を離してください! ここから泳ぎますから!」 「ヨ、夜ノ海、危ナイ」 「一緒に落ちるよりは! ほら島も大きく見えてきましたしって断崖絶壁すげぇな!?」 「ガ、頑張ルシマああぁぁああぁ〜」 「一回落ちしてから後で拾ってくれればいいですから!」 夜の海。 月明かりが海面を照らすその空を三木はクラージィに抱えられ飛んでいた。 因みに抱え方はほぼ垂直に浮かんだクラージィが、三木の後ろから脇下に腕を入れ胸元で組み、それで浮遊するというやり方である。 浮かび移動こそしているが、念動力を覚えたてのクラージィの浮遊は不安定であり、近くの陸地からここまでくる間に何度も危なげな場面があった。 「旅ハ道連レ世ハ情ケデス! 落チルナラ一緒ニッ」 6846 nekononoraDONEミキヨシ。ヨシさん出てこないけど、ミキヨシ。神先生は出てくるよ。童貞くさい攻めが好きなのですが、そういやミキって童貞ですかね? お金がかかるから誰かと付き合った事はなさそうだけど、後腐れなく童貞捨ててそうとも思うのですが、実は童貞でも私が萌えます。過去恋人がいても、仕事優先で長く続かなそうとか勝手に思っており、仕事優先が分かっているから、一、二回でミキ自体がこりて恋人つくらなそうとか勝手に遅れてきた春は嵐模様『もうそろそろ寝るわ。あぁ、そういえば、』 パソコンの音声通話で話していた三木が、今、思いだしたという風に切り出した。 『俺、吉田さんと付き合う事になりました』 「え!?」 驚きすぎて立ち上がり、ガッと膝を机にぶつけてしまう。しかもヘッドホンも外れ落ちて、なかなかの惨事である。 「アッ! ったぁ!? え! ま、待ってミッキー!」 痛む膝を押さえたり、わたわたとヘッドホンを頭に装着しなおす。 「まだきってないよね!? 詳しく! 詳しくプリーズ!」 『……おかけになった電話をお呼びしましたが、』 「よかった繋がってたー!」 三木のギャグをスルーして喜べば、盛大なため息が聞こえてきた。 「よかったミッキー! 吉田さんの事話す時だけ妙に具体的だし、声弾んでるし、と思えば吉田さんに怒られたってしょげて吉田さんの事だけ話して終わる事もあったし! 自覚してるかも怪しかったから心配してたんだけど、付き合えてよかったー!」 2259 nekononoraDONEヨシミキヨシ付き合うきっかけのような話勘違い クラさんと仲良くなり、便利モブオフ会を開くようになり、本人には言ってないが、深く感謝している事がある。 それは、勘違いオジサンになる前に気づかさせてくれてありがとー!! だった。 というのも、便利モブのもう一人、三木さんが三木さんだから悪い。 第一印象、ちょっとガラの悪そうな近づきづらい雰囲気出しておいて、少し仲良くなっただけでお世話させてくださいお金出させてください何でもやりますよをやられたら、そりゃ勘違いする。 ひょっとして僕の事、好きなのかなって。 後から仲良くなったクラさんに対する三木さんの態度を見てなければ、その勘違いは訂正される事なく、僕の方から告白してたかもしれない。 よかった。 1292 nekononoraDONEミキヨシミキ。小説を書いていたヨシさんの話第二話一応、続きも考えてはいるが、一旦終わり。空気のような本の話ー2– 吉田が昔、小説家だった。 しかも三木が定期的に読み返す、気にしていた作家だった。 その事実を知った直後は混乱の極みで、暫く挙動不審だった。 だが一時間で落ち着くと、混乱している場合ではなかったと、三木は吉田の肩を掴んだ。 「吉田さん! もし編集が何か言ってきて困ったとかあれば相談してくださいね! 特に注意する出版社はオータムとかオータムとかオータムとかです!」 「エ!? ヨシダサンノ危機!?」 辞書を片手に本を読んでいたクラージィが顔を上げる。 いつもなら俺一人でというところだが、相手はあのオータム。戦力はあった方がいい。 「クラさん。一緒に吉田さんを守る為、戦いましょう」 「ハイ!」 「なんか大事になってるー! ミキさんはクラさんを煽らない! クラさんは氷で杭つくらないっ! って、いつの間に杭作れるようになったんですか上手ですね畏怖い!」 6002 nekononoraDONEミキヨシミキ。臨時編集のミキさん好きなんですよね。妄想甚だしい感じのお話で吉田さんの過去捏造。クラさんもでてきます。空気のような本の話ー1– 高校時代、親友の影響もあり、漫画や小説を読むようになった。 とはいえ時間も金もなかったので、親友に勧められた本以外はたまに空いた時間、安く手に入ったやもらった本をちまちまと読む、それぐらいだ。 その中で、なぜか捨てられない本がある。 十五年ぐらい前に完結したシリーズもので、一冊目はバイト先の店長から貰い、その後は自分で定価で買った。 内容は日常で起きるちょっとした事件を高校生達が解決するという、学園ミステリや日常ミステリと呼ばれるもの。シリーズで出ていたのと、帯があり、どの巻も何刷りかされているので、売れていたのだろう。 そんないまだに本棚の一部を占領しているが、好きな本なのか? と言われると、そうなのかそうなんだろうなぁでもなぁ、と首を捻る。 3171 nekononoraDONEクラノス。棺桶でしか寝付けないノースディンの話。安心する体温 初めてクラージィを屋敷に招く事に成功した。 苦節というほどではなかったが、それでもあれやこれやと作戦を立て、失敗してはめげずに次の作戦を実行したのだ。 結果としては策略を巡らすより、直球が一番だった。 やぶれかぶれの『私の屋敷に遊びに来い』の一言で、その場で日程まで決まった。 