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suzumi_cukeDOODLE20241230 現パロ鯉月で鯉登少尉殿誕生日2024によせて。誕生日前のある日のワンシーン。今更ですがおめでとうイルミネーションのせいじゃない (鯉誕2024) 騒めきがあたりにあふれる師走の終わり。 まず年の暮れというのは、それだけで色々と終いにすること、納めることが立て込んで忙しい。そこへ来て、舶来の行事ながら今ではどっしりと根を下ろしてしまったクリスマスという存在。早い店では、ハロウィンが終わるなりクリスマスムードを漂わせ始める。 12月の半ばともなれば、クリスマスツリーが大小問わずあちらこちらで見られるようになり、電飾が道ゆく人の目を引いた。 特に大きなクリスマスツリーはよく目立つので、この時期限定ではあったが、待ち合わせの目印に最適だった。鯉登もそう思い、待ち合わせはあの駅の広場の大きいクリスマスツリーのところで、と月島に伝えていた。 横断歩道を渡る前から、ツリーの下に月島の姿を認めていた鯉登は、信号が替わるなり疾風のように道路を駆け抜けた。その勢いで、所在なげに周囲を眺めていた月島も、器用に人を避けながら走ってくる鯉登に気が付いた。 1685 suzumi_cukeTRAINING20240831現パロ鯉月。まんなかバースデーにこれといった意味をあまり見いだせない人間だったんですが、同じ阿呆なら踊らにゃ損々というか…鯉登くんならそれを口実にすることで、月島に我儘を言わせやすくする好機と捉えるかもしれないなと思いました。秋は何の記念日を作るかな?結婚記念日?まんなかナントカ 携帯電話の画面をこちらへ向けてきた鯉登は、パァッと音がしそうなほどの笑顔をしていた。 「見ろッ、月島!」 「見えません」 ぶつける気か、と思うほど近くに持ってこられては見たくとも見えない。 「近すぎます……俺でなかったらとっくに鼻に当たってますよ」 「自虐か月島ァ!」 「で、なんなんですか」 そうだった、と携帯をやや月島の顔から離し、鯉登は画面の中心を指差した。 「これ! 読んでみろ」 「はいはい……えー……」 指し示された一文にはこうあった。 『鯉登と月島のまんなかバースデーは8月12日❤』 ファンシーな色と書体でもって書かれたその文章の意味が、俄には理解できず、月島は眉をひそめた。 「まんなかばーすでー……?」 2326 suzumi_cukeTRAINING20240731。大団円から十五年後くらいの鯉月。鯉登37、月が50くらい。壮年…になるのか?鯉は本気で言っているけど惚気でもある。内助の功が龍を作る 次の進級が決まった。 あの金塊騒動から十五年あまりが経ち、次に座るのは早くも少佐の椅子である。 「多忙」を口実に、宴席にあまり顔を出さない鯉登も珍しくその日は内々の祝賀会に出席し、聯隊の者らや、聞きつけた同期らとの旧交を温めた。口々に祝福の言葉をかけ、酒を注いでくれる見知った同僚たちを前に、鯉登は至って大真面目に答えた。 「私は家内のためにここまでなったのだ」 居並ぶ同僚たちは照れるやら呆れるやら。「家内」の正体を知らぬものは羨望と尊敬の眼差しを向け、正体を知るものは苦笑いをし、げに素晴らしきは内助の功かと囃し立ててさらに場は盛り上がった。 ところが、この言葉を聞かされた当の家内はといえばこの反応である。 2817 suzumi_cukeREHABILI20240630鯉月(大団円後)。少尉だって仄暗いことは考えるけど根がまっすぐなので大事には至らない。それより思いがけず右腕からのカミングアウトが重くて少尉はビックリした(手遊びですので内容は軽くて薄めです。サラっと読んでもらえると)(ジュンブラには関係ない)ある日の遅滞戦術「私はお前を傷つけたくないんだ」 執務室の椅子に腰掛け、頬杖をついた麗しい横顔はそう言った。 「ほう」 聞いている、という以外に、特に意味を持たない相槌を打ちながら、月島は鯉登の爪先――長い脚を組んでいるために宙でゆらゆらしている――を眺めやった。 「傷つけたくないなら、傷つけなければよいだけでは」 「しかし時々そうでもなくなる時があるから困る」 「ほう」 一度目よりは、些かなりとも感情の籠もったものを返し、机を挟んで立っていた月島は問い返した。 「どんな時に傷つけたくなります」 そこでずっと横顔を見せていた鯉登が、ゆらりと月島のほうに顔を向けた。左頬に走る刀傷が、途端に顔の印象を精悍なものに変える。 「今みたいな時だ。そうやってお前がけしかけようとする時だ」 2047 suzumi_cukeTRAINING20240530鯉月。大団円後くらい。かわいこぶって口説いたのに不発に終わった話。何日もしてない!っていっても「先週しましたよね」「もう4、5日経つが!?」って感じ。天然ボケみたいだけど軍曹は本気で少尉が病気なのかと心配していたし、ちゃんと休んでほしいと思っている。口説き文句は明解であれ もう何日も、鯉登は月島とまともに触れ合えていなかった。 別に喧嘩をしているだとか、気持ちが冷めただとか、特段の理由があるわけではない。ただただここ最近、課業が忙しすぎるだけである。 これで全然会えないというならばいっそ諦めもつく。そうでなく、書類の受け渡しで手が当たったり、振り返った拍子に肩をぶつけたり、そんな触れ合いと言えないような接触を毎日するくらいには、常に近くにいるのだ。 