ひとりのあさ 音量を増していくアラーム音が煩わしくて、彼は目を覚ました。
慣れた手つきで操作した携帯端末が大人しくなり、しかしまだ布団の中から出たくないと再び目を瞑る。そこで、直ぐに様子がおかしいことに気づいた。
アオガミが、眠り続けようとする彼を起こそうとしてこないのだ。
隣に身を横たえている筈の半身へと手を伸ばす。腕を伸ばした先には誰もおらず、淡く青く輝く指先がシーツの上を撫でる。
その瞬間、少年の――否、ナホビノの意識が覚醒した。
勢いよくベッドから上半身を起こし、慌てて己の体を見下ろす。指先の輝きも、身に纏っている青色の装甲も間違いなくナホビノたる証である。
昨夜、少年はいつも通りに眠りに就いた。警護の為と、ベッドの横に腰を下ろしてスリープモードに入ろうとしていたアオガミを引き留め、説得してベッドに身を横たえて貰った隣で。
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