まどろみ
MOURNING #七灰ワンドロワンライ第51回『絶好調』
原作軸。灰と一緒ならいつでもハッピーな七
お題で真っ先に浮かんだのがこれだったので…「ご都合術式にかかって調子を示すアイコンが頭上に表示されるようになった?」
「ダセー」
「うるさいですよ」
単独任務からの帰還後、治療のために立ち寄った医務室で絡んできたのは最強二人。彼らには絶対会いたくなかったのにと七海はため息をつく。
「治療で『普通』にまで戻したのに五条たちのせいで『絶不調』になってんじゃん、ウケる」
頭上のアイコンは絶不調、不調、普通、好調、絶好調の五段階で変化するらしい。真顔だったアイコンは五条たちのからかいによって紫に変色しくたびれた表情になっていた。
「パ◯プロに恨みを持つ呪霊だなんて災難だったな。まあ、数日で消えるだろうから我慢しろ」
「パ◯プロに何されたんだよそいつは」
「さあ?」
833「ダセー」
「うるさいですよ」
単独任務からの帰還後、治療のために立ち寄った医務室で絡んできたのは最強二人。彼らには絶対会いたくなかったのにと七海はため息をつく。
「治療で『普通』にまで戻したのに五条たちのせいで『絶不調』になってんじゃん、ウケる」
頭上のアイコンは絶不調、不調、普通、好調、絶好調の五段階で変化するらしい。真顔だったアイコンは五条たちのからかいによって紫に変色しくたびれた表情になっていた。
「パ◯プロに恨みを持つ呪霊だなんて災難だったな。まあ、数日で消えるだろうから我慢しろ」
「パ◯プロに何されたんだよそいつは」
「さあ?」
まどろみ
TRAINING七灰。恋シリーズ。現パロ。このためにバiイiトに勤しんだ灰であったホワイトデーの恋ホワイトデー当日。朝に『今日のお昼休みは三組の教室で待っていて』と言われたのでおとなしく待っていると十分ほどで灰原がやってきた。
「雄…!」
「ストップ」
手で制されて動きが止まる。今の彼はめかし込んでいる(と言ってもいつものワイシャツセーターにジャケットを羽織っているだけだが)のが一目でわかった。
「七海」
スッと灰原が片膝をつく。それはまるで一か月前のバレンタインの時の七海のように。
「七海の黒歴史になりたくなくて遠慮してたけど、こうなったら一緒に恥をかいてもらうからね!」
「望むところだ」
七海の返答に灰原はうなずき胸ポケットからリングケースを取り出す。上下に開かれた箱の中には、シンプルな指輪があった。
「僕と一緒に、これからの人生を歩んでください!」
895「雄…!」
「ストップ」
手で制されて動きが止まる。今の彼はめかし込んでいる(と言ってもいつものワイシャツセーターにジャケットを羽織っているだけだが)のが一目でわかった。
「七海」
スッと灰原が片膝をつく。それはまるで一か月前のバレンタインの時の七海のように。
「七海の黒歴史になりたくなくて遠慮してたけど、こうなったら一緒に恥をかいてもらうからね!」
「望むところだ」
七海の返答に灰原はうなずき胸ポケットからリングケースを取り出す。上下に開かれた箱の中には、シンプルな指輪があった。
「僕と一緒に、これからの人生を歩んでください!」
まどろみ
MOURNING七灰。人の心がない灰。オチが見つからないので中途半端です最後はハッピーエンドのはず空港にて。時間を持て余していた四人は王様ゲームに興じていた。
「二番が三番の知らない話を告白ー!」
「僕二番です!」
「私が三番ですね…」
五条の命令に灰原と七海が返答する。灰原は頭を捻らせながら七海を凝視した。
「七海の知らない話かー」
悩むのも当然である。灰原が死ぬまで常にと言っていいほど苦楽を共にしていた彼らに隠し事があるとは王様の五条でさえ思わなかった。
「私から話したい灰原の知らない話はたくさんあるが、灰原はどうだ?」
何かあったかな…と唸る灰原に夏油が助け舟を出す。
「…灰原、あれは?」
「…ああ!ありましたね!」
ひそひそと夏油が灰原の耳元にで囁く。七海はその様子をつまらないと不満顔で見ていたが、次の発言で顔がなくなった。
1692「二番が三番の知らない話を告白ー!」
「僕二番です!」
「私が三番ですね…」
五条の命令に灰原と七海が返答する。灰原は頭を捻らせながら七海を凝視した。
「七海の知らない話かー」
悩むのも当然である。灰原が死ぬまで常にと言っていいほど苦楽を共にしていた彼らに隠し事があるとは王様の五条でさえ思わなかった。
「私から話したい灰原の知らない話はたくさんあるが、灰原はどうだ?」
何かあったかな…と唸る灰原に夏油が助け舟を出す。
「…灰原、あれは?」
「…ああ!ありましたね!」
ひそひそと夏油が灰原の耳元にで囁く。七海はその様子をつまらないと不満顔で見ていたが、次の発言で顔がなくなった。
まどろみ
TRAINING #七灰ワンドロワンライ第49回『手紙』
原作軸。えiむわiん面白かったよね
七海も制限時間内になんとか書き終えた「拝見、このてg「それ以上いけない」
なんてことはない二級任務。呪霊を前に歌い出した灰原の口を慌てて塞ぐ。
「なんでさ。鼻歌くらい歌わせてよ」
「著作権とかそういうのに引っかかるからだめだ」
「仕方ないなあ」
そう呟いて灰原は目の前の呪霊に向き直った。ピアノを奏でる彼女はこの冬突如現れた通称『ピアノがデカすぎる(略)アキ』だ。
「で、手紙書けばいいわけ?」
「そうだ」
彼女の討伐方法はただ一つ。彼女の納得する手紙を書くこと。現在までそれを達成した者はおらず、対峙した呪術師たちはピアノに押し出され重症を負っていた。
***
「注意することは対峙して四分以内に書き切ること、未来の自分宛であること、あとは…」
「『敬語で書かなければならない』だっけ?」
674なんてことはない二級任務。呪霊を前に歌い出した灰原の口を慌てて塞ぐ。