それだから、課業に没頭している時はともかく、ちょっとした休憩時や、少し気が逸れた時に月島が目に入ると、途端に恋しさが募る。 ところが、月島のほうはいたって平静なのである。鯉登が次々差し込まれる課業を捌き、珍しく少し早く片付いたという日でも、「早く帰って休みましょう」と諭して解散する、そんな感じであった。休むよりは、二人で熱く濃密な夜を過ごしたいという気持ちのほうが鯉登はずっと強かったが、疲れているのは自分だけではないのだからと己に言い聞かせ、見苦しく駄々をこねることはしなかった。 2994 suzumi_cukeDONE20240401祝月島誕。現パロ鯉月です。自分の誕生日も忘れてるくらい自分に無頓着な月島さんと本人より誕生日を楽しみにしてる鯉登くんです。今年もお誕生日おめでとう。お祝い出来て嬉しい(内容ふわっふわだけど)。愛も酒もそそいだ結果 日々の暮らしを月島が鯉登と共にするようになって、幾度目かの春を迎えた。それは4月1日生まれの月島にとって、幾度目かの誕生日を祝ってもらうことと同義だった。 誕生日だからと張り切る鯉登に、入店を躊躇するような高級レストランへ連れていかれることもあれば、どこで勉強したのか綿密に準備した手作りの料理を振る舞われることもあった。休みの日だったときは、一日外には出ないで済むようデリバリーで乗り切ったこともある。 己に対して無頓着な月島にとっては、誕生日もまた殊更意識するものではなかった。書類に記入する時の年齢も一瞬確認するくらいだ。そんな月島にもっと自分を大事にしろと鯉登が繰り返し言って聞かせ、実際に行動するものだから、そのお蔭でここ数年の誕生日は人並みに年中行事となっていた。 2627 suzumi_cukeDONE20240319現パロ鯉月。SとかMとかの話をしている。この鯉月はつきあってる、どっちも社会人、記憶はあるといえばある、そんな感じ。ゆるゆる日常会話なのでオチはありません。品もありません。すいません…。バターは幸せの香り。サービスとマグロとバター フランスパンの切り身――というのは月島の言い方で、鯉登はその度にバゲットと訂正している――を一切れ手にとって、鯉登はこう言った。 「近頃、自分はMではないかという気がしてきた」 「へえ」 銘々に置かれた白い皿には握り拳大のバゲットが二切れずつ載っていた。それと角砂糖くらいの大きさで、黄みがかった乳白色のブロックが一つずつ。そのブロックがバターかマーガリンか、月島には判別が出来ない。特にどちらがいいというわけでもないが、どちらだろうかと、月島がじっとブロックを見ていると、気のない反応が面白くなかったのか、鯉登が手にしたバゲットを八つ当たりのようにむしった。 「聞いてるか?」 「聞いてます」 「何故かというと……」 6836 suzumi_cukeDONE20231009。現パロ鯉月。お誘いされたい鯉とお誘いしているという月の話。のんびり書いてたら秋になってたし何を書きたかったのかよくわからなくなった。いつものことですが…。ご馳走様にはまだ早い 不満、というほどのことでもないが、恋人に注文をつけるとするならば。 「私もお誘いされたい」 「ハァ?」 頭でもぶつけたのかとでも言いたげな顔になりながら、月島は鯉登が座るソファの前のローテーブルへ、どんどんと缶ビールを置いた。そして鯉登の隣にどっかりと座る。 「さっぱり意味がわかりませんが、一応、話は聞きましょう」 「うむ……あのな」 「あ、ツマミとってきます」 「月島ァ~!」 さっと立ち上がってしまうと、月島は台所から枝豆を盛った小鉢と殻置き用の小鉢を持って戻ってきた。座りなおすと、まず缶ビールを開ける。鯉登も慌てて缶を開けると軽くぶつけて乾杯した。 「で、なんですか」 ビールを一口飲んで、早速枝豆に手を伸ばしつつ月島が聞き返した。月島に習って鯉登も枝豆をひとつ取る。食欲をそそる香ばしい匂いが鼻腔をくすぐった。ニンニクと一緒に炒めたものらしく、大変ビールに合う。 3769 suzumi_cukeREHABILI20230805現パロ鯉月。「打上花火」を聞いていて書きたくなったので…299話のアオリが「権利書、アシㇼパ、月から見るか?鯉から見るか?」だったこともあるし…(?)。また同じような話書いてる!って書いてる本人が一番思ってるので許してね!火花が見たいとは言ってない 花火大会を見た帰り、穏やかな横顔で月島は言った。 「あと何回こんな風に花火を見られるんでしょうね」 独り言のような言い方だったが、喧騒の中でもはっきりと鯉登は聞き取った。流し目に見た浴衣姿の月島はいかにも花火を堪能した客の顔をしていた。しかしその瞳は興奮冷めやらぬどころか、妙に凪いでいる。健康的でないことを考えているときの月島はこうだ。 「どうしてそう思う。何度でも見られるだろ」 自分より小さい身体をしていながら、自分よりよっぽど月島が己の内に溜め込む性格なのはよく知っていた。何か不満が――不安があるなら言ってくれればいい。 月島は軽く首を横に振って、隣を歩く鯉登より二三歩ほど先に進んだ。まるで顔を見られたくないようだ。 1000 suzumi_cukeDONE20230617壮年鯉月。元々甘える鯉月ちゃん可愛いよねと思いながら書いてたら「占って!!」が来たので現パロが先に出来てこっちが後になった。いくつになっても膝枕してて欲しい。