お手伝い 町を歩いていたら、牛尾さんの姿を見かけた。ルチアーノに断りを入れると、彼の元へと歩み寄る。声をかけると、驚いた様子で振り向いた。
「○○○と、ルチアーノか。声をかけてくるなんて珍しいな。どうしたんだ」
牛尾さんは僕とルチアーノを交互に見た。確かに、僕がルチアーノを伴って牛尾さんに声をかけることはほとんどない。ルチアーノはシグナー陣営が嫌いだし、シグナーもルチアーノのことを良く思っていないからだ。
「牛尾さんに、借りてるものがあったから。忘れる前に返そうと思ったんだ」
そう言うと、僕は鞄の中を探った。中から、軍手と植物用の鋏の入った袋を取り出す。受け取ると、彼は合点が言ったという顔をした。
「ああ、これか。別に、次の機会で良かったんだぜ」
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