あいつが暁人と暮らし初めて1ヶ月が経った頃、ようやく暁人の事について分かったとアジトにやって来た。
「何か分かったのか?」
「あー」
「お兄ちゃん?」
当の本人は完全に上の空になっており、麻里が目の前で手を振っているのにも関わらず、それを見ていない。
「おい、暁人大丈夫か?」
「え?あ、あぁ」
俺が話しかけると、意識をそちらに向ける。
「で、どうだ?」
「分かったことだが、一つは彼の記憶喪失はただの記憶喪失ではなく、魂の欠落によって起きた記憶喪失だと言うことだ」
「魂の、欠落?」
「はぁ?」
「あぁ、つまり彼の魂が一部欠落しているってことだ」
「なるほど。で?それと暁人の今の状況は?」
「その事だが、少しある人物にも協力を得たのだが・・・」
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