Recent Search

    3iiRo27

    @3iiRo27

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 130

    3iiRo27

    DONEritk版深夜の60分一発勝負
    第二十九回 お題:「雨宿り」「兄弟」
    司視点 両想い
    20分オーバーしました
    「うわ、凄い雨だな…」


    薄暗い空から降り注ぐ大粒の雨に辟易しながら、傘を広げた。

    朝からずっと雨予報となっていた今日は練習も中止になってしまい、休日だったことも相まって突如暇となってしまったので、気晴らしにと外に出かけることにした。

    雨が降るとはいえ四六時中大雨が降るというわけではなく、強くなったり弱くなったりを繰り返しているから、合間に移動をすれば、と考えていたけれど、そう都合よく弱まるわけがなかったなと思いながら雨の中をゆったりと歩く。






    その時。視界に、不安そうな顔が写った。


    思わず足を止めて、そちらを見る。
    しまっている店の前で雨宿りをしながら不安そうな顔で空を見上げている、小学校低学年くらいの男の子の姿があった。
    そして、彼のその手には、折れてボロボロになった傘が鎮座していた。





    「…なあ、君。傘、壊れちゃったのか?」


    いてもたってもいられず、声をかける。
    ずっと不安だったのか、見上げるその目には、涙が浮かんでいた。


    「…うん」
    「お母さんや、お父さんは?」
    「いない。僕、お使いとお迎えに行ってるの」



    「お使いと…迎え?」
    「うん。 3388

    3iiRo27

    DONEritk版深夜の60分一発勝負
    第二十七回 お題:「キスの日」「振り向くと」
    司視点⇒類視点 両想い
    友情出演:えむ、寧々
    40分オーバーしました
    演出を寧々と話している類の姿を横目で見ながら、脚本に目を落とす。
    そこに書かれた文字も上手く頭に入ってこず、ひっそりとため息をついた。





    最近、類が意地悪だ。


    どうも、振り向いた際に頬に人差し指を指す、というよくあるやつにハマってしまったらしく学校でも、ショー練習の休憩時間にも、事あるごとにやろうとしてくる。

    怒ろうにも、何故かそれをやる類が矢鱈と嬉しそうで、怒るに怒れない。

    ならば引っかからないように警戒する、という手もあるが
    警戒しようにも、自分の悪い記憶力ではすぐ抜け落ちてしまい、何回も何回も引っかかってしまう。

    そもそも類相手に警戒すること自体が難しい話なのだ。
    大切な、恋人。なのだから。





    どうにも手のうちようがなく、からかわれている感じがする今の状態がモヤモヤしてしまい、最近は演技も上手くいかない。
    当の本人はわかっていないのか、「悩みがあるんだったらちゃんと言うんだよ?」と言う始末だ。





    お前が!!!悩みの原因だと!!!いうのに!!!!







    眺めても全く文字が頭に入らない脚本から目を離し、再度類の姿を見遣る。

    ネネロボの話をし 4662

    3iiRo27

    DONEritk版深夜の60分一発勝負
    第二十六回 お題:「青春七五三」「お風呂」
    類視点 両想い
    30分オーバーしました
    前を歩く司くんについていくように、住宅街を歩いていく。

    普段は歩いてる間もショーの演出や脚本の話で盛り上がっているけれど、今日はお互いに無言だ。
    しかも、前を歩いているから見えていないだろうと本人は思ってるけれど、見えている耳は真っ赤だ。
    斯く言う僕も、顔が赤い自信があるけれど。



    何故、こうなってしまったのか。
    それは、数時間前に遡る。




    ----------------




    司くんとお付き合いを初めて、早数ヶ月。
    TPOを弁えて、なるべくやることは全部家の中になってしまったけれど、それでも僕たちは、恋愛初心者かと言われるくらいには、とても順序よく事を進めていた。

    手を繋ぐ。抱きしめ合う。イチャイチャする。キスをする。

    どれも僕に取って、そして司くんにとっても初めてで。
    お互いどきどきしながら、時には勘違いしたりすれ違ったり、喧嘩もしながら、幸せを積み重ねていった。




    そんな、ある日。
    次の日はショーの練習も学校もお休みだから、よかったら僕の家に、と言いかけた僕の口を手で塞いで、司くんは言った。


    「…よかったら、その。オレの家に、泊まりにこないか?……家 3461