三題噺
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DONE数年後同棲鋭百。三題噺『小説・クラフト・冷蔵庫』 100本チャレンジその50(2024/4/4)クラフトコーラの香る夜 クラフトコーラを作ってみたい。
熱心にねだったのは僕だけど、初めにクラフトコーラに興味を持ったのはえーしんくんだ。
きっかけはえーしんくんが読んでいた小説にクラフトコーラが出てきたからで、僕はえーしんくんが映画がきっかけじゃなくて小説から興味を持つこともあるんだなぁってなんだか感心したことを覚えてる。ちなみにえーしんくんが映画をきっかけにいろんなものが気になってしまうことはたくさんあって、それはきっとしゅーくんが言っていた『聖地巡礼』みたいなものだろう。
僕たちは通販でクラフトコーラのキットを買った。スパイスを追加してもおいしいらしいから、少しオシャレな店に買い物に行って唯一知っているスパイスであるシナモンを買い足した。一緒にずっしりと重たい砂糖を買って、これを半分近くも使うのかと驚いたりしたっけ。
1231熱心にねだったのは僕だけど、初めにクラフトコーラに興味を持ったのはえーしんくんだ。
きっかけはえーしんくんが読んでいた小説にクラフトコーラが出てきたからで、僕はえーしんくんが映画がきっかけじゃなくて小説から興味を持つこともあるんだなぁってなんだか感心したことを覚えてる。ちなみにえーしんくんが映画をきっかけにいろんなものが気になってしまうことはたくさんあって、それはきっとしゅーくんが言っていた『聖地巡礼』みたいなものだろう。
僕たちは通販でクラフトコーラのキットを買った。スパイスを追加してもおいしいらしいから、少しオシャレな店に買い物に行って唯一知っているスパイスであるシナモンを買い足した。一緒にずっしりと重たい砂糖を買って、これを半分近くも使うのかと驚いたりしたっけ。
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DONEタケルと秀が話す話。三題噺(郵便、歌、カレンダー)100本チャレンジその49(2024/3/31)
落とし物、拾ってあげましょ「そういえば秀さんは前に配達員の仕事をしてたよな」
「そうですね。だから届けるってコンセプトの仕事なら経験あります」
タケルと秀はプロデューサーから渡された書類を見ながら他愛のない話をしていた。THE虎牙道とC.FIRSTは次の仕事で郵便局をPRをするので、他のメンバーよりも早めについた二人は書類を先に受け取って目を通していたところだった。
「えっと、ここに土日があるから……この日に郵便ポストに入れれば、この日には届くな」
秀の指がカレンダーをなぞる。タケルが一言「遠いな」と呟いた。
「手紙って思ったよりゆっくり届くんだな」
「そうですね。今はわざわざ手紙を書かなくてもLINKがありますから、LINKと比べちゃうとなおさら」
1133「そうですね。だから届けるってコンセプトの仕事なら経験あります」
タケルと秀はプロデューサーから渡された書類を見ながら他愛のない話をしていた。THE虎牙道とC.FIRSTは次の仕事で郵便局をPRをするので、他のメンバーよりも早めについた二人は書類を先に受け取って目を通していたところだった。
「えっと、ここに土日があるから……この日に郵便ポストに入れれば、この日には届くな」
秀の指がカレンダーをなぞる。タケルが一言「遠いな」と呟いた。
「手紙って思ったよりゆっくり届くんだな」
「そうですね。今はわざわざ手紙を書かなくてもLINKがありますから、LINKと比べちゃうとなおさら」
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DONEC.FIRSTのSF(少し不思議)です。三題噺『黄色、ブラシ、道路標識』
100本チャレンジその47(2024/1/22)
飛び出し注意。 黄色い看板に鹿のシルエットが描かれていた。鹿に注意ってことかなぁ、って呟いたら、ぴぃちゃんがそういう道路標識だと教えてくれる。それが一昨日の、仕事帰りの話。
で、今持っているのは魔法のブラシだ。事務所で暇を持て余している僕はそれをぼやっと見つめる。ブラシには黄色のペンキがべったりとついているけれど、ぽたぽたと垂れる気配はない。
このブラシは、曰く、何か一つの標識を描くことができるらしい。そして、その標識は不思議な力で描かれたことを強制的に実現させると、さっき道端で筆を押し付けてきた金色の髪をした少年が言っていた。
彼は「赤色だったら通行止めとか、強力なものが描けたんだけど……ごめんね」と言っていた。確かに赤色のペンキの方が使い勝手が良さそうだ。一人きりに、一人ぼっちになってしまいたい時、とか。
1000で、今持っているのは魔法のブラシだ。事務所で暇を持て余している僕はそれをぼやっと見つめる。ブラシには黄色のペンキがべったりとついているけれど、ぽたぽたと垂れる気配はない。
このブラシは、曰く、何か一つの標識を描くことができるらしい。そして、その標識は不思議な力で描かれたことを強制的に実現させると、さっき道端で筆を押し付けてきた金色の髪をした少年が言っていた。
彼は「赤色だったら通行止めとか、強力なものが描けたんだけど……ごめんね」と言っていた。確かに赤色のペンキの方が使い勝手が良さそうだ。一人きりに、一人ぼっちになってしまいたい時、とか。
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DONE三題噺。お題「毒、美術室、フォロー」モブ女子高生と百々人的なやつです。恋愛感情とかはないです。(2023/1/15)
パープルムカデ 美術室には毒がある。
これは昔から伝わる七不思議とかじゃなくて、ここ数年で発生した物騒な噂話だ。毒っていうのは喩えてもなんでもなくて、口にしたら死んでしまう毒が美術室にあるらしい。
誰かを殺したいという願望から生まれたのか、死んでしまいたいという願望から生まれたのかはわからないが、いま私がふらりと美術室に忍び込んで毒を探している理由は後者だ。私はなんとなく、意味もなく、漠然と死にたかった。
もっとも死に対しての感情が強いわけではない。痛いのも辛いのも嫌だし、自殺のための計画を練る気もなければ遺書すら書くのもめんどくさくて、ただ扉が開いていて誰もいない美術室を見て、あの噂通りに毒があったら死んでみようか、くらいの気持ちだ。そこになければないですね、くらいの感じ。
1707これは昔から伝わる七不思議とかじゃなくて、ここ数年で発生した物騒な噂話だ。毒っていうのは喩えてもなんでもなくて、口にしたら死んでしまう毒が美術室にあるらしい。
誰かを殺したいという願望から生まれたのか、死んでしまいたいという願望から生まれたのかはわからないが、いま私がふらりと美術室に忍び込んで毒を探している理由は後者だ。私はなんとなく、意味もなく、漠然と死にたかった。