「なんでさ。鼻歌くらい歌わせてよ」
「著作権とかそういうのに引っかかるからだめだ」
「仕方ないなあ」
そう呟いて灰原は目の前の呪霊に向き直った。ピアノを奏でる彼女はこの冬突如現れた通称『ピアノがデカすぎる(略)アキ』だ。
「で、手紙書けばいいわけ?」
「そうだ」
彼女の討伐方法はただ一つ。彼女の納得する手紙を書くこと。現在までそれを達成した者はおらず、対峙した呪術師たちはピアノに押し出され重症を負っていた。
***
「注意することは対峙して四分以内に書き切ること、未来の自分宛であること、あとは…」
「『敬語で書かなければならない』だっけ?」
まどろみ
TRAINING七灰。現パロ。ホワイトデーの前準備一か月間の恋「どうしよう…」
自宅のリビングで机に突っ伏しながら灰原は頭を悩ませる。視線の先には先日バレンタインにもらった十一本のバラがあった。
「なにが?」
夕食直前なのでリビングには家族全員勢ぞろいしていた。向かいに座った妹は灰原の頭を指で突きながら問いかける。
「お返しどうしようかと思って…」
バレンタインの贈り物に何を返せばいいのか。ホワイトデーまであと一か月。前世と違って収入がない現役高校生には知恵もお金もひらめきもなかった。
「七海さん宛でしょ?お兄ちゃんがあげるものなら飴でも喜ぶと思うけど。…そんなに悩むなら頭にリボン巻いて『プレゼントは僕!』でもやってきたら?」
「そんな手抜きはしたくない」
「あらあら」
妹の提案を退けると台所にいた母親がころころと笑いだす。外野はいいよなと自棄になって呟いた。
1072自宅のリビングで机に突っ伏しながら灰原は頭を悩ませる。視線の先には先日バレンタインにもらった十一本のバラがあった。
「なにが?」
夕食直前なのでリビングには家族全員勢ぞろいしていた。向かいに座った妹は灰原の頭を指で突きながら問いかける。
「お返しどうしようかと思って…」
バレンタインの贈り物に何を返せばいいのか。ホワイトデーまであと一か月。前世と違って収入がない現役高校生には知恵もお金もひらめきもなかった。
「七海さん宛でしょ?お兄ちゃんがあげるものなら飴でも喜ぶと思うけど。…そんなに悩むなら頭にリボン巻いて『プレゼントは僕!』でもやってきたら?」
「そんな手抜きはしたくない」
「あらあら」
妹の提案を退けると台所にいた母親がころころと笑いだす。外野はいいよなと自棄になって呟いた。
まどろみ
MOURNING #七灰ワンドロワンライ第48回『戯れ』
大i正パロ。落ち葉と戯れる灰
戯れに振り回される二人思いがけず仕事が早く終わり半休を取って帰宅した日。玄関で挨拶をしたが誰も出ず、どうしたものかと裏へ回る。伊地知は昨日から休暇を取っていることを思い出しながら庭までたどり着くと、箒を持った灰原がいた。
「灰ば…」
らと声をかけようとして止まる。どうやら彼はこちらに気づいてないようで、鼻歌を歌いながら掃除をしていた。その可愛らしい姿をもう少し眺めていたくて見つからないように身を顰める。舞うように掃く様子を見てあることに気が付いた。
(葉を避けている?)
落ちてくる葉を華麗に避けながら掃いていく。灰原としてはただの戯れなのかもしれないが、手が届きそうで届かなかった頃の自分たちの関係をを思い出してしまいなんだか面白くなかった。
639「灰ば…」
らと声をかけようとして止まる。どうやら彼はこちらに気づいてないようで、鼻歌を歌いながら掃除をしていた。その可愛らしい姿をもう少し眺めていたくて見つからないように身を顰める。舞うように掃く様子を見てあることに気が付いた。
(葉を避けている?)
落ちてくる葉を華麗に避けながら掃いていく。灰原としてはただの戯れなのかもしれないが、手が届きそうで届かなかった頃の自分たちの関係をを思い出してしまいなんだか面白くなかった。
まどろみ
MOURNING七灰。はっぴーばれんたいん!現パロ注意、モブ注意。甘さはあんまりないダズン・ローズの恋朝の待ち合わせは無しで、と言われた時から何かあるとは思っていたがこれは予想外だった。
「ハッピーバレンタイン」
昼休み。七海はバラの花束を携えて灰原の元に現れた。
「朝一緒に登校できなかった理由って」
「花屋に行っていたからだ」
戸惑う灰原に周囲が野次を飛ばす。
「家でやれ」
「七海バラ似合うな」
「さっすが王子様」
「キザっぽいのに決まってるのが腹立つな」
「…片膝でもつきましょうか?」
うろたえる灰原と違い七海の方はは頬は赤いものの野次に冗談を返せるくらいには余裕があるらしい。それが悔しくて思わず叫んでしまった。
「やめて!これ以上惚れさせないで!」
「…」
「無言で膝つくのやめて!!」
赤面カップルの攻防はしばらく続いたという。
941「ハッピーバレンタイン」
昼休み。七海はバラの花束を携えて灰原の元に現れた。
「朝一緒に登校できなかった理由って」
「花屋に行っていたからだ」
戸惑う灰原に周囲が野次を飛ばす。
「家でやれ」
「七海バラ似合うな」
「さっすが王子様」
「キザっぽいのに決まってるのが腹立つな」
「…片膝でもつきましょうか?」
うろたえる灰原と違い七海の方はは頬は赤いものの野次に冗談を返せるくらいには余裕があるらしい。それが悔しくて思わず叫んでしまった。
「やめて!これ以上惚れさせないで!」
「…」
「無言で膝つくのやめて!!」
赤面カップルの攻防はしばらく続いたという。
まどろみ
MOURNING #七灰ワンドロワンライ第47回『独占欲』
空i港軸。独り占めしたかった七の話
記憶すらも共有したくないほどに「最期に呼ばれるまで、七海は僕のことなんてすっかり忘れているものだと思ってたよ」
「何故?」
空港にて。隣に座る七海は心外だという顔でこちらを振り返る。出会った頃から彼は考えていることがすぐに顔に出るタイプだった。
