「……まいったなあ」
地面の上、大の字に寝転びながら。
曇り空を眺めて溜息ひとつ。
先程から降り注いでいる雨は勢いもだいぶ落ちてきているが、止むまでには至っていない。己の不甲斐なさと運のなさに呆れつつ、立ち上がろうとしてみたものの、
「……っ……」
右足首に酷い痛みを感じ、その動きも止まってしまう。
自分が落下したであろう崖上を、恨みがましく見やりながら──雨の中、俺は途方に暮れていた。
そもそもの発端は、俺がこっそり引き受けていた依頼に始まる。
ここ数ヶ月の間、俺達が世話になっている村で専属ハンターに就任してからというもの、とても重宝されているナタ。そんなナタが狩猟に出かけている間、俺の方はというと、基本的に村でナタの帰りを待つようにしていたんだが……
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