もっとも死に対しての感情が強いわけではない。痛いのも辛いのも嫌だし、自殺のための計画を練る気もなければ遺書すら書くのもめんどくさくて、ただ扉が開いていて誰もいない美術室を見て、あの噂通りに毒があったら死んでみようか、くらいの気持ちだ。そこになければないですね、くらいの感じ。
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DONE三題噺お題。『猫、御守り、また明日』タケルと漣とチャ王の話です。(2023/1/14)
観測、約束、ねがいごと。 チャンプのお気に入りの寝床は路地裏のドラム缶の上にある。円城寺さんがくれた座布団の上、チャンプがさっきまで寝ていた場所に見覚えのある御守りがあった。
これは俺がアイツにやった御守りだ。御守りなんてどこにでもあるものだけど、わかる。そもそもアイツが置いたんじゃなきゃこんなところに御守りがあるわけがない。
この前の仕事で買ってきた汚れが目立ちそうな白いお守りにはチャンプの毛がくっついていた。御守りをあげたのは円城寺さんとプロデューサーとアイツの3人だけだ。隼人さん達にも買おうと思ったけれど、そうなると四季さんにあげないのはなんだか違うし、四季さんにあげたならHigh×Jokerの全員に必要な気がしてくるし、High×Jokerのみんなに買うなら同年代の人みんなにもあげたい。俺の大切な人は増えたけれど、だからこそどこかで優劣にも似た線引きは必要で、俺には持ちきれないほどの御守りを買う気はなかった。それなのにアイツの分の御守りは買ってるのが自分のことなのによくわからない。あんな、御守りなんていらなそうなやつなのに。
2567これは俺がアイツにやった御守りだ。御守りなんてどこにでもあるものだけど、わかる。そもそもアイツが置いたんじゃなきゃこんなところに御守りがあるわけがない。
この前の仕事で買ってきた汚れが目立ちそうな白いお守りにはチャンプの毛がくっついていた。御守りをあげたのは円城寺さんとプロデューサーとアイツの3人だけだ。隼人さん達にも買おうと思ったけれど、そうなると四季さんにあげないのはなんだか違うし、四季さんにあげたならHigh×Jokerの全員に必要な気がしてくるし、High×Jokerのみんなに買うなら同年代の人みんなにもあげたい。俺の大切な人は増えたけれど、だからこそどこかで優劣にも似た線引きは必要で、俺には持ちきれないほどの御守りを買う気はなかった。それなのにアイツの分の御守りは買ってるのが自分のことなのによくわからない。あんな、御守りなんていらなそうなやつなのに。
湯上雪華
MAIKINGお題サイトhttps://hirarira.com
腹を空かせた夢喰い 様の三題噺から
眺めてる間に思いついた部分だけ
証を貰った日バスタオル、石鹸、鏡
お風呂から上がって髪をタオルドライしていたら視界になにか映った。
「ん? あー…………」
鏡に映った自分の姿にちょっとの違和感。どうしてか、覗き込んでみて気づいた。左肩より首側に赤い跡を見つけて照れてしまう。確かめるように跡に触れた。
これをお願いしたのは自分だし、わかりやすい印として証として貰えたんだって、実感する。どこまでも一緒の証。
「っしゅん……乾かさなきゃ」
ついつい見入っていたら、くしゃみをしていた。
バスタオルを巻いただけのこの姿では風邪をひいてしまう。ただでさえ心配をかけてるのだし、これ以上はいけない。慌てて体を拭って服に袖を通す。
ドライヤー片手に髪を乾かしていたら不意に石鹸の香りがした。一緒の香りについ頬が緩んでしまう。こうして同じ香りを纏うというのもいい。香りからそばにいてくれる気がするし。
516お風呂から上がって髪をタオルドライしていたら視界になにか映った。
「ん? あー…………」
鏡に映った自分の姿にちょっとの違和感。どうしてか、覗き込んでみて気づいた。左肩より首側に赤い跡を見つけて照れてしまう。確かめるように跡に触れた。
これをお願いしたのは自分だし、わかりやすい印として証として貰えたんだって、実感する。どこまでも一緒の証。
「っしゅん……乾かさなきゃ」
ついつい見入っていたら、くしゃみをしていた。
バスタオルを巻いただけのこの姿では風邪をひいてしまう。ただでさえ心配をかけてるのだし、これ以上はいけない。慌てて体を拭って服に袖を通す。
ドライヤー片手に髪を乾かしていたら不意に石鹸の香りがした。一緒の香りについ頬が緩んでしまう。こうして同じ香りを纏うというのもいい。香りからそばにいてくれる気がするし。
樂太郎
DOODLE刹夏 ネタバレ有勝手にSSを書いているので全てが捏造。ネタバレ有とは言ったが言うほどないです。推敲もしてない。
お題は「三題噺ガチャ(https://odaibako.net/gacha/293)」で「雨上がりの水たまり」「麦茶」「触る」でした。 2
キツキトウ
DONE2023/6/10あの向こうでこんこんこん。貴方は何者?
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お題ガチャ「三題噺(ホラー)」:https://odaibako.net/gacha/8955?id=20b52a0a6442401a96b515b882a609b2
瞼も一種境だよなって思ったら、そういえば蟲師でそんな話があったなって。瞼の中で更に幕を下ろす話。蟲師のあの言い知れぬ空気感好き。よき。
終煙怪奇譚:「こんこんこん」こん
ほんの遊び心だったんだ。
こん、こん
狐の窓。
そんなものがあるって聞いて、試しに指で窓を作って、何がのぞけるかなって。
こんこんこん
窓の向こうで見えてしまったものに目を背けて。
こんこんこんこん
それから〝音〟が聞こえる様になってしまって。
コン、コンコンコンコンコンコンコン
ゴンッ
鈍い音がすぐ傍で生まれ、冷たい室内に響いては溶け込む。
動きに合わせて揺れる空気が波を立てていき、己の頬を撫で過ぎていく。
強く目を閉じ、帳落ちる暗闇に自分を突き落す。
また自分は目を背けてしまった。
コン、
- 了 -
----------
● お題
境界(鳥居、川、門 他)
繰り返し
目
三題噺(ホラー)
https://odaibako.net/gacha/8955id=20b52a0a6442401a96b515b882a609b2
416ほんの遊び心だったんだ。
こん、こん
狐の窓。
そんなものがあるって聞いて、試しに指で窓を作って、何がのぞけるかなって。
こんこんこん
窓の向こうで見えてしまったものに目を背けて。
こんこんこんこん
それから〝音〟が聞こえる様になってしまって。
コン、コンコンコンコンコンコンコン
ゴンッ
鈍い音がすぐ傍で生まれ、冷たい室内に響いては溶け込む。
動きに合わせて揺れる空気が波を立てていき、己の頬を撫で過ぎていく。
強く目を閉じ、帳落ちる暗闇に自分を突き落す。
また自分は目を背けてしまった。
コン、
- 了 -
