「はいこれお返し」
寮へと帰る高専の廊下。今さっき帰って来たと言う五条先生にバッタリ会って手渡されたのは、高級感漂うお洒落な紙袋だった。
「もしかしてホワイトデーの?」
「そ。先月悠仁からとびっきりのチョコ貰っちゃったからね」
「へへ、有難う先生。中身何だろ」
「フッフッフ。開けてからのお楽しみ。あ、明日悠仁休みでしょ? 僕も丁度休みだから、今夜どう?」
「いいね! じゃあ今から夕飯の材料買って……」
「ごめん悠仁。でも僕今からまた出かけなきゃなんだ。なるべく早く終わらせてくるけど、ご飯は先に食べてて? 終わったら速攻行くから!」
「オッケー。でも忙しいのに大丈夫?」
「無問題! それに悠仁と映画見るのは僕の癒しなんだから、悠仁であってもそれを阻止しようなんて許さないよ?」
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