アドベントカレンダー その日が近づくと、町はクリスマス一色に染まる。街路樹はイルミネーションで彩られ、店先には赤と緑の貼り紙が貼られていた。ショーウィンドーのある店には、レースや小さなクリスマスツリーまで飾られている。
大通りを歩きながら、僕は店先の様子を眺めていた。クリスマスまで二週間を切り、ルチアーノにプレゼントを用意しなければいけない時期が近づいていたのだ。彼はあまり乗り気ではないけれど、プレゼントを期待していないわけではない。誠意を込めた贈り物をしなくては、拗ねてしまうような男の子なのだ。
とは言っても、クリスマスらしい贈り物というのは難しい。ルチアーノは好みがはっきりしているし、好物は既に贈っているのだ。僕にとっては、ネタ切れの状態が続いていた。
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