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    #悟チチ

    eastdragon_DB

    TRAINING57ワンドロライ 第50試合『虎〜Tiger〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
     ※今回突発パラレル、超3×チチさんです。唐突にはじまり唐突におわります。
     
     
     
     
     それはここではないどこかの、日常。
     
     
     幸せだべなぁ、とチチは手を動かし続けながら思い、その思いは言の葉にもなって珊瑚色の唇から零れていった。

     言葉こそ小さいつぶやきだったが、さすがは獣というべきか、「彼」の丸みを少し帯びた大きな耳は拾ったらしく、グルグルと喉を鳴らしていた巨躯の虎はうっとりと閉じていた眼を開き、己の頭を預けていたチチの膝から彼女自身をその金色の眼に映す。
     虎は獰猛と言われる大型肉食獣であるが、撫でるチチの手を求めて自分から彼女の手のひらに額を擦り寄せてくる様子は猫そのものだ。

     とはいえ、甘噛みの力を少しでも誤れば女の腕に牙はたやすく刺さるし、爪が肌をひっかけただけで些細ではない傷を負うことになる。しかしながら、長くこの邸で番犬ならぬ番虎をしているこの個体は人間との付き合い方を心得ており、敵ではないものに対しては基本無関心だ。逆に心許せるものに対してはこのように甘え、もし危機的状況に陥った場合は頼もしい味方となる。
    1945

    eastdragon_DB

    TRAINING第19試合『人形〜Doll〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
     ビーデルの義母曰く、夫は自分を家族としての買いだしなどには付き合ってくれるが、時々ふたりで都会に買い物にでかけようというと渋るので女としての意識はもうあまりないのかもしれない、とお茶を一緒にした際に苦笑交じりでこぼしたことがあった。

     確かにビーデルの夫の父親、孫悟空の思考や行動については多少、夫の母親であるチチに同情的になることもある。
     しかしながら、ビーデルは義父である悟空を責める気持ちは皆無だ。
     
     彼なりの、彼の妻への愛情を感じることを時折目の当たりにするからだ。
     それは日常に紛れており、また、彼の妻であるチチ本人がいないところで見られることが多い。

     例えば、昨日。
     悟空の孫娘パンが、ビーデルの実父であるサタンに買ってもらったという人形を見せた時に零した言葉がある。

     精巧な着せ替え人形で、幼い女児が好むかわいらしいドレスがいつくもあるそれを眺め、本物みてぇだなぁと感心していた彼が言ったのだ。

    「この服なんかチチに似合うだろうなぁ。こっちのやつとか、あんまチチは着ねぇ色だけど案外合うんじゃねぇかな」

     きょとんとしてるパンの前で眉間に皺を寄せて考え込む義父 753

    eastdragon_DB

    TRAINING第18試合『手紙〜Letter〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
     掃除、洗濯、夕食の下ごしらえ、他のこまごました家事が終わると、チチのちょっとした自由時間となる。
     自由時間といっても大概は針仕事や近隣(と、言っても孫家からかなりの距離はあるのだが)への用事事や畑の様子などを見にいくことも多いが、まれに本当にぽっかりとそれらもない自由時間がある。

     そうなるとチチはお茶を淹れて雑誌を読んだりテレビを見たり、時々午睡をしたりとして過ごすが、気が向くとリビングのとある収納の引き出しを引く。

    「ああ、そろそろこの便箋もなくなってきてるだなぁ」

     言いながら取り出したのは、淡い緑色で揃えられているレターセットだ。共に万年筆も出して、ダイニングテーブルに座る。
     
    「さて、と」

     便箋をめくり、チチは慣れた様子で万年筆にインクを補充すると、その切っ先を紙面へと滑らせ始めた。
     出だしはいつも決まっていて、「悟空さへ」 である。

     
     書くことは基本とりとめもなく。
     自分がその日思っていること、伝えたいことをつらつらを書いていく。満足するまで書いたあとは便箋を折り封筒に入れて封をして、便箋をしまっている同じ引き出しに手紙をしまう。
     この手紙は決し 1450

    eastdragon_DB

    TRAINING第17試合『オオカミ〜Wolf〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    「悟空さはオオカミみたいだ」
    「オラ、狼牙風風拳は使わねぇぞ」
    「なんでヤムチャさが出てくるだ。おめぇさのことだべ」

     時刻は深夜。夫婦の寝室。
     このふたつの言葉で状況はなんとなく察していただきたい。

     分かち合った身体の熱もほどよくおさまった後、チチは汗を流したいと今夜二度目の風呂に入った。
     汗を流すのが目的だったのでそんなに時間もかからず出てきたチチは寝着を纏いドレッサーの前で髪を好きながら、冒頭のセリフを口にしたというわけだ。

    「鼻が利くからか?」
    「ああ、確かにそれもあるだな。でも違うだ」

     髪を梳る手を止めずチチは鏡越しに笑っている。笑ってはいるが、その中に多少の別の感情も悟空には見える気がする。怒っているというほどではないが、呆れているともまた違うような。
     彼女から香る匂いも素朴な石鹸の香りで、強く感情が高ぶっている気配はない。

    「オオカミの愛情表現って知ってるだか?」
    「あいじょうひょうげん?」
    「んだ。今日、悟天が宿題の調べものかなんかで動物図鑑出しててな。だしっぱだったもんだからおらが片付けたんだけんど、何気にぺらぺらめくっててオオカミのページ読んだん 1351