いくつになっても男の子 主が不在の屋敷は静かなものだ。 静かであると、仕事が捗る。 日光の入る部屋の文机に向かい、月島はロシア語の郷土資料と辞書を並べて、内容を日本語でノオトブックへ書き出していた。文机の上には他に、薬缶をそのまま小さくしたような急須と湯呑がのっていた。月島は思い出したように湯呑へ手を伸ばし、湯呑が空になれば薬缶から中身を移し、また湯呑を手に取ってノオトブックへと戻っていたが、その動作を幾度か繰り返して、ふと顔を上げた。 日が傾いて、部屋が薄暗くなっていた。どうりで文字が見えづらい気がすると思った。細かい文字を読むというのでなければ、別に支障があるというほどではない。それでもあと一時間ほどすれば、灯りをつける必要があるだろう。 3373 suzumi_cukeDONE20230603 現パロ鯉月。「占って!!」が可愛すぎたので甘え倒す鯉月ちゃんは可愛いよねって気持ちで書きました甘え倒せてるか微妙だけど…。甘えられるのに弱い鯉月 その休日は、珍しく何処かへ出かけようという予定が無かった。前日の夜、月島は一応鯉登に「明日どうします?」と寝床で尋ねてはいたのだが、明日が休みという開放感で盛り上がってしまい、明日の予定などそっちのけになってしまっていた。 そんなわけで予定らしい予定を決めることなく、平日よりちょっと遅く起床し、平日よりゆっくりと朝食をとり、今は洗濯機のスイッチを入れたところだ。月島は寝室へ行って、充電しっぱなしになっていた携帯電話をチェックすることにした。充電は完了していたので、アダプタを外して携帯を手にリビングへ向かう。 「月島ぁ、今日どうする?」 「あー……そうですね……」 横長のソファへ寝っ転がって、携帯の通知一覧に目を通してみたところ、メッセージが数件入っていた。いくつかは読みもしない宣伝の類いであるが、一件は無視できないものだったので、月島は鼻でため息をつくと、寝転がったまま顔の上で文字を打ち出した。 3195 suzumi_cukeREHABILI20230521鯉月(鯉→月)。身体の関係はあるけど両思いかは微妙な時期(大団円前)。うちは軍曹が割りと塩対応です。好みでない相手が好みになるまで 初年兵の教育を終え、兵舎の廊下をミシミシ鳴らしながら執務室へ向かっていた鯉登が、不意に斜め後ろについて歩く月島にこそっと耳打ちをした。 「今晩部屋に来い」 手元の書類に目を落としていた月島は、怪訝そうに顔をあげ、隣の上官へ尋ねた。 「部屋に来いとは」 「無論、そういう意味だ」 平然と返され、月島は白目を剥きそうになった。「そういう意味」が何かわからぬわけではない。何故なら、鯉登からのこのような――同衾の誘いはしばしばあることだからだ。そして月島はそれを受けたことが一度ならずある。拒みきれずやむなくのことであり望んでのことではない。 「……他を当たられては」 「月島がいい」 歩きながら一歩隣に詰め寄られ、同じだけ月島は身体を引いた。するとまた鯉登が距離を詰めてきたので、月島は腕を擦るか擦らないかのところまで兵舎の壁に身体を寄せた。花沢少尉と壁に挟まれている尾形の姿が思い出された。当時は何やってるんだと思っていたが、いざ似たような状況に置かれてみると人のことは言えない。 3532 suzumi_cukeDONE20230401祝月島誕。月島基軍曹殿、お誕生日おめでとうございます!祝い続けて3年目。誕生日のことはチラッとしか出てこないいつもの鯉月です。正直なこと言うと、潔く散るよりも泥臭く足掻いて足掻いて見苦しくても生き残る鯉月が好きなので、「桜か?」って言われると「いや…?」って気持ちもあるんですが綺麗なものを見て好きな人を思い出すのってなんかいいよね頭が春だねってことで許してください(言い訳)護花鈴の胸中 鯉登が陸軍大学校を卒業した翌年のことである。 重要書類の受け渡しと諸々報告のため、遣いとして東京へ赴くこととなった鯉登は、定限も間近の部下、月島を連れ立って帝都へ来ていた。 朝一番に仕事を速やかに終わらせ、半ば接待のような昼食を見事な作り笑いでやり過ごした二人は、受領した新たな書類を手に、三宅坂の参謀本部を早々に辞すことに成功した。 解放感に満ちた足取りで昼下がりの暖かな陽の光の下を歩く。あとは北の地へ戻るだけだが、急いで戻るのも味気ない。駅までの道を遠回りすることで、二人は束の間、久しぶりの帝都を味わうことにした。 なにせ、とてもよい季節なのだ。 「こちらはもう桜が満開だな」 あちら、つまり北海道では、ようやく残雪を気にせずに済み始めた頃だというのに、二人の眼の前では、宮城をぐるりと囲む淵に沿って、桜並木がその枝をのびのびと伸ばし、地面を覆うように淡紅色の花の雲が広がっていた。 2571 suzumi_cukeDONE20230225現パロ鯉月猫の日ネタ(遅刻)。記憶の有無はどっちでもいいんですが、明治の鯉は出世すればするほど誰かひとりのためだけに生きることが許されなくなっていっただろうなあと。なんかこんなオチでよかったんですかね…。このあと二人でにゃんにゃん(性的でない)して疲れたので昼寝して晩ごはんに水炊き食べてにゃんにゃん(性的)して寝ると思います。そのにゃんにゃん受けて立つ 休日のまとまった買い物を抱えて、鯉登と月島はのんびりとショッピングモールからの帰り道についていた。