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● お題
境界(鳥居、川、門 他)
繰り返し
目
三題噺(ホラー)
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キツキトウ
DONE2023/6/1そんな夏の日。背後にはお気を付けを。
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お題ガチャ「三題噺(ホラー)」:https://odaibako.net/gacha/8955?id=20b52a0a6442401a96b515b882a609b2
書くって難しい(何時もの事)。
終煙怪奇譚:「そんな夏の日」遠い場所からわざわざ此処まで来たのだ。
だから自分もと思っていたが、身体半身を照り付ける暑く熱を持つ陽射しと、沈め浮かべる身に降りかかる海の冷たさで酔いそうになる。頭がグラグラとし、風に煽られ揺らされた波が身へ押し寄せてくる。
楽しそうに遊ぶ友人達を眺め、此処へ来るまで過ごした出来事にも想いを廻らせながらどうするかと思案する。いっそ身を潜らせて温度を合わせてしまおうか。或いは再び
けれど刺す様な悪寒が熱い筈の半身に雪崩れ込む。
背後に、
何か
いる
皆目の前で悠々と泳いでは楽しそうに戯れている。此処へと来たのは自身と友人達だけの筈だった。湧き立ち続ける油と焦げ燃ゆる匂いにうんざりして、こんな夏日、そろそろ皆で此へ往くかと話し合って。
929だから自分もと思っていたが、身体半身を照り付ける暑く熱を持つ陽射しと、沈め浮かべる身に降りかかる海の冷たさで酔いそうになる。頭がグラグラとし、風に煽られ揺らされた波が身へ押し寄せてくる。
楽しそうに遊ぶ友人達を眺め、此処へ来るまで過ごした出来事にも想いを廻らせながらどうするかと思案する。いっそ身を潜らせて温度を合わせてしまおうか。或いは再び
けれど刺す様な悪寒が熱い筈の半身に雪崩れ込む。
背後に、
何か
いる
皆目の前で悠々と泳いでは楽しそうに戯れている。此処へと来たのは自身と友人達だけの筈だった。湧き立ち続ける油と焦げ燃ゆる匂いにうんざりして、こんな夏日、そろそろ皆で此へ往くかと話し合って。
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MOURNING三題噺のお題メーカー「曇り」「プロポーズ」「最弱の脇役」ジャンル「SF」とてもワヤワヤSF 割と自業自得
2人の性別は考えてない
数年前に降り注いだ100を超える隕石が原因で引き起こされた異常気象と、日に何度も訪れる地震の影響による地殻変動によって、この星は崩壊の一途を辿っていた。
日照りで海が枯れ一部の水棲生物は絶滅し、酸の雨に穿たれた高層ビルはいつしか崩れ落ち瓦礫の山と化した。
ある活火山は3年もの間噴火が止まらず、流れ落ちた溶岩と降り注ぐ火山灰はついに1つの大陸を滅ぼすに至った。
指を一つ一つ折り畳んでも数えきれないほど多くの厄災がこの星を飲み込み、人類は総人口の99%を失った。
残された人類はとある科学者が作り上げたコールドスリープ用のカプセルに入り、いつか救われることを信じて眠り続けることを選んだ。
旅行に行く前日のように少し浮かれた表情でカプセルに入っていく女もいた。ここから先は地獄だと、辞世の句を詠んだ男もいた。また明日ね、とお互いに手を振り合う子供たちもいた。
3753日照りで海が枯れ一部の水棲生物は絶滅し、酸の雨に穿たれた高層ビルはいつしか崩れ落ち瓦礫の山と化した。
ある活火山は3年もの間噴火が止まらず、流れ落ちた溶岩と降り注ぐ火山灰はついに1つの大陸を滅ぼすに至った。
指を一つ一つ折り畳んでも数えきれないほど多くの厄災がこの星を飲み込み、人類は総人口の99%を失った。
残された人類はとある科学者が作り上げたコールドスリープ用のカプセルに入り、いつか救われることを信じて眠り続けることを選んだ。
旅行に行く前日のように少し浮かれた表情でカプセルに入っていく女もいた。ここから先は地獄だと、辞世の句を詠んだ男もいた。また明日ね、とお互いに手を振り合う子供たちもいた。
しろ🐾
DONE🐏🔮「気持ち悪かったなら、悪かった」「えっ、きもちわるいのかな」「俺に聞かないでくれ…」冬眠するさいぼぐの続き
https://poipiku.com/5397800/8432647.html
三題噺お題:夜空、言葉、傘
https://mayoi.tokyo/switch/switch2.html
傘は君が持ってね 夜の散歩が好きだ。猫の遺伝子がそういう気分にさせるのか、元々そういう性格なのか、朝が早いのよりも、夜が遅い方が好きだった。どの季節でも、夜の方が良い匂いがする気がする。最近は春が近いから、寒すぎず暑すぎずで服を選ぶのが楽しくもなってくる。
最近よく一緒に飲みに行く人が、近くにいると言うので、チャットで喋りながら街の方に向かうまでは、気分は上々といっても良かった。
「……最悪なんだけど」
人通りの多いところまでついてすぐに、ザァッと周りで音がし始めて、冷たい雨が降りかかる。
急いで近くのお店の出入り口の傍に避難をさせてもらう。少しだけひさしがついていて、身を小さくしていれば雨は当たらなかった。
背後を見ると、ショーウィンドーの中には最近発売されたというハードカバーがいくつか並んでいた。
2044最近よく一緒に飲みに行く人が、近くにいると言うので、チャットで喋りながら街の方に向かうまでは、気分は上々といっても良かった。
「……最悪なんだけど」
人通りの多いところまでついてすぐに、ザァッと周りで音がし始めて、冷たい雨が降りかかる。
急いで近くのお店の出入り口の傍に避難をさせてもらう。少しだけひさしがついていて、身を小さくしていれば雨は当たらなかった。
背後を見ると、ショーウィンドーの中には最近発売されたというハードカバーがいくつか並んでいた。
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DOODLE三題噺 止める サルモネラ 放火現パロルフィ視点です、もうこれしか展開が浮かびませんでした。
インプロージョン「おれら兄弟だよな」
返事がないままぷつっと切れた電話は何回かけても繋がらなかったしにいちゃんがふたりとも帰ってこなかった。
テレビはつけれない、仲間からのLINEがとまらない、腹がぐぅっと痛くなってきた。
ここにいたらいけない気がして、エースのおっきなリュックに小さめの酒瓶たくさんと真新しいマグカップをいれて家を出ると日が沈んで雨が降っている。
すぐにスーツを着た人が警察手帳を見せながら心配そうな顔をして寄ってきたから走って逃げた。
前にもこんなことがあったんだ、あのときも雨で腹が痛くて、エースを必死に追いかけて、うしろからサボがついてきてた、今は1人だ。
とりあえずコンビニのトイレに駆け込んで鍵をかける、あっ監視カメラにうつっちまったか?
