昔話
maroumahoyaku
DONEネロが昔話をしてファウストとの関係を深める?話。現パロネロファウシリーズ(https://www.pixiv.net/novel/series/8985083)の二人です。付き合って3ヶ月後。
シリーズの話を読んでいないとなんとなく話が分からないかなと思います。
話すことで仲を深めるカップルの形が好きです。特に事件は起きないし全年齢ですが……。 3405
時緒🍴自家通販実施中
TRAINING8/27ワンライお題【きらきら・歯ブラシ】
出島の夜景を見る狡噛さんと宜野座さんが、征陸さんの昔話をするお話です。
光の連なり 歯みがきを終えてリビングに行くと、ベランダに続くガラス窓が開いていた。俺はまた狡噛が煙草を吸いに出たのかと思い、蒸し暑い風が吹き込んで来るその窓をくぐる。するとやはり彼はスピネルを咥え、空になったハイネケンの瓶ビールを足元に置いていた。
狡噛が見つめているのは高層ビル群のきらきらとした夜景と、その裏側に位置する猥雑な地域のどぎつい色味のネオンだった。彼はそれを等しく愛しているように思えて、俺はそんな恋人の仕草に安心感を覚えた。
狡噛は等しく人を愛する。博愛主義者と言ってもいい。赤の他人のために大切な全てを捨てられる人間なのだ、彼は。槙島に出会う前の彼を知っている者ならきっとそれを理解してくれると思うが、あの男に出会ってしまった後の彼しか知らない者なら、それも難しいかもしれない。何せ狡噛は長くあの犯罪者に執着していたので、そのせいで自分が身につけてきた者全てを捨ててしまっていたので。
2815狡噛が見つめているのは高層ビル群のきらきらとした夜景と、その裏側に位置する猥雑な地域のどぎつい色味のネオンだった。彼はそれを等しく愛しているように思えて、俺はそんな恋人の仕草に安心感を覚えた。
狡噛は等しく人を愛する。博愛主義者と言ってもいい。赤の他人のために大切な全てを捨てられる人間なのだ、彼は。槙島に出会う前の彼を知っている者ならきっとそれを理解してくれると思うが、あの男に出会ってしまった後の彼しか知らない者なら、それも難しいかもしれない。何せ狡噛は長くあの犯罪者に執着していたので、そのせいで自分が身につけてきた者全てを捨ててしまっていたので。
typeR28181665
MAIKING人魚ぎゆ。れんぎゆ。謎世界。昔話みたいな。人魚ぎゆ「義勇、大変だ!」
昆布を身体に巻きつけ昼寝していたところへ、小魚たちがやってきた。ぼんやりと寝ぼけた頭で目を擦っていると、
「鮭くんが漁師に釣り上げられちゃったよ!」
「?!」
鮭は俺の親友だ。もうすぐ産卵のため川を上るんだと張り切っていた。俺も必ず見送りに行くと約束していたのに──。
「釣られた場所はどこだ?!」
小魚たちに案内してもらい、岬の方へ全速力で泳いだ。見つからないよう岩場の陰から様子を窺うと、ちょうど釣り竿を持った男が帰っていく姿が見えた。その手にぶら下がっているのは俺の友達……。
「!!」
ビチビチと尻尾が跳ねた。まだ生きている! 俺は急いで海の底へ潜った。小魚たちがついてくる。
「義勇、どうしたの?!」
5194昆布を身体に巻きつけ昼寝していたところへ、小魚たちがやってきた。ぼんやりと寝ぼけた頭で目を擦っていると、
「鮭くんが漁師に釣り上げられちゃったよ!」
「?!」
鮭は俺の親友だ。もうすぐ産卵のため川を上るんだと張り切っていた。俺も必ず見送りに行くと約束していたのに──。
「釣られた場所はどこだ?!」
小魚たちに案内してもらい、岬の方へ全速力で泳いだ。見つからないよう岩場の陰から様子を窺うと、ちょうど釣り竿を持った男が帰っていく姿が見えた。その手にぶら下がっているのは俺の友達……。
「!!」
ビチビチと尻尾が跳ねた。まだ生きている! 俺は急いで海の底へ潜った。小魚たちがついてくる。
「義勇、どうしたの?!」
S.L.A.S
DOODLE水の都の護神マジで神作だからほんと見て…美しき兄弟愛を見てくれ……こころのしずくの正体とか…アルトマーレの伝説とか!!!私今回劇場で見て序盤の昔話で泣きそうになったんですよ!!!見て!全人類見て!yuko.