この前行った時に安売りの卵が15時半には売り切れましたと張り紙がしてあったものだから、今日は早々に買い物へ繰り出していた。そのため昼食と買い物を済ませても、まだ日は高くて気温も少し暖かい。シチューにするつもりで鶏もも肉のブロックを買ったが、カレーか水炊きも悪くない、といった生活感あふれる会話をしつつ、鯉登の目線が月島の顔からすっと横に逸れた。 「猫だ!」 「え?」 目線の先を追ってみれば、白と黒の二色に分かれた毛並みを持つ小さな猫が、道路を挟んだ反対側にある公園の中をとことこと歩いていた。 「本当だ。ブチネコですね」 5379 suzumi_cukeDONE20230116まだ添い遂げると思ってない鯉月。金塊争奪戦後最初の冬くらい、事後。軍曹は軍人であるうちは右腕となって助けようと決めてたけどまさかその後も一生右腕するとは思ってなかったので、この時点では好きになりすぎないように…とセーブしてたんじゃないかという妄想。望んだ春は来なかったがもっとウルトラハッピーな春が来る。書いてる途中で「DEPARTURE○だな…」と思ってしまった。望んだ春は来ない 耳を澄ますと、雪の降る音が聞こえた。雨のようにはっきりとではないが、雪にも音がある。さらさらと、屋根を、前栽を、粉雪が払いながら落ちる音だ。月島は足を止めて、音のするほうへ首を巡らせた。 外はもう夜の帳が下りていて、ガラス障子を隔てて縁側から望む月島には庭の様子が朧げにしかわからない。雪明かりがでこぼこと庭木の不安定な輪郭を形作っている。 「月島ぁ」 眠たそうな鯉登の呼び声が、縁側を挟んで庭の反対側、まだ明るい部屋のほうから聞こえてきた。 「はい」 つい立ち止まってぼんやりしていた月島は声の方へ足を向けた。ミシ、と雪音を掻き消す無骨な音が響いた。 寒風が入らないよう、明障子を細く開けて、隙間から月島は身体をさっと滑り込ませた。 2509 suzumi_cukeDOODLE20221129鯉月(鯉→月)。帰りの先遣隊の一コマ的な…原作程度の杉←リパ含みます。少尉が最初は「月島」or「月島軍曹」って呼んでたのが、145話を最後に軍曹と呼ばなくなっていて、これ、月島軍曹のことを「月島」と呼び捨て出来るのが自分だけだから名前で呼びまくってるんじゃないかなと思ったって話https://fusetter.com/tw/0QJ0C#all呼び捨て御免 囲炉裏の灰を掻き回しながら、思いついたように杉元が言った。 「そういえば鯉登少尉ってさぁ、最近月島軍曹のこと『月島軍曹』って言わないよな」 鯉登が主張の強い眉毛をひそめた。話題の月島軍曹は厠に立ったところで、今はちょうどこの場にいない。 「藪から棒に何だ」 「いや、樺太に着いたばかりの頃とか、スチェンカの時はまだ月島軍曹って言ってたのに、サーカスの後くらいからか?ずーっと呼び捨てにしてるだろ」 「へー、ちゃんと月島軍曹って呼んでたんだ?俺聞いたことないかも」 白石が両眉を上げて意外そうにする。亜港で合流してから少し経つが、いつも呼び捨てにしているような気がしていた。すっと鯉登は目を細めた。 「簡単なことだ。お前たちは月島のことを何と呼んでいる?」 1550 suzumi_cukeMEMO20221112ハロウィン現パロ鯉月R18のあらすじ。あらすじなのに後編。あらすじなのに出るもん出てるのでR18。あらすじとは… ※人外注意一週間くらいしたらリス限にします恥ずかしいからPASS:18歳以上ですか? 6920 suzumi_cukeMEMO20221106当初考えていたハロウィン?現パロ鯉月のあらすじ。会社員月島が吸血鬼鯉登を拾って先っちょだけでいいから(牙の)って言われる話。ちゃんと書き上げる予定は無いです。転生ではないので、前世の記憶とかもない。月島さんの喋り方も最初以外は敬語じゃない。続き(R18)https://poipiku.com/365974/7828620.htmlハロウィン鯉月のあらすじ(ボツ)前編ある日の仕事帰り、会社員・月島基は駅へ向かう途中ショートカットしようと通った公園で、行き倒れを発見した。 木の陰に隠れるようにして倒れているその若い男、酔っぱらいか浮浪者かと思ったが、身なりは悪くないし人相も悪くない。ただし顔色はすこぶる悪い。体調を崩しているのかと、月島は若者の傍らにしゃがんで声をかけた。 「どうしました。大丈夫ですか」 若者はうめき声をあげて、どうにか月島へ顔を向けた。 「救急車呼びましょうか?」 「いや……それより、このあたりに薬局は……」 「薬局?うーん……ドラッグストアなら確か……」 突然はっとした顔になった若者は、立ち上がりかけた月島の足を掴んだ。 「おはん……」 「ごはん?お腹空いてるんですか?」 4498 suzumi_cukeMOURNING宇佐美が二階堂に「怒る」と「叱る」の違いについて語る話。原作196話後くらい。アニメでちょうどゴロンゴロンするところやってたので再掲。このときはまだ「愛です」なんて中尉が言い出すとは思ってなかったですhttps://twitter.com/suzumi_cuke/status/1146359259111677953怒ると叱るの違いについて / 宇佐美+二階堂 いざ片脚を撃たれてみると、確かにこれは不自由だ、と宇佐美は実感せずにいられなかった。 何かを支えにすれば歩けないことはないが、ちょっとした段差を越える時や、戸を開けるのに片手が塞がる時など、思いもよらないところで立ち往生してしまうことがたまにある。 