1382返事がないままぷつっと切れた電話は何回かけても繋がらなかったしにいちゃんがふたりとも帰ってこなかった。
テレビはつけれない、仲間からのLINEがとまらない、腹がぐぅっと痛くなってきた。
ここにいたらいけない気がして、エースのおっきなリュックに小さめの酒瓶たくさんと真新しいマグカップをいれて家を出ると日が沈んで雨が降っている。
すぐにスーツを着た人が警察手帳を見せながら心配そうな顔をして寄ってきたから走って逃げた。
前にもこんなことがあったんだ、あのときも雨で腹が痛くて、エースを必死に追いかけて、うしろからサボがついてきてた、今は1人だ。
とりあえずコンビニのトイレに駆け込んで鍵をかける、あっ監視カメラにうつっちまったか?
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DOODLE三題噺 朝日 両面 貫通エース視点
兄ちゃんから弟に、じゃなくてかみさまの力が宿る方のおさがり。
撤饌(おさがり) 目が覚めたからには起きなきゃならねえ。
本当はもう死んでて棺桶の中で腐ってんじゃねえかって妄想を夜ごと夢見るのだけど、カーテンの隙間から伸びる陽の手がやたらながくて眩しくて、おれの顔を横切るくらい長くて、いったい毎日毎日なにを必死に腕伸ばしてんだ、風になにか大事なモンでも飛ばされたのかといつも目を開けてしまう。
サボの唸り声が聞こえる、まだ寝てねえのか、いや寝て起きたのか、どちらにしてもあいつはあんまり眠らない、同じ家に住んでるのに生活リズムがいまだにわからねえけど大体元気にかわいいこと言って騒いでる、ルフィは耳栓して寝てるからおれがちゅーして服着替えさせてやるまで起きない、起きてる気もするけど、起きてねえって喋ってっから寝てんだろうなかわいい、一生家にいたらいい、しっかしサボはうっせえな、寝返りをうちあくびをする、眠り足りねえのかもな、なんでおれふたりと一緒に住んでるなんて思ったんだろう、ルフィは海に出てサボは死んでんのに。
1843本当はもう死んでて棺桶の中で腐ってんじゃねえかって妄想を夜ごと夢見るのだけど、カーテンの隙間から伸びる陽の手がやたらながくて眩しくて、おれの顔を横切るくらい長くて、いったい毎日毎日なにを必死に腕伸ばしてんだ、風になにか大事なモンでも飛ばされたのかといつも目を開けてしまう。
サボの唸り声が聞こえる、まだ寝てねえのか、いや寝て起きたのか、どちらにしてもあいつはあんまり眠らない、同じ家に住んでるのに生活リズムがいまだにわからねえけど大体元気にかわいいこと言って騒いでる、ルフィは耳栓して寝てるからおれがちゅーして服着替えさせてやるまで起きない、起きてる気もするけど、起きてねえって喋ってっから寝てんだろうなかわいい、一生家にいたらいい、しっかしサボはうっせえな、寝返りをうちあくびをする、眠り足りねえのかもな、なんでおれふたりと一緒に住んでるなんて思ったんだろう、ルフィは海に出てサボは死んでんのに。
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DOODLE三題噺 晴れ 腕 揺り籠ロビルかもしれない原作軸ルフィ視点です、原作軸は原作軸で繋がってるような繋がってないような…たぶんここから読んだらわけわかんないだろうなと思いながら毎日書いてます
おさがり 首を伸ばしてロビンの後ろからそーっと本をのぞいてると、たくさんの腕に引っ張られて目の前に座らされた。
ロビンの腕でできたデカいイスに足を組んで思いっきってふんぞり返ると真っ暗になった、すぐに目の前が明るくなるとおれの腹に麦わら帽子。
「いらっしゃい船長さん」
「にっししし」
ロビンがにこにこしてるからおれも笑った、パラソルがおれの上に運ばれてきて太陽が隠れた。
テラスで遊んでるチョッパーとウソップと、すぐそこのマストで寄っかかって寝てるゾロに足がたくさん生えて船の部屋の中に運ばれてく。
「気ぃ使うなよ」
「趣味なの」
ロビンが足を組んでテーブルに肘をついたから、肉のイスの上であぐらをかくと、上から3つくらいの手で頭を撫でられて、背もたれから5本の腕が巻き付いてきた。
2140ロビンの腕でできたデカいイスに足を組んで思いっきってふんぞり返ると真っ暗になった、すぐに目の前が明るくなるとおれの腹に麦わら帽子。
「いらっしゃい船長さん」
「にっししし」
ロビンがにこにこしてるからおれも笑った、パラソルがおれの上に運ばれてきて太陽が隠れた。
テラスで遊んでるチョッパーとウソップと、すぐそこのマストで寄っかかって寝てるゾロに足がたくさん生えて船の部屋の中に運ばれてく。
「気ぃ使うなよ」
「趣味なの」
ロビンが足を組んでテーブルに肘をついたから、肉のイスの上であぐらをかくと、上から3つくらいの手で頭を撫でられて、背もたれから5本の腕が巻き付いてきた。
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DOODLE三題噺 雲の上 ホットパンツ 慰む原作軸サボ視点
落丁 ごきげんようおはようございますお目覚めかエース、おまえのこと考えてシコってたらもう夜明けだどうしてくれる。
エースの手配書がまたぼろぼろになってしまったからドラゴンさんに印刷させねえと、ぺらい紙じゃなくてちゃんと厚紙でインクの品質がいいやつで、ルフィのぶんもあわせて50枚ほしい、くそ電伝虫で連絡しても出ねえもう4時半だぞとっとと起きろよジジイだろ。
ていうかエースが悪い、ショートパンツとホットパンツってどう違うんだどっちも視線がホットだろまんまるい膝小僧丸出しで、太ももの肉がふにゅうと乗っかったとこを他人にじろじろ見られんだぞ、お天道様がすねをつるんつるんすべるとことか汗ばんで赤くなってる膝の後ろとか全部丸出しだぞ20そこそこの若い男がそんな格好していいと思ってんのかそのうえメシ食ってる最中に寝る?犯してくださいって言ってんのかおれのエースはどこまでビッチになっちまったんだ。
1572エースの手配書がまたぼろぼろになってしまったからドラゴンさんに印刷させねえと、ぺらい紙じゃなくてちゃんと厚紙でインクの品質がいいやつで、ルフィのぶんもあわせて50枚ほしい、くそ電伝虫で連絡しても出ねえもう4時半だぞとっとと起きろよジジイだろ。
ていうかエースが悪い、ショートパンツとホットパンツってどう違うんだどっちも視線がホットだろまんまるい膝小僧丸出しで、太ももの肉がふにゅうと乗っかったとこを他人にじろじろ見られんだぞ、お天道様がすねをつるんつるんすべるとことか汗ばんで赤くなってる膝の後ろとか全部丸出しだぞ20そこそこの若い男がそんな格好していいと思ってんのかそのうえメシ食ってる最中に寝る?犯してくださいって言ってんのかおれのエースはどこまでビッチになっちまったんだ。
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DOODLE三題噺 石 涙 烏龍原作軸エース視点
ティーチとエースです、親子ごっこ。黒エーなのかなこれは…
黒龍 飲み歩いてふらっと立ち寄った屋台、おすすめはうーろんですと言われてどんな食いもんか想像つかず固まってるとティーチがそれを2つと頼んでしまった。
「ティーチ知ってんのかうーろん」
「らーめんみてえなもんです」
「へえ、うーろん」
「どっかの国でバカ野郎って意味だなぁ。サッチから聞いたんだが、その国じゃこの文字のこっちはカラス、こっちは龍って意味でして」
「カラスと龍でバカか」
