新年会 町を歩いていると、誰かから声をかけられた。僕の友人だけど、ルチアーノはあまり好まない人物……不動遊星だ。
「明けましておめでとう、遊星」
新年の挨拶をすると、遊星は口元に笑みを浮かべた。新年の決まり文句を告げる。
「明けましておめでとう」
「今日は、遊星一人なの?」
「ああ、クロウは配達があるし、ジャックも忙しいみたいだからな」
そのまま、近況報告や雑談をする。しばらく会っていなかったから、積もる話はたくさんあった。ポッポタイムの近況を話した後で、遊星が思い付いたように言った。
「そうだ。今度の休みに、ポッポタイムで新年会をやるんだが、お前も来ないか?」
意外な申し出だった。ルチアーノと交流するようになってから、僕はあまりポッポタイムに向かっていない。ルチアーノが嫌な顔をするからと、遠慮していたのだ。
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