「だって、僕の話を全然しなかったでしょ?僕のこと知らない人にはもちろん、五条さんたちでさえ」
七海は殊更昔の話をしなかった。だから、七海に僕という同級生がいたことを知る人は少ない。しかも、知っている人に対しても、僕のことを思い出して語りだすということはなかった。
「…大抵の人にはギムレットで察してくれたんだがな」
「七海がよく飲んでたお酒?」
「ええ」
お酒に何が?と首を傾げると、どこから取り出したか携帯を操作しこちらに画面を見せるそこに書いてあったのは。
840「何故?」
空港にて。隣に座る七海は心外だという顔でこちらを振り返る。出会った頃から彼は考えていることがすぐに顔に出るタイプだった。
「だって、僕の話を全然しなかったでしょ?僕のこと知らない人にはもちろん、五条さんたちでさえ」
七海は殊更昔の話をしなかった。だから、七海に僕という同級生がいたことを知る人は少ない。しかも、知っている人に対しても、僕のことを思い出して語りだすということはなかった。
「…大抵の人にはギムレットで察してくれたんだがな」
「七海がよく飲んでたお酒?」
「ええ」
お酒に何が?と首を傾げると、どこから取り出したか携帯を操作しこちらに画面を見せるそこに書いてあったのは。
まどろみ
TRAINING七灰。現パロ。節分ネタ。軽い下ネタ注意リア充は外!!「おはよう灰原くん。今日から2月です」
二月最初の登校日。教室へ入る手前でクラスメイトが仁王立ちで待ち構えていた。
「通してくれない?」
「そう早まるなって。これを装備して、どうぞ」
「…?これ…」
手渡されたのは鬼の面と豆。間違いない。日付は多少前後しているものの節分で使うセットだった。
「教室の扉を潜る者は一切の希望を捨てよ!」
「そんな覚悟がいるの!?」
節分に!?と驚く灰原にクラスメイトは少し扉を開き中をチラ見せする。
「現にクラス1の体力持ちの佐藤があのザマです」
そこには五体投地した佐藤の姿があった。
「佐藤くーん!?」
あわてて駆け寄ると早速豆を投げられる。いつのまにか渡された面は頭に装着されていた。
「残念だったな」
892二月最初の登校日。教室へ入る手前でクラスメイトが仁王立ちで待ち構えていた。
「通してくれない?」
「そう早まるなって。これを装備して、どうぞ」
「…?これ…」
手渡されたのは鬼の面と豆。間違いない。日付は多少前後しているものの節分で使うセットだった。
「教室の扉を潜る者は一切の希望を捨てよ!」
「そんな覚悟がいるの!?」
節分に!?と驚く灰原にクラスメイトは少し扉を開き中をチラ見せする。
「現にクラス1の体力持ちの佐藤があのザマです」
そこには五体投地した佐藤の姿があった。
「佐藤くーん!?」
あわてて駆け寄ると早速豆を投げられる。いつのまにか渡された面は頭に装着されていた。
「残念だったな」
まどろみ
TRAINING #七灰ワンドロワンライ第46回『足音』
原作軸。あおはるしてほしい
両片思い!!からの!!補助監督が不在の二人での任務帰り、塗装されていない道に一人分の足音が響く。
今日の任務は僻地に住む少女に憑いた呪霊の討伐。彼女は七海をいたく気に入ったらしく、もう少しお話ししませんかと袖を掴んだ。それを見た僕は七海の表情を見る前に「じゃあ先に行くね!ごゆっくり!」と足早に駆け出していた。
妹を思い出して少女の淡い恋心を砕くのに罪悪感があったからというのが半分。もう半分は…恋をする彼の顔を見たくないという、単なる我儘。
「自分の気持ちは言えないくせに」
情けない、とため息をつきながら歩いていると左足に何かが当たる。見るとそれはバスケットボールで、顔をあげるとここには不釣り合いなほど立派なゴールが設置してある公園があった。
928今日の任務は僻地に住む少女に憑いた呪霊の討伐。彼女は七海をいたく気に入ったらしく、もう少しお話ししませんかと袖を掴んだ。それを見た僕は七海の表情を見る前に「じゃあ先に行くね!ごゆっくり!」と足早に駆け出していた。
妹を思い出して少女の淡い恋心を砕くのに罪悪感があったからというのが半分。もう半分は…恋をする彼の顔を見たくないという、単なる我儘。
「自分の気持ちは言えないくせに」
情けない、とため息をつきながら歩いていると左足に何かが当たる。見るとそれはバスケットボールで、顔をあげるとここには不釣り合いなほど立派なゴールが設置してある公園があった。
まどろみ
MOURNING七灰。大i正パロ。自i己認i識の齟i齬自分が可愛い系だとは欠片も考えていない灰灰原の旦那様は多忙だ。業務内容によっては職場に泊まり込むこともよくあり、連泊の際は灰原が着替えや差し入れの弁当を持って行くようにしている。そんな仲睦まじい夫婦に対して面白くないと考える上官たちの中にはわざわざ本人に嫌味を言ってくる輩もいた。
「鬼の高官殿は所謂可愛らしい殿方が好みのようですな」
要は男なのに嫁なんてという見下しなのだがそこは爵位持ちの家の出。すました顔でやり過ごし家路へ着いた。…ように周囲からは見えただろう。だが実際は逆だった。
(僕は全然七海好みの男じゃないってこと!?)
先方の言葉の意図を盛大に誤解した灰原は帰りの馬車の申し出を断り大通りを駆け出した。
***
灰原がまっすぐ向かったのは銀座にある夏油の所だ。店の主である彼は突然の訪問であるにも関わらず一番奥の部屋に案内し茶を出してもてなしてきた。一息ついたところで灰原は本題を切り出す。
2438「鬼の高官殿は所謂可愛らしい殿方が好みのようですな」
要は男なのに嫁なんてという見下しなのだがそこは爵位持ちの家の出。すました顔でやり過ごし家路へ着いた。…ように周囲からは見えただろう。だが実際は逆だった。
(僕は全然七海好みの男じゃないってこと!?)