「ゼハハハハ、海賊らしくバカの食いもん食いましょうぜ」
赤字ででかでかと「烏龍麺」と書かれたメニュー板を眺めてると横から他の客が割り込んできたからティーチに連れられのれんの外に出た。
屋台脇にある3つの長テーブルとベンチには人がごった返していて、立ちながら食うやつもいればせまいベンチに身を寄せ合い汗だくになりながら湯に入った麺をすするやつ、酒瓶入れをひっくり返してそこに座り食い終わったどんぶりとサイコロで賭け事をしてるやつ、とにかく脂の乗った汗くさい男どもがひしめいてる。
2122「ティーチ知ってんのかうーろん」
「らーめんみてえなもんです」
「へえ、うーろん」
「どっかの国でバカ野郎って意味だなぁ。サッチから聞いたんだが、その国じゃこの文字のこっちはカラス、こっちは龍って意味でして」
「カラスと龍でバカか」
「ゼハハハハ、海賊らしくバカの食いもん食いましょうぜ」
赤字ででかでかと「烏龍麺」と書かれたメニュー板を眺めてると横から他の客が割り込んできたからティーチに連れられのれんの外に出た。
屋台脇にある3つの長テーブルとベンチには人がごった返していて、立ちながら食うやつもいればせまいベンチに身を寄せ合い汗だくになりながら湯に入った麺をすするやつ、酒瓶入れをひっくり返してそこに座り食い終わったどんぶりとサイコロで賭け事をしてるやつ、とにかく脂の乗った汗くさい男どもがひしめいてる。
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DOODLE三題噺 ゴーフル 依存症 ヘッドホンサボ視点サボエーですがほとんどサボとルフィしか出てきません
ゴーフレット エースがノイキャンついたヘッドホンを欲しがった。
おれがうるさいからだろ浮気してんのかって暴れて割れた瓶をエースの足に刺そうとしてるのを、ルフィがバカマネばっかしてんなよなああひゃひゃひゃってゴーフル食いながら見てた。
それおれがエースにあげたやつだぞって泣いたらエースのもんは大体おれのもんだからって。
ルフィに気ぃとられてたら後ろからエースに蹴られて頭踏まれたDVだ、ため息つきながらなんでそうサボは毎日一生懸命騒ぐんだって、ひでえふたりして寄ってたかっておれのこといじめてそんな楽しいかよ、おれだって騒ぎたかねえよ、怒りたくもねえし叩きたくもねえけどふたりが大好きだからこうやって怒ってやってんのにエースはめんどくさがるしルフィは茶化すし全然わかっちゃくれねえ。
2214おれがうるさいからだろ浮気してんのかって暴れて割れた瓶をエースの足に刺そうとしてるのを、ルフィがバカマネばっかしてんなよなああひゃひゃひゃってゴーフル食いながら見てた。
それおれがエースにあげたやつだぞって泣いたらエースのもんは大体おれのもんだからって。
ルフィに気ぃとられてたら後ろからエースに蹴られて頭踏まれたDVだ、ため息つきながらなんでそうサボは毎日一生懸命騒ぐんだって、ひでえふたりして寄ってたかっておれのこといじめてそんな楽しいかよ、おれだって騒ぎたかねえよ、怒りたくもねえし叩きたくもねえけどふたりが大好きだからこうやって怒ってやってんのにエースはめんどくさがるしルフィは茶化すし全然わかっちゃくれねえ。
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DOODLE三題噺 カーペット チャトランガ 蛇腹元パロエース視点
指折り ルフィが寝た後紙を蛇腹に折り込んでいるとサボが食卓テーブルの下に潜り込み太陽礼拝のポーズをしはじめた。
月一のカウセでヨガを勧められたらしい、ハマっちまったのか最近風呂上りに大地の呼吸だの水の精霊の声だの地球の胎動だの、覚えたてのポーズと呪文みたいなのを披露してきてウザいけど無視すると床とか天井に穴開けて泣いちまうし、下手にやめろって言うと拗ねて部屋から出てこなくなって軍歌流しながら革命がどうのこうの赤い旗を揚げろ立ち上がれ労働者諸君だのあやしい活動をはじめるからちょうどいい足置きだなと足の指で背中をくすぐってやった。
「エース今日もお疲れ様♡ねえどう?チャトランガっていうんだって、うつぶせでひじついてるだけで太陽拝んでることになるなんてな、おれ拝むの上手?」
2381月一のカウセでヨガを勧められたらしい、ハマっちまったのか最近風呂上りに大地の呼吸だの水の精霊の声だの地球の胎動だの、覚えたてのポーズと呪文みたいなのを披露してきてウザいけど無視すると床とか天井に穴開けて泣いちまうし、下手にやめろって言うと拗ねて部屋から出てこなくなって軍歌流しながら革命がどうのこうの赤い旗を揚げろ立ち上がれ労働者諸君だのあやしい活動をはじめるからちょうどいい足置きだなと足の指で背中をくすぐってやった。
「エース今日もお疲れ様♡ねえどう?チャトランガっていうんだって、うつぶせでひじついてるだけで太陽拝んでることになるなんてな、おれ拝むの上手?」
tontorotoror0
DOODLE三題噺 仮面 唐辛子 象ルフィ視点です
ピンクの象は酩酊状態のことを指します
おちょこ サボが昔寝る前に読んでくれた、仮面をかぶった男が旅をする話のタイトルが思い出せない。
そいつはカメラで女子供の裸の写真を撮ってブロマイドにして売りながら世界中逃げ回る大犯罪者って設定だった。
つまんねえしやってることが気持ち悪ぃからおれはあんまり読んでほしくなかったけど、おれとエースで腕相撲に勝った方がサボに好きなもの読み聞かせられるって勝負でおれは一回も勝てなかったから、ほとんど毎日その変態仮面の連作のどれかだったな。
サボは知ってた、エースはわかんねえまま旅立った。
仮面の男が写真を撮るところは大体ひっかけクイズみたいにとんちんかんなたとえ話ばかりだったんだ、サボが捻じ曲げて教えるもんだからエースそのまま信じちまって。
1859そいつはカメラで女子供の裸の写真を撮ってブロマイドにして売りながら世界中逃げ回る大犯罪者って設定だった。
つまんねえしやってることが気持ち悪ぃからおれはあんまり読んでほしくなかったけど、おれとエースで腕相撲に勝った方がサボに好きなもの読み聞かせられるって勝負でおれは一回も勝てなかったから、ほとんど毎日その変態仮面の連作のどれかだったな。
サボは知ってた、エースはわかんねえまま旅立った。
仮面の男が写真を撮るところは大体ひっかけクイズみたいにとんちんかんなたとえ話ばかりだったんだ、サボが捻じ曲げて教えるもんだからエースそのまま信じちまって。
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DOODLE三題噺 電灯 喫茶店 手紙原作軸墓参り前サボ視点ですシルクハットを高帽子って書くとすっごく怪しいおじさん臭がする。
ブラッグラグ 紅茶がまずいって喫茶店じゃ致命的な気がするけど、だからって今まさに焼かれているホットサンドをやっぱいらないですとは言えなかった、朝からなんも食ってないし。
高帽子をとなりの椅子にひっかけてコートを背もたれにかけるとカウンターに隠れるくらい小さい老婆が「好い人はおありで?」と聞いてきたからまだぐらぐら湯立つ紅茶を一気に煽った。
ええおありです死にましたがねおれが忘れてたせいで。
紅茶はまずいし店内の照明がちかちかとフリッカー起こしてるのに放置してるし、客がおれ以外いないのも納得。
カウンターの前に並んでる雑誌を一冊手に取って適当にばらばらめくると露出度の高い服を着た女どもが並んで連絡先と店の住所が書かれてる、なんだこれ風俗雑誌か?