その日までに屋敷を掃除しまくり、客室は念入りに糸くず一つ落ちてないようにした。当日はスコーンを焼いて、茶葉も新しく数種類用意した。クラージィが飽きぬようにゲーム機やソフト、ボードゲームも揃え、気に入りそうな本も入手した。 そして迎えた当日、屋敷を案内しよう。使い魔を紹介しよう。あれをしようこれをしようと考えていたというのに、結局、客間でスコーンと紅茶で話すだけで時間はあっという間に過ぎてしまい、クラージィが帰る時間になってしまった。 2491 nekononoraDONEクラ→→←←←←ノスです。誕生日の話です。当社比、独占欲が強くて嫉妬深いノスで。毎年の予約をしよう「私はお前の誕生日を2月11日と決めている。何か欲しい物はないか?」 ノースディンはふよふよと浮かび、組んだ足に手を乗せ、練習した台詞を音にした。 練習では緊張から何度か噛んだか、スムーズに言え、声も震えていない。表情も緊張から引き攣ってないし、平静を装えたはずだ。 視線を外した事が功を奏した。 クラージィの写真を使っての練習でも、顔を見なければ勝率は高かったのだ。 さて反応はと、心臓を太鼓のように打ち鳴らしながらベンチに座るクラージィを見やる。 彼は少し呆気に取られた顔をしていたが、読んでいた本をパタンと閉じると、彼の横、ベンチの空いている部分を手で軽く叩く。 ここに座れという事か。 浮いたまま、すーと移動し、クラージィの横に収まる。いつでも戦略的撤退をできるように、念動力で少し浮いた状態だったのだが、クラージィが横を向いて膝に置いていた私の手に左手を重ねてくるものだから、驚きで思わず念動力を解除してしまった。 1907 nekononoraDONEクラノスです。文字列の折り返しがおかしいので、縦書きにしてます。すでにお付き合いしています。神から答え合わせがある前に、書いておこうと思いました。なんの日なんですかね、2月11日。2月11日は誕生日 誕生日とは、誕生を祝う日だ。 一般的には生まれた日に祝うが、誕生を祝う記念の日ならば誕生日といえるだろう。……屁理屈かもしれんが。 だから私はクラージィと再会した日を彼の誕生日と決めた。 すでに人間達に誕生日を決められていたが、それは人間どもと考えたものであって、私が祝う記念日があってもいいだろう。 クラージィに伝えるつもりはない。彼を祝いたいが、彼と祝いたいわけではなのだから、という言い訳めいた思考で毎年2月11日を祝い始めた。 「……だから一人で勝手に祝っていたと? 九年も?」 クラージィが渡される事のなかった九年分のプレゼントと、今年の贈り物の山を前に質問する。 口調がどこかこちらを責めているように聞こえ、ノースディンはソファーに座り、グラスを回しながら少し早口になるのを自覚しながら説明する。 2047 nekononoraDONEクラ→←ノス花吐き病ともに溶けた花びら2つ◆◆クラージィ◆◆ 約二百年の眠りから目覚めた時、世界はガラリと姿を変えていた。 文明や文化の進化や進歩はそうだが、なにより吸血鬼と人間の関係性が異なった。 隣人と在るのを良しとし、言葉を交わし、時には手を取り合っている。 吸血鬼となれば即座に胸に杭を打つのが当然だった二百年前とはあまりにも違い、衝撃を受け、感動した。 こんな世界を見せてくれたノースディンには、命を救ってくれたのも含め、返しきれぬほどの恩がある。 そんなノースディンがここ一ヶ月ぐらい、しつこい風邪をひいていると知れば、心配の一つや二つするというもの。 その心配は私にできる事ならという行動にうつり、スマートフォンという便利な道具を使って得た知識をもち、ノースディンの風邪へと挑んでいた。 4770 nekononoraDONE吉←←←←ミキパスワード ysd 771 nekononoraDONEクラミキ。だけど、吉田さんとノースディンさんしかでてません。過保護で心配性なノースディンさんです。杞憂な心配 学生時代から、友人知人に変に肝がすわっていると評価されていた。 汗をかいたりおどおどともするのだが、恐ろしい状況や人にも、わりと物怖じせずものを言うし、対処しているから、らしかった。 吉田としては、そんな事ないんだけどなぁ怖いものは怖いし、逃げる時は逃げるし、という反応だったのだが、今日、今、この瞬間、ひょっとしたら自分は皆が言うように図太いのかもしれないと、ホット牛乳が温まっている電子レンジを見ながら、認識を改めていた。 ピーと電子レンジの音が鳴り、中からコップを取りだす。ラップを外して、部屋に戻る。 「すみません。吸血鬼はクラさんぐらいしか部屋にあげた事がなくて、人工血液の方がよかったですか?」 2900 nekononoraDONEクラノス。欠損してたりするので、少しでも苦手な人は注意。それは確かに愛の告白だった 約二百年前、心の一箇所が常に凍っていた。 それがあのふざけた街での再会で、春の雪解けのように少しずつ溶けていった。 その奇跡に歓喜し、神に私の勝ちだと宣言し、二度とこぼれ落としてたまゆかと害すものがいれば排除してやると誓った。 大事にすると誓ったのだ。隣にあれるのならば溢れでた想いにすら蓋をして、なんでもないように振る舞おうと。 だから私に、あの者の隣にある資格をーー 「っづ」 意識が戻る。目を開ける。痛い。寒い。揺れている。何故。クラージィは、私の血族は、 「気が付いたか」 声は上から、自分の腹部からした。 どのような体勢だと混乱する脳を無理矢理落ち着かせて、状況確認につとめる。 ここは森の中。 3037 12