先方の言葉の意図を盛大に誤解した灰原は帰りの馬車の申し出を断り大通りを駆け出した。
***
灰原がまっすぐ向かったのは銀座にある夏油の所だ。店の主である彼は突然の訪問であるにも関わらず一番奥の部屋に案内し茶を出してもてなしてきた。一息ついたところで灰原は本題を切り出す。
まどろみ
MOURNING七灰。大i正パロ。そういえばこの二人…まだ結婚してなかった「大変です!禪院家が滅びました!」
買い出しから帰宅した伊地知が大慌てで灰原の元にやってきた。
「どういうこと!?」
「それが…」
「とりあえず水!水飲んで!」
灰原がグラスを差し出すと伊地知は一気にそれを飲み干す。一息ついてからグラスを持つのとは反対の手に持っていたものを差し出してきた。
「号外?」
「はい、道中で配っていたのをもらいました」
読むと、忌子とされていた双子がクーデターを起こし一族を殲滅したとのこと。
「じゃあ伏黒は!?」
伊地知の声で奥から出てきた虎杖が号外を読んで顔色を変える。心配するのは次期当主に指名されており現在禪院家に滞在している恋人の安否であった。
「それは…」
「大丈夫だよー」
気の抜けた声のした方…縁側を見るといつの間に敷地内に入ってきたのか五条と伏黒が立っていた。
2193買い出しから帰宅した伊地知が大慌てで灰原の元にやってきた。
「どういうこと!?」
「それが…」
「とりあえず水!水飲んで!」
灰原がグラスを差し出すと伊地知は一気にそれを飲み干す。一息ついてからグラスを持つのとは反対の手に持っていたものを差し出してきた。
「号外?」
「はい、道中で配っていたのをもらいました」
読むと、忌子とされていた双子がクーデターを起こし一族を殲滅したとのこと。
「じゃあ伏黒は!?」
伊地知の声で奥から出てきた虎杖が号外を読んで顔色を変える。心配するのは次期当主に指名されており現在禪院家に滞在している恋人の安否であった。
「それは…」
「大丈夫だよー」
気の抜けた声のした方…縁側を見るといつの間に敷地内に入ってきたのか五条と伏黒が立っていた。
まどろみ
TRAINING #七灰ワンドロワンライ第45回『寝顔』
原作軸。人前で寝ない灰の話
最終的にアニメのフラッシュバックにたどり着きます陽気で人懐っこくて、悪く言えば何も考えていない。そんな同級生の一面に気づいたのは共に過ごしてから半年程経った頃だった。
(灰原が寝ているのを見たことがないな)
お互いを補える術式の都合上、学外でも共にいることが常となっている。同室で寝泊まりする任務も数多くこなしてきた。だが、七海は未だに灰原が睡眠を取っている姿を見たことがなかった。
(私が起きた時には既に身支度を整えているし、夜もなんやかんや言い訳をしながら私より遅く寝る。何故?)
そんな些細なことが気になり出したのは彼に向ける自分の感情を自覚したから。相手のいろんな姿を見たいと思うのは自然な事だった。
(任務の時は私も体力気力を温存したい。となると…)
1451(灰原が寝ているのを見たことがないな)
お互いを補える術式の都合上、学外でも共にいることが常となっている。同室で寝泊まりする任務も数多くこなしてきた。だが、七海は未だに灰原が睡眠を取っている姿を見たことがなかった。
(私が起きた時には既に身支度を整えているし、夜もなんやかんや言い訳をしながら私より遅く寝る。何故?)
そんな些細なことが気になり出したのは彼に向ける自分の感情を自覚したから。相手のいろんな姿を見たいと思うのは自然な事だった。
(任務の時は私も体力気力を温存したい。となると…)
珠鬼緤萩(たまきせっしゅう)
DOODLE第45回「寝顔」高専軸。
七視点の灰の居ない教室でのうたた寝での話。
地味に灰がお料理男子。
第45回 寝顔授業の合間に入る命がけの任務。いつでも気を張っていなければいけない高専での日常でわずかでも気が緩むと眠気が来るようになってしまった。
担当の教員が任務に駆り出されて自習になってしまった時間。
自室で復習と予習を終わらせて、趣味である読書を読み始めた時。
最初の頃はこの眠気が煩わしく思っていたが、今は抗うこと無くわずかでも眠ったほうがその後の時間で頭の中がスッキリしていいと気づいてからは寝ることにしている。
その日も唯一の同級生が任務に向かった故に一人で自習することになり、プリントが終わって手持ち部沙汰になった途端に来た眠気に抗わずに瞼を閉じた。
瞼を開いて、電気を消した薄暗い天井が見えてきた時にこれは夢だと分かった。
1913担当の教員が任務に駆り出されて自習になってしまった時間。
自室で復習と予習を終わらせて、趣味である読書を読み始めた時。
最初の頃はこの眠気が煩わしく思っていたが、今は抗うこと無くわずかでも眠ったほうがその後の時間で頭の中がスッキリしていいと気づいてからは寝ることにしている。
その日も唯一の同級生が任務に向かった故に一人で自習することになり、プリントが終わって手持ち部沙汰になった途端に来た眠気に抗わずに瞼を閉じた。
瞼を開いて、電気を消した薄暗い天井が見えてきた時にこれは夢だと分かった。
珠鬼緤萩(たまきせっしゅう)
DOODLE大晦日だ!!年越しそばだ!!というわけで、年越しそばを作るだけのお話です。
今回のレシピは「きiのうi何食iべた?」で出てきた味噌ラーメンです。
これ本当に美味しいですので、レシピを検索してお試しください。
⚠注意⚠
生存if
灰が学生寮の寮父兼食堂のおばちゃんポジ
年越しそばがそばじゃない
宇佐美さんの設定捏造
元気にいちゃついてる← 7841
珠鬼緤萩(たまきせっしゅう)
DOODLE第44回「イルミネーション」渋谷で開催中のイルミネーションを見に行っていちゃついてもらいました←
⚠注意⚠
年齢操作(17×27)
灰が女性
灰が元呪詛師設定 3551
まどろみ
DOODLE七灰。恋シリーズ。捏造、モブ注意。家さん登場回家入から見た恋人の縁は意外な所で繋がっている。灰原がそれを実感したのは三学期が始まってから数日経った頃だった。
「家入硝子って知ってる?」
クラスメイトから飛び出した前世の先輩の名前に、腰に七海の腕が巻き付いているのも忘れて前のめりになり反応する。
「知って…!」
る。と答えようとして思いとどまった。確かに自分は知っている。だがそれは前世の彼女の話だ。今世での彼女のことは知らない。果たしてそれは知っていると言えるのだろうか?
「知ってる…?のかな?」
「俺が聞いてんだけど」
灰原の戸惑いは上手く相手に伝わらず、会話は七海へと移る。
「七海はどう?」
「知らないです」
「そっかー」
「急に家入さんの話して、どうしたの?」
詳細を聞くと彼は素直に答えてくれた。
2076「家入硝子って知ってる?」
クラスメイトから飛び出した前世の先輩の名前に、腰に七海の腕が巻き付いているのも忘れて前のめりになり反応する。
「知って…!」
る。と答えようとして思いとどまった。確かに自分は知っている。だがそれは前世の彼女の話だ。今世での彼女のことは知らない。果たしてそれは知っていると言えるのだろうか?