1959高帽子をとなりの椅子にひっかけてコートを背もたれにかけるとカウンターに隠れるくらい小さい老婆が「好い人はおありで?」と聞いてきたからまだぐらぐら湯立つ紅茶を一気に煽った。
ええおありです死にましたがねおれが忘れてたせいで。
紅茶はまずいし店内の照明がちかちかとフリッカー起こしてるのに放置してるし、客がおれ以外いないのも納得。
カウンターの前に並んでる雑誌を一冊手に取って適当にばらばらめくると露出度の高い服を着た女どもが並んで連絡先と店の住所が書かれてる、なんだこれ風俗雑誌か?
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DOODLEサボエー三題噺 本屋 勘違い 雑草原作軸でティーチ捜索前
散燦 雨宿りにたまたま入った古本屋。
どこもかしこも埃まみれ、本棚をはみ出して乱雑に積み上がる本、床に生えた藻やカビ…やってないのかと思ったけど奥からポロシャツ着た細っこいじいさんがのそのそ出てきておお白ひげんとこのメラメラおっぱいと言ってきた、おっぱい…やっぱどこ行っても変な噂流れてる気がする、ティーチもマルコも笑って大丈夫って言ってくれてるからいいけど…。
「すまねえなじいさん、雨上がるまで邪魔するぜ」
燃やすんじゃねえぞとカウンターにつき葉っぱを吸い出したじいさんに向かって歯を見せて笑ってやった。
ティーチ2人分くらいの狭い店内をすぐに見終わって本棚にもたれる、読めないんじゃないちょっと気分が乗らねえだけ。
2132どこもかしこも埃まみれ、本棚をはみ出して乱雑に積み上がる本、床に生えた藻やカビ…やってないのかと思ったけど奥からポロシャツ着た細っこいじいさんがのそのそ出てきておお白ひげんとこのメラメラおっぱいと言ってきた、おっぱい…やっぱどこ行っても変な噂流れてる気がする、ティーチもマルコも笑って大丈夫って言ってくれてるからいいけど…。
「すまねえなじいさん、雨上がるまで邪魔するぜ」
燃やすんじゃねえぞとカウンターにつき葉っぱを吸い出したじいさんに向かって歯を見せて笑ってやった。
ティーチ2人分くらいの狭い店内をすぐに見終わって本棚にもたれる、読めないんじゃないちょっと気分が乗らねえだけ。
よーでる
DOODLE練習に三題噺。そろそろ縛り増やそうとジャンル指定のやつ回したらラブコメ……この組み合わせだとブリュンヒルデとジークフリートっぽいんだけどラブコメ……らぶこめ……なんかストーカー×2になった。「火」「プロポーズ」「いてつくかけら」「この火を越えた者だけがわたくしと結婚できます」
「いや無理では?」
開幕一秒で物語は終わりました。いえ始まりました。
燃え盛る炎の壁を前にその美貌を輝かせる姫君に、炎に隔たれた求婚者の男は未練がましく叫びます。
「この勇士の国でも並ぶ者なく勇ましき氷姫よ、強く賢く輝かしき方よ、どうかあなたの美徳に慈悲を混ぜていただきたい。あなたの前に跪く栄誉をわたしにください」
「嫌です」
にべもありませんでした。これで無表情ならまだ慈しみが芽生える気配を期待できたかもしれませんが、氷姫は満面の笑顔でした。眼差しは冷たいどころか慈愛に蕩けています。雪解けどころか春満開です。
「わたくし、強く勇ましく健気な殿方が無理難題に悶える様が好きですの。ですから早く、火に巻かれて苦しんでください。できないならお帰りになって?」
2634「いや無理では?」
開幕一秒で物語は終わりました。いえ始まりました。
燃え盛る炎の壁を前にその美貌を輝かせる姫君に、炎に隔たれた求婚者の男は未練がましく叫びます。
「この勇士の国でも並ぶ者なく勇ましき氷姫よ、強く賢く輝かしき方よ、どうかあなたの美徳に慈悲を混ぜていただきたい。あなたの前に跪く栄誉をわたしにください」
「嫌です」
にべもありませんでした。これで無表情ならまだ慈しみが芽生える気配を期待できたかもしれませんが、氷姫は満面の笑顔でした。眼差しは冷たいどころか慈愛に蕩けています。雪解けどころか春満開です。
「わたくし、強く勇ましく健気な殿方が無理難題に悶える様が好きですの。ですから早く、火に巻かれて苦しんでください。できないならお帰りになって?」
よーでる
DOODLE練習というか習慣づけに三題噺。あなたの望む商品(もの)をお売りいたします。代わりに、こちらの望む商品(あなた)になってください。
デパート+メノウ+掻く お買い物お買い物。お買い物をしに来たの。まずは瑪瑙。私は赤色のが好き。見て、綺麗な縞模様。今日はきっと良い日になるわ。
次はお化粧。マニキュアはね、まず透明なジェルを爪に塗って、それから色を乗せるの。私はいくつも重ねるのが好き。見て、草の緑の向こうに星空が透けて、綺麗でしょう?
