Party Monster 骨すらも揺るがすような重低音が全身に響く。聞きなれないEDMが狭苦しく、蒸し暑い空間を満たしていた。
ひしめき合う人々の波を、色とりどりの光が活性化させる。
誰も彼も熱に浮かされたような顔をしては、他人の目など気にもしないで踊ったり笑ったり……隅の方では見たくもないというのに濃厚なキスをしていたりだとか。
――――とにかく異質な場所としか言えない。
一歩入った瞬間、俺はこの店に来るべきではないと真正面から叩き付けられたような感覚に陥る。
だが、髪も後ろに撫で付け、自分だとバレないようにコンタクトまで入れたのだ。
ここまで来たからには後には引けないと、グッと顔を持ち上げてさらに奥へと入り込んだ。
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