例えば今も。 両足を投げ出して座っている畳から立ち上がろうとして、支えになるものが近くにないことに気がついた。ちゃぶ台などがあれば手をついて立てなくもないのだけれど近くにはない。それか小銃を松葉杖代わりに……などと思いながらきょろきょろしていると、ぬっと目の前に手が現れた。 「はい、宇佐美上等兵殿」 片脚どころか片手まで失っておいて、よくもまあ二階堂はここまで復帰したもんだなとちょっとだけ感心しつつ、その二階堂が差し出した左手を宇佐美は取った。 2526 suzumi_cukeDOODLE鯉→月(と本当ビミョ~に杉←リパ)。アニメ4期2話で杉元たちが出てこなかったので、そのあたりのこんなことあったかも~みたいなアレです。3話までに賑やかしで書きたかったのでいつも以上に雑で申し訳ございません201話の行間 病院で尾形に逃げられてしまったのは後顧の憂いを残すこととなってしまったが、「荷物」が減ったと考えれば悪いことばかりではなかった。いつ傷が悪化するかわからないような重傷者を連れて北海道まで戻ることを考えると、今いる者だけで帰路を急ぐほうがずっと早い。 重傷者はもうひとりいるのだが、そちらも多少は回復をみせていた。 しかし、いざ出発という段になり、改めて橇に乗る人間を振り分けしたところ、ちょっとした問題が発生した。 「何故だ、月島」 もこもこの防寒着を身に纏った将校が、自分より頭一つ分近く小さい部下の片腕を掴み、詰問した。同じく、もこもこの防寒着に包まれた部下は、多少言いにくそうに下を向いた。 「……すみません、でも少尉殿では……」 2904 suzumi_cukeMOURNING手鏡ネタの鯉月。ちょい不穏。原作201話読んだ時に書いた鯉→月っぽい話。アニメで手鏡が出てきたので再掲https://twitter.com/suzumi_cuke/status/1140540907474714624201話手鏡ネタ / 鯉月(鯉→→→→→←月) 狙撃によって砕かれた手鏡の欠片をひとつ、億劫そうに屈んでつまみ上げた月島に、背後から鯉登が尋ねた。 「月島、さっきの顔はなんだ」 「さっきの……?」 月島は一瞬思い出そうとして斜め上に視線をやった。手鏡を貸せと言われた時のことだろうか、と思いながら立ち上がる。 「申し訳ありません、私は手鏡なんて持ち歩きませんので」 「違う」 聞きたいことが噛み合わないことに、鯉登が若干の苛立ちを見せた。 「汚い顔だと言った時だ。妙な目をしただろう」 「妙な目、ですか」 鯉登が「汚い顔しおって」と怒鳴った時のことである。 腹を立てるでもなく、恐縮するでもなく、月島の顔にほんの一瞬、何か奇妙な感情が浮かんだのを鯉登は見逃さなかった。懐かしむような、憫笑するような、それは説明し難い表情だった。 1480 suzumi_cukeDONE20221001身体の関係始まった頃くらいの鯉月。純粋であることと計算高いことは両立する。少尉はぴゅあぴゅあだけどハッタリかませるクレバーな男であることを忘れずにいたいという…伸び代もありますしね。https://twitter.com/suzumi_cuke/status/1576180147639549952可愛い犬にも牙はある「初恋が実らないというのは迷信だったな」 それは、鯉登からの何十回という交際の申込みを月島が断りに断り続け、どう断っても諦めようとしない鯉登の態度に音を上げた末、仕方なく形の上では受け入れることになってから数日経った日のことだった。兵の訓練を指導して戻る途中である。 何故か得意げに発された、その聞き捨てならぬ言葉は月島の軍帽の下の眉間に深い皺を形成した。 「まるで私が初恋の相手のように聞こえるのですが……」 「そうだが?」 何を当然のことを、と言いたげに鯉登の目が軽く見開かれる。 ――いや、なにが「そうだが?」なのだ。 大体、既に何度も玉砕しておいて、今更これを「実った」と言ってよいのか。月島としては、どうにか鯉登には目を覚ましてもらって、当人にふさわしい、本当に好いた人を見つけてもらうまでの繋ぎの相手のつもりでしかないのであるが。さも当たり前のような顔が妙に苛立たしく、月島は胸の当たりがもやもやした。 1670 suzumi_cukeDOODLE20220708七夕の鯉月。最終話後。仕事中の世間話。多分鯉登少尉は嫌だ嫌だと言いながらもひとりでやっていけるけど、軍曹は…。少尉が嫌なのは自分がひとりになることじゃなくて軍曹をひとりにすることだと思う。天の川も血の海も泳いで 連日持ち込まれる書類の中には、日付の記入を求められるものがある。そんなわけで本日の日付を記した時、はたと鯉登は気がついた。今日は七月七日である。 「愛する相手と年に一度しか会えないなんて酷い話だな。そう思わんか」 「七夕の話ですか?」 こちらはこちらで各所への手紙を書くのに忙しい月島が、突然振られた話題にもかかわらずそつなく拾った。 「与えられた仕事をしないからそういう罰を与えられたんでしょう。少尉殿も手を動かしてください」 喋っているとこちらまで間違えてしまう、と注意しながら、月島は自分の書いた文面を念のため読み直した。鯉登は手にした万年筆を振りながら大仰に嘆いてみせる。 「私なら耐えられん!あと50年生きるとして、50回しか会えんということだぞ。