DONE過去作再録。幼い猗窩座と狛治が出てくる昔話調で話が始まりますが、ちゃんと猗窩煉です。andさん( @0530and )の可愛い❄️&🐶イラストを元に書かせて頂いた話。改めて、書かせて頂きありがとうございました❣️(。-人-。) 2368かわな
DONE眠っているウィルくんと、昔話をするレンくんとガストくんの話。ピクシブに投稿したものです。ガスウィル王子様は自販機の音で目が覚めたたまたま入った談話室で、見慣れた後ろ姿を見つけた。そういえば、部屋にいなかったなと思いながら自販機まで歩いていくと、その斜め向かい側に明るい髪色が突っ伏していることに気が付いた。
おもわず立ち止まってしまい、じっと動かないつむじを見つめる。まばたきもせず、息をひそめること数秒。丸まった背中がゆっくりと動くと、自分でも驚いてしまうほど深いため息がでた。
「よう、レン。トレーニング終わりか?」
どうやら気づかれていたらしい。物音を立てずに振り返ったガストが、いつもどおりにこやかな顔に、似合わない小声で声をかけてきた。そのことに少々、ムッとした。して当然だと思うのに、自分が促す前に気遣われたことに自分の特権を横取りされたような気がしたのだ。
3579おもわず立ち止まってしまい、じっと動かないつむじを見つめる。まばたきもせず、息をひそめること数秒。丸まった背中がゆっくりと動くと、自分でも驚いてしまうほど深いため息がでた。
「よう、レン。トレーニング終わりか?」
どうやら気づかれていたらしい。物音を立てずに振り返ったガストが、いつもどおりにこやかな顔に、似合わない小声で声をかけてきた。そのことに少々、ムッとした。して当然だと思うのに、自分が促す前に気遣われたことに自分の特権を横取りされたような気がしたのだ。
nobuyuki_west
SPOILER※太極パンフネタコウくんに育てられた獄族いぶっ子ね……たいへんきゃわですね……昔話をコウくんにせがむ廉きゅんなんて空間が可愛すぎて箱入りリョウくんのハートを的確に射抜いてくれそうだなと思った次第です……
g_negigi
PROGRESS付き合ってる五歌。五が歌に初恋した昔話をする。冒頭のみ。そのうち完成させる。初恋「ねえ、先生の初恋っていつ?」
その日は午後から体術訓練の授業だった。昼食を終えた五条がグラウンドへ向かうと、何やら楽しそうに話していた三人の一年生たちは会話を一旦止め、担任教師の方へとやってきた。そして最初に五条の元へと駆け寄ってきた虎杖悠仁が開口一番にそう尋ねたのだ。
「初恋?」
五条はそう訊き返した。虎杖は目をキラキラさせながら「そう!初恋!」ともう一度言った。その両脇に立っていた伏黒と釘崎は、対照的に冷めた表情で虎杖と五条を交互に見やる。
「初恋ねえ。一体どうしたのいきなり」
「今みんなで恋バナしてたんだけどさ、伏黒は全然口割らねえの!そしたらちょうど先生が来たから、先生にも訊いてみよーと思って」
3258その日は午後から体術訓練の授業だった。昼食を終えた五条がグラウンドへ向かうと、何やら楽しそうに話していた三人の一年生たちは会話を一旦止め、担任教師の方へとやってきた。そして最初に五条の元へと駆け寄ってきた虎杖悠仁が開口一番にそう尋ねたのだ。
「初恋?」
五条はそう訊き返した。虎杖は目をキラキラさせながら「そう!初恋!」ともう一度言った。その両脇に立っていた伏黒と釘崎は、対照的に冷めた表情で虎杖と五条を交互に見やる。
「初恋ねえ。一体どうしたのいきなり」
「今みんなで恋バナしてたんだけどさ、伏黒は全然口割らねえの!そしたらちょうど先生が来たから、先生にも訊いてみよーと思って」
hbnho210
SPUR MEルクアロ版ワンドロワンライさまよりお題「予想外」「言いつけてやる」をお借りしました。ドギワルです。ドギワル日本捏造昔話。むちゃくちゃ捏造そして捏造です。友情出演:ニンジャジャンさん。お題:「予想外」「言いつけてやる」7/24 ここ最近、世間を騒がせている“悪党”がいた。名前は「ワルサムライ」血のような真っ赤な髪を地獄の業火のように逆立て、禍々しい白狐の面をつけている。面からギョロリとした眼をのぞかせて、その双眸に睨まれた者は身体中に一千もの穴があき、そこから血が流れだしてついには干乾びて死んでしまうとか。それはそれは異形の、不吉な、呪われた悪霊のごとく恐れられていた。今日も山で芝刈りをしていた村の翁が山道で「ワルサムライ」と出くわし、ほうほうのていで何とか村へと帰ってきたがそのまま三日ほど寝込むことになった。翁は村長に訴え、困り果てた村長が相談した相手が、今、街で話題の“正義の味方”の看板をぶらさげた「ニンジャジャン」という義侠の忍者だった。
6831砌九朗
DONEサニーさの昔話だョヲ!らーんらーらー♪るーんるーるー♪(タイトルBGM)むかーしむかし
サニーさんと言ふ すぺしありてぃナょ
モソスターが おリますナこ!
