「本日はお忙しい中有難う御座いました。特級呪術師様に来て頂けるなんて……」
インタビューもあらかた終わり、記者が締めに入ろうとしている。
「ほんとだよ~? 僕はとっても忙しいんだからね。でもまぁたまには皆にサービスしないとねぇ」
五条は深く腰掛けたまま身振り手振り雄弁に語ると、隣に座っている虎杖がヒョイと身体を乗り出す。
「サービスって?」
「雑誌で僕を見れるんだからサービスでしょ?」
「ふむふむなるほど?」
「はい悠仁、そこで首傾げない!」
一室に笑いが連鎖する。
今日のインタビューを完遂出来たのはこの虎杖のおかげと言っても過言ではない。
以前単独で五条に取材をした時はあからさまな早くしろオーラとつっけんどんな物言いに、インタビュアーは胃に穴をあけて帰ってきたと言われている。そのまた昔五条が高専生だった頃取材をした時は、皆ヤンチャと言うかやりたい放題というか。普段は残るケータリングはおかわりを要求されたあげく、どこぞの何の方が美味いからそれを持ってこいだのと、一回の取材に莫大な費用がかかったという逸話もある。
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