「知ってる…?のかな?」
「俺が聞いてんだけど」
灰原の戸惑いは上手く相手に伝わらず、会話は七海へと移る。
「七海はどう?」
「知らないです」
「そっかー」
「急に家入さんの話して、どうしたの?」
詳細を聞くと彼は素直に答えてくれた。
まどろみ
MOURNING七灰。恋シリーズ。捏造、モブ注意。Bボタンは誰も押さなかった白無垢の恋「将を射んと欲すればまず馬を射よ!というわけで灰原くん、対戦よろしくお願いします!」
とある秋日和の朝、登校してきた灰原を見知らぬ女子が教室で待ち構えていた。リボンの色から察するに三年生。入学してから約半年、決闘を申し込まれる謂れはなかった。
「あの…決闘じゃないので話だけでも聞いてもらえたら…」
後ろから小声で話しかけてきたのはクラスメイトの女子生徒。三年生との関係性を聞くと同好会の先輩後輩だと答えた。
「同好会?」
「そう!我らが被服同好会!今度の文化祭でファッションショーをするんだけど、それに七海くんに出てほしいと思って君のところに来た!」
「…だったら僕じゃなくて七海の所に行けばいいのでは?」
「彼にはあっさり断られたよ!」
1967とある秋日和の朝、登校してきた灰原を見知らぬ女子が教室で待ち構えていた。リボンの色から察するに三年生。入学してから約半年、決闘を申し込まれる謂れはなかった。
「あの…決闘じゃないので話だけでも聞いてもらえたら…」
後ろから小声で話しかけてきたのはクラスメイトの女子生徒。三年生との関係性を聞くと同好会の先輩後輩だと答えた。
「同好会?」
「そう!我らが被服同好会!今度の文化祭でファッションショーをするんだけど、それに七海くんに出てほしいと思って君のところに来た!」
「…だったら僕じゃなくて七海の所に行けばいいのでは?」
「彼にはあっさり断られたよ!」
珠鬼緤萩(たまきせっしゅう)
DOODLE第42回「ただいま」相当遅刻しました!!
高専軸
灰がお料理男子
第42回「ただいま」実家でもあまり挨拶らしいことはしていなかった気がする。
いきなり息子が良く分からないものが見えるようになったと言えば、家族も腫れ物扱いするようになった。
元々家庭内であつさつらしいものは”いただきます”と”ごちそうさま”だけだったから、そんなに気にしなかった。
それは高専に入っても同じで、入学したものは全員が必ず一緒に食事を摂ることが珍しいほどに任務が舞い込む。
最初こそ同期である灰原と食事を共にすることが多かったが、夏手前には互いの階級が準2級となり、今までになかった単独任務が増えて、共に食事を摂ることが少なくなった。
今日も私に任された任務が遠方での任務だったため、帰寮が遅くなった。
携帯に表示されている時刻はもうすぐ日を跨ぎそうな時間。
3129いきなり息子が良く分からないものが見えるようになったと言えば、家族も腫れ物扱いするようになった。
元々家庭内であつさつらしいものは”いただきます”と”ごちそうさま”だけだったから、そんなに気にしなかった。
それは高専に入っても同じで、入学したものは全員が必ず一緒に食事を摂ることが珍しいほどに任務が舞い込む。
最初こそ同期である灰原と食事を共にすることが多かったが、夏手前には互いの階級が準2級となり、今までになかった単独任務が増えて、共に食事を摂ることが少なくなった。
今日も私に任された任務が遠方での任務だったため、帰寮が遅くなった。
携帯に表示されている時刻はもうすぐ日を跨ぎそうな時間。
まどろみ
TRAINING七灰。なんでも許せる方向けの続き。比較的許してもらえそうあと一息だよ七海!なんてことはないはずの二級任務。そこで灰原は瀕死の重症を負い、リハビリを経ての退院まで反転術式を多用しても数ヶ月を要した。その間、七海は任務の合間を縫って見舞いやリハビリに付き合い献身的に支えてくれた。でも。
(口説いてはこなかったんだよな)
退院した日の夜にそんなことを考えながら床につく。入院前まで二人で寝ていたベッドは一人分の体温だと少し肌寒かった。
(もう添い寝をすることもないんだ)
顔と腹には大きな傷跡が残り、お世辞にも綺麗とは言えない身体。例の任務を思い出させるそれを積極的に見たいとは思わないだろう。
(これでいいんだ)
七海が自分に興味がなくなったならそれでいい。元々ゲイだった自分とは違う彼には真っ当な幸せを手に入れて欲しい。そのために必要な相手は、決して自分ではない。
1264(口説いてはこなかったんだよな)
退院した日の夜にそんなことを考えながら床につく。入院前まで二人で寝ていたベッドは一人分の体温だと少し肌寒かった。
(もう添い寝をすることもないんだ)
顔と腹には大きな傷跡が残り、お世辞にも綺麗とは言えない身体。例の任務を思い出させるそれを積極的に見たいとは思わないだろう。
(これでいいんだ)
七海が自分に興味がなくなったならそれでいい。元々ゲイだった自分とは違う彼には真っ当な幸せを手に入れて欲しい。そのために必要な相手は、決して自分ではない。
まどろみ
TRAINING七灰。恋シリーズ。今更ハロウィンハロウィンの恋平日の朝は雄と一緒に登校するためにお互いの家の中間地点にある公園で待ち合わせをしている。いつも私の方が少し早めに着くのだが、今日は珍しい先客がいた。
「おはようございます」
「おはよう!ナナミン!」
「おはようございます七海サン!」
虎杖くんと猪野くんである。小学生が登校するには早い時間なのに何故、という疑問はその後の言葉ですぐに解消した。
「「トリックオアトリート!」」
「…ああ、今日はハロウィンでしたね」
十月三十一日。今まで特に縁のなかったイベントの名前を思い出す。
「すみません、お菓子を持っていないのですが…」
「だと思った!これあげる!」
「学校でせびられたら配ってください!」
「…ありがとうございます」
自分より幼い子供にお菓子を恵んでもらってなんだか申し訳ないが、確かに(雄の)クラスメイトからせびられる可能性を否定できないため大人しく受け取っておく。
2010「おはようございます」
「おはよう!ナナミン!」
「おはようございます七海サン!」
虎杖くんと猪野くんである。小学生が登校するには早い時間なのに何故、という疑問はその後の言葉ですぐに解消した。
「「トリックオアトリート!」」