想い合っていながら離れ離れなど、寂しくて死んでしまう」 1018 suzumi_cukeDOODLE20220616R18現パロ鯉月睡姦です。かなり喘いでます。ちょっとだけ攻めのひとりあそび描写があります。一度は書きたかった睡姦が書けて満足です。実際こんな感じかは知らないですけど…。 8308 suzumi_cukeDOODLE20220605匂わせ程度の鯉月(鯉→月)、メインは俺モブ兵が軍曹の読んでる本について知りたがる日常系の話。気分転換に書いてたら最後まで書けたので置いておきます。みんな大好き軍曹殿の愛読書 俺が所属する歩兵第二十七聯隊には、皆から慕われる古参の軍曹殿がいる。 身長は徴兵資格をぎりぎり通るくらい、そんなに高くない。俺より低い。ところがガタイがとんでもない。下士官と兵は入浴の時間が違うのだが、たまたま遅くなったらしい軍曹殿が風呂から出て着替えているところに出食わした時、そのたくましいお身体に、俺は正直吃驚してしまった。数え切れない傷を刻んだお身体は、服の上からでは思いもつかないほどに鍛え上げられ、腹の筋肉などは八つくらいに割れておられた。触ると多分鉄板のようにカチカチなのだと思う。思わず口を開けて見惚れていると、軍曹殿はやや気まずそうにして、「じろじろ見るな」と背を向けてしまわれた。そうするとどうだ、背中にはそうした傷はなく、きゅっと褌を食い込ませた尻のなんと張りがあって柔らかそうなこと……俺はさっきと別の意味で、軍曹殿が着替えを終えるまで目が釘付けになってしまった。(ぼんやりするなとどやされてしまった) 3324 suzumi_cukeDOODLE20220601和田大尉と鶴見中尉が月島軍曹の外套について話している話。我ながらしょーもないし微妙な下ネタだしでどうしようかと思ったんですが、書いてしまったので置いておきます。特にCPとかはないんですが、しいていうなら右月で鶴和鶴です(なんで??)和田大尉と鶴見中尉が月島軍曹の外套について話している話 短い夏は過ぎたが、日中きびきびと動けば汗ばむ、そんな日のことである。営内では行進の演習が行われていた。監督しているのは月島軍曹である。 兵舎の陰に沿って移動していた和田大尉は、大声で指示を飛ばす月島に気づき、ふと思うところがあって、後ろに付いて歩く鶴見中尉へ首だけで振り返った。 「月島軍曹はいつも外套を着ているな。寒がりだったか?」 「いいえ、そういうわけではないのです……」 歩きながら、憂いに満ちた顔で鶴見はふるふると首を振った。ならば何故、と和田は怪訝な顔をした。鶴見の言い方に引っ掛かるものがあったせいかもしれない。防寒以外で外套を着用する理由というのが、すぐには思いつかなかった。それを察したか、鶴見が片手で月島を指し示しながら説明を始めた。 1064 suzumi_cukeDONEキスの日なので…ちゅーする時に目を閉じない話…書きかけですが。書き終わるかわからない2022.5.23 年をまたいで書き終わりました。キスはしてます。作中のどこかの時間で、まだお互いを牽制しあっている鯉月というか、軍曹は自分じゃなくて他にもっといい人見つけてくれたらいいのに…と思っている。かきかけの時にスタンプくれた人ありがと~!! 3811 suzumi_cukeMEMO20220422 大団円後のモブ視点鯉月if話のプロットです(プロットではないです)。時代考証とか何も考えてません。追記:さすがに佐官は盛りすぎました。金塊争奪戦後の鯉月ifサッポロビール工場や五稜郭の戦いはロシア人ゲリラたちの鎮圧のため、列車内の惨劇はヒグマと土方歳三率いる脱獄囚によるものということになった。部下を多数失ったことや権利書を横領しようとした件は行方をくらませた中尉に全ての罪をひっかぶせて、残った部下を守るために少尉は奔走する。親が軍高官であることや、中尉に騙されていたむしろ被害者であること、顔に大怪我を負ってまで戦い抜いたことが評価され、少尉の罪は不問になる。 だが中尉の腹心の部下で下士官だった軍曹は罪を免れることは出来ず、また本人もそれは望まなかったため、免官となり再び陸軍監獄へ入ることになった。 何年かが経ち、そんな争奪戦のことも知らない若い兵士が新たに師団へやってきて、進級して大尉になっていた鯉登元少尉の下につく。休暇ともなると、鯉登閣下は誰にも何も言わずに外出しているので、ある時どこへ言っているのか尋ねると「想い人に会いに行っている」のだという。それからも時々休み明けに気力充実している鯉登閣下の顔を見ては、「あ、想い人に会ってきたのだな…」と部下は微笑ましく思っていた。いつも閣下が会いに行くばかりで、一緒に外出やご旅行などもされた様子が無いし、もしやその想い人とはどこぞで囲われている芸者か遊女であるまいか、と心配にもなったが、何より鯉登本人が嬉しそうなのである。「囚われの姫のようですね」と言うと、鯉登閣下はキョトンとした顔になってから大笑いして、姫か、それはいい、あいつはどんな顔をするだろうなと目を細めた。 1032 suzumi_cukeTRAININGキメセク事後を書きたいためだけに893パロにしたので特に893っぽいことはしてないです。書きたいところだけ書いたらこうなった。現パロ鯉月は際限なく甘く出来るのがいいのに、手癖で書くとすぐこんなんなってしまう。ちなみに本当は二人とも薬は効いてません(月島さんは耐性がついてる。