ドレスよドレス。大胆な黒いブラウスを、清楚なスカートで隠して、華やかなコートで際立たせるの。楽しい楽しい、楽しいわ。
ええそうよ、お顔もいっしょ。化粧水で肌を潤して、色粉をはたいて、その上に筆で顔を描くの。これなんてどうかしら。派手すぎる? ふふ、肌に乗せると意外と目立たないのよ。
あら痒いわ。虫刺されかしら。嫌だわ。爪を伸ばしすぎたかしら。色粉を掻いてしまったわ。ごめんください、塗り薬をいただける? 虫に刺されてしまって……
804次はお化粧。マニキュアはね、まず透明なジェルを爪に塗って、それから色を乗せるの。私はいくつも重ねるのが好き。見て、草の緑の向こうに星空が透けて、綺麗でしょう?
ドレスよドレス。大胆な黒いブラウスを、清楚なスカートで隠して、華やかなコートで際立たせるの。楽しい楽しい、楽しいわ。
ええそうよ、お顔もいっしょ。化粧水で肌を潤して、色粉をはたいて、その上に筆で顔を描くの。これなんてどうかしら。派手すぎる? ふふ、肌に乗せると意外と目立たないのよ。
あら痒いわ。虫刺されかしら。嫌だわ。爪を伸ばしすぎたかしら。色粉を掻いてしまったわ。ごめんください、塗り薬をいただける? 虫に刺されてしまって……
よーでる
DOODLE練習に三題噺。まず定式幕ってなに?からだったよ。はい、歌舞伎のアレのことね。幕開け幕引きという解釈をしてみたけどお話の枠をお題で作ったせいで中身に困ることになってしまった。定式幕+取捨選択+ルーズリーフ では始まり始まり。過去かいずこか定かでなく、遠く近くも見通せぬ、彼方此方の物語。
寂れた家の片隅に、母の骸より生まれた双子がおりました。どちらが兄でどちらが姉か、それを知る者も既になく、きょうだい仲睦まじく支えあって暮らしておりました。
けれどその年の冬は厳しく、生き延びれるのはひとりだけ。嘆き悲しみ身を裂かれるような心地なれど、片割れを生かすため、もう片方は食糧を置いて旅に出ることにしました。
どちらが旅立ったか? ええ、それは、
-----------------------------
旅立った片割れは、灰色の雲の下、荒涼とした道を延々と歩いておりました。
草木も枯れ果て野鼠すら見当たらず、野盗さえ野垂れ死ぬありさまのおかげで却って安全な、淡々とした死出の道でございました。
1401寂れた家の片隅に、母の骸より生まれた双子がおりました。どちらが兄でどちらが姉か、それを知る者も既になく、きょうだい仲睦まじく支えあって暮らしておりました。
けれどその年の冬は厳しく、生き延びれるのはひとりだけ。嘆き悲しみ身を裂かれるような心地なれど、片割れを生かすため、もう片方は食糧を置いて旅に出ることにしました。
どちらが旅立ったか? ええ、それは、
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旅立った片割れは、灰色の雲の下、荒涼とした道を延々と歩いておりました。
草木も枯れ果て野鼠すら見当たらず、野盗さえ野垂れ死ぬありさまのおかげで却って安全な、淡々とした死出の道でございました。
小人白夜
REHABILI三題噺のお題メーカーよりテーマ:「湖」「橋の下」「激しい世界」
ジャンル:「大衆小説」
文字数:2802文字
三題噺:犯人殺人事件 世界が何処もかしこも滅茶苦茶になってしまうなら。私は過去から未来にかけて何ひとつ変わらないで存在している水に飛び込んで一生を終えたいわ。
だけども私は、見窄らしい姿で死にたくはないのよ。死ぬのであれば、可憐に、可愛く、そして美しくありたいわ。あら? 可憐にって可愛くって意味が込められていたかしら。コレでは言葉が重複してしまうわね。いやはや、滑稽滑稽。
「さて。戯言は良いとしましょう」
舞台はイギリス、ロンドン。工業発展が続き、これまでの石の文化が変貌し、鉄の文化へと変わろうとしている時代。十八世紀の産業革命と一言で説明した方が楽そうね。まあ、コレは細かな部分ですから、そういう世界観であるとだけ分かって下さると楽ですわよ。
2862だけども私は、見窄らしい姿で死にたくはないのよ。死ぬのであれば、可憐に、可愛く、そして美しくありたいわ。あら? 可憐にって可愛くって意味が込められていたかしら。コレでは言葉が重複してしまうわね。いやはや、滑稽滑稽。
「さて。戯言は良いとしましょう」
舞台はイギリス、ロンドン。工業発展が続き、これまでの石の文化が変貌し、鉄の文化へと変わろうとしている時代。十八世紀の産業革命と一言で説明した方が楽そうね。まあ、コレは細かな部分ですから、そういう世界観であるとだけ分かって下さると楽ですわよ。
dressedhoney
DOODLE終戦後フェルヒューまだ付き合っていないフェルヒューとそれで出来てないんかいと思っているエデとレス
甘い
三題噺『朽ち木/姫/カップ』より二題選択
終戦後フェルヒュー「ああ、これはベレス様。何かご入用でしょうか」
ベレスが店内に入れば、作業机の向こうから初老の男性が声を掛けてくる。
彼女は微笑みながら頷いた。
「ええ、代理で受け取りに。フェルディナントからの依頼品はもう完成しているでしょうか」
ベレスの声に男性はゆっくりと頷く。
彼は背後に並ぶ棚の中から、丁寧に一組のカップとソーサーを取り出してきた。
夜闇を思わせるような深い青黒のボディに、煌めく金のハンドル。
内は透き通るような純白で、絢爛過ぎず、しかし気品のある落ち着いた居ずまい。
ベレスが思わず美しさにため息を吐けば、男性は笑った。
「こちら『お姫様のために』と伺っております。お相手様の外見的特徴や内面などをお聞きしてデザインしましたが、さぞ彼が深い愛を捧げておられるお方なのでしょうね」
3166ベレスが店内に入れば、作業机の向こうから初老の男性が声を掛けてくる。
彼女は微笑みながら頷いた。
「ええ、代理で受け取りに。フェルディナントからの依頼品はもう完成しているでしょうか」
ベレスの声に男性はゆっくりと頷く。
彼は背後に並ぶ棚の中から、丁寧に一組のカップとソーサーを取り出してきた。
夜闇を思わせるような深い青黒のボディに、煌めく金のハンドル。
内は透き通るような純白で、絢爛過ぎず、しかし気品のある落ち着いた居ずまい。
ベレスが思わず美しさにため息を吐けば、男性は笑った。
「こちら『お姫様のために』と伺っております。お相手様の外見的特徴や内面などをお聞きしてデザインしましたが、さぞ彼が深い愛を捧げておられるお方なのでしょうね」
あるぱ
DONE三題噺のお題ガチャでひとつ/宇宙かぶりしてしまったな……/創作小説さようなら、ユニバースハロー、地球の人たち。
元気ですか?