「…ああ、今日はハロウィンでしたね」
十月三十一日。今まで特に縁のなかったイベントの名前を思い出す。
「すみません、お菓子を持っていないのですが…」
「だと思った!これあげる!」
「学校でせびられたら配ってください!」
「…ありがとうございます」
自分より幼い子供にお菓子を恵んでもらってなんだか申し訳ないが、確かに(雄の)クラスメイトからせびられる可能性を否定できないため大人しく受け取っておく。
まどろみ
MOURNING七灰。夏視点。仲良しの拡大解釈をしていますのでご注意ください仲良し(意味深)でした!「夏油さん、僕と『仲良し』してくれませんか?」
連休明けの月曜日、灰原が爆弾発言を落とした。
「灰原?」
「ダメですか…?」
上目遣いでこちらを伺う様子は庇護欲を掻き立てられるが今はいけない。七海が人を殺しそうな目でこちらを凝視している。
「…なぜそんなことを言いだしたのか聞いてもいいかい?」
「妹が…」
なるほど。確か灰原は先の連休で実家に帰省していた。その時に何かあったのだろう。
「妹と話してる時にみんなで撮った写真を見せたんです。そしたら『この髪の長い人に『一緒に仲良ししよう』って言ってきて』ってお願いされて」
「断るか、言ったふりをすればよかったのに」
「ちゃんと言わないなら自分も高専に入学するって…」
「ああ…」
951連休明けの月曜日、灰原が爆弾発言を落とした。
「灰原?」
「ダメですか…?」
上目遣いでこちらを伺う様子は庇護欲を掻き立てられるが今はいけない。七海が人を殺しそうな目でこちらを凝視している。
「…なぜそんなことを言いだしたのか聞いてもいいかい?」
「妹が…」
なるほど。確か灰原は先の連休で実家に帰省していた。その時に何かあったのだろう。
「妹と話してる時にみんなで撮った写真を見せたんです。そしたら『この髪の長い人に『一緒に仲良ししよう』って言ってきて』ってお願いされて」
「断るか、言ったふりをすればよかったのに」
「ちゃんと言わないなら自分も高専に入学するって…」
「ああ…」
まどろみ
TRAINING七灰前提の灰+五。恋シリーズの続き。恋の相談運命の恋一緒に帰ろうと言う七海の誘いを断り電車へ飛び乗る。隣町で降り駅前のファミレスに入ると窓際の席に目的の人物がいた。
「五条さん、お待たせしました」
「遅えーよ、パフェ食い終わったじゃねえか」
前世の先輩は昔と変わらぬ容姿だが隣街の高校の制服を着ている。手元のグラスは言葉通り空になっていた。
「もう一個食べます?」
「当然」
メニューを開く前に呼び出しボタンを押す。店員が来ると同時に五条さんは一番大きなパフェを、僕はドリンクバーを注文した。
***
「で、今日はどんな話?」
「聞いてくださいよ!」
ついさっき取ってきたばかりのコーラを机に置く。手に力が入っていたのか硬い音が響いた。
「また前世の縁だと言う人が七海に告白してきたんです!今月に入ってこれで五人目ですよ!」
2004「五条さん、お待たせしました」
「遅えーよ、パフェ食い終わったじゃねえか」
前世の先輩は昔と変わらぬ容姿だが隣街の高校の制服を着ている。手元のグラスは言葉通り空になっていた。
「もう一個食べます?」
「当然」
メニューを開く前に呼び出しボタンを押す。店員が来ると同時に五条さんは一番大きなパフェを、僕はドリンクバーを注文した。
***
「で、今日はどんな話?」
「聞いてくださいよ!」
ついさっき取ってきたばかりのコーラを机に置く。手に力が入っていたのか硬い音が響いた。
「また前世の縁だと言う人が七海に告白してきたんです!今月に入ってこれで五人目ですよ!」
珠鬼緤萩(たまきせっしゅう)
DONE高専軸。つい数時間前に上げたお料理男子灰原の設定でお読みください。
イラストでガチ図りした体格差の差でぶかぶかになる服を着る灰原が見たくて服の忘れもの。
同じ学生寮に居るし、これぐらいの忘れものはありそうかなという浅はかな考えです。 2127
まどろみ
MOURNING七灰。灰が攻略できない七乙女ゲーヒロイン七海(七灰)「ご都合呪霊にやられて恋愛ゲームみたいに相手からの好感度が見えるようになった、と」
「説明ありがとうございます、家入さん」
呪霊からの攻撃を受け七海は任務の後に医務室に直行し家入に相談した。だが残念なことに彼女では治療不可の術式だった。
「誰かを攻略したら解呪できるみたいだから、まあ頑張れ」
***
『誰かを攻略したら』と言われたものの。
「好感度が見えるのが全員男なんだが…」
家入に好感度は見えず、あるのは「相談する」「回復を頼む」というコマンドだけ。恋愛ゲームに詳しくないので調べてみた所、彼女は攻略対象ではなくサポートキャラに該当するようだ。
「好感度が見えるのは三人…」
言わずもがな五条、夏油、灰原の三人である。ちなみに好感度の高い順に並べると灰原、五条、夏油となる。
1221「説明ありがとうございます、家入さん」
呪霊からの攻撃を受け七海は任務の後に医務室に直行し家入に相談した。だが残念なことに彼女では治療不可の術式だった。
「誰かを攻略したら解呪できるみたいだから、まあ頑張れ」
***
『誰かを攻略したら』と言われたものの。
「好感度が見えるのが全員男なんだが…」
家入に好感度は見えず、あるのは「相談する」「回復を頼む」というコマンドだけ。恋愛ゲームに詳しくないので調べてみた所、彼女は攻略対象ではなくサポートキャラに該当するようだ。
「好感度が見えるのは三人…」
言わずもがな五条、夏油、灰原の三人である。ちなみに好感度の高い順に並べると灰原、五条、夏油となる。
まどろみ
TRAINING七灰。運命の相手が見える灰(予知夢ver)追加された運命は灰にはわからない灰原は恋をすると、好きな人の運命の相手を夢に見る。そんな自分の特性を思い出したのは、七海への恋心を自覚した次の日の朝だった。
「七海、運命の相手多いな…」
寝起きの良い灰原は冴えた頭で夢に出た人物たちを思い出す。パーカーを着た学生に、ニット帽が特徴的なお兄さん、パン屋のお姉さんに、五条さんや伊地知くんまでいたのは驚いた。
運命は一つじゃない。どれを選ぶかは七海の自由。だけど…。
「七海の運命に、僕はいないんだ…」
芽が出たと同時に枯れた恋は、大雨が降っても流れそうになかった。
