勤労感謝の日 目を覚ますと、日が高く昇っていた。ゆっくりと布団から這い出して、枕元の時計を見る。時刻は、午前十時を指していた。
当たり前だが、隣にルチアーノの姿はない。とっくに目を覚まして、リビングに移動しているのだろう。いつもなら僕を叩き起こすのに、今日は起こしてくれなかったみたいだ。
顔を洗うと、服を着替えてリビングに向かった。扉を開けると、暖かい空気が流れ出してくる。彼は温度調節を必要としないから、これは僕のためなのだろう。いつもの彼は、こんな気遣いなんてしてくれない。雨でも降るのではないかと思った。
肝心のルチアーノは、リビングのソファに座っていた。コントローラーを握りしめて、ゲーム画面を睨み付けている。しばらくすると、彼はコントローラーを置いてこっちを向いた。
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