(以下標準語)
サニーさんは地上にある小さな村で
大好きな家族や仲間達と
暮らしていました
毎日くるん ぱるんと踊っては
畑で野菜を育てたり
お家でなんやかんや発明したり
とりあえず楽しく暮らしていました
…そんな平和で小さな田舎の村にも
人間とモンスターとの
戦禍の兆しが近付いていました
あるよく晴れた朝
サニーさんは村の外の森へ
遊びに行きました
虫を追い 薬草を摘み
木陰で読書を楽しみ
花畑で踊りまくり
泉で汗を流し お弁当を食べて…
お日様はすっかり西へ傾いていました
サニーさんは急いで帰路につきます
森を抜け 緩やかな丘を登り
いよいよ村まで後は一本道
1091サニーさんと言ふ すぺしありてぃナょ
モソスターが おリますナこ!
(以下標準語)
サニーさんは地上にある小さな村で
大好きな家族や仲間達と
暮らしていました
毎日くるん ぱるんと踊っては
畑で野菜を育てたり
お家でなんやかんや発明したり
とりあえず楽しく暮らしていました
…そんな平和で小さな田舎の村にも
人間とモンスターとの
戦禍の兆しが近付いていました
あるよく晴れた朝
サニーさんは村の外の森へ
遊びに行きました
虫を追い 薬草を摘み
木陰で読書を楽しみ
花畑で踊りまくり
泉で汗を流し お弁当を食べて…
お日様はすっかり西へ傾いていました
サニーさんは急いで帰路につきます
森を抜け 緩やかな丘を登り
いよいよ村まで後は一本道
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DONEたまごさんが書かれた偽神典ウルダハン不敬昔話のファンアートを描かせていただきました❤️https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17939324
たまごさんいつも楽しいお話をありがとうございます❤️❤️❤️泣き崩れながら描きました!みんなも読んでね★
3枚目はボツになったやつ。
4.5枚目は後半のファンアート(ネタバレ注意) 5
u__u88
DONE九尾×人のあむせら話vs メアママ (1回戦)
昔話への導入部分みたいな感じなので、長くはない。この後チビ真純予定。
弍──狐の嫁入り。
暗闇の向こうに怪火が連なり揺れる様をいつしか人はそう呼ぶようになった。
「嫁って、マ……あ、いや、母さまを!?」
「違う。面白い方向に勘違うな、君は」
狐は大きな耳をぴくぴくと動かして、そんな訳無いだろうと丁寧に否定する。
「違うの?」
「違うに決まってるだろう。というか、僕が娶りにきたのは君だよ」
気づいてなかったのかと狐は初めて呆れ顔を見せた。
「え、やだ」
「やだじゃない。……忘れているようだから後で話すけど、これは神約に近いものだから、やだでは済まないよ」
「しんやくって何だよ?」
「神との約束事」
「アンタは狐だろ?」
「だから近いものだと言っただろ。つべこべと言うならこのまま拐うぞ小娘」
1753暗闇の向こうに怪火が連なり揺れる様をいつしか人はそう呼ぶようになった。
「嫁って、マ……あ、いや、母さまを!?」
「違う。面白い方向に勘違うな、君は」
狐は大きな耳をぴくぴくと動かして、そんな訳無いだろうと丁寧に否定する。
「違うの?」
「違うに決まってるだろう。というか、僕が娶りにきたのは君だよ」
気づいてなかったのかと狐は初めて呆れ顔を見せた。
「え、やだ」
「やだじゃない。……忘れているようだから後で話すけど、これは神約に近いものだから、やだでは済まないよ」
「しんやくって何だよ?」
「神との約束事」
「アンタは狐だろ?」
「だから近いものだと言っただろ。つべこべと言うならこのまま拐うぞ小娘」
sugatani_kkk
DONEサマの昔話悪魔の童話A Certain Devil's Fairy Tale
あるところに、悪魔と人間の血が混じった少女がいました。その子は眠り姫の奇病を持っていましたが、臆することなく、自分が病気を治す薬をつくる!と自信満々に語っていました。少女は父に似て夢見がちで、前向きで人間らしくも悪魔らしくもありました。父から祖先の武勇伝を聞き、悪魔が大好きになった少女は、自分の出自に誇りを持ちます。そして、同時に悪魔らしくあろうと振る舞いました。