***
「夏油さん!お疲れ様です!」
「おつかれ…って灰原!?どうした!?」
水分補給と気分転換を兼ねて部屋の外に出たのが失敗だった。自動販売機の横のスペースに佇む夏油さんと遭遇してしまう。
2293「七海、運命の相手多いな…」
寝起きの良い灰原は冴えた頭で夢に出た人物たちを思い出す。パーカーを着た学生に、ニット帽が特徴的なお兄さん、パン屋のお姉さんに、五条さんや伊地知くんまでいたのは驚いた。
運命は一つじゃない。どれを選ぶかは七海の自由。だけど…。
「七海の運命に、僕はいないんだ…」
芽が出たと同時に枯れた恋は、大雨が降っても流れそうになかった。
***
「夏油さん!お疲れ様です!」
「おつかれ…って灰原!?どうした!?」
水分補給と気分転換を兼ねて部屋の外に出たのが失敗だった。自動販売機の横のスペースに佇む夏油さんと遭遇してしまう。
まどろみ
MOURNING七灰。一年三人と一緒この後七灰は家入さんに揶揄われた「え!?ナナミンって結婚してるの?」
先日の一級術師と二人での合同任務について同級生に話す虎杖に伏黒が「灰原さんの旦那か」と言ったのが話の始まりだった。
「結婚というか…同棲?高専出てすぐ一緒に住みはじめたらしい」
「ってことは学生時代からの恋人?すげー!」
「でもなんで結婚しないのかしらね?」
話を聞くに適齢期だろうに、とツッコミをする釘崎に男同士だしな、と言いあぐねていると虎杖が先に反応した。
「確かに、ナナミンそのへん真面目そう」
「そんなに違うか?」
一緒にいることには変わらないだろうと言うと釘崎が激怒した。
「大違いよ!これだから男は!」
机を叩きながら結婚の責任の重さを力説する姿に男子二人は慄いた。
「で、その灰原さん?ってどんな人?」
1728先日の一級術師と二人での合同任務について同級生に話す虎杖に伏黒が「灰原さんの旦那か」と言ったのが話の始まりだった。
「結婚というか…同棲?高専出てすぐ一緒に住みはじめたらしい」
「ってことは学生時代からの恋人?すげー!」
「でもなんで結婚しないのかしらね?」
話を聞くに適齢期だろうに、とツッコミをする釘崎に男同士だしな、と言いあぐねていると虎杖が先に反応した。
「確かに、ナナミンそのへん真面目そう」
「そんなに違うか?」
一緒にいることには変わらないだろうと言うと釘崎が激怒した。
「大違いよ!これだから男は!」
机を叩きながら結婚の責任の重さを力説する姿に男子二人は慄いた。
「で、その灰原さん?ってどんな人?」
まどろみ
TRAINING七灰。恋シリーズの続き。学i生ってクラスが同じでないと楽しさ激減なイベントも多いよね修学旅行の恋冬が目前に迫ってきた頃。
「こんにちは、あなたが灰原くんですか?」
今日も今日とて昼休み。七海の膝の上に座り昼食を取る灰原にその人は声をかけてきた。
「誰?」
「班長?」
「班長!?」
灰原の疑問に答えたのは意外にも七海だった。班長と呼ばれた少年は「覚えてくれてたんだ…」と驚いた顔をした。
「修学旅行で私と同じ班の班長だ」
「三組からわざわざ来てくれたんだ!はじめまして。灰原雄です」
「はじめまして。今日は灰原くんにご提案があってきました」
「僕に?」
一体なんだろうと首を傾げると、班長は頭を下げた。
「修学旅行の自由時間、灰原くんの班と俺たちの班で一緒に回りませんか?」
***
事の始まりは数日前、修学旅行の計画を立てていた時だった。行先の話し合いをしていた所、七海が外を眺め上の空なことに同級生たちは気が付いた。
2134「こんにちは、あなたが灰原くんですか?」
今日も今日とて昼休み。七海の膝の上に座り昼食を取る灰原にその人は声をかけてきた。
「誰?」
「班長?」
「班長!?」
灰原の疑問に答えたのは意外にも七海だった。班長と呼ばれた少年は「覚えてくれてたんだ…」と驚いた顔をした。
「修学旅行で私と同じ班の班長だ」
「三組からわざわざ来てくれたんだ!はじめまして。灰原雄です」
「はじめまして。今日は灰原くんにご提案があってきました」
「僕に?」
一体なんだろうと首を傾げると、班長は頭を下げた。
「修学旅行の自由時間、灰原くんの班と俺たちの班で一緒に回りませんか?」
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事の始まりは数日前、修学旅行の計画を立てていた時だった。行先の話し合いをしていた所、七海が外を眺め上の空なことに同級生たちは気が付いた。
まどろみ
TRAINING七灰。大i正パロ。なんで鬼なのか。ふぼとそふぼも七灰がイメージ鬼の高官「旦那様はどうして『鬼の高官』なんて呼ばれてるの?」
とある日、灰原は当初から気になってことを七海に尋ねてみた。
「推測ですが…私は業務上返り血を浴びることもあるので、その時の姿を見た方々に呼ばれるのかと」
「へえ…」
内乱があった頃に比べればこの国も平和になったが、反政府主義者が暗躍しており血生臭い場所もあると聞く。そんな前線に駆り出されているとは知らなかったし、何より…。
「…旦那様も同じ人間なのに」
「灰原が分かってくれればそれで充分です」
そう言われても納得がいかない灰原であった。
***
「あ」
次の日。散策していた所に役人の集団が目に入る。中心に返り血を浴びた七海を見つけた。表情は硬く、近寄りがたい雰囲気だ。
2989とある日、灰原は当初から気になってことを七海に尋ねてみた。
「推測ですが…私は業務上返り血を浴びることもあるので、その時の姿を見た方々に呼ばれるのかと」
「へえ…」
内乱があった頃に比べればこの国も平和になったが、反政府主義者が暗躍しており血生臭い場所もあると聞く。そんな前線に駆り出されているとは知らなかったし、何より…。
「…旦那様も同じ人間なのに」
「灰原が分かってくれればそれで充分です」
そう言われても納得がいかない灰原であった。
***
「あ」
次の日。散策していた所に役人の集団が目に入る。中心に返り血を浴びた七海を見つけた。表情は硬く、近寄りがたい雰囲気だ。
まどろみ
TRAINING七灰。大i正パロ。七家に花嫁修行に来る虎の話灰は妹の影響で少し少女趣味がある「この家でもう一人養って欲しいんだけど」