鯉登くんは飲んでいない)893パロ事後の鯉月 空調の低い音が耳について月島は目が覚めた。暖房が掛けっぱなしになっている。これが自分の部屋であれば、電気代のことを考えて、やってしまったと少々後悔するところだ。もっとも、ここは「仕事」のあとに連れ込まれた鯉登の部屋なので、部屋が温くていいなとしか思わなかった。ベッドに横たわった裸の自分を、同じように裸の鯉登が後ろから抱えるようにして寝ているので、余計に温かい。 その分、空気が乾燥しているのか喉が渇いていた。それともこの渇きは、薬のせいか、声を上げすぎたせいかもしれない。自分の上に乗っている褐色の腕を押しのけて、質の良いシーツから這い出ると、ベッドの縁に座って辺りを見回した。全裸でうろつくのは少し憚られた。 3077 suzumi_cukeTRAINING本誌306・307話のセリフや描写がバリバリ出てきます。ネタバレと自己解釈全開で書いた。主に少尉目線で、軍曹を助けようと奮闘している鯉月?の話。今しか書けないだろうなあと思ったので…大事なのは勢い…(自分に言い聞かせてる)(本誌近くて気持ち悪くなってる)306→307話の行間 無鉄砲が救うもの 続く車両のドアを開けた瞬間、眼に飛び込んできた光景に鯉登は総毛立った。 巨漢に掴みかかった月島が、掲げた左手を今にも振り下ろそうとしている。その手の中には手投弾があった。 ――月島は死ぬ気だ。 考えるより先に身体が動いていた。声が出ていた。 「月島ッ」 呼び声に月島が顔を上げる。視線が鯉登の顔を捉えた。険しかった月島の表情が一瞬はっと驚愕を示したあと、さらにその険しさを増した。 「来るなッ」 「よせ月島ッ」 叫びながら鯉登は駆け寄ろうとした。 馬鹿馬鹿、なんて馬鹿な奴だ。そんなことをしたらお前も死んでしまうではないか。手投弾の威力は、お前ならよくわかっているだろうに。 ――いや、一番の馬鹿は私だ。 月島は鶴見中尉殿のためなら死ねる。どれほど危ないことでも、どれほど汚いことでも、己の心を殺してやり遂げる。己を顧みようとしない。そういう男だと、わかっていたはずじゃないか。わかっていたのに。 4966 suzumi_cukeTRAINING306話の行間です。軍曹の独白で気持ちは鯉月。今しか書けないだろうなあ…と思ったので書いた。もう…鯉月…(言葉にならない)306話の行間 どうしてもとどうして 爆発の煽りを食った兵士たちの呻き声が車内に木霊する。座席は吹き飛び、後方の壁には大きな風穴が開いて、そこら中に血が飛び散っている。自分の姿も無様なもので、頭を切ったのか血が流れてきて鬱陶しい。 ぐらぐらする身体を這うようにしてどうにか座席の陰に隠したが、敵の気配はどんどん近づいてくる。何とかせねばと焦りが滲む。 床に転がっている手投弾が目に入った。 ――もうこの手しかないか。 本来なら、今頃自分はこの世にはいないはずだった。それが今なお生き長らえているのは、鶴見中尉殿のおかげだ。 甘い嘘で騙されていたのだとしても、使い捨ての便利な駒にするつもりだったとしても、私の戦友だからと言ってくれた言葉に偽りは無かったのだと、今は思っている。 1730 suzumi_cukeTRAINING299話の冒頭くらい。鯉月風味。名前を呼ぶのは応えてくれると信頼しているからで、今までこんなに呼び声に応えてくれないこと無かっただろうなぁとか、そういう少尉の焦りやら何やら。本誌怖いから出来にかかわらず思いついたことは書いておこ…ってなった299話の行間 大団円を諦めない男 例えば嬉しいことがあったとき。例えばわからないことがあったとき。例えば怪我をしたとき。例えば美味いものを食べたとき。例えば退屈なとき。例えば心細いとき。例えば、例えば、例えば――例えば、呼びたくなったとき。用は無くとも、ただ、そばにいて欲しいとき。 自分以外の誰かを、何処かを見ているその眼をこちらに向けたくて。自分のことを映して欲しくて。そうして何度も名前を呼んだ。 崩壊しかかっている堡塁の上から、馬で駆けてゆく月島が見えた。見慣れた背中が遠ざかっていく。 「月島ァ」 いつものように叫んだが、月島は振り返らなかった。それはそうだろう。距離がありすぎる。恐らく聞こえてはいまい。 訓練所から出た時もそうだった。あの時も返事はなく、振り返ったのは自分だった。月島はついてこなかった。聞こえていたはずなのに。 1197 suzumi_cukeDONEエロコメにならなかった現パロ鯉月。性欲が食欲に負ける。めちゃくちゃ寒い日の鯉月 鍋をぐるりとかき混ぜてみれば、おたまにぶつかる手応えで、具材がほどよく煮えているのがわかった。じゃがいも、人参、玉ねぎ、鶏肉、材料は極めてシンプルで、隠し味にすりおろしたニンニクが入っている。シチューのルウを投入し、あとは仕上げだけだ。 鍋に蓋をしたところで、玄関のドアが開いた音がした。 引き続いてごそごそと靴を脱ぐ音がする。仕上げ――もとい、鯉登が帰ってきたのだ。 「ただいま……」 「おかえりなさい」 弱々しく帰宅を告げ、部屋に入ってきた鯉登は買い物袋をテーブルに置いた。袋の中身を受け取ろうと月島が近付いていくと、鯉登が見せつけるように自分の両手を持ち上げた。指先が赤らんでいる。 「さ、さぶい……つきしま……」 4167 suzumi_cukeTRAINING295話ネタ鶴+月。少尉不在だけど気分は鯉月。もうなんにもわからないお前ら何を考えてるんだ。