何年か経ったあと、飛び級で魔法の学校に入学した彼女は、薬の実験に打ち込みました。実験室に引きこもりがちで友だちのいなかった彼女は、もはや七不思議と化していました。たくさんの実験で傷が増えていた彼女は、ある時、自分で作った薬の副作用で子供の姿に戻ってしまいました。時間が経てばもとに戻るかと思ったのですが、まったく戻る気配がありません。仕方ないので、少女は諦めることにしました。服のサイズと棚の上に手が届かないことのほかには、困ることがなかったからです。母はそんな少女をとてもかわいがったそうです。
1822あるところに、悪魔と人間の血が混じった少女がいました。その子は眠り姫の奇病を持っていましたが、臆することなく、自分が病気を治す薬をつくる!と自信満々に語っていました。少女は父に似て夢見がちで、前向きで人間らしくも悪魔らしくもありました。父から祖先の武勇伝を聞き、悪魔が大好きになった少女は、自分の出自に誇りを持ちます。そして、同時に悪魔らしくあろうと振る舞いました。
何年か経ったあと、飛び級で魔法の学校に入学した彼女は、薬の実験に打ち込みました。実験室に引きこもりがちで友だちのいなかった彼女は、もはや七不思議と化していました。たくさんの実験で傷が増えていた彼女は、ある時、自分で作った薬の副作用で子供の姿に戻ってしまいました。時間が経てばもとに戻るかと思ったのですが、まったく戻る気配がありません。仕方ないので、少女は諦めることにしました。服のサイズと棚の上に手が届かないことのほかには、困ることがなかったからです。母はそんな少女をとてもかわいがったそうです。
みしま
DONE半端だけど供養上げ。本編後、ジョニキとアンディの昔話捏造。※一人称は吹替版準拠。一部ネット翻訳使用。コミック版の過去編は無視した話になってるのであしからず。ラ・スパーダ・ディ・クピド、アルフ・ライラ・ワ・ライラ 隠れ家の中庭で、ナイルはジョーとニッキーから剣の手解きを受けていた。アンディは近場へ買い出しに出ていて、かれこれ二時間近くになるだろうか。まだ戻らないのかな、寄り道でもしているのかもねなどど口に登らせていると、ちょうど彼女が帰ってきた。ただし袋を抱えるその腕には、出かけるときにはなかったはずの大きな切り傷ができていた。
ジョーは飛びかからんばかりの勢いで彼女へ駆け寄り、ニッキーは戸の外へ鋭い視線を走らせた。
「大丈夫よ。そういうのじゃないから」
当の本人は何事もなかったかのように言ってのける。二人は彼女の腕から荷物を奪い取ると、さっそく傷の処置に取り掛かった。その一方で、ことの次第を問い質すことも忘れなかった。
6536ジョーは飛びかからんばかりの勢いで彼女へ駆け寄り、ニッキーは戸の外へ鋭い視線を走らせた。
「大丈夫よ。そういうのじゃないから」
当の本人は何事もなかったかのように言ってのける。二人は彼女の腕から荷物を奪い取ると、さっそく傷の処置に取り掛かった。その一方で、ことの次第を問い質すことも忘れなかった。
さくま
DONEバレンタインデーにドラルクに告白されて、ホワイトデーに付き合ったドラロナの話↓https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17094159
の、翌日の話。
ブルガリアの昔話 吸血鬼の花よめ は、実際にある本です。吸血鬼になってしまった夫を、命懸けで助ける話。ハッピーエンドです。
完全悪者の吸血鬼を見ると違和感しかない不思議。
ドラルクと付き合った翌日、俺は図書館へ訪れていた。
ロナ戦の資料はなるべく買って手元に置いておきたいが、絶版となってしまった本があるし、気になる本も試し読みが出来るから、時々利用している。
吸血鬼に関連する書籍が置いてあるコーナーに行き、資料としていつも利用している本を手に取る。そして興味を惹くものが無いか探す。
1冊の本のタイトルが目に留まる。
「吸血鬼の花よめ」。
花よめ。花嫁。吸血鬼の、花嫁。
文字を認識すると共に、昨日の夕方、ドラルクに言われた言葉を思い出す。