一家団欒の朝食の席に乱入してきた五条は灰原が握ったおにぎりを頬張りながら爆弾を落とした。
この家にいるのは主人の七海と嫁の灰原、侍従の伊地知の三人。ここにもう一人入れろと言うのは、つまり…。
「私は五条さん同様、妾を取るつもりはないのですが」
「俺もそこまで鬼じゃねーよ、というか主に世話になりたいのは灰原のほうだしな」
「僕ですか?」
突然話を振られた灰原は慌てて箸を置く。七海は盛大にため息をついた。
「嫁の手が必要なら夏油さんでいいでしょうに」
「いやー、傑じゃできそうにないんだよな、これが」
「はあ?」
わけがわからないと眉を顰める七海。一方で灰原は五条の話から大体のあたりをつけた。
2494一家団欒の朝食の席に乱入してきた五条は灰原が握ったおにぎりを頬張りながら爆弾を落とした。
この家にいるのは主人の七海と嫁の灰原、侍従の伊地知の三人。ここにもう一人入れろと言うのは、つまり…。
「私は五条さん同様、妾を取るつもりはないのですが」
「俺もそこまで鬼じゃねーよ、というか主に世話になりたいのは灰原のほうだしな」
「僕ですか?」
突然話を振られた灰原は慌てて箸を置く。七海は盛大にため息をついた。
「嫁の手が必要なら夏油さんでいいでしょうに」
「いやー、傑じゃできそうにないんだよな、これが」
「はあ?」
わけがわからないと眉を顰める七海。一方で灰原は五条の話から大体のあたりをつけた。
まどろみ
MOURNING前回のバッドエンドの救済。蛇足全てのはじまりを覆す「!?」
気がつくと桜並木を眼前に立ち尽くしていた。
「ここは…?」
そうだ。ここは高専へ続く道。何故歩くのをやめたのか記憶にない。
「あの!」
後ろから声をかけられる。振り返ろうとした瞬間、頭に強い痛みを感じ意識を手放した。
***
「…?」
瞬きをすると、こちらを見つめる少年と目があった。
「あ、目が覚めた?」
「ここは…?」
「高専の医務室だよ。きみは五条さんに殴られて倒れたんだ」
「五条さん?殴られた?」
「だーかーらー、絶対謝んねーからな」
「悟!」
カーテンの外が騒々しい。声の方向を睨みつけると彼らは一つ上の先輩だと少年が教えてくれた。
「ということは君は同級生か?」
「そうだよ。僕は灰原雄、よろしくね」
にっこりと笑う彼に荒んだ気持ちが癒やされたように感じた。
710気がつくと桜並木を眼前に立ち尽くしていた。
「ここは…?」
そうだ。ここは高専へ続く道。何故歩くのをやめたのか記憶にない。
「あの!」
後ろから声をかけられる。振り返ろうとした瞬間、頭に強い痛みを感じ意識を手放した。
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「…?」
瞬きをすると、こちらを見つめる少年と目があった。
「あ、目が覚めた?」
「ここは…?」
「高専の医務室だよ。きみは五条さんに殴られて倒れたんだ」
「五条さん?殴られた?」
「だーかーらー、絶対謝んねーからな」
「悟!」
カーテンの外が騒々しい。声の方向を睨みつけると彼らは一つ上の先輩だと少年が教えてくれた。
「ということは君は同級生か?」
「そうだよ。僕は灰原雄、よろしくね」
にっこりと笑う彼に荒んだ気持ちが癒やされたように感じた。
まどろみ
MOURNING七灰。前回と前々回バッドエンドの続き言葉が足りないし、頭が固いあの日から灰原に避けられている。そうでなくても彼と何を話せばいいかわからない。手詰まりになった七海は、夏油に助力を願った。
***
「一目惚れ以外の恋の始まりもあるんだよ」
七海から相談を受けた夏油は灰原と話をした結果、二人の価値観の違いに切り込むことにした。
「恋愛は必ずしもロマンチックな物ではないからね。一緒にいて少しずつ育っていく愛もあるんじゃないかな」
夏油の言葉に灰原は不満気に口を開く。
「僕は、はじめて会った時から七海のことが好きだったのに」
「先に惚れた方が負けだよ、灰原」
好きになるまでのタイムラグ。多分だが灰原は直感で互いの相性を理解していて、七海は気がつくのが遅かった。
「ほぼ同時に会った五条さんには惚れてたくせに」
1556***
「一目惚れ以外の恋の始まりもあるんだよ」
七海から相談を受けた夏油は灰原と話をした結果、二人の価値観の違いに切り込むことにした。
「恋愛は必ずしもロマンチックな物ではないからね。一緒にいて少しずつ育っていく愛もあるんじゃないかな」
夏油の言葉に灰原は不満気に口を開く。
「僕は、はじめて会った時から七海のことが好きだったのに」
「先に惚れた方が負けだよ、灰原」
好きになるまでのタイムラグ。多分だが灰原は直感で互いの相性を理解していて、七海は気がつくのが遅かった。
「ほぼ同時に会った五条さんには惚れてたくせに」
まどろみ
TRAINING七灰。大i正パロの続き。相互理解3.5話「出かける時の付き人はいらない?」
「うん」
反物屋からの帰り道、灰原は七海に提案をした。
「僕、動き回ることが多いし奉公もしてたから、一人で動くのに問題ないし。…というか、落ち着かないからいない方が助かるんだけど…」
「だが…」
「どこに行くかは事前に伝えるし、危険な所なら誰かに頼むから、ねえ、お願い!」
必死に懇願する灰原の様子に、比較的早く七海は折れた。
「…わかりました。あとこの際だから聞きますが、女中や下働きはいりますか?私はあまり常駐で身内以外の人間がいる状況は好きではないので一応、掃除婦を隔週で頼んではいます」
「家事は大体できるし、掃除の人が定期的に来てくれるなら女中さんはいらないかな。ご飯も自分で作りたいし」
984「うん」
反物屋からの帰り道、灰原は七海に提案をした。
「僕、動き回ることが多いし奉公もしてたから、一人で動くのに問題ないし。…というか、落ち着かないからいない方が助かるんだけど…」
「だが…」
「どこに行くかは事前に伝えるし、危険な所なら誰かに頼むから、ねえ、お願い!」
必死に懇願する灰原の様子に、比較的早く七海は折れた。
「…わかりました。あとこの際だから聞きますが、女中や下働きはいりますか?私はあまり常駐で身内以外の人間がいる状況は好きではないので一応、掃除婦を隔週で頼んではいます」
「家事は大体できるし、掃除の人が定期的に来てくれるなら女中さんはいらないかな。ご飯も自分で作りたいし」