こんなん書いてるけど実際休載明けたら普通にまたドンパチしてると思います。295話の行間 / 鶴+月(鯉月風味)「私の味方はもうお前だけになってしまったな?」 ――蛇に睨まれた蛙とはこういうものだろうか。 まるで金縛りにあったように身体が動かない。明かりの届かない建物の薄闇に、半ば溶け込むようにして佇む姿勢の良い死神が、じっと月島を見ていた。 「……それは」 口の中が渇いて、確かに発音出来たかどうかは疑わしかった。 ――どういう意味なのだ。 お前は味方かと確認しているのか。それとも、鯉登少尉はもう味方では無くなったと言いたいのか。 ――そんなはずはない。 鯉登少尉が、自分の忠告を聞かず、甘い嘘のことを話したのは何故か。彼は部下を守るためといったが、きっとそれだけではない。 彼は、鶴見中尉のこともまだ諦めてはいない。 1350 suzumi_cukeMOURNING鯉月。少尉が滅茶苦茶かっこよくて「軍神」じゃん…って思った時の話。軍曹のことだから、あの時もキロちゃんの手投げ弾から盾になって少尉を守ろうとしたんじゃないかな~とか、少尉は二度と軍曹にそんなことさせてたまるかと思ってただろうな~とか、そんな感じのことを考えながら書いてたような気がします。もう2年半前…?190話の行間 / 『手出し無用』 シュッ、という聞き覚えのある不吉な擦過音に振り向けば、驚愕に目を見開いている谷垣と、そして想像通り宙を舞う手投げ弾が目に入った。 事態を察した瞬間、考えるよりも先に月島の体は動いていた。傷を負って思うように動かぬ体を叱咤し、鯉登のほうへと踏み出す。体を低くさせ、少しでも衝撃から身を守らせねばならない。この小さな体でも、多少は盾になれるだろう。 出来るだけ衝撃を自分が受けるため、月島は両腕を広げようとして、はっとした。 自分よりも先に全て把握していたのだろう、飛んでくる手投げ弾を食い入るように見据えていた鯉登が、一瞬月島を見たのだ。 その鋭い目には燃えるような怒りもあったが、それ以上に強い鋼のような断固たる意志が光っている。 748 suzumi_cukeMOURNING鯉月。樺太帰り道の杉リパ(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14554097)のオマケで前に書いた短いやつ。193話後くらい。賑やかしに置いておきます。怪我してるから血の臭いがするのか人殺しだから染み付いているのか、どちらにせよ良いことではない193話後くらい むくりと音もなく起き上がると、鯉登はかぶっていた上着を手に月島の枕元に立った。 寝台に手をつくと、聞こえるか聞こえないかといった程度に軋む音がして、耳聡く月島が薄く目を開けた。自分の顔を覗き込んでいる鯉登に気がついて、不審そうに眉をひそめる。 鯉登は真顔で見下ろしていた。 「寒くて眠れんだろう」 ぼそりと低い鯉登の呟きに、月島はしょぼ、と瞬くと億劫そうに答えた。 「……さっきまで寝てましたが……」 「一緒に寝てやる」 「いえ結構で」 「狭いな。少し詰めろ」 「話を聞かない……」 上着をばさりと月島がかぶっている毛皮の上にかけると、鯉登は寝台にあがった。鯉登に押しやられ、どう考えても定員を超えている寝台に月島は鯉登と並んで横になった。鯉登と壁に挟まれながら、月島はとにかく心を無にしてこの時間をやり過ごそうと決めた。決めた矢先に、鯉登が月島のほうに身体を向けてきた。吊ったままの腕を広げる。 1032 suzumi_cukeDONE鯉月R-18。支部に投稿した事前と事後の話に最中の話(5000字くらい)を加筆したもの。ボーナストラックのつもりが普通に元の倍くらいになった…計画性のなさ…リスインについて→https://privatter.net/p/796067218歳以上ですか? 11339 suzumi_cukeTRAINING鯉月(鯉→月)。272・273話ネタあり。鯉登少尉が悪夢(淫夢)を見る。元々身体の関係はある。エロはないがなんとなくいかがわしいというか下ネタオチがある。 https://twitter.com/suzumi_cuke/status/1440745323727491078 3578 suzumi_cukeMEMOそういえばこの暑い時にする話じゃないが、どうして月島軍曹がいつも外套なのかって考えたメモ※小説じゃないです!!考察でもないhttps://twitter.com/suzumi_cuke/status/1418522562296905731どうして軍曹は外套姿が多いのか?というのを考えた結果、個人的には以下の三点がその理由かなあと。 1.利便性 2.他者との障壁 3.本人の育った環境 1については、防寒のためというのは勿論なんですが、一番はポケットの存在ですね。「物入」というやつ。軍衣(上着、ジャケット)にはブロマイドとか入れておく胸ポケットがあるんですけど、確か軍袴(ズボン)にはポケットが無かったはず…。そうなると、胸ポケットには入らないけれど、カバンを持つほどでもない荷物…そう、例えば財布とかをどう持ち歩くか…これ地味に困ると思うんですよ。例えば今だったらちょいコンビニに、みたいな、財布と鍵とケータイだけ持って出る時とか、ポケットの大きいコートがあれば、全部突っ込んでいけちゃう。今だって尻ポケットに財布突き刺して手ぶらの男の人とかいますよね、あんな感じ。 1615 1