『前向きに私と同じ血族になる気はないかい?』
『私の幸せな花嫁として一族に迎え入れるが』
自他共に認める享楽主義者のあいつのことだ。きっと本気で言っていない。いわゆるダメ元で言ってみたというやつだ。
1094ロナ戦の資料はなるべく買って手元に置いておきたいが、絶版となってしまった本があるし、気になる本も試し読みが出来るから、時々利用している。
吸血鬼に関連する書籍が置いてあるコーナーに行き、資料としていつも利用している本を手に取る。そして興味を惹くものが無いか探す。
1冊の本のタイトルが目に留まる。
「吸血鬼の花よめ」。
花よめ。花嫁。吸血鬼の、花嫁。
文字を認識すると共に、昨日の夕方、ドラルクに言われた言葉を思い出す。
『前向きに私と同じ血族になる気はないかい?』
『私の幸せな花嫁として一族に迎え入れるが』
自他共に認める享楽主義者のあいつのことだ。きっと本気で言っていない。いわゆるダメ元で言ってみたというやつだ。
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MOURNING記憶が混濁した想い人との短い生活を描いた曽野綾子先生の小説「わが恋の墓標」の市茜パロ。手元になく記憶だけで書いているので色々と抜け落ちています。▼1980年前後、雪村が竹之内の所で下宿をはじめて二十五年近く。長命者に関する書籍を大量に保管している古い館は等々力渓谷にあった。そこに勤める四十半ばの使用人が雪村に語った昔話とは。
羊殺しが行われておらず、雪村が少し穏やかな設定です。
わが恋の墓標パロ長命者の労働をとりまく環境は、あまりに悪すぎる。
竹之内を相手に、雪村が白い髪を掻きむしって憤慨したのがはじまりだった。
公共の職業安定所の営業時間は夏も冬も午後六時まで。これじゃあ夜しか動けない俺たちオキナガは仕事に就くなと言ってるようなもんじゃねえか。オキナガの生活を守るのはあんたの専門なんだろ。
愚痴を聞いていた竹之内は新聞をめくりながら、顔も上げすに言った。
「それなら当事者から声をあげるべきだな。俺一人になにもかも頼られても困る」
少し頰をふくらませ雪村は押し黙った。
雪村は光明苑が長野に移ったのを機に社員寮付きの仕事に就いていたが、オキナガを嫌う先輩社員たちの度重なる嫌がらせに据えかね、とうとうその中の一人を殴り倒した対価に仕事と寮を無くして竹之内を頼ったのだ。それから二十年あまり、下宿生活は続いている。
9924竹之内を相手に、雪村が白い髪を掻きむしって憤慨したのがはじまりだった。
公共の職業安定所の営業時間は夏も冬も午後六時まで。これじゃあ夜しか動けない俺たちオキナガは仕事に就くなと言ってるようなもんじゃねえか。オキナガの生活を守るのはあんたの専門なんだろ。
愚痴を聞いていた竹之内は新聞をめくりながら、顔も上げすに言った。
「それなら当事者から声をあげるべきだな。俺一人になにもかも頼られても困る」
少し頰をふくらませ雪村は押し黙った。
雪村は光明苑が長野に移ったのを機に社員寮付きの仕事に就いていたが、オキナガを嫌う先輩社員たちの度重なる嫌がらせに据えかね、とうとうその中の一人を殴り倒した対価に仕事と寮を無くして竹之内を頼ったのだ。それから二十年あまり、下宿生活は続いている。
sanmenroppi03
DONE炎人の昔話です。(様々なお話を参考に書いてはいるけど特定の神様を指すつもりはないのでなんとなくお楽しみください)
嫉妬の炎 その祟り神の名は、「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎」。
仮の名前を炎人とする。
時は平安まで遡る。
ある貴族に、兄は白痴で遊び人、弟は文武両道で美男子という、極端な兄弟がいた。
兄のあまりの白痴っぷりに周りは呆れ返り、礼儀正しく博識で見目麗しい弟・炎人を慕う者が多かった。後継ぎは周りの人間も当人も当然、炎人になるものと思っていた。
ところが兄の頭が上手く働かないのをいいことに、[[rb:政 > まつりごと]]の実権を代わりに握って好き勝手に振る舞おうとする者たちに担がれて、後継ぎは兄になってしまった。
よくわかっていないが俺の方が偉いんだぞと踏ん反り返る兄に、炎人は穏やかに微笑んでおめでとうとだけ言った。だがその心をジリジリと嫉妬が蝕んでいった。
3905仮の名前を炎人とする。
時は平安まで遡る。
ある貴族に、兄は白痴で遊び人、弟は文武両道で美男子という、極端な兄弟がいた。
兄のあまりの白痴っぷりに周りは呆れ返り、礼儀正しく博識で見目麗しい弟・炎人を慕う者が多かった。後継ぎは周りの人間も当人も当然、炎人になるものと思っていた。
ところが兄の頭が上手く働かないのをいいことに、[[rb:政 > まつりごと]]の実権を代わりに握って好き勝手に振る舞おうとする者たちに担がれて、後継ぎは兄になってしまった。
よくわかっていないが俺の方が偉いんだぞと踏ん反り返る兄に、炎人は穏やかに微笑んでおめでとうとだけ言った。だがその心をジリジリと嫉妬が蝕んでいった。
nechika
MEMO施さんを可愛い可愛いしてしまう授くん(になるかもしれない)https://twitter.com/ne_chika_55/status/1503614567108452357?t=S4VIY3KzXVKNYyfwPRUeGw&s=19 の昔話 3361
sogomujohi
DONE七つの大罪・怠惰のミンミンの昔話。(七夕伝説・西遊記などをベースに書いてます)
牛の天女 とある夫婦が、結婚してから仕事をしないでずっとちちくりあっていた。新婚生活が楽しくて仕方がないのはわかるのだが、妻は[[rb: 機織 > はたお]]り機に埃を溜め、夫は牛舎に何日も足を踏み入れていない。
何頭もいる牛の中で、大きくて乳の出の良い牛がいた。こまめに絞ってくれる者も来ず、子牛も早くに引き離されてしまっていたので、張って熱を持ち痛む乳を抱えて不安そうに主人の寝屋を見つめるばかりだ。
やがて牛は病気になってしまった。自分の命が残り少ないと悟った時、牛は恨みを持つどころか、主人への純粋な思いだけを抱いていた。
私を大切にしてくれた、心優しいご主人様。私はもう、あなたの役に立てない。だからせめて、祈らせて欲しい。
3856何頭もいる牛の中で、大きくて乳の出の良い牛がいた。こまめに絞ってくれる者も来ず、子牛も早くに引き離されてしまっていたので、張って熱を持ち痛む乳を抱えて不安そうに主人の寝屋を見つめるばかりだ。
やがて牛は病気になってしまった。自分の命が残り少ないと悟った時、牛は恨みを持つどころか、主人への純粋な思いだけを抱いていた。
私を大切にしてくれた、心優しいご主人様。私はもう、あなたの役に立てない。だからせめて、祈らせて欲しい。
sogomujohi
DONE七つの大罪・傲慢のマツリの昔話。中国地方の日本海側のどこかが舞台。
西からきた天狗 その風の妖精は偏西風に乗ってやってきた。
西洋で何百年も風の精として仕事をした後、他の姉妹と共に世界へ散らばっていった。風の精は金の髪をなびかせてのんびり気ままに浮かび、気に入った土地で足を止めようと考えていた。
その途中、大きな河に出た。幅が広い上に、水面は渦を巻いたりうねったり、とても危険な激流だ。何の気なしに目を落とすと、とんでもない光景を目にする。若い夫婦が、柔らかい布に包んだ何かを小さな船に乗せて流したのだ。夫婦がそそくさと立ち去ると同時に、その布からあどけない赤子の声と小さな手が伸びた。
(嘘……赤ちゃんを捨てたってこと⁉︎)
風の精は仰天して、すぐにその赤子の元へと飛んでいった。赤子を乗せた小さな船は激流に揉まれて今にもひっくり返りそうだった。風の精は思い切り腕を伸ばし、布ごと赤子を拾い上げる。小さな船は転覆し、そのまま藻屑となって消えた。
6053西洋で何百年も風の精として仕事をした後、他の姉妹と共に世界へ散らばっていった。風の精は金の髪をなびかせてのんびり気ままに浮かび、気に入った土地で足を止めようと考えていた。
その途中、大きな河に出た。幅が広い上に、水面は渦を巻いたりうねったり、とても危険な激流だ。何の気なしに目を落とすと、とんでもない光景を目にする。若い夫婦が、柔らかい布に包んだ何かを小さな船に乗せて流したのだ。夫婦がそそくさと立ち去ると同時に、その布からあどけない赤子の声と小さな手が伸びた。
(嘘……赤ちゃんを捨てたってこと⁉︎)
風の精は仰天して、すぐにその赤子の元へと飛んでいった。赤子を乗せた小さな船は激流に揉まれて今にもひっくり返りそうだった。風の精は思い切り腕を伸ばし、布ごと赤子を拾い上げる。小さな船は転覆し、そのまま藻屑となって消えた。
シン/今年もプロメア見れる嬉しい
DOODLEおやすみ絵まとめ 24全部で26枚あります。2022年2月分です。
季節の節分やバレンタインネタの他、プロメアの円盤記念日、上映がたくさんあって大忙しでした。後半は昔話ネタが入っています。 26
nekochoo
DONE「機界戦隊ゼンカイジャー」の次回作「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」
昔話・桃太郎をモチーフにしたお話らしいけど、モモちんの方が、頭に浮かんでしまいます💦
「桃太郎」と聞くと「ザ・モモタロウ」を思い出しちゃう世代なので😅
224_miyano
DOODLEとうらぶほぼ関係ない設定とんぼさんが村人でねねきりまるさんが山の神様のなんちゃって昔話風ファンタジー
くわなくんもいるよ
カプ要素は一応無いですがキャラ同士の関係は濃いです
何でも許せる方のみどうぞ
山の神様ととんぼさんの話(パロ)昔々あるところに。山に囲まれ真ん中に川の流れる土地がありました。
そこには小規模な村がいくつかあり、戦の世でありながら人々は平和に暮らしておりました。
ところが、ここの所数年、天気がおかしく、日照りのあとに長雨となったり、夏なのに妙に寒かったり、空から氷のつぶてが降ったりと、畑が上手く育たず、人々は大変困っておりました。
これは山の神様の怒りに違いない。
誰ともなくそんな声が呟かれました。
「違うよ」
と声を上げたのは端の村の小さな子でした。
この子はある戦の折にどこかから一人ぼっちでやってきて、親の名前も自分の名前もわからなかったので、村人みんなでなにかと面倒を見て育てている子です。
大きな桑の木のある小屋にいるので「くわな」と呼ばれていました。
4466そこには小規模な村がいくつかあり、戦の世でありながら人々は平和に暮らしておりました。
ところが、ここの所数年、天気がおかしく、日照りのあとに長雨となったり、夏なのに妙に寒かったり、空から氷のつぶてが降ったりと、畑が上手く育たず、人々は大変困っておりました。
これは山の神様の怒りに違いない。
誰ともなくそんな声が呟かれました。
「違うよ」
と声を上げたのは端の村の小さな子でした。
この子はある戦の折にどこかから一人ぼっちでやってきて、親の名前も自分の名前もわからなかったので、村人みんなでなにかと面倒を見て育てている子です。
大きな桑の木のある小屋にいるので「くわな」と呼ばれていました。
もちもち
DOODLEカエルム昔話カエルムは昔ペイジボーイ(小姓)でした。
大体ペイジというものは、中世西欧の貴族や荘園主の子息が騎士になるための準備期間で、使用人よりは階級が高いものです。ただしカエルムは彼の主人のお情けでペイジの地位に着いて主人に奉公(召使い兼遊び相手)しているので、あんまり格上だと思われていません。だから小さい子供とか小動物のように扱われています。 2
見不乃ーミズノー
DONEある新米教師の昔話、序章。『追憶のプロローグー杜々凪最永ー』「はぁ………。」
寒空の下、ため息をつく。
昼休みの屋上。
風は冷たいがまだ日差しは暖かい。
持ってきたお弁当箱の中身はもう空になっている。
ボーッと空を眺めていたが
ふと、自らのうなじに手をやる。
もう何回目だろう。
そこに今まであったものが無いことを確認するのは。
「スースーする…。そら、そうかぁ。」
先週。
クリスマスの催し前にと
実家で髪を少し切ってもらうつもりで帰省した。
と、言っても勤務している学校から近い商店街の
中道を入ったところにあるので
帰省という言い方が、間違ってはないが
大袈裟に聞こえる。
毛先を少し切ってもらうだけのつもりだったのだ。
本当に少し。