私は目下GN-z11銀河系内を浮遊中。あ、遠くでバチッと光ったやつは恒星の赤ちゃん。ここでは毎日そんな光景が見られます。星が生まれ、死に絶えていく。美しいけど見慣れてしまうとなんてことはありません。私はフライパンでポップコーンを作るところを想像します。ぽんぽん弾けて生まれて、時々できそこないのコーンが底に残ってるの。
ハロー、ハロー。
ここは地球から134億光年彼方。いまごろみんなはなにをしてるかな?
モニターを閉じる。背もたれによりかかり、ひとつ息をついた。茶番だと君は思うだろうか。そうだ、茶番だ。そうでなければ私の脆弱な理性など、あの星が遠くで光って一度瞬く間に砕け散ってしまう。
君のことを思うけれどもう顔はよく思い出せない。この狭いコクピットにはいって、どれだけの時間が経ったのだろうか。疑問はいつも私にとっての地雷だ。それを深追いすればきっと、私の脳みそは壊れてしまう。コツは、追いかけないこと。浮かんで思ったことは、そのまま流す。窓の外、漆黒の背景に転々と浮かぶ光の群れのなか。宇宙に。
ハロー 1598
あるぱ
DONE三題噺で一本/創作BL/新入生と先輩の初恋と宇宙(偏愛とは???) 恋は彗星のように光の白色、シリウス、ヘイロー、定常宇宙論。
四月だと言うのに、妙に暑い日だった。ぼくは心臓が激しく脈打つことを意識しないように、好きな言葉で頭の隙間を埋める。
ボイジャー、シドニア・メンサエ、ダークフロー、重力レンズ。
言葉はぼくの血管に乗って身体中に回る。不思議と少しずつ脈拍は落ち着きを見せ、胸に何か詰まるような感覚は消える。後ろから、真新しい制服の人たちがぼくを追い越して、高い声で笑った。もつれ合う三人はそれでもまっすぐ進んでいて、ぼくはなんとなく、子猫がじゃれ合う様を思い浮かべる。また心臓が急ごうとするので、ぼくは立ち止まって深呼吸した。
目を閉じると、ふ、と視点が浮かぶような感覚になる。見えるのはぼくの後頭部、道行くぴかぴかの生徒たち、さらにぐぐっと視点が浮上して、学校の校舎が見え、自宅が見え、遥か向こうの街並みの際が、緩やかに歪曲している地平線まで見える。上昇していくと、晴れ晴れとしていたのにそこには実は薄雲が張っているのだと分かる。対流圏を越え、成層圏に及ぶと次第に空の青色は群青へ、さらには夜のような黒色へうつり変わっていく。これが宇宙の色 2162
あるぱ
DONE三題噺ガチャ/創作小説/30分/すぐ人が死ぬのなんとかしたい(書いてみての所感)とむらう人もしも真実があるとするならばここだ。私は扉を押し開けて、そう呟いた。そうだ、それ以外はすべて偽りだ。
手元の懐中電灯を揺らし、真っ暗な室内に誰もいないことを確認する。深夜の会議室、誰かいるわけもなかった。
持っていた紙袋を置いて、中のものを引っ張り出す。ジャケットを脱いで、シャツのボタンを外した。着替えを手早く済ませ、イスを引いた。ぎ、と金属の擦れるような音にぎくんと背筋が強ばる。大丈夫。守衛の見回りの時間は把握している。
二つ折りのミラーを取り出し、長机に置いた。紙袋の底にあったずっしりと重たいポーチを持ち上げ、ファスナーを開けると中身がこぼれ落ちそうになり慌てる。その中からいくつかのメイク道具を、私は綺麗に並べた。下地(これが肝心だそうだ)、ファンデーション(雑誌にのっていたデパコスのやつ)、アイブロウ(違いがよくわからず百均で済ませた)、アイシャドウ(姉がくれた、高級ブランドのもの。紫色でキラキラしていて発色が良い)、口紅(質屋で売ってたシャネルだが、自分に合う色がよく分からなかったせいで自信はない)。
化粧というのは手間もかかるし金もかかるものだ。私は机 1308
あるぱ
DONE三題噺のお題で作成した世紀末BL/30分最果てにてどうして、うつくしいものは脆いのだろう。ぼくは見下ろしながら、何度も繰り返しそう呟いた。チカリチカリと明滅するカラフルな光が、彼の肌色を奇妙な色へ変化させる。ぼくは床に座り、彼の顔に顔を近づけた。かすかに感じる呼吸音。思わず、ほっとしてしまう。
ぼくがほっとするなんて、おかしな話だ。口元をゆがめ、立ち上がった。それから、薄暗い室内を見渡す。
廃屋は荒れ果てていて、もはや人間の生活したあとも朧気だ。ただ大きなクリスマスツリーの電飾だけが、滑稽なほど景気よく光る様を、いつか彼は悪夢みたいだねと笑っていた。あれはいつだったか、と思い出すまでもなく、ぼくには三十二日と十一時間、二十三分前のことだと分かる。
貴重なガソリンと発電機なのに、彼はこのツリーの電飾にそれを使った。たぶん、あの時からもう、だいぶ壊れていたのだ。
ぼくは部屋を横切って外へ出て、雨水を集めるために作った仕掛けから、コップに水を汲んで彼の元に戻った。本来ならば濾過して、一度沸騰して冷ますべきということは理解していたが、いまとなってはそんなことはなんの意味もない。彼の生命がいつ消えたっておかしくないこと 1588
あるぱ
DONE煮詰まってるので三題噺のお題メーカーで創作短文を書くなんのオチもつかんかったけど今後もちょくちょくやります。
734文字/25分黄昏、その終わり
足音がする。硬いブーツの底が、グラウンドを抉る。硬質で、退屈なほど規則的な音が。ぼくは窓の外へとつと顔を向けた。灼熱という喩えはいささか大袈裟かもしれないが、空いた窓から吹いてくる風は熱風で、真上の太陽を遮るものさえない校庭には、うっすらと陽炎すら見える。ずらりと並んだ少年兵たちは、一丁前に制服を着て――しかしそのサイズはちっとも合っていなくて、大抵はブカブカなのだが――訓練に勤しんでいる。
年端もいかない彼らがまっすぐに前を向いて行進する足音だけが、この教室ではBGMだ。年端もいかない、そう、ぼくよりもほんのいくつかだけ歳かさの子どもたちの。
名指しされ、ぼくは視線を動かして教師を見た。指定された箇所の英文を読み上げる。平易な英文だ。戦争がはじまってからこっち、教育などというものはほんの、駄菓子についているオマケのようなものだった。いまは平時ではない。学校はただ、ぼくたちという人間を、ストックするだけの保管庫にすぎないのだ。ぼくは早口で読み終え、教師を見た。彼は一度顎をしゃくり、黒板に向かって英文をチョークでうつす。
足音がする。ぼくはまたグラウンドを眺め 869