だからわざわざ
店とかに行かなくてもいいか!と
軽く考えたのが悪かった。
2122寒空の下、ため息をつく。
昼休みの屋上。
風は冷たいがまだ日差しは暖かい。
持ってきたお弁当箱の中身はもう空になっている。
ボーッと空を眺めていたが
ふと、自らのうなじに手をやる。
もう何回目だろう。
そこに今まであったものが無いことを確認するのは。
「スースーする…。そら、そうかぁ。」
先週。
クリスマスの催し前にと
実家で髪を少し切ってもらうつもりで帰省した。
と、言っても勤務している学校から近い商店街の
中道を入ったところにあるので
帰省という言い方が、間違ってはないが
大袈裟に聞こえる。
毛先を少し切ってもらうだけのつもりだったのだ。
本当に少し。
だからわざわざ
店とかに行かなくてもいいか!と
軽く考えたのが悪かった。
ムーンストーン
DONE原作終了後、3年目位のポップのひとり語り。捏造設定多し。鬱展開です。5年後にダイが見つかるまでのポップの心象風景を妄想しました。
昔話の元ネタはインド発祥説もあるのでどこの世界にも似た話があるかな?と。
ルーラで辿りつけぬ処へバーン大戦の直後からポップ達は行方不明になったダイを探し求めていた。
メンバーを変えつつ捜査範囲を拡げ、瓦礫と化した街から街へ、山から谷へ、各大陸を粗方探し終えたら海へ、島へと。
そうしてポップは今日も地図に印をつけた。ここにはダイはいなかった、と。
羊皮紙に描かれた地図は書き込まれた覚書と印で真っ黒になっている。
朝に夕にと繙かれるためグローブ越しでさえ分かるほど、羊皮紙はくたりと滑らかに手に馴染む。その感触が厭わしい。
最初はマアムとメルルの3人での捜索だったがある程度の目星をつけた所でマアムはネイル村をいつまでも放って置けないと去り、メルルは古代占術を身につける為にテランの祖母の元へ帰っている。
来月には占いの結果を聞く約束をしているが彼女の神通力にも限度があるだろう。
3532メンバーを変えつつ捜査範囲を拡げ、瓦礫と化した街から街へ、山から谷へ、各大陸を粗方探し終えたら海へ、島へと。
そうしてポップは今日も地図に印をつけた。ここにはダイはいなかった、と。
羊皮紙に描かれた地図は書き込まれた覚書と印で真っ黒になっている。
朝に夕にと繙かれるためグローブ越しでさえ分かるほど、羊皮紙はくたりと滑らかに手に馴染む。その感触が厭わしい。
最初はマアムとメルルの3人での捜索だったがある程度の目星をつけた所でマアムはネイル村をいつまでも放って置けないと去り、メルルは古代占術を身につける為にテランの祖母の元へ帰っている。
来月には占いの結果を聞く約束をしているが彼女の神通力にも限度があるだろう。
masasi9991
DONEレッドの昔話とアクセルくんこわいはなし そこは廃墟というか、これから廃墟になるんだろうと予測されている場所だった。まだヒトがいなくなって数日しか経っていない。ほとんどの場所についさっきまで誰かがいた、みたいな形跡が残っている。
機能が生きている設備も珍しくないし、ボクが前を通りがかったら「調理が完了して十三時間が経過しました。中身を取り出すか温め直すか選んでください」なんて喋りだした自動調理器もあって、正直そのときはかなりびっくりしてちょっとジャンプしてた。単独行動してるときでよかった――けど待ち合わせの場所に戻るまでかなり緊張した。
あれはそこに住んでたヒトが機械の中の燃料も食材も置きっぱなしで避難したってことみたい。調理器はいつもの通りタイマーに合わせて動いただけ。そんなことはわかってる。
1006機能が生きている設備も珍しくないし、ボクが前を通りがかったら「調理が完了して十三時間が経過しました。中身を取り出すか温め直すか選んでください」なんて喋りだした自動調理器もあって、正直そのときはかなりびっくりしてちょっとジャンプしてた。単独行動してるときでよかった――けど待ち合わせの場所に戻るまでかなり緊張した。
あれはそこに住んでたヒトが機械の中の燃料も食材も置きっぱなしで避難したってことみたい。調理器はいつもの通りタイマーに合わせて動